スター・プロファイル   作:さけとば

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8-2. おなじみの“アレ”回

 ──ビンの中身は、一応は“惚れ薬”ではあるが。

 現在クリフが持っているのは、厳密には“惚れ薬”ではない。それとは少し異なる代物だ。

 

 その証拠に、商品説明のラベルには、

 

・使われた人(最近気になるアノヒト♡)が、そばにいる人(アナタのコト♡)の魅力を強く意識するようになります。使った瞬間効果が現れるから、自信のもてないアナタも安心!

・相手が元からアナタに好意を持ってないと、十分な効き目は出ません。愛は自分の力で勝ち取るモノよ! アナタも頑張って!

・薬の効果はすぐ消えます。ホントウの愛があれば、そんなコト関係ないわ!

 

※用法用量を守って正しくお使いください。又この商品を使用した事により生じた人間関係の拗れ及び種々のトラブルについて、当方は一切責任を負いません。

 

 と大体こんな事が書いてあるのだ。

 一部を除き全体的にイラッとする文面ではあるが、薬の効果がすぐ切れる事、なにより好意を持たれていない相手に使っても効果が出ないという辺り、愚昧で矮小な人間が己の情欲のたけを込めて作り上げた粗悪な薬品とはほんの少し(本当にほんの少しだけだが)、毛色が違う代物だという事だけは察せるだろう。

 

 というわけで。

 繰り返すが、これは“惚れ薬”ではない。

 正確に説明するならば、これはずばり“押せ押せムード促進剤”である。

 

 

 それとついでに、クリフがこんないかにも合コン用みたいなチャラいアイテムを持っている経緯も説明しておこう。

 ハーリーで大量にアイテムを買い込んだ際、おまけという名の在庫処分で、店のオヤジから半ば強引に押しつけられたのである。

 試しに仕入れてみたものの、市場を思いっきり踏み間違えたというやつだ。町の若いやつらがあんなの揃いではそれもさもありなん、といったところだろう。

 

 事情を大体察しつつクリフもこんな胡散臭い代物さして欲しくはなかったのだが、まあタダでくれるというのなら貰っておこうかねと。

 素直に受け取り、そしてすぐに道具袋にしまって、ついさっきまで袋の肥やしとなっていたところを、「アレ使えるんじゃね」とこの薬の存在を思い出したクリフがこうやって引っぱり出して持ってきた、というわけだ。

 

 

 そしてさらに説明しておくと。

 クリフ以外は誰も、この薬の存在を知らなかったりする。

 

 この薬を貰ったのは、チンピラ共を蹴散らした次の日なのだ。レナはずっと宿に引きこもっていたし、その日はレナスもレナに付き合って宿に残っていた。

 買い物に出かけたのはクリフ一人ではなく、フェイトと二人でだが。

 会計のすぐ後、すなわちクリフが親父から薬を貰った時。彼は買ったばかりのロマネコンチを大事そうに抱え、幸せに満ち満ちた表情でひたすらに「買っちゃった……」などといううわ言を繰り返していたので、到底クリフ達の会話は耳に入っていなかったと思われる。

 

 さらには薬が入っていた袋は荷物持ちのクリフが日頃持ち運んでいるもので、従ってクリフが薬を袋から取り出したところも、誰にも見られていない。

 

 

 さて、ここまで説明すればおわかりいただけただろうか。

 つまりこれだけの条件が重なった状況で、クリフがターゲットに気づかれずに薬を使う事が、どれだけ容易かという事が。

 

 ……とまあ、説明が長くなったが。ようするに。

 

 

《お約束の惚れ薬キター!

 いやあ、わくわくするわあ。これだから覗きはやめられないんだぜっていうね。

 ……っておっと、なんかさっそく動きがありそうな模様だぜ! こりゃあ外野はおとなしくしてないと!

