スキマの能力を持つ転生者   作:リリカル☆レモン

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誰がなんと言おうが最終回。


最✩終✩回

艦橋にスキマを繋げ、全員揃って帰ってくる。家に帰るまでが遠足だからね、ちゃんとしないと。アースラは家じゃないけど。

 

「ただいまー」

「お帰りー」

 

エイミィが快く迎えてくれる。プレシアが局員を攻撃したことで、警戒している人がいるかと思ったが、そこまで警戒はされていないようだ。さっきの会話が全部聞こえてたんだろうか。

 

「それで、どうするの?」

「ん?なにが?」

「アリシアのことよ。堂々とハッピーエンドを選べ、だなんて言っていたけど、貴方何か方法はあるの?」

「ん、すぐにできるけど…その前にプレシアさんだな」

 

吐血してたし、たぶんだいぶ酷いことになってるんだろう。そう思ったので、境界を操っておく。…あ、手が滑った。まあ若返る程度だけど見た目そんな変わってないし言わなきゃバレないだろ。

 

「体調はどうだ?プレシア」

「え…あら?体が軽い…」

 

こんな幸せな気持ちで戦うのはじめて。もう何も怖《それ以上はいけません》ごめんなさい

 

「まあ、これでアリシアの件も解決出来るんだけどさ...ここでやらない方がいいよな」

「え、なんで?何処でやっても同じじゃないの?」

「…いくら幼いからって、大勢の人の前で素っ裸になってるって気付いたら可哀想だろ?」

「…あ」

「そうね。あ、今すぐやってほしいって思っている人は出て来て頂戴。サンダーレイジ当ててあげるわ」

 

やめんか。取り敢えず医務室の人に頼んで服貰うか。

 

 

「アリシア!アリシア、ああアリシア」

「え、えーっと…ママ、どうしたの?ここどこ?」

「どうしよう、止めてあげたいけど止めたら攻撃されそう」

 

生き返らせたのはいいが、プレシアが暴走してる。

このまま放置する→進まない+アリシアが戸惑う

止める→プレシアが確実に攻撃してくる

 

「フェイト、頼んだ」

「え!?えーっと、母さん」

「アリシアアリシアアリシアアリシア…あら、何かしらフェイト?」

「あのね、アリシアが困ってるから…そろそろ離してあげて」

「あ、ごめんなさいね、アリシア」

「う、ううん…ねえ、私に似てる子は誰?」

「あ、その…初めまして、アリシア。私はフェイト。その…妹、になるのかな?」

「妹?どゆこと?」

 

この事もフェイトが説明した。が、事故の事とプレシアがアリシアを生き返らせろうとしていたこと、自分がその結果生まれたクローンということだけを説明し、プレシアが冷たく当たっていたことと、今回の事件については何も言わなかったので、リニスとアルフがその辺りを全て話した。

 

「ママ、ちょっとこっち来て」

「あら、何かしら?欲しいものでもあるの?大丈夫、何でも買ってあげ」

 

る、と言い切る前に扉が閉まり、何とも言えない雰囲気になってしまった。

 

「あー…で、どうなんだ、クロノ。プレシア何とかなりそうか?」

「難しいだろうな。違法研究や投降を無視しての攻撃、他にも色々ある。無罪放免、という訳にはいかないだろう」

「やっぱりか」

「ねえ、2人共。何の話をしてるの?」

 

と、なのはがきいてきたので、部屋の外に出てアリシア達を呼ぶ。

 

「プレシアは、ぶっちゃけて言うと色々やりすぎちゃってるんだ。さすがに境遇が酷すぎるから目を瞑って見逃す訳にはいかないってくらい」

「え…ど、どうしよう!?」

「ねえ、何の話をしてるの?」

「さあ?」

 

全く話について来れてないアリシアとアルフは放っておこう。

 

「今回の件だけでも色々あるけど、もっと前にも違法研究とかやっちゃってる。だいぶ追い詰められてるんだ」

「ね、ねえ待って!プレシアさんはアリシアちゃんを生き返らせる為に頑張ってきたんだよ!なのに、そんなのって…」

「蒼、なんとかならないの!?」

 

なのはとフェイトが悲痛な声で話してくる。お前ら、話は最後まで聞け。

 

「でも、他人から何か言われてた、とかそういったことがあればなんとかなるんだ。プレシア、そういうのはなかった?」

「全ての原因の魔導路開発は違法なものを管理局から渡されたし、日程もめちゃくちゃで計算やテストをする時間もなかったわ」

 

めちゃくちゃやないですか。

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ。そんな話、管理局では見た事も聞いたこともないんだが」

「クロノ、例え話をしよう。ある日、子どもが悪い事をしてしまいました。その子は他の人にはバレたくありません。さて、その子はどんな行動を取ったでしょう」

「…黙っている、もしくは証拠隠滅……」

「はい、お前の疑問の答えが出たぞ。管理局だって人が作った組織なんだ。悪い事の1つや2つ、やらかしてるだろ。でも表向きは綺麗な管理局でありたいから、色んな手段を使って証拠を全部消してるんだよ」

 

自分が信じて来た管理局の黒い部分を信じたくないのか、クロノは俯いてしまった。

 

「まあ、今回の件だとそこを付けばいいんだ。その証拠を見つけ出して管理局に突き付ける。完全な無罪にはならないだろうけど、罪はだいぶ軽くなるだろ」

「だが、どうやってその証拠を見つけるんだ?だいぶ昔の事なんだぞ?」

「こんな時の為の俺の能力だ。関わってそうな奴片っ端から漁ってそいつの弱み握って吐かせる」

「…君は考える事が凄いな。管理局じゃそういったことなんて絶対に出来ない」

「いや、それほどでも」

「分かってると思うが褒めてないぞ」

 

