俺の青春ラブ物語   作:満福太郎

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バタバタした更新遅れました。
勝手に本編のその後シリーズの三浦verです。
お互い卒業した2年後の八幡と三浦の物語です。


2.後物語(三浦ver)

俺は今非常に困っている。仕事にではない。今の状況に困っている。俺の部屋に来客が来ているのだが…。

それは雪ノ下でも由比ヶ浜でも一色でも小町でもなく。

三浦優美子だった。

一緒にいなさそうな人No1の人が目の前に居る。

しかも超機嫌悪そう。なんかもう人とか目で睨むだけで殺しちゃいそう。

ふぇぇぇ。八幡どうなっちゃうの?

 

 

* * * * *

 

 

遡ること数時間前。

本日の営業も終わり会社で帰り自宅をしていたころめずらしく携帯が鳴った。会社の携帯ではなく個人の携帯だ。

 

八幡「誰だ…?この番号。」

 

表示されているのは番号のみ。

うん。めんどい。無視しよう。

 

着信が切れて5秒ほどするとまた携帯が鳴り響く。

なんだ?何か緊急の用事なのか?

家族に何かあったとか?仕方ない。出てみるか。

 

八幡「…もしもし?」

 

三浦「もしもし?あーしだけど。今から言う所にすぐに来て。」

 

それだけ言うと電話を切られた。

誰だ?まぁ実際わかっているが俺は行かない。

行ったら絶対にまずい。いいことがあるはずがない。

帰りにも何回か着信があったが家に着いたらすっかり頭から抜けていた。

ご飯を食べ風呂に入り丁度部屋でウトウトと気持ちよくなっていた時。

部屋をノックする音が聞こえた。

 

八幡「小町?なんかようか?」

 

声をかけるが返事はない。

不思議に思いドアを開けると…。

そこには鬼の形相の三浦優美子が立っていた。

 

 

* * * * *

 

 

そして冒頭に戻る。

なぜ俺の家に三浦が居るのか。

疑問は多々あるがとにかく怖い。

さっきから一言もしゃべらず小町が持ってきたコーヒを飲んでいる。

めずらしく小町も動揺していた。

まさかこんな時間にギャルが兄を訪ねてきたことが相当不思議なのだろう。

 

八幡「あ、あの…俺に一体何の…。」

 

恐る恐る声を掛ける。

掛ける言葉を間違えば即BADENDな気配が漂う。

 

三浦「あんた先にあーしに言うことあるんじゃない?」

 

八幡「…どうもすみませんでした。」

 

無視をしたことを怒っているんだろう。

俺はとりあえず謝る。

 

三浦「ヒキオのくせに無視するとかナメてんの?」

 

相変わらずの高圧的な態度。

2年振りになるんだろうが変わっていない。

その態度のせいなのかはわからないがさすがにイラっときた。

 

八幡「無視したことは謝ろう。でも要件も言わず返事もする間もなく電話を切ったのはお前だ。」

 

三浦「そ、それは…。」

 

八幡「そもそもお前が俺に用事があるんだろう?それならそれなりの態度や方法があるだろ。」

 

三浦「な、なんであーしがあんたなんかにそんな…!」

 

八幡「なら帰れ。俺はお前に用事はない。いつまでも高校の時みたいになると思うな。」

 

ふぅ。怖かった。でもここまで言えば大人しく…なるような人間じゃないな。

俺としたことが方法を間違えたか…。

 

三浦「ごめん…なさい…。出直してくる…。」ペコッ

 

そういうと頭を下げ三浦は部屋から出ていった。

あれ?なんか俺が悪者みたいになってない?

三浦ってこんなヤツだったっけ?

少しの不安と罪悪感を抱きつつ三浦とのファーストコンタクトを終えた。

 

 

* * * * *

 

 

後日改めて三浦から連絡がきた。

 

『この前はごめんなさい。話がしたいので空いてる日教えて欲しい。』

 

三浦らしからぬ文。この前の俺の一言が効いているんだろうか。

俺は話をしたいとは思っていないが無下にもできんだろう。

さっさと話しを聞いて終わりにしようと今日の夜なら大丈夫だと連絡を入れる。

今回はしっかりと時間と場所を確認した。

 

そしてその夜俺は駅近くの喫茶店へと足を運んだ。

すでに三浦は席についていた。

ちょうどコーヒーをおかわりしているところで割と早くから待っているんだろうと予想できた。

 

八幡「待たせたみたいだな。」

 

三浦「あ…。ご、ごめん。わざわざ来てもらって…。」

 

あきらかにいつもの三浦ではない。

 

八幡「いや、それより前は言い過ぎて悪かったな。」

 

三浦「いや、あーしが悪かったから…。」

 

一応謝っておこうと思っていた。

これで前に感じた罪悪感は解消だな。

 

八幡「で?話しってなんだ?」

 

普通なら告白とかを予想する人は多いはずだ。

しかし勘違いをしないように日々を生きている俺にすればそういう想像は全くしていない。

それに三浦に限っては俺なんて眼中にないだろう。

 

三浦「あ、あの比企谷ってさ…。」

 

八幡「なんだ俺の名前知ってたのか。」

 

予想外に名前を呼んでくるものだから話を遮ってまで聞いてしまった。

 

三浦「結衣に聞いたの。」

 

八幡「だから番号や住所も知ってたのか。」

 

てか名前も聞いたって何?ほんとに知らなかったの?

