黒き英雄と竜殺し   作:souやがみん

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皆さま!おひさしぶりでございます。

更新遅れてすいませんでした。仕事が忙しかったもので・・・。という言い訳をしつつセリスティアの回は次回で終わりかな。


24話

リーズシャルテやクルルシファー、フィルフィーにアイリ、帰って来たノクト、ティルファーはとある部屋の前に陣取っていた。

 

「敵の男の機竜使い達の様子はどうだ?」

 

「Yes,どうやら攻めあぐめているようです。ルクスさんかウィルフリッドさんが来るまではこのまま戦況を維持するのが得策だと考えます。」

 

ノクトの言葉に全員が頷く。後ろの部屋には混乱していたり怪我をしている生徒がいる。

 

「撤退という選択肢がないなら当然の答えね。」

 

クルルシファーが前を見つめながら呟く。リーズシャルテが指揮を執りここまで逃げてきた。ルクスに援軍を呼ぶよう頼まれていた二人もこの状況を見逃せなかった。

 

「大丈夫だ。すぐにウィルフリッドさんが来てくれるさ。」

 

シャリスが確信をもって呟いていた。

 

「来ます。」

 

ノクトの短い言葉で全員が身構える。そして遠くに4機の機竜を見つける。戦闘体勢に入る。しかし4機の機竜は此方に到着する前に撃墜されていた。

撃墜したのはセリスティア・ラルグリスだった。セリスティアは倒した男を見下すように見てからリーズシャルテ達に気づき近寄ってきた。

 

「みなさん、大丈夫ですか?」

 

「あぁ、こっちは大丈夫だ。問題はお前の侍女みたいな女のサニアが敵方のスパイでルクスと戦っていることだな。」

 

えっ?と呆けた顔をするセリスティア。しかしクルルシファーはそんなセリスティアを見ずにリーズシャルテへとくってかかっていた。

 

「待ちなさい。問題はルクス君ではなくラグナレクと戦っているウィルフリッドさんよ。」

 

うんうんと後ろで頷くシャリスもとても真剣な顔をしていた。

 

「ルーちゃんも心配、だよ?」

 

無表情のままフィルフィーと無駄な女の戦いに足を突っ込んでいた。

はぁ、とため息をつきながらアイリはリーズシャルテ、クルルシファー、フィルフィー、シャリスにジト目を向けつつセリスティアへと向き直る。

 

「それでどうしてセリスティア先輩は此方へ?」

 

「・・・、え、えぇ、ウィルフリッドさんに頼まれたのです。『学院生を守ってこい。』と。」

 

ウィルフリッドさんらしいなぁとティルファーが呟く。そして、ウィルフリッドの現状は芳しくなさそうだ。

 

「ウィルフリッドさんが得意げに言ってなかったのだとすると少々まずいかも知れませんね。」

 

アイリが呟くと隣にいたクルルシファーが深く頷いていた。

 

「確かに・・・、ウィルフリッドさんが余裕を持てない敵。やっぱり何人か援護に言った方が良いんじゃないかしら?」

 

「いえ、多分逆だからセリスティア先輩を此方に移したんじゃないでしょうか?」

 

「あり得ますね、本気を出すために私をあの場から遠ざけたとも考えられます。」

 

全員が黙る。

しかし彼女達に安息は与えてくれないようだ。ノクトが声を出す。

 

「また来ます、数は10!」

 

何人かが歯軋りするがそれをかき消すかのようにリーズシャルテが叫んだ。

 

「怯むな!みんな行くぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

受け流しを使って攻撃をいなしつつ接近する。しかしこのラグナレク、通称ポセイドンはその長く数の多い足を器用に使いウィルフリッドの接近を許さない。

 

「ちっ、リミットはすぐか。」

 

やるしかないか。そう呟いたウィルフリッドは刀を鞘に戻し、神装《創造剣》を使い2本の刀を産み出すと全力で投合する。ポセイドンがそれを受け止めるのを確認する前に腰に下げている刀を引き抜き足を一本切り落とした。

ウィルフリッドはそれで止まらずまたも刀を鞘に戻し《創造剣》で剣を産み出すとまたも全力で投合する。そしてまたも接近し足を切り落とす。

 

