あれから、学校を暫く休むことにし、管理局に協力することとなった。ジュエルシードは…何個だっけ?あ、3個だ。確かそれぐらい集まった。けど、フェイト達も2個集めてるから、残り7個か。
あの後、リニスからは様々な話を聞けた。フェイトの魔法の師匠であり、プレシア・テスタロッサという魔導師の使い魔であったと。このことを聞いたクロノ達は驚いていた。全く話についていけない俺となのはに、ユーノが優秀な魔導師であったが、過去に大きな事故を起こした人だと教えてくれた。
結局、フェイト達がジュエルシードを集める理由は分からなかったが、話し合いで止まらない事ははっきりしていたため、ジュエルシードを集めつつ、遭遇すれば戦闘し、事情を聞くと言うことになった。
「それにしても、フェイト達凄いな。監視を掻い潜って2個も集めてる」
「早くお話したいのに…」
「こっち来てからずっと特訓してるもんな。…普段やってることと目的が多少ずれてる気がするけど」
ここの隊員にはクロノ以外に勝ててるし色々教えてもらってるし。話し合い(物理)なのがおかしいとは思うが。
「それで、ジュエルシードはまだ見つからない?」
「ここの局員の人達と一緒に探してるんだけど…全然見つからないんだよなぁ。もしかしたら海にあるかもしれない」
海だと面倒くさいんだよなぁ…一々皆の境界操って動かないと行けないだろうし…
と、なのはと食堂でのんびり話してると、アースラ内がうっすら赤くなり、アラートが鳴り始めた。
「え、何!?」
「知らん」
取り敢えず艦橋に向かう。スキマで。
「クロノー、何かあったん?」
「蒼か。モニターを見てくれ」
「あ、フェイトちゃん!」
モニターには、海上で龍っぽいのに攻撃されてるフェイトが見えた。
「えーっと、どういう状況なんだ、あれ?」
「彼女が海に向けて、広範囲の魔法を撃ったんだ。そうして残った全てのジュエルシードが発動し、あの状況になっている」
「…は?7個全部?」
さすがに無理でしょ。現に避けるのに精一杯だし、アルフも援護に行くことが出来ない状態になっている。
「助けに行かないと!」
「その必要はない。このままここで様子を見て、消耗したところを捕縛する」
わー、鬼畜。クロノくんきちくー。ないわー。
「俺達がそっちの作戦に従う必要もないな。という訳でなのは。ほい」
「あ、ありがとう、蒼くん!」
「なのはが心配だし、僕も行く!」
スキマを開き、そこになのはとユーノが飛び込んでいく。
「な、君達!」
「だってー、さすがに女の子が傷ついていくのを黙って見るの嫌だしー、組織のしがらみとかそんなんどうだっていいしー。という訳で俺も」
「待ってください、蒼」
クロノの怒りを受け止めずポイ投げし、自分もスキマに入ろうとしたところでリニスに止められる。
「なに、リニス?ついてくる?」
「いえ、蒼に…というより、ここにいる皆さんに話したいことがあるんです」
「…なのは達に聞かせたくなかった話か?」
俺がそう問いかけると、リニスは頷いた。
「まだ、話していないことがあったんです。それは…」
なのはSIDE
「フェイトちゃん!」
「え…君は…」
蒼くんに送ってもらった後、すぐにフェイトちゃんの救援に向かう。けど、遠くからアルフさんが怖い顔で殴りかかって来た。
「フェイトの邪魔はさせないよ!」
助けに来たんだけど、それと黙って殴られるのは違うから、プロテクションを貼ろうとした。けど、ユーノ君が間に入って、攻撃を防いでくれた。
「違う!僕達は助けに来たんだ!お願いだから、話を聞いて!」
ユーノ君は、アルフさんとお話してくれるみたいなので、私はフェイトちゃんとお話する。
「今はちょっと忙しいからゆっくり話せないけど、今は協力しよう?2人できっちり半分こ」
そう言って、私は自分の魔力を半分くらい、フェイトちゃんに渡す。
「私は…」
「フェイト。なのはの事を信じてあげて下さい」
「え…リニス?」
「はい。リニスです」
「今ならオマケの蒼くんも着いてきてるよー。返品不可だけどな」
フェイトちゃんが俯いているときに、リニスさんと蒼君が来てくれた。良く見たら、蒼君こっち見ながら魔法使って龍(?)の足止めをしてくれてるみたい。
「さ、やろうフェイトちゃん!」
蒼SIDE
なんか一瞬だけ視点が変わってた気がする。なんのかは分からんが。
なのはとフェイトの会話が終わるまでスキマで攻撃を返したりチェーンバインドを出してスキマで別方向から襲わせたりとしていたが、フェイトも決心したようだ。
「じゃあ、蒼君とリニスさんは足止めをお願い!」
「準備が出来たら、私達が念話で合図する」
「了解。リニス、やるぞ」
「何気にはじめての共同作業ですね。頑張りましょうか」
「…ごめん、また今度それ言ってくれ」
なんかちょっとエロティックに聞こえた。
「ユーノ、アルフ。話は聞いてたか?」
「うん。僕らはアレを止めればいいんだよね」
「仕方ないねぇ。ま、やってやろうじゃんか!」
「よし。全員2つずつ、他がやばそうだと思ったらサポートすること。いいな?」
そうして、全員で一斉に拘束系の魔法を撃ちだす。俺は能力を使って皆の魔法を不規則に動かしたり、龍の攻撃をかき消している。
《皆、準備出来たよ!》
《すぐに退避して!》
「おっしお前ら逃げるぞ!」
全力で逃げる。まあ逃げる必要はないのだがあの2人の砲撃は能力を使って避けても怖いので離れる。
「ディバィィィィン…バスターーーー!」
「サンダーーー…レイジ!」
そして、ピンク色の砲撃と雷が落ち、全て纏めて封印した。能力があるといっても、2人のあの魔力量と才能は羨ましい。
「さて、終わったな。帰って風呂にでも入ろう」
「貴方はもう少し緊張感を持ってください」
「やだ」
人生気楽に生きるのが一番なんだよ。で、なのは達は何やってんの?
