オネェ料理長物語   作:椿リンカ

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某呟きSNSの皇帝陛下アカウントに出没する「皇帝陛下付き侍女」「庭師」が登場します。キャラ設定等を後書きに載せました。

料理長はもちろんアン・シャーリーです。

ハーメルンSSにおいてはn番煎じなキャラ設定の侍女と庭師の二人ですが、よろしくお願いします。

今回はラバックとタツミがやってくる前の時間軸のお話です。


★【番外編】料理長は週一の女子会を楽しむ

皇帝陛下付き侍女のゼノヴィア・マスグレイヴ

幼い頃から陛下にだけお仕えしている褐色肌の眼鏡をかけた女性だ。

 

皇帝にとっては信頼できる侍女であり、また侍女も淑やかに振舞っていた。

 

 

・・・侍女が皇帝陛下以外の人間には、お淑やかではないということを、皇帝陛下はまだ知らない。

 

 

「湯浴みの時間ですよ陛下(陛下の生お着替えが堪能できるぞヤッターーーー!!!)」

「うむ、ありがとう・・・・・・その、マスグレイヴ」

 

「なんですか陛下?お困りごとでも?(あぁんっ!陛下が照れてるかわいいつらい、かわいすぎて生きるのが辛い)」

「そ、その・・・服を脱ぎたいのだが」

 

「そうですか。ではお手伝いを・・・(着替えのお手伝いついでにじっくりと生肌堪能できる)」

「いっ、いや!そうではない!そのっ、は・・・恥ずかしい、から・・・」

 

「私は皇帝陛下付きの侍女です。陛下にとっては道具や家具のような扱いでかまいません。恥ずかしがる必要は一切ありません(んんんんん、陛下が可愛くて私の心の【自主規制】が【自主規制】するじゃないか)」

「それは・・・だ、だが、その、マスグレイヴは女性だから、その」

 

「陛下のために働くこの私が、陛下の体に恥ずかしがるわけがありません。」

 

 

<むしろ陛下の全裸に興奮しますし、今夜の俺のオカズになります>

 

 

彼女が脳内で言葉を付け加えた直後、どこからともなく飛んできたブドー大将軍が侍女に対してソリッドシューターを喰らわせた。

 

 

***

 

 

「・・・と、いうことだ。酷いと思わないか?」

「酷いのはアンタの頭よ」

 

誰もいなくなった静かな食堂、そこで皇帝陛下付き侍女のゼノヴィア・マスグレイヴが焼け焦げてアフロ頭になった姿で料理長であるアンに愚痴を言っていた。

 

愚痴というよりも、むしろ自らの悪事を暴露しているスタンスな気もするがそこはツッコミを入れてはいけないだろう。

 

「俺は別に陛下の前で男言葉も使ってないし、”俺”じゃなくて”私”とも言っている」

「そうね、当たり前のことだからね」

 

「どこぞのワイルドハントのピエロのように無差別に子供を性的な目では見てない。俺はただ、生まれた時から陛下に仕えていたし、陛下が幼い頃からずっと好きで好きで、陛下にしか欲情してないだけだ」

「後半部分にがっつり問題があるんだけど!?」

 

「確かに皇帝陛下の洗濯物を洗濯する前に洗濯物の香りを堪能して【※自主規制】とか【※自主規制】はあるが、ちゃんと洗濯をして陛下に返還している。窃盗は決してやってない。」

「問題は!!そこじゃないでしょ!!」

 

「安心しろ、陛下への不埒で淫らな妄想は脳内だけに留めている。陛下にそんなことはしてないぞ。ご褒美に膝枕はしてもらって陛下の生足を堪能したことはあるが」

「ちょっと誰かー!ブドー大将軍を呼んで!もう一発ソリッドシューターぶち当てないとダメよこの子!!!」

 

誰もいない食堂で大人げもなくはしゃぐ二人に、誰かが近づいてきた。

 

「今日も楽しそうな会話してるね」

 

「あぁ、エインズワースか」

「ダリルちゃん、今日も一番遅かったわね~」

 

 

 

ダリル・エインズワース

 

この帝都宮殿内の庭師を統括している庭師の女性だ。

・・・女性だが、見た目は男性にも見える。仕草も服装も、気品のある男性のようだが、れっきとした女性である。

 

中性的な顔立ちと誰にでも優しいことから、同性である侍女たちから人気があった。

 

・・・そう、人気がある。しかしこの宮殿で勤めている人間がまともなはずもなく、彼女もその例に外れていない。

 

 

 

「いやー、ブドーさんに叱られちゃったから遅れたんだよ」

「なんだ、お前も叱られたのか」

「アンタも何したのよ・・・」

 

「エスデスさんが拷問用に植物を育てているでしょ?だからさ、その手助けに食人植物を宮殿の植物園に植え替えたら雷帝招来された」

 

