ようこそ、カフェ『バーチガン』へ   作:シャラシャラン

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第六話

 

 

 

「「聖グロリアーナの勝利!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、どうだったよ」

「楽しかったですわ」

 

 彼女は、ダージリンは一言そう言った。

 金髪に青色の制服。彼女からでるオーラは気品さや高貴さがある。しかし彼女の本当の中身などを知っている俺からすれば、笑いが出そうなのだ。そしてそんな彼女のまわりにいる生徒もダージリンを慕っている感じだが

「俺は無理だな」

「何か言ったかしら?」

「このケーキおしいですわっ!」

 スカートをはいているのにも関わらず大きく脚を開いてケーキを食べるローズヒップこと薔薇ちゃん。ダージリンに対して彼女には気品さのかけらなどない。試合に彼女はいなかったが、俺に会いにわざわざやってきたらしい。

 試合に参加できなかった理由は戦車で隊列を組むとき、いつも薔薇ちゃんが前に出すぎるからだとか。なので今回はチャーチル一両とマチルダ四両で挑んだらしい。というより今回に限ってクルセイダーはだめだと判断したらしい。まぁ、本人は参加したいと駄々をこねていたらしい。あの子にしごかれたクルセイダー部隊を出した瞬間、暴走族になるからな。隊列なにそれ状態だし。

「それより大洗に店を出すだなんてね」

「うちに来たらよかったのでは?」

「ぜひうちにってセリフ、かなりの数の学園艦から言われてね。でも大洗からは言われなかったんだよね」

「なるほど。それでここに、でもそれだけではないでしょ?」

「まぁね」

 紅茶のおかわりを淹れて机に置く。実はこの紅茶をおいしく淹れる技術は彼女と聖グロの学園艦の方々に教わった。この茶葉だって聖グロに茶葉を出している所から頂いている。

「うっまい!」

「ローズヒップ、静かに飲みなさい」

 何事にも正直に言うのはいいけど雰囲気も大切に。

 現在お店は閉めており、彼女たちを招き入れている。ようするに貸し切り状態だ。ちなみに彼女たちがうちで買ってくれたケーキやビスケットによってお店に損失はない、もしろ黒字。

「で?ダージリンは楽しかった?」

「ええ。それはもう。かなりですわ」

「終わった後満足そうでしたよね」

 こうやって話している間も紅茶をいれたティーカップは置かない。昔妹と戦車に乗っていた事があったが、あんな揺れの中で飲むとか正気の沙汰じゃない。水を飲もうとしたらぶちまけられた事もあるぐらいだ。

 実はいうとダージリンとその他大勢(聖グロの方々)とはそれなりに付き合いはある。聖グロの学園艦で車両を使って販売していたところを彼女に気に入られ、彼女のおかげで学園内で販売する許可も特別にもらった。いや冗談抜きで彼女と先代のあの子は何者なんだよ。特に先代よ、無暗にうちのツブヤキッターになんでもかんでもコメ書くじゃないよ。こちだって返信たいへんなんだよ。

「そういやアールグレイは卒業しちゃったのか」

「アールグレイ様は卒業なされたわ。確か陸の大学だったかしら?」

「今日試合の観戦のお誘いをしましたけど、無反応でしわ」

「たぶん今ごろメール見てテンパってるよ」

「ふふ、そうね」

 紅茶のおかわりとクッキーを出す。

「話を戻しますけど、なぜ大洗に?」

「ここが静かってのもあるし、陸にはいたくない」

「ええ。そうでしょうね。あなたならそうすると思いましたわ。しかし名家の長男ともあろう方がここで何を?」

「……探るのは良いけど。本当に理由はないんだ。母さんも俺の好きなように生きていいいって言ってくれた。だから好きにやってる。それにうちの看板背負ってるのは母さんと妹だ。男の俺はいないようなもんだよ」