 

三浦「うん。あの比企谷…。最近隼人と会ってる?」

 

まぁ予想通りだな。三浦といえば葉山ってくらいだ。

 

八幡「まぁ…。たまにな。」

 

これは決して嘘ではない。いつも一人じゃないよアピールでもない。

何をする訳でもないがたまに連絡が来て飯を食べたりする。

 

三浦「お、お願い比企谷!今度隼人と会わせて!」

 

八幡「そんくらい自分で言えるだろう。」

 

まぁ三浦がこんなこと言う理由は何となくわかってる。

俺は葉山本人からそういう話しを聞いた。

 

三浦「隼人いつも忙しいって全然会ってくれなくて…。戸部とかとも会ってないって聞いて…。」

 

八幡「じゃあなんで俺に言うんだ。」

 

三浦「この前たまたま二人が一緒に居たのを見たから…。」

 

見られてたのか。だから俺に今回の話しを振ってきたんだな。

 

八幡「三浦。俺はお前の恋愛相談には乗れん。会わないってことがどういうことかお前にならわかるだろ。」

 

三浦「……わかってる。今の隼人は勉強しか頭にないってことくらい…。隼人の家のこともわかってるから…。」

 

八幡「なら俺じゃ力になれんこともわかるだろ。」

 

三浦「一回…一回だけでいいから会いたいの。ちゃんと自分の気持ちを伝えたい…。」

 

八幡「三浦…。酷なこと言うようだがお前じゃ無理だ。俺よりお前の方が分かってるはずだ。」

 

三浦「知ってる。無理だってわかってても…。たとえ相手にされなくっても。」

 

三浦「そんなことあーしが思いを伝えない理由にはならない。」

 

振られるとわかってても告白する?

俺には全く理解できない。振られるなら言わなきゃいいじゃないか。

しかしこんな三浦の真剣な目は初めて見た。

普段の俺なら絶対こんな面倒事に首は突っ込まないんだが…。

 

八幡「一応今から声はかけてやる。来るかどうかは知らんがな。」

 

三浦「い、いいの?」

 

八幡「ただし俺ができるのはここまでだ後は好きにやってくれ。」

 

三浦「う、うん。」

 

八幡「ただしお前はたまたま居合わせたってことにする。お前の名前を出せば来ないと思うから。」

 

三浦「わかった。あんたと隼人の仲は壊さないようにするから。」

 

八幡「勘違いするな。俺と葉山は友達じゃない。お前の好きなようにしていい。」

 

三浦「あ、ありがと…。」

 

八幡「お。葉山来るってさ。近くに居るらしい。」

 

三浦「…ほんとごめんね。ありがと。」

 

八幡「お前の為じゃない。俺の平穏の為だ。」

 

三浦「何それ。あんた昔と変わんないね。」

 

八幡「人間ってのは簡単に変われないように作られてるからな。」

 

三浦「でも助かった。あんたに相談して良かった。」

 

八幡「ダメだってわかってる人間に良かったって言われても複雑だな。」

 

三浦「…バカ。」

 

 

* * * * *

 

 

葉山「…比企谷。お前…。」

 

葉山は着いて早々やってくれたなと言わんばかりの視線を俺に向ける。

 

八幡「たまたま出会ったんだ。変な勘繰りはやめろ。」

 

当然葉山は全部気付いているし俺もバレていると思っている。

三浦に頼まれたって言うよりたまたまって言う方がお前もやりやすいだろう。

葉山も俺の意図に気付いたのかそれ以上は聞いてはこなかった。

 

葉山「優美子久しぶりだな。元気にしてたか?」

 

三浦「う、うん。隼人こそどーなん?」

 

葉山「…相変わらずだよ。」

 

三浦「やっぱり忙しいんだね…。」

 

さてお邪魔な人は退散しますか。

 

八幡「葉山。来てもらって悪いんだが会社に戻らんといかんくなった。すまん。」

 

葉山「…仕方ないな。また今度ゆっくり話そう。」

 

三浦「……。」ペコッ

 

悪いな葉山。お前が忙しいのはわかっちゃいるがこれはお前も越えなきゃいけない問題だ。

次はお前の説教聞いてやるよ。

 

 

* * * * *

 

三浦「じゃあね隼人…。勉強がんばって。」

 

葉山「ありがとう。また落ち着いたら連絡するよ。」

 

三浦「ん…。」

 

お互い軽く挨拶を交わし別れる。

三浦の様子を見ると想像通りの結果だったんだろう。

 

八幡「これで気が済んだか。」

 

三浦「うわぁっ!?あんた居たの!?」

 

八幡「死んだ人間を見るような目はやめろ…。」

 

三浦「…もしかして待っててくれたん?この寒い中で?」

 