「「そりゃあされるだろ(でしょ)!!!」」

 

まさか植物園に食人植物を植えるという発想に至るとは思わないだろうし、というか普通はやらない。

だが、このダリル・エインズワースはそれをやってのけてしまう。

 

・・・彼女の発想は、常人の常識とはズレているのだ。

 

「えー?そうかな?でも植物園に案内されてバサーッ!って食べられるっていうの、結構ホラーでえぐそうだなぁって。拷問って辛い目に合わせたりするんでしょ?」

 

「拷問もろくに知らないのにお前・・・・・・植物園に物騒なものを植えるな。皇帝陛下や宮殿内にいるクソ役人・・・こほん、クソ野郎どもが出入りするんだからな?クソはともかく、かわいい陛下が植物に食べられるぐらいなら俺が陛下を性的に食べてやるんだからな!」

 

「ゼノヴィアちゃんは陛下のいない前だと、本当に欲望だだ漏れ状態ね・・・」

 

 

 

彼女(※一部オネェはいるが)たちは全員、こう見えても帝具使いである。

だが彼らはその力を決して戦闘に使うことは無い

 

ゼノヴィアは皇帝陛下を護衛するためだけ

ダリルは帝具を使わぬようにしているだけ

アンことアニエルは・・・料理を愛しているからこそ、だ

 

「しかしシュラさんが帰ってからなんだか宮殿の中もバタバタしてるね」

 

「あのバッテン野郎のことか・・・皇帝陛下には近づけたくないな。豚(オネスト)大臣はともかく、息子にまで影響されたら俺が精神的に死ぬ」

 

「本当にゼノヴィアちゃんはシュラのこと苦手よねぇ。あぁ見えてかわいいところもあるわよ?」

 

彼らは帝具使いではあるが、その力に溺れず驕らないために・・・こうして仲間同士で女子会を週に一度開いている。

 

彼らの息抜きの時間でもあるだろう。

何しろ宮殿内は謀略が張り巡らされた場でもある。

 

彼らとて帝具使いとしても、宮殿で働く人間としてもそれからは逃げられない

 

「寒い時期だけど、あと少し暖かくなれば梅の花も咲くよ。そうしたらゼノヴィアさんに渡すよ。陛下も喜ぶでしょ?」

 

「あぁ、感謝する。このところ、戦況も芳しくないせいか皇帝陛下も革命軍を危惧しているようでな・・・」

 

「仕方ないわよ。ま、滅ぶときは滅ぶし、続くときは続くもんよ」

 

 

「「それだね(それだな)」」

 

 

・・・帝国という国への気持ちはあまりない3人であった_________

 

 




※死に設定みたいなものなのでここで晒す
※帝具考えるのが楽しいフレンズです


【皇帝陛下直属の侍女:ゼノヴィア・マスグレイヴ】

皇帝陛下の両親、つまりは先帝と奥方に拾ってもらった経緯のある女性
皇帝陛下の前ではおしとやかな女性として振舞っているが、実際は男言葉を使い、一人称も「俺」と言っている。
皇帝陛下好きすぎて拗らせてる成人。

南方の血が混じっているため、褐色肌。そして銀髪
「シュラと兄弟か何かか?」と言われたら怒るよりもめっちゃ落ち込む

帝具「帝釈布倶 シャインフューラー」
マフラー型帝具。使用者の意思通りに動き、硬化・伸縮自在など使いやすい。
超級危険種「アラクネメアル」「女王毒蚕」の2匹の糸を紡いだモノ(実際にはインクルシオと同じく2匹の生命を織り込んでいる。)
使用者によって色が変化する。奥の手は「同化」アラクネメアルと女王毒蚕が混ざった蟲形態になる



【宮殿内庭師統括:ダリル・エインズワース】

中性的な顔立ちのイケメン(※女です)
誰にでも優しくて、同性にモテる

常識人に見えるが、常識からやや逸脱した発想をするため、大体ブドー大将軍に叱られている。
植物を育てているからか、エスデスとも割と仲良くできる珍しい人材

帝具「魂留灯機ロートフランメ」
ランタン型の帝具。対象者の魂をランタンの中に閉じ込めて保管することができる。
その間対象者は仮死状態となる。
基本はそれしかできないものの、対象者に返す前にランタンの灯りが消えてしまうと死亡する。
奥の手は「移し火」対象者の魂を物体に移し替えることで生きながらえることが可能となる。ただし繰り返すたびに魂が劣化して人格に異常が出たりする。




皇帝陛下コンプレックス(陛下コン)キャラと天然ボケキャラって本当にn番煎じで済まない・・・めっちゃよくあるやつ・・・
侍女はつぶやき系サイトでちらほら1,2年前から小出ししてましたが、連載になったのがアン料理長だったので、ゲストとして書こうと思いました。

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