「友達に…なりたいんだ…」
…フェイト、よくわからなさそうな顔してるな。アルフは…うんこっちもだな。
「…?待ってください、何か様子がおかしいです」
「どしたよリニス?様子がおかしいって何がふぎゃぁぁぁぁぁ!!」
「…知ってる天井だ」
目が覚めると、最近よく見る天井が見えた。アースラ内ということは分かるのだが、ここは何処なのだろう。
《あ、蒼。目が覚めたんですね》
《リニスか。あれからどうなったんだ?》
《蒼はプレシアの次元跳躍魔法に撃たれたんです。あれからあまり時間は経っていませんが》
うわ、マジですか。能力使って弾けるようにしておけばよかったな。
《で、他は?》
《…フェイトが撃たれて、アルフがジュエルシードを持っていこうとしました。クロノさんが来てくれて、4個は確保出来ましたが》
《つまり3個持っていかれたってことか》
…うん、治療完了。起きるか。
《で、今何処にいるの?》
《皆食堂に集まってますよ。起きれますか?》
《大丈夫。今から行く》
で、なのはに心配したと怒られ、クロノとリンディさんにはもっと注意しておけと説教され、ユーノとリニスには暖かい目で見られた。
「さて、全て私達のところにあるわけではないけど、ジュエルシードは全て封印できたことだし…なのはさん達は、一度帰っても大丈夫ですよ」
「本当ですか!ありがとうございます!」
「まだ終わってないけど、やることないしな。クロノ、何かあったら教えてくれよ」
「ああ。君もどうせ、独自で探すんだろ?君も分かったことがあれば教えてくれ」
「勿論。じゃ、また今度な」
「ふむ…これが男の子同士の友情、なのかな?」
「ほらエイミィ、君は艦橋に戻って捜索してくれ」
「わ、ちょっとクロノ君!あ、またねー皆ー!」
そういいつつ、アースラの通信主任兼クロノの恋人(思いを寄せてるだけでクロノが気付いていない)のエイミィさんが引きずられていく。大変そうだなぁ…
「それじゃ、俺達はこれで」
「はい。連絡はきちんと取れるようにしておいてくださいね」
で、俺達は束の間の日常に戻った。
…はずだった。
「ねえねえ蒼君今まで何処で何してたの?」
「なあすずかさんや。どうしてそんなに詰め寄ってくるんですか?なのはと同じで、お手伝いをしに行ってたって聞いてないの?」
「それ、言い分だよね?何か私に隠してるよね?話してよ」
怖っ!すずか怖!感鋭すぎるし何か黒いし…怖!