「……そうですか」

 かちゃりと食器がこすれる音がする。彼女は一拍置いてから立ち上がった。

「さぁ帰りますわよ」

「はい。そろそろ出航のお時間ですしね」

 俺はペコちゃんがそう言うのを聞き。紙袋にクッキーなどの焼き菓子とケーキと保冷剤を入れる。準備をが終わるとまとめた荷物を皆で持ち始めた。

 ってか薔薇ちゃんをそのために連れて来たのか。

「それではまた会いましょうか」

「だな」

「ではオーナーさんまた」

「またおいしいおッ紅茶を飲みにきてやりますわよ!」

 日が傾き、聖グロの船の出航の時間が近づいている。学園艦は他の所にあるらしいが、連絡船や戦車の運搬船は時間が決まっているらしい。

 一言ずつ言ってから店から出る。ルクリリ、ペコ、ローズヒップと順番にでると残るのは彼女だけだった。

「…………」

 俺の前に立っている彼女は何か言いたげだった。しかし俯き胸に手をあてたまま動かなかった。外に出たあいつらはちらちら店内を見てくるし。なんだよその気になるけど目をそらさなくちゃみたいなの。

 夕焼けのせいか照明のせいかダージリンの顔は赤くそまっていた。

「えーっと」

「………」

 言いたいことはわかっている。

 

 でもそうだとは思いたくないんだ。

 

「まだ………、まだ私は、あなたを……、あなたのことを、慕っています」

 

 なんでこういうときだけ、究極的な乙女になるんですかね。ほら、顔がもう女の子の顔なんだんだもん。いつもの格言をドヤ顔でいっているあなたはどこにいったんですか。店外の外野の人たちも、いっ言った―――!みたいな顔している。薔薇ちゃん額を窓につけないで。

「あなたと過ごした時間は短かったです。でも私は、あの一カ月を忘れることができません。私は」

 

「だめだ」

 

 まだ。だめなんだ。

「っ。そうですわね。ええ、そう答えると思っていましたわ」

 いつもの彼女に戻り穏やかな声で彼女は言った。この告白は二回目だった。あのときも同じような口調で言われ、そのときはどきりとしたものだった。一ヵ月聖グロの学園艦に滞在していたが、こんな短期間で人を好きになれるのかと疑問を持ち、それを言ったら、ならば時間をかけてもっと好きになりますとか言われたし。

「ごめん」

「謝らないでください。……まだ貴方は探しているんですよね」

「うん」

 

 

 忘れられない。

 あの夏の日を。

 あの日出会った子を。

 あの綺麗な髪をしたあの子を。

 一目ぼれしたあの子を。

 まだ忘れられない。

 

 

「我ながら怖いレベルで覚えているからね」

 

 ダージリンは嬉しそうに無理やり笑うと踵を返して出口へと向かった。

「私も変わりませんでしたが、オーナーさんも変わりませんでしたか。まぁ私の場合は多少重くなりましたが」

 にこりと笑うが、笑みというよりか何か別の物にも見える。獲物をしとめるような、鋭いような、欲しがるような眼である。ダージリンの目に背筋が凍りつくがいつもと変わらずにこにこしておく。

 俺らの話が終わったのを悟ったのか、外で待機していたペコちゃんたちが準備をする。

「あきらめませんから」

 力強く言い放った。

 その言葉は聖グロリアーナ戦車道の隊長ダージリンではなく、一人の少女としての言葉だった。

 

なんで俺の周りの女性は、こう変わっているのだろうか。

 

 

 

 

 

「また来ますわ。その時はもっとおいしい紅茶をお願いするわ」

「はい。またのご来店をお待ちしております」

 

 

 

 

 

 




 ダージリンちゃんはきっと人を愛すると、一途になる人だと思う。そして恋仲になっても静かに見守っていたり、なんか裏で頑張ってくれてる良妻だと思う(妄想)。

 あらかじめ主人公であるマスターくんと原作キャラとの関係は考えていました。時系列順に考えていたので、格言お姉さんはこんな立ち位置にしました。
 主人公のメインヒロインは不明ということになっていますが、まぁ隠しておきます。一応やりたいことが終わったら、

 皆さんの希望のキャラをヒロインにしたいと思います!
            (男性はだめだよ?)

 なのでコメントとかよろしくおねがいします。
 そのうち投票とかやるのもいいかもしれませんね。ってか絶対投票のほうが楽しいと思うんだよね。
 もしつくった場合外伝とか、ルート○○○みたいな感じにします。
 次は日常回を何回か挟んで、サンダース戦にしたいと思います。

 そして登場キャラですが。
 映画キャラ(継続・知波単)、リボンの武者は出すことにしました。マンガはないかもとか言っていたけど、リボンはありかなと思いました。リトル・アーミーはちょっと時系列がぐちゃぐちゃになっちゃうんで。

 それではみなさん次回お会いいたしましょう。
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