 

 では諸君、さらばだ! また会おう、うはははは!》

 

 

 ☆★☆

 

 

 いきなり謎のビン見せられたレナスの反応はというと、

 

「それは、何?」

 

 こんなだった。

 まあ当然の反応だろう。レナスも他の二人と同様に、このビンの事は全く知らないのだ。

 しかも例のうざったいラベルは、ビンを握っているクリフの手でこれまたうまい具合に隠れていたりするわけだし。

 

「ん? ああ、これはだな」

「──?」

 

 最初は正直に“惚れ薬”だと言おうとしたクリフはしかし、不思議そうなレナスを見てふと言葉を止めた。

 

「これはだな」

 

 繰り返して言いつつ、ビンを持ったまま、クリフはその場で腰を落ち着ける。

 自然とレナスもつられてクリフの前に座り込んだ。

 

「こうやってだな」

 

 ビンのフタを慎重に開けて、一旦それを持ち替える。

 フタの内側には目盛りが引いてある。その線が丁度「一回分」を示しているのだと、確か説明書きにはそう書いてあったはずだ。

 

 レナスが真剣に見守る中、クリフはビンの液体をフタの中に注ぎ入れた。

 そして。

 

「で、これを」

「これを?」

 

 フタの中をよく見せてあげようと、レナスに近づけ──

 

「おっと手が」

「!?」

 

 ぱしゃっとかけました。

 

 

(確か説明には、元から好意を持ってなきゃさしたる効き目はねえとか何とか書いてあったはず……。てことはだ。これ使えばあいつらがシロかクロか一瞬ではっきりさせられるってわけだ。こんな便利なモン、使わない手はねえだろ?)

 

 だの、

 

(許せ。お前は実験台だ。……大丈夫だ。どうせ効果はすぐ切れるって説明にちゃんと書いてある。試しに使ってみねえと、本当に効くのかどうかも分からねえしな……)

 

 だの、

 

(俺は悪くねえ。この状況が悪いんだ、この状況が。お前がんなおあつらえ向きに俺の前に立ってんのが悪いんだよ。恨むんならイイ女すぎる自分を恨みな)

 

 だの。

 頭の中で様々な言い訳を並べつつ、

 

 

「ちょっとクリフ、これは一体」

 

「どうだ? 何かこう、──いつもと変わった感じ、とかねえか?」

 

 

 クリフは露骨な笑顔でレナスに語りかけた。さらには声まで過剰にダンディ。

 薬がちゃんと効いているのかどうか確認するという大義名分こそ見失ってはいないが、この男、すっかり本題そっちのけである。

 

(つまりこいつが俺を見て「クリフってこんなにイケメンだったのね。やだ……私ドキドキしちゃう」というようなそぶりをしたらそれはもうつまりギンギンに脈アリというわけだな?)

 

 なんだかんだ言いつつ、このおっさんもすっかり周りの奴らの青春に当てられたらしい。

 好いた惚れたのなんて青臭いものにはもう興味ないとかいうそぶりまでしていたくせに、喉を鳴らしてレナスの一挙手一投足を注意深く観察しているという始末。

 

 相手が過去の時代の未開惑星人だとか、すでに彼氏持ちだとかそんな事は一切どうでもいい。

 気があるかどうかなんてそんな事確かめたって、クリフだって別にそっから先どうこうする気もないのだから。心の中が二十歳くらい若返っちゃっている現在のクリフに、年相応のやましさなんてものはこれっぽっちもない。

 相手にその気があるのかどうか、確かめる事にこそ意味があるのだ。

 青春とはすなわちそういう事であろう。

 

(俺、いつもよりイケメンに見えるか? 見えるよな? ……な?)

 

 気持ちが若返ったクリフはそう言いたげにキリッとした顔しながら、さらには少しでも自らをカッコよく見せようとこざかしく顔の角度まで変えて見せる。

 一方、いきなり謎の液体ひっかけられたレナスはというと。

 

「クリフ。私は、その瓶の中身を聞いたんだけど? それをこんな、」

 

 見るからに不快そうな表情でクリフを咎めつつ、袖で頭をぬぐっていた。

 ちなみに、レナスにかかった惚れ薬は文字通り一瞬で蒸発した。従ってレナスのこの行動は、ただ精神的なものに過ぎない。

 