知ってた。

 

「んじゃ、ちょっと時間くれ。管理局に行って漁ってくる」

「どれくらいで済みそうだ?」

「1日から1週間。行ってくる」

 

出来るだけ早く終われば良いんだけど。

 

 

 

 

「はい、実際に指示出してたやつの証言と当時の担当者一覧」

「いや、さすがに早すぎないか?」

「そこはほら、偉くてクズなやつって基本自室で指示出してるだけだろ?場所分かり易いんだよ」

 

分かり易すぎて罠なのかと思ったけどな。

 

「で、どうだ?何とかなりそうか?」

「そうだな…実際に公判の時に出向いてもらって、しっかり発言してもらえば大丈夫だと思う」

「…なら、俺も参加しておこうかな。その場で言い逃れでもされたら面倒くさいし」

「いいのか?」

「ああ。…それに、何故か俺の背中で寝てるこの子が煩くなりそうだしな」

 

そう言って、背中にしがみついて寝ているアリシアを指さす。なんやこの子めっちゃ懐いてんのやけど。

 

「いいのか?」

「いいって。暫く家の都合で遠出するとでも言っておけば大丈夫…なのかな?」

 

一人だけ事情話しても納得しなさそうな子いたわ。まあなのはに押し付けとこう。

 

「でも、丁度いいタイミングで戻ってきたな」

「ん?何かあんのか?」

「フェイト達の事情聴取も終わって、今からミッドチルダに向かうんだが、少しだけ時間が取れるんだ。それで、フェイトがなのはに会いたいと言ったんだ」

「なるほど。でも、それと俺に何の関係があるんだ?」

「いや、フェイトも君と話したいと言っていたんだ。礼を言いたいんだと思う」

「…俺、最後の方しかまともに働いてないんだけどなぁ」

「何を言ってるんだ。記録に残せるのなら残したいくらいのことをやっているんだぞ。いいからついてこい。場所は臨海公園だ」

「へいへい」

 

 

公園につくと、先にフェイト達が待っていた。なのははまだ着いていないようだが。

 

「あれ?何で蒼の背中で姉さんが寝てるの?」

「何か知らんけど懐かれた。それより、姉さんって言うことにしたんだ」

「うん。アリシアだと他人行儀だし、お姉ちゃんだと恥ずかしいから」

 

などと会話をしているうちに、なのはが走ってきた。

 

「フェイトちゃん!蒼くん!」

「んじゃ、俺はこの辺で。なのはとゆっくり話せよ」

「え?蒼はいいの?」

「ああ。後でいくらでも話せるし」

 

きょとんとするフェイトを尻目に、そう言いながらクロノ達の所へ向かう。

 

「いいのか?」

「俺はいくらでも話せるからな。なのはは残るだろうから、あいつら2人でゆっくり話させたいと思ってな」

「ねえ、蒼くん、ちょっとでいいの。アリシアを抱っこさせてくれないかしら?」

「なんで母親の貴女が許可を貰おうとしてるのか不思議なんですが、ゆっくり寝てますしやめておいた方がいいですよ。起きた後に抱きしめたらいいんじゃないですか?」

 

もはやポンコツになったプレシアさんとそんな会話をしながら、なのは達を見守る。暫くして、2人は互いのリボンを交換した。

 

「思い出の証、みたいなもんなのか。経緯は別として、友情が芽生えて何よりだよ」

「ああ、そうだな。…このまま話させてあげたいけど、そろそろ時間だ」

「そっか」

 

そして、クロノが伝えに行き、皆で集まって転移魔法を使う。

 

「…ちょっと待って。なんで蒼くんそっちにいるの?」

「ああ、俺フェイト達の裁判に参加するんだ。せっかく見つけた奴がその場で言い逃れでもしたら面倒だし」

「え?私、聞いてないよ?」

「うん、まだクロノにしか話してなかったし。なのは、学校の方には連絡入れれるから、すずか達によろしくな」

「うん。…うん?待って蒼くん、今さらっととんでもないこと言わなかった?」

「んじゃ、そういうことで。またなー」

「待って!アリサちゃんは兎も角すずかちゃんになんて言えば」

 

「なあ、なのはの顔、真っ青だったんだが」

「気にしないでおいてくれ。たぶんいくらすずかでも俺以外には黒くならないと思うんだ」

「ねえ、母さん。黒くなるってどういうこと?」

「ああ、いいのよフェイトは気にしないで。そのままでいてね」

(なのはさん…頑張ってくださいね…)

 

 

 

「…という訳で、八雲蒼くんは家庭の都合で海外の親戚のご家族の所へ行きました。半年後には帰ってくるそうなので、みんなそれまで元気でね、と言っていました」

「…ネェナノハチャン、チョットキキタイコトガアルンダケド、イイカナ?」

「…世界はいつだって、こんなはずじゃなかったことばかりなの」

「すずか、まだホームルームよ、落ち着きなさい」

 

アリサちゃん、先延ばしにするんじゃなくて説得して欲しいの。




終了。最終回なのに主人公視点じゃないけど気にしなくていいよね。
今後どうするかは未定です。この作品の続編を書くか、以前書いていた小説の続きを書くか、新しいのを書くかどうかすら未定です。
それではまたどこかで(ヾ(´・ω・`)

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