「はぁ、こんな戦い方してたら被害が大きくなるからやりたくはなかったんだがなぁ。」

 

そう呟きつつもウィルフリッドは動きを止めない。同じ動作の反復だったがそれでもポセイドンはウィルフリッドの動きについていけない。

そしてあと一本まで下ずり落とした所でポセイドンが大きな声を、いや咆哮を上げた。すると地面がえぐればその中からポセイドンの足が現れた。

 

「んげ!まだ出てくんのかよ。」

 

「ははは!どうだ?ウィルフリッド・スタンジフォール!辛いだろ?そのままお前は死ぬんだよ。」

 

声の方を振り返るとフードを深く被った人間が声を出していた。この状況を考えるとまず間違いなくラグナレクを呼び出したのは奴だ。

 

「まぁ、この先お前が何もんでも良いけどさ。何故俺を知っている?」

 

ウィルフリッドは疑問をフードの人間に投げ掛けるとフードの人間は高らかに笑った。それも上品な笑い方ではなくどちらかというと下品な笑い方だった。

不意のラグナレクからの攻撃を刀の刃の上を滑らすように受け流し逆手に持っている刀でその足を切り裂く。

 

「まぁ、やっぱりこんな手は効かねぇよな。何せウィルフリッドは気が読めるし《ナイトロシステム》なんて夢のようなもんまであるしな。」

 

ウィルフリッドがこいつは危険だと判断する。こいつは《クリカラ》のことを知っている。だとすると俺やルクス、アイリの知り合いか元々敵だった奴の可能性が高い。声を聞いている限りフギルではない。

だとするとあのフードはいったい誰なのか。その疑問がウィルフリッドの中で膨らんでいく。

 

「俺が誰か知りたいか?知りたいならこの化け物を倒しな。そうしないとお前が守りたいあの学院生の大半は死んじまうぜ。」

 

ラグナレク、ポセイドンの弱点はあの本体だということは分かっている。ただ、あの弱点に至るまでの道をあの足が邪魔してくる。奴の攻撃は当たることはないが近づくことが出来ない。

ミスディレクションを使ってもまるで足が一本一本意思を持って襲ってくるようなのであまり作用していない。今も襲い来る足を切り落としているが千日手になっているためかなり不味い。

 

『俺を解放しろよ、ウィルフリッド。そうすりゃあ全て丸く収まるぜ。何ちゃんと敵は見極めてやるよ。あのイカ野郎を殺せば良いんだろ?』

 

《クリカラ》の言葉を一瞬信じたくなってやめる。これは俺の戦いだ。俺があいつらを守るんだ。そう固く決意を下そうとするが徐々に《クリカラ》の機体速度が下がる。

 

『わかってんだろ?ウィルフリッド。こいつは俺なんだ。俺を受け入れなきゃ本来の性能は出せないぜ。』

 

それでも頑なにウィルフリッドは《クリカラ》を受け入れない。受け入れれば全てが終わると思っているからだ。

 

『はぁ、おめぇも強情だな。じゃあ俺の力の半分をお前に使えるようにしてやるよ。それだけあればあのイカ野郎ぐらいなんとかなんだろ。

そうそう、もちろん意識はお前のもんだ。俺としてはいつ変わってくれても良いがな。』

 

《クリカラ》が発光する。灰色の騎士のようなフォルムがなかば崩れ背中の刀が羽へと変化する。機竜の腕やからだのかくパーツが竜に近い形へと変化する。

腰に下げている刀は変わらない。しかしウィルフリッド本人の姿は変わっていた。目は蒼く染まり髪はオレンジ色に染まっている。

 

「ちっ、半分でもこんなに影響が出んのか。」

 

ウィルフリッドが本当に腹立たしげに呟く。しかしその呟きを聞いていたフードは頬にヒリヒリとした痛みを感じた。ウィルフリッドがもとの場所にいない。ウィルフリッドを探すとフードの後ろにたっていた。

 

「おい、そのフードを脱げクソ野郎。」

 

ちっ、と舌打ちしつつポセイドンに命令しウィルフリッドを攻撃する。しかしポセイドンの攻撃はウィルフリッドに到達する前に消えていた。

 

 

「雑魚に構ってる時間はないんだけどなぁ。」

 