(変わんねえな……。そろそろ効いてもよさそうなもんだが)

 

 レナスが一向に少しも“それらしいそぶり”を見せない事に、クリフが焦りを感じ始めた頃。

 

「こんな事をしておいて謝りもせずに「どうだ」なんて、悪ふざけもいい加減に」

 

 そこまで言って、クリフを見たレナスの動きが止まった。

 それまでのむっとした表情が消え、代わりに。

 

 

「──ふふっ。今日のクリフ、なんだか」

 

 

 現れたのは、嘘偽りのない笑顔だ。

 今か今かとその表情が自分に向けられるのを注視していたクリフも、

 

(本当に効いた、だと?)

 

 とレナスの笑顔に一瞬ビビる。

 

 落ち着け。今日のこいつはしらふだ。酒を与えた記憶はない。てことはつまりだ。

 ……などと瞬時に考えを巡らせた後。

 

 クリフはやはり嬉しそうな笑顔を見せているレナスに、実に自然な笑顔を返してみせた。

 もう一方の笑顔に溢れているような純真さなど欠片もない、ただのニヤけたおっさんそのものの笑顔を。

 

 今のクリフの気分を例えるならば、山の頂上で「青春バンザイ!」と叫んでいるようなものか。というより、クリフは今まさに自分の心の中にあるお山のてっぺんでそう叫んでいたりする。

 

 

 ──が、悲しいかな。青春とは本人が思うほどに、そう都合よく事が運ぶものではないらしい。

 レナスがクリフを見て、心の底から嬉しそうに笑い続ける中。

 

(ふっ。悪いなルシオとやら。どうやら俺に惚れてるみたいだぜ、こいつは)

 

 などと勝ち誇っていたクリフに、

 

「やっぱり、気のせいじゃないわね。今日のクリフ」

 

 とレナスはやはり最高の笑顔を見せたまま言ったのだった。

 

 

「いつもより、目元の小皺が目立って見えるのよね」

「な、ん……だと?」

 

 

 表情はやはりクリフに対する好意に溢れているものの、レナスの口から出たのはむしろ悪意すら感じさせる容赦のない言葉である。

 

「ふふっ。その驚き方も年季が入ってる」

 

(……おい。この薬ちゃんと効いてんだろうな? それともなにか、ちゃんと効いて“これ”なのか? やっぱり実はこいつに嫌われてんのか俺?)

 

 あまりに矛盾したレナスの言動にクリフが混乱していると。

 やたら人懐っこい感じでレナスが聞いてきた。

 

 

「ねえ。クリフの事、お父さんって呼んでもいい?」

 

 

 一緒に居られて嬉しいという表情。

 目元の小皺。

 そしてなによりとどめに“お父さん”。

 そこまで言われればクリフももう、レナスの表情の意味に気づかざるを得ない。

 

(お前もそういう認識かよちくしょー)

 

 とにこにこ笑顔なレナスの前で両手を地面につきへこんだ。

 

 

 なんてことはない。この薬は“恋愛感情”に限らない、広義の意味での“好意”を相手から引き出す薬だったという事だ。

 

 これもまあ好意っちゃ好意だけど、正直これだったら嫌われてる反応された方がまだマシである。

 惚れてるかどうか確かめるために薬かけたのに、こんな目の前で「お父さん大好き!」みたいな反応されちゃったらもう、心の中で断崖絶壁の淵に立ち、せめてもの思い出に「青春ギョクサイ!」と叫ぶ事すらできないではないか。

 なにが青春だ。“娘”相手に。あんな一喜一憂までして。ばかじゃなかろうか、本当に。

 

(なにやってんだろうな、俺)

 

 今のクリフにはもうむなしさしかない。

 急激に現実に引き戻されたせいで、今度は実年齢より十歳は老けこんだような心境で、なげやり気味にレナスに言った。

 

「勝手にしろよ。お前が呼びたきゃなんでも好きなように呼びゃいいだろ」

 

「ううん、言ってみたかっただけだから。親を恋しがる年じゃないもの」

 

 若い“お父さん”の了承を得てレナスも無邪気に笑い、そして。

 