八幡「さすがに俺でも結果を確認せずに帰るようなことはしねぇよ。」

 

三浦「やー…。やっぱりダメだったわ…。」

 

八幡「まぁ知ってるけどな。」

 

三浦「何それ。もうちょっと気の利いたこと言えない訳?」

 

八幡「俺に慰められたいのかお前は。俺にはそんな気の利いたことできんしされたくもないだろ。」

 

三浦「あーそうかも。」

 

否定されないのも複雑だがこれで仕事は終わりだ。

まさか卒業してまで奉仕部的な活動をするとは思わなかったな。

 

三浦「ねぇヒキオ。付き合ってよ。」

 

八幡「お前手伝い終わった途端呼び方変わってるじゃねぇか。付き合うってなんだよ?」

 

三浦「か!勘違いしないでよね!?ちょっとあーしと飲みに行こうって意味だから!」

 

八幡「してねぇよ勘違いなんか。なんだそのツンデレっぷりは。なんでお前と飲みに行かなきゃならん。」

 

三浦「あーしの憂さ晴らしに付き合って。」

 

八幡「憂さ晴らしかよ…。他誘え。じゃあな。」

 

三浦「ちょ!ちょっと待って!いいじゃんちょっとくらい…。さ、寒かったっしょ?あたしも体も心も寒いから飲んであったまろうよ…。」

 

八幡「…ちょっとだけだぞ。」

 

三浦「う、うんっ!近くにあーしの行きつけあるから!そこ行こ!」

 

こうなるなら結果もわかってたし帰れば良かった。

 

そしてその後は散々だった。

飲むわ飲むわで三浦は潰れ。家に送っていく羽目になった。

翌日ごめんなさいとメールが来て是非埋め合わせをさせてくれとのこと。

正直そんなことどうでも良かったがあまりにもしつこいので渋々付き合った。

しかしその場でも酒を飲み潰れて送ってごめんなさいのコンボが炸裂した。

そしてまた埋め合わせをさせて欲しいと…。

誰かこのエンドレス三浦をなんとかしてくれ…。

 

 

* * * * *

 

 

三浦「ご、ごめん!待った?」

 

八幡「待った。」

 

三浦「そ、そこは今来たとこって言うとこっしょ!?」

 

八幡「30分前には着いていた。」

 

三浦「ご、ごめんなさい。」

 

八幡「お前せっかくの休日を返上して付き合ってやってること忘れんなよ。」

 

三浦「へ、返上って!あーしと遊ぶのが仕事だって言いたい訳!?」

 

八幡「休日出勤してる感じだ。」

 

三浦「いい加減あーしに慣れてくれてもいいじゃんか!」

 

八幡「いや。もう慣れた。お前こうして出会うのが何回目かわかるか?」

 

三浦「えーと…7、8回目くらい?」

 

八幡「13回目だ。お前の頭の中で残りの5、6回はどこに行った。」

 

三浦「細かいことはもういいじゃん!」

 

八幡「5、6回は細かくねぇよ…。」

 

気付けばエンドレス三浦によって休日によく呼び出されるようになった。

名目は埋め合わせらしいが最近ではただ遊びに行っているだけになっている。

 

友達「あー優美子じゃーん!何してんのー?」

 

三浦「おー奇遇ー!今から遊びに行くところ!」

 

友達「なになにー?その人彼氏ー?」ニヤニヤ

 

三浦「違う。」

 

友達「そ、そうなんだ…。」

 

三浦「彼氏じゃないけど今あーしが一番彼氏にしたいヤツかな。」

 

八幡・友達『!?!?』

 

友達「へー!あの優美子が!?なんか邪魔しちゃ悪いから私行くね!」

 

三浦「おー。また今度!」

 

三浦「じゃあ行こっかヒキオ!」

 

八幡「お、おう?」

 

何だ?聞き間違いか?彼氏がどうとか聞こえたが…。

 

三浦「まあそういうことだから!」

 

八幡「…!?」ビクン

 

三浦「結衣があんたのこと好きになったんが今なら分かるよ。」

 

八幡「ま、まて!よく考えなおせ!俺なんて一番嫌いなタイプだろ!?」

 

三浦「よく言うじゃん。相談しているうちに好きになっちゃいましたとか。」

 

八幡「俺が言うのもなんだがお前の目は節穴だ!目を覚ませ!」

 

三浦「がたがたうるさいっつーの!おほん…。んじゃ改めて…。」

 

三浦「比企谷。今日あーしとデートしてください。」

 

三浦とこんな関係になるなんて未来が想像できただろうか?

突然の申し出に俺は言葉が出ない。

 

三浦「いきなり言われても困るか…。んー。なんか別の言い方は…。」

 

三浦「そうだ。比企谷。あんたのこと好きだからこれから色々ちょっかいかけるからよろしく!」

 

三浦「とりあえず今日は普通に遊ぼっか。」クスッ

 

そう言う三浦は今までで一番いい笑顔で微笑んでみせた。

これは先が思いやられそうだ。

そういう俺も笑みがこぼれていたと思う。

 

 

おわり

 




次回はいろはすでいきます。
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