そう言いつつウィルフリッドは刀を振る。それだけでポセイドンの足が数本吹き飛ぶ。

 

「絶望ってもんを教えてやるよ化け物。」

 

2本の刀を交互に振る。斬撃の嵐がポセイドンを襲っていた。知能の低いポセイドンはただただ、足を振り回しウィルフリッドを落とそうともがく。

しかしそんな攻撃はウィルフリッドには当たらない。迫り来る足を切り落としつつ斬撃を飛ばして違う足を切り落とす。そうやって一歩一歩あえて歩いて近づいた。

 

「っ!やれ!ポセイドン!そいつを殺せ!」

 

フードの言うことを聞くポセイドンは懲りずに足で攻撃を仕掛ける。しかし何度やっても無駄な足掻きにしかなっていなかった。

悲鳴にも聞こえる咆哮が響くがウィルフリッドはそれを無視しながら前へと進んでいく。そして

 

「死ね、化け物。」

 

ポセイドンの額に刀を突き刺した。暫くの間、ポセイドンは苦しむようにもがいていたが光になって消えた。アビスと同じように消えたポセイドンを無視しウィルフリッドはフードへと近づく。

 

「おっと、それ以上近づくな。」

 

フードの声を聞いて思わず足を止めるウィルフリッド。そしてフードをとった。

中から出てきたのはまるでフギル本人のようだった。しかし圧倒的に奴ではない。まず胸の膨らみがある。クルルシファーやアイリ辺りが聞いたら怒りそうだなと今はどうでもいい考えを頭から追い出す。

髪型や顔のパーツパーツはそっくりたったが目の色が全然違っていた。

 

「お前は誰だ?俺の知り合いっぽいけど。」

 

「あぁ、そうか分からないよな。まぁ会ったことはないからな。どちらかというと俺が一方的に知っているだけだな。」

 

遠回しに話をはぐらかしているように聞こえる彼女の声に今は耳を傾ける。

 

「俺の名前はヘイズだ。そして止まれと言ったのはコレが理由だ。」

 

指を鳴らすと男の機竜使いが二人何かを抱え飛んできた。そしてその抱えていたものを見てウィルフリッドは叫んだ。

男の機竜使いが抱えてきたのは気を失いぐったりとしているアイリだった。

 

「アイリ!」

 

駆け出そうとし足を止める。いくらミスディレクションや単純なスピードがあるとはいえどうあがいても奴等の方がアイリに危害をくわえるほうが早い。

舌打ちしつつ手に持っていた刀を投げ捨てついでに《クリカラ》の力の解放を解除する。

 

「良く分かっているな。さて、これからお前とどうやって遊ぼうか。」

 

得意げに笑うフードの女、ヘイズ。それを見てもウィルフリッドは顔色ひとつ変えずにヘイズを睨んでいる。

 

「お前が何で俺を知っているかは知らんがお前はバカだな。」

 

「なんだと?」

 

少し怒気のこもった声を返してきたヘイズに苦笑しつつ口を開く。

 

「お前のお仲間さんじゃ《黒き英雄》は止まらねぇってこった。」

 

ウィルフリッドがいった瞬間、アイリを拘束していた二人の男がグラッと揺れて倒れた。そして崩れ落ちそうになったアイリを抱き上げる《黒き英雄》がヘイズを睨みながら立っていた。

 

「ウィルフリッド!アイリをちゃんと守れよ!肝心なときに役に立たないなぁ。・・・、そんなに睨まないでよ。」

 

生意気なことを言うルクスにあとで腹パンをすることを心に決めつつヘイズへと得意げに笑う。

ちっ、と舌打ちをしたヘイズは逃走を開始した。しかしウィルフリッドもルクスも追わなかった。

 

「まずはアイリの容態確認と。」

 

「俺の生徒たちの救出、だな。」

 

ウィルフリッドとルクスは各々がなすべきことをするために拳を1度軽く合わすとルクスはアイリを抱いて、ウィルフリッドはクルルシファーや『三和音』、セリスティア、リーズシャルテやフィルフィーたちを助けるべく駆け出したのだった。

 




どうだったでしょうか。
久しぶりに書いたせいかなんか色々とおかしくなってる気がするんだが・・・。


活動報告をあげてますのでよければそちらもどうぞ
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