「でも、私ね……クリフの事、本当にす──」

 

 まで言ったところで、レナスの笑顔がふいに消えた。

 代わりに現れたのは困惑の表情だ。

 

 

「私は、何を──?」

 

 

 不思議そうに辺りを見回し、肩を落としてがっくり落ち込んでいるクリフに目をやった後。

 レナスはクリフの傍らに置いてあるビンに目を留めた。

 

「──? これは」

「げ」

 

 落ち込んでいたせいで反応が遅れたクリフよりも早くレナスはビンを手に取り、それをしばし不思議そうに眺める。

 それから、いよいよビンのラベルに視線は移り。

 再びクリフの方を向いたレナスには、微塵も不思議そうな表情はなかった。

 

「クリフ。これは一体どういう事?」

 

「おう、やっと気がついたか。これをあいつらに使えば真実がタチドコロに判るっつう寸法よ。どうだ、名案だろ?」

 

「私が聞きたいのはそういう事じゃないって、分かって言ってるのよね?」

 

(ちっ、さすがにごまかされねえか)

 

 ごまかすもなにも本来はそっちこそが本題だったわけだが。クリフは現在この場をいかに言い繕うか、ほぼそれしか考えていない。やっぱり本題そっちのけである。

 まあ当然というべきか。

 いきなり惚れ薬かけられた側のレナスも、そんなんで冷静に納得して当初の本題に戻るわけもなく。

 

「どういうつもり? あなたはこれが何なのかすべて知った上で、私にこの薬を使ったの?」

 

 クリフを睨みつけ、憤りを押し殺した声で、レナスは耳の痛い質問を静かにクリフにぶつけてくる。おそらくこれが彼女の場合の、俗に言うマジギレ状態なのであろう。

 

 がしかし、このおっさんも美人にマジギレされたぐらいじゃビビらない神経の持ち主だ。レナスから発せられてくるとてつもない威圧感に負けじとばかりに、クリフはのんべんくらりと言い訳、もとい開き直りのセリフを放つ。

 

「こういうのは本人に内緒で使ってみねえと。実験結果に影響でちまったら、薬使う意味がねえだろ?」

 

「実験? 私を、使って?」

 

 睨みつつ聞き返してきたレナスに、クリフはたたみかけるように言う。

 動機はこれで押し通す他ない。だいぶゲスいが「下心をもってやりました」よりはまだマシだろう。実際七、八割くらいはそれで合っているのだ。たぶん。

 

「おうよ。この惚れ薬とやらの効果のほどがいまいち分からなくってな。……そのラベル見りゃわかるだろ?」

「……」

 

 手に持ったビンを一瞥し、レナスはまたクリフを睨みつける。

 

「だからまあ、あいつらに使う前に、一度別の人間でテストしてみる必要があったってわけだ。もちろんお前には悪いと思ったが……とりあえず、“結果”は上々ってトコだったな」

 

 なにがしかの好意さえあれば薬がばっちり効いてしまうというところは少々やっかいだが、その辺はさっきみたいによーく観察してみれば済む話だろう。ようは奴らに薬かけた結果が恋愛感情っぽくなけりゃセーフなのだ。

 一方クリフの言い訳を聞いたレナスはというと、やっぱり怒っていた。

 

「“結果”は上々? ……ふざけないで。こんな、こんな妄りがわしい薬で引き出された感情に真実性なんてあるはずがないわ」

 

 というよりさっきよりさらに怒っている。というよりむしろなんかすごいムキになってきている。

 

「なあ。お前、薬が効いてた時の記憶もねえんだろ? なのにあるはずがねえって、なんでそんなきっぱり言い切れんだかねえ」

 

「っ、それは」

 

 反応から察するにレナスはどうやら、自分に薬が効いていた時の事を微妙に誤解しているらしい。まあこんなチャラいビンに“好意”と書いてあったら、誰しも最初はそういう解釈をしちゃうだろう。

 

(ほうそうかそうか。今のお前の中ではそういう認識なんだな。って事は)

 

