幕間という事で短め。
こんな感じで何話か続けますわ。
「えーと、なんだって?」
機竜操作の授業が終わり授業と授業の間の休憩時間。ウィルフリッドはグラウンドに近い水道で顔を洗っているときだった。
「あ、ウィルフリッド、さん。」
ピンク色の髪をツインテールにしている少女。フィルフィ・アイングラムだ。学院長、レリィ・アイングラムの妹であり神装機竜《テュポーン》の持ち主だ。
今はちょうどルクスたちのクラスの授業だったため今ここにフィルフィがいることに特に疑問はもたない。しかしとウィルフリッドはフィルフィの言葉を半ば無視しながらその胸を凝視していた。
「相変わらずデカいな。」
「?どうしたの?」
声をかけられ首をブンブン横に振り邪な考えを頭の中から追い払う。
「で、なんか相談か?フィルフィ嬢。こう見えてもお兄さん機竜しかいない戦場で生身で挑んで生還してる男だから大抵のことには答えられるよ。」
「うん、じゃあ、ね。ルーちゃんがね襲ってくれないの。」
そして始めの言葉へと戻ってくる。こめかみを押さえつつもう一度聞く。
「フィ、フィルフィ嬢。もう一度聞いても良いか?」
「うん、ルーちゃんが、襲ってくれないの。」
「ちょっとお兄さんと購買へ行こうか。そこでゆっくり自分の言ってることを振り返ろうか。」
この学院は授業中であっても購買や食堂は空いている。理由としては単位をとれるだけの授業に出席している生徒で余裕がある場合は出ないことが多いのだ。
また、この学院の生徒の大半が貴族だ。緊急の要件や伝言がある際にはここに通されることになっている。
「それでだフィルフィ嬢。ルクスが襲ってくれないと言うのはどういうこどだ?」
むしろ俺は褒めたいけどな。という言葉をぐっと呑み込みながら対面に座っているフィルフィへと質問する。フィルフィは何時も通りの無表情のまま口を開く。
「えっとね、ルーちゃんと同じ部屋っていうのは知ってるよね。・・・・。」
話はこうだ。レリィの計らいによりルクスとフィルフィが同じ部屋になってフィルフィはかなり嬉しかったそうだ。はじめはそれだけで満足していたのだが、リーズシャルテたちと仲良くしているのを見ると胸がチクチクしたそうだ。
その事を姉であるレリィに相談したところこういう返答が返ってきたそうだ。
「ルクス君に恋しているのよ。」
その時、初めて自分がルクス・アーカディアという少年に恋をしていることを知った。まぁ、それはそこまで問題ない。というか端から見ているとフィルフィがルクスのことを好きなのは目に見えていた。
「それで、ね。お姉ちゃんに相談したら、『朝ははだかエプロンで起こして毎朝朝御飯を作れ』って。だから頑張ってつまみ食いもしないで作ったんだ。」
レリィには後で腹パンを叩き込むことを心に誓いつつ話の先を促す。
「でもね、ルーちゃん朝は私が起きるより早く起きて朝の鍛練に行っちゃうし昼御飯しか受け取ってくれないの。」
美少女の手作り弁当を毎日食べているというルクスにも腹パンを叩き込むことを誓う。
「なるほどなぁ。好感度は頑張って稼いでるんだな。それと裸エプロンは辞めておけ。最後にはルクスが自分の目を破壊しかねないからな。」
うん、と無表情のまま呟き薄く笑う。こういうフィルフィを見るのは珍しかった。ルクスの前以外でフィルフィが笑うことは滅多にない。
普通ならここでドキドキするものだろうがウィルフリッドはこんなことでは心は動かない。何故ならこの学院の生徒は全員がヒャッハーしているため異性には見えないからだ。
「とりあえず誰かに相談しにいくか。そうだなぁ・・・、とりあえずいろんな奴にに聞いてみるか。」
ーークルルシファー・エインフォルクに聞いた場合ーー
「好感度を稼いで好きな男を口説く方法。そうね先ずはスキンシップではないかしら。男というのは女の胸とか大好きだから。だからってウィルさんがフィルフィの胸をずっと見ているのは気にくわないわ。」
2本の指がウィルフリッドの目に突き刺さる。
「ぐおおおおおお!目がぁ!目がぁぁぁぁ!」
のたうち回るウィルフリッドを無視しながらフィルフィはクルルシファーのいうことをメモしていた。
ーーセリスティア・ラルグリスに聞いた場合ーー
「男を射止める方法ですか?私に聞かれてもなんとも言えないんですが、、、強いて言えば誠実に話し合う、とかでしょうか。やはり好きな人とはしっかりと話し合った上で付き合わないといけないような気がしますね。
体で迫るのは私としてはよくないと思いますよ。だからウィルフリッドさんが私とフィルフィの胸を交互に見るのは許しませんけどね。」
セリスティアの2本の指がまたもウィルフリッドの目に突き刺さる。
「ああああ!またぁ!目がぁ!」
再びのたうち回るウィルフリッドを無視してフィルフィはメモを取るのだった。
ーーリーズシャルテ・アティスマータに聞いた場合ーー
「ん?男の口説き方?は?簡単だ。私をやると言えば良いのだ。私の魅力にかかればどんな男でも一発で悩殺できるからな。」
「いやいや、皇女殿下の貧相な身体じゃ無理ですよ。証拠にルクスが全く反応していませんし。」
その言葉を言い終わる前にリーズシャルテは最短距離のステップを踏みウィルフリッドへと肉薄すると2本の指をその目へと差し込んだ。
「何で目ばっかり攻撃すんだよぉぉぉぉ!目がぁ!」
ウィルフリッドの恨みのこもった叫びを無視しながらフィルフィはまたしてもメモを取るのだった。
「それで、フィルフィ嬢。何かためになったか?」
目を真っ赤に染めたウィルフリッドが腰に手を当てながら口を開いていた。
フィルフィはそんなウィルフリッドを見て笑った。彼はどんなときにも一生懸命、だった気がする。
「やっぱり、ウィルフリッドさんって、ルーちゃんの、お師匠さん、だね。」
「ん?まぁな。あいつの喜ぶことも嫌なことも大体は把握しているよ。逆にあいつは俺の喜ぶことも嫌なことも分かってるさ。それぐらい一緒にいるからな。」
羨ましいなぁ。と心の中でフィルフィは呟いていた。ルクスのことを一番知っている。それは自分が目指すところだとフィルフィは意気込む。そして思ってしまった。
「一番の、ライバルはウィルフリッドさん?」
「はっはっは!フィルフィ嬢は面白いこというなぁ。今度から訓練量増やすからな。」
サラッと脅しが入っていたがフィルフィは考えていた。こんなに親身になって考えてくれた彼に対してお礼をしようと。
「絶対、ルーちゃんを振り向かせるね。」
おう、頑張れよ。そう言いながらウィルフリッドは笑いながら廊下を歩いていった。
その後ろ姿に誓う。きっとルクスを手に入れると。
漂うフィルフィの正ヒロイン臭
新たなヒャッハー族がエントリーされたぞ!その名はレリィ・アイングラム。自分の妹にさえ平気で裸エプロンとか言うキチガイだ。
ウィルフリッドが目潰しされて床を転げ回っている間、それを見て大爆笑していたという。