オネェ料理長物語   作:椿リンカ

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オネスト大臣「よくわかる寿司の作り方を紹介しましょう 」
アン料理長「海苔、サーモン、酢飯、しょうゆ。基本的な寿司の材料よ。お好みでサーモンを他の具材にしてもいいわ」
オネスト大臣「はじめに、海苔でスシ飯とサーモンをやさしく巻いて………………あっ」
アン料理長「ちくしょう!だいなしにしやがった!お前はいつもそうだ。このスシはお前の人生そのものだ。お前はいつも失敗ばかりだ。お前はいろんなことに手を付けるが、ひとつだってやり遂げられない。誰もお前を愛さない。」

シュラ「前書きのネタ長ぇよ!!!」


タツミはウェイブを激励し、姉妹はキャットファイトをする

アニエルことアン料理長の帝具【美食礼賛 イーターオブラウンド】。

どんな生き物でも仕留め、どんな食材でも美味しく食べれることのできる後方支援型の帝具である。

 

アンはこれを攻撃としても使用しているが、やはり本領を発揮するのは「料理」である。

 

特殊警察イェーガーズのクロメの肉体は薬物汚染により命を削られていた。

このままでは万全状態のアカメに対して、彼女が更に強い薬物を摂取するのはアンには予測できた。

 

「あくまでも一時的よ。本当ならしばらく食べて療養すれば完全に毒も抜けるし寿命も延びかねないんだから!」

「料理長・・・!クロメのために、ありがとうございます!」

 

だからこそ料理長は、クロメの身体から薬物を抜くような薬膳料理を弁当にしたのだ。

だが、あくまでもこれは一時的なものである。

 

「・・・アニエル、私にもしものことがあったらクロメの治療も頼めるか?」

「あら、弱気なことを言うわね」

 

「いつ死んでもおかしくないのが暗殺者だ。それにこの帝具なら、クロメの助けになる」

「クロメちゃんはもううちの厨房の子よ。本人が嫌がっても食べさせるわよ」

 

アカメの言葉にキッパリと「助ける」と言い切ったアンに、ラバックやタツミも少し笑みを浮かべた。

 

シュラは面白くもないが、とにかくナイトレイドの情報を少しだけでも得ようとしていた。

本当はアカメの持っている帝具【一斬必殺 村雨】の奥の手の情報が欲しかったが・・・自身の帝具が戻ってきたことでとりあえず満足することにしたのだ。

 

「それじゃあ、一本勝負よ。先に気絶させるまでとことん殴りあいなさい!」

「へぇ、キャットファイトってことか」

 

「・・・」

「んだよ、こっち見て」

 

「シュラ、あんたがキャットファイトとか言うとポルノ作品のほうを指してるみたいね。私に対してセクハラよ、慰謝料はアンタの乳首開発で許してあげる」

「顔が変形するまでぶん殴るぞ!!!」

 

 

閑話休題

 

 

さて、アカメとクロメの戦いが始まった。

アカメの攻撃を的確にガードし、反撃を出すクロメ・・・

 

実力をいえばアカメに軍配が上がる。

しかしクロメはアカメの実の妹である。彼女の手癖や次の攻撃の一手を予測し、対応することならば多少できるのだ。

 

「アカメも強いけど、手の内がわかってるクロメも中々だな」

「・・・これが殺しあいだったら、そう思うと怖いけどな」

 

アカメを応援するレオーネの横で、ウェイブは真っ直ぐにクロメを見ていた。

 

「ってかさ、さっきのオネェが温泉旅行だのなんだの言ってたけど、アンタってクロメの恋人なの?両思い?」

「ッッ!?」

 

直球なレオーネの言葉にウェイブの顔がトマトのように染まってしまった。

 

「へぇ~、なるほどねぇ。アカメもさっき気にしてたみたいだし?アタシの親友に認められるイイ男なのか?」

「ナッ、ナイトレイドにそんなこと言われることは・・・」

 

「そうなんですよレオーネさん、こいつアカメちゃんの妹に惚れてるかもしんないんですよ」

 

ここぞとばかりにラバックが告げ口のようにレオーネへと話しかける。

 

「なっ、いや、クロメは大切で、大切だけどそういうのじゃ」

 

なんとか恥ずかしくなりつつも否定しようとするウェイブにタツミが肩に手を置いた。

 

「ウェイブ、それでいいのか」

「な、なんだよタツミ」

 

「・・・クロメを守るには、クロメを選んでやらなくちゃいけないんだ」

「!」

 

タツミの真面目な態度に、ふざけていたレオーネとラバックも顔つきを変える。

 

「暗殺部隊は薬物以外にも帝国から離れないように処置をしてるって、厨房の人達が話してたんだ」

「・・・でも、俺は帝国海軍に恩師がいる。帝国を裏切れないんだ」

 

「じゃあ、クロメをこのまま死ぬまで戦わせていいのか。本当に大事だから、わざわざ厨房にきて助けてもらったんだろ?」

「・・・っ、あぁ。あのままだったら、クロメは一人でここに来てた。だから・・・」

 

ウェイブの言葉にタツミは彼の頬を軽く引っ張った。

 

「にゃっ、にゃにひゅんひゃよ!」

「答えはもう出てるだろ。惚れた女を守ってやれよ」

 

 

一方、アカメとクロメの二人は戦いながらも言葉を交わしていた。

 

「お姉ちゃん、帝国に戻ってきて!エスデス将軍ならきっと・・・!」

「それは、できないっ!」

 

クロメの蹴りをガードし、体勢を崩してマウントをとろうとするアカメ。

しかしクロメもアカメの隙をついて、自身の体勢を立て直した。

 

「・・・ところでウェイブと付き合っているのか?」

 

攻撃を繰り出す前にアカメはクロメへと尋ねる。

 

数秒、クロメの動きが止まった。しかしすぐに攻撃を繰り出す。しかしその数秒でアカメも体勢を直してクロメと距離をとった。

 

「お姉ちゃんには関係ないよ!」

「ある。ウェイブがお前の恋人になるならば、幸せにできるかどうか見極めないとならない」

 

至極真面目にアカメは宣言した。

 

「ちっ、ちが、違うもん!まだ恋人じゃ・・・」

「まだ・・・?まさかクロメ、お前の片思いなのか?!ウェイブが断っているなんてことは・・・」

 

話の展開に、つい周囲の視線はウェイブへと集まった。

 

「クロメが嫌いか?」

「うぇぇ?!いや!そんなわけ・・・」

 

「クロメが可愛くないのか?」

「か、可愛いに決まってるだろ!!」

 

「じゃあクロメが好きなのか」

「すっ、好きだけど!好きだけどそういうことじゃ・・・あっ」

 

言質をとったアカメに対して、クロメは顔を赤らめてその場に蹲ってしまった。

 

「アカメ、勝っちゃったねぇ」

「あれを勝ったってことでいいのかよ、姐さん」

「アカメ・・・」

 

「おいこれ、どうすんだよ」

「不戦勝でアカメちゃんの勝ちでいいんじゃないかしら?」

 




ぐだぐだっぷり半端ない、次回はタイマン〆

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