 と一瞬で察しがついたクリフは、しかしその件に関しては一切の無言を貫く所存だ。

 

 ……だってやっぱりどう考えてもこいつ“娘”なんかじゃねえし。

 マリアですら自分のガキ扱いするのには未だに抵抗あるっていうのに、こんなでかいガキがいてたまるか。

 自分はまだまだ若いのだ。お前なんか余裕で攻略対象に決まってるだろう。なのになんだ“お父さん”って。

 

(認めてたまるかこんちくしょー)

 

 と心中で歯ぎしりしつつ。けれど表面的には余裕すら感じさせる、気だるい表情をつくり、都合よく話を先に進めようとしたが。

 

「まあどうでもいいなそんな事は。さて実験も済んだ事だし、いい加減あいつらの事に話を戻そうぜ? まずどうやって使うかだが……」

 

「あなたは二人にこの薬を使うつもりなの? こんな悪辣な薬で、意図的に人の心を動かそうというの?」

 

 真面目なレナスにとっては、それもやっぱり許せない事のようである。

 軽蔑しきった目で見られ、

 

「見損なったわ、クリフ。あなたがそんな事をする人だとは思わなかった」

 

 とまで言われる始末。

 

(まあ普通に考えりゃ最低の行動だよな……)

 

 レナスの言いたい事もなんとなく分かるだけに、クリフの神経も今度こそ弱りかける。が、

 

(でも仕方ねーじゃん、こうでもしねえとあいつら納得しねえもん)

 

 となんとかやけっぱちになったクリフはまた図太くレナスに弁明し始めた。

 よせばいいのに、また火に油注ぐような言い方までして。

 

「カタいコト言うなって。確かにあまりいい趣味とは言えねえけどよ。ほれ、効き目だってすぐに切れるワケだし、多少はな?」

 

「……」

 

「それにそのラベルに書いてある通り、この惚れ薬は必ず効くって代物でもねえ。あいつらが相手の事を何とも思ってなきゃさして効果も出ねえんだ。──何にも怪しくねえ事を確認するだけなんだから、お前が心配するような事にはならねえと思うぞ?」

 

「……。“好意がなければ、十分な効果は出ない”──」

 

「だからさっきからそう言ってんじゃねーか」

「っこんな薬、信用できるわけが……!」

 

 

 そんな感じでクリフとレナスがやいやい言い合っている頃。

 少し離れた所にある大岩の後ろに、二つの影が隠れていた。

 

 クリフ達の様子をのぞき込み、しきりにひそひそと会話する声がしている。

 会話の内容はというと──

 

 

「やっぱりレナの気のせいじゃないか? あの二人、そんないい仲には見えないけど。ほら、レナスさんなんてどう見ても本気で怒ってるじゃないか」

 

「喧嘩するほど仲がいいってよく言うじゃない。あれだってそういう事なんじゃない?」

 

 

 おまえたちもか。と言いたくなるようなお約束ぶりである。

 前日に「バレなきゃいいんだよ」とクリフがお手本を示した通り、昨日も今日も揃って怪しげにいなくなった二人の様子を、フェイトとレナは岩陰からこそこそと窺いつつ話し続ける。

 

「そうか? あれだけきっぱりフラれたんだぞクリフは」

 

「うーん、それはそうなんだけど……。でも、あの日のレナスさん、寝る時まで楽しそうに笑ってたのよね。なんかいい事でもあったみたいに」

 

「単純に酒が入ってたからだと思うな、それは」

 

「それに、あの日のレナスさん言ってたのよね。「クリフはいい人よ。レナが心配するような事は何もなかったわ」って。好きでもない人の事を、“いい人”だなんて言って褒めたりするかな」

 

「それは……あの状況だったらそう言うだろうね、レナスさんも。レナお母さんをなだめるために」

 

 なんてひそひそ話し合い続けても結論は出ず。

 

「もう少し近づいてみようかしら? 会話の内容がわかれば、いろいろはっきりさせられると思うのよね」

 

「確かに。ここで憶測続けるよりは、僕もそっちの方がいいかな」

 