「…ごめん、言えない」
「言えないって、何が?何で言えないの?」
「…ちょっと、色々事情があるんだ。すずかにも…勿論、アリサにも言えないことなんだよ」
「…それは、蒼君の能力が必要な事なの?」
「……」
言葉が見つからず、黙ってしまう。だが、それは肯定しているのと同じであり、すずかがそれに気付かない訳がない。
「そう、分かった」
「…聞かないのか?」
「言っても話してくれないし、話したくないんでしょ?だったら、私は聞かない。けど、いつかはちゃんと教えてね」
「…分かった。約束する」
…取り敢えず、すずかとのOHANASHIは終わった。
「たく、心配かけさせないでよね」
「そう言った割には遠くから見るだけじゃなかったか、アリサ」
「何のことかしら。それより、もうお手伝いは終わったの?」
「いや、まだ。でも、暫くはこっちに居られるよ」
「うん。また何か起きれば行かないといけないけど、それも暫くはないと思うの」
「そうなの。あ、それなら、明日にアタシの家に遊びに来ない?新しいゲームも買ったのよ!」
「え、マジで!?行く!」
「あ、あはは…蒼君、切り替え早いね」
だってゲームで遊べるんだぞ?興奮しない訳が無い。
「あ、そう言えばアリサちゃん。昨日、怪我をした犬を拾ったって言ってなかったっけ?」
「え、犬?」
「あ、そうなのよ。大型犬で、おでこの辺りに宝石みたいなのが着いてる、珍しい子なの」
…あれ?すっごい覚えがあるんだけど…
《ね、ねぇ蒼君。それって…》
《ああ、恐らくアルフだろうな。何でフェイト居ないのにこっちに来てるかは知らんが、明日色々聞きに行くか》
《うん、そうだね。管理局の人達にも教えよっか》
《ああ、そうだな》
そして翌日。アリサの家に集まった俺達は、アリサが拾ったと言う犬を見に行った。
「この子が、アリサちゃんの言ってた子?」
「ええ。道の脇に怪我をして倒れてたの」
「そうか…」
《やっほー。アルフだよな?》
《アンタたちは…》
《こんにちは、アルフさん。どうして、怪我をしてるんですか?フェイトちゃんは?》
《それは…》
「キュ!」
「あ、ユーノ君!」
「こら、危ないわよ!」
《なのは、蒼。話は僕が聞いておくから、2人はアリサ達と遊んでて》
《…分かった。アルフ、また後で》
アリサ達には犬が大人しそうだし、ユーノは頭がいいから大丈夫だと説得し、ゲームが置いてある部屋に向かった。
《…アイツは…プレシアは、ずっとフェイトに辛く当たってるんだ!フェイトはあんなに頑張ってるのに…頼む。アンタ達の言うことは何でも聞く。何をされたって構わない。けど、フェイトだけは助けてやってくれ!あの子は…アタシのご主人様なんだ…》
《うん、いいよ》
《…え?》
《全く、君はそういうんだと思っていたよ》
《まあ、その辺りが蒼らしいですが》
《何だよクロノ、リニス。その言い方は》
《別に。何でもないよ》
《ええ、何でもありません》
…その後、全員で話し合った結果、アルフがフェイトに連絡を取り、互いのジュエルシードを全て賭けて、なのはとフェイトが一騎討ちをすることになった。これは、なのはがどうしてもと強く志願したことによる。管理局は戦うための空間を用意し、そして俺は戦闘後になのはが勝てばプレシアの出方を警戒し、フェイトが勝てば帰り先を特定する、どちらが勝っても大きく結果が変わらない作戦を練った。が、天才だと伝わるプレシアがこの事に気付いていない訳がなく、焦っているのか、選択に迫られているのかのどちらかだろう。
そして、海鳴市の臨海公園に、俺達は集まっていた。朝方になり、電灯の上にフェイトが姿を現した。
「来てくれたね、フェイトちゃん」
「…」
フェイトは何も答えない。アルフとリニス、フェイトが信頼している2人がこちらにいるからなのか、表情が暗く見える。
「フェイト!もうやめよう、こんなの!あんなやつの言いなりになる必要なんてないよ!このまんまじゃ、不幸になるばっかりじゃないか!」
「…それでも、私はあの人の娘だから」
アルフが悲痛な声で呼び掛ける。だが、フェイトは首を横に振り、要望に答えない。
「…ただ、捨てればいいってわけじゃないよね…逃げればいいわけじゃ……もっとない」
そう言って、なのははバリアジャケットを展開し、レイジングハートを構える。
「フェイトちゃんは立ち止まれないし…私はフェイトちゃんを止めたい」
そして、フェイトもバルデッシュを構える。
「きっかけはたぶん、ジュエルシード」
そうして、互いに持っているジュエルシード全てをデバイスから出す。フェイトも、ちゃんと21個あるかを確認する。
「フェイトちゃんを助けたいとか…友達になりたいとか…思ってることはたくさんあるけど、まずはこの問題を片付けないと…私もフェイトちゃんも、きっと先には進めない」
そう話すが、フェイトにはなんの反応もない。それでも、なのはは話し続ける。
「だから賭けよう。お互いが持ってる、全部のジュエルシードを。それからだよ…全部それから。私達の全ては、まだ始まってもいない!」
そう言って、なのははレイジングハートをフェイトに向け、フェイトはバルデッシュをなのはに向ける。
「本当の自分を始めるために…」
「はじめよう。最初で最後の本気の勝負!」
焼かれた(火で焼かれたとは言ってない)。
明確に描写する所はこのあたりは少ないので、結構飛ばした。そしてアリサとすずかの久しぶりの登場。すずかのセリフ書くの結構楽しい。
次回は殆んどなのは、フェイト視点になると思います。主人公殆んど動きません。まあ蒼はだいたいいつも働かないんですけどね。
どうでもいいけど、主人公は水(氷)系の魔法よく使ってて、真っ先に雷に当たったからアズマオウを思い浮かべてしまった。