 意見が一致したレナとフェイトの二人は、クリフ達に気づかれないよう、大岩から大岩の間を縫うように、少しずつ、そうっと歩いていき。

 そして、やっとクリフ達の声が聞きとれるほどの距離まで近づいた時。

 

 

「だから、どっちにしろすぐに効き目は消えんだよ。ちょっと確かめるために使ってみるだけの事を、そこまで大げさに考えるこたあねえだろって」

 

「……空気に触れればすぐに効き目はなくなるのね。分かったわ」

 

「おう、やっと落ち着いたか……って、お前何やってんだよ」

 

「見て分からない? こんな、くだらないもの」

「お、おいばかやめろ!」

 

「捨てるに決まってるでしょう!」

 

 

「──!? いっ……てぇぇ」

 

 頭に血が上ったレナスがぶん投げた“惚れ薬”が、ピンポイントで近くに隠れていたフェイトの頭頂部に直撃するという──

 とっても不幸な事故が起きました。

 

 

 我に返ったレナスとクリフが、今しがた声の聞こえた辺りに揃って目をやる。

 

「あ──。今の声は、まさか」

「そのまさかだろうな」

 

 一方、二人の視線の先にある岩の後ろでは、フェイトが頭を押さえてうずくまっていた。

 そばにいるレナが、心配そうにその様子を窺う。

 

「だ、大丈夫? フェイト。今なんか……すごい音したわよ?」

 

「……ああ、したな……ゴスンって。しかも」

 

「ビンの中身も全部かぶっちゃったわね。パシャ、って」

 

「ああ……不思議とすぐに乾いちゃったけどね……」

 

 と二人で声をひそめて話している。

 さっき思いっきり声を出してしまった時点で、そんなのは無意味な行動だとどっちかが気づいてもよさそうなものだが──

 まあ盗み聞きされていた二人の方がそれどころじゃないから、今ここで素直に「ごめんなさい」と出て行く必要もないと思われる。

 

「そんな、どうしてフェイトがここに……」

 

「ほう、隣に嬢ちゃんもいるっぽいな。こりゃちょうどいい」

 

 動揺しているレナスの横で、クリフはぽつりと呟いた。

 意図を察したレナスがさっそくクリフに食ってかかるが、

 

「な……クリフ、あなたはまだそんな事を──!」

「やったの俺じゃねーし?」

 

「っ……私は……まさか、こんな事になるなんて」

 

 形勢は圧倒的にクリフが有利である。

 うつむいたレナスに向かって、

 

「なあ。ここで俺らがいくら言い争ったところで、あいつにやっちまったことがきれいさっぱりなくなるってわけじゃねえ、ってのは分かるよな? だったらよ……ここは、──確かめてやるべきなんじゃねえのか?」

 

 などと、クリフはなんだかとってもいい感じのセリフを言い聞かせる。

 

「あいつにかけられた疑いを俺らの手で晴らしてやるのが、あいつへの一番の償いになるんだと、少なくとも俺はそう思うがな」

 

 そうこうしている間に、向こうの方では何やら思わせぶりな展開が始まろうとしていた。

 

 

「ちょっとフェイト、まだたんこぶ消えてないわよ。じっとしててくれなきゃ、ちゃんと治せないじゃ……」

 

「ああ、分かってるよ。でも──少しでも早く、君に僕の気持ちを伝えたくてね」

 

「え、え?」

 

 いよいよ惚れ薬の効き目が現れてきたらしい。二人とも声を落とす事を忘れたようで、会話の内容もバッチリとクリフ達の耳に入ってきている。

 そんな中で、クリフが言う。

 

「お前は、あいつの犠牲を無駄にするつもりなのか?」

 

 レナスは深く息をついた後、決心したように顔を上げてフェイト達が潜んでいると思われる岩の辺りを見た。

 

「ごめんなさい、フェイト──」

 

 レナスは意気消沈と。

 クリフは好奇心まる出しで。

 とにもかくにもフェイトの様子をもっと間近で観察しようと、フェイト達の隠れている所へ向かって、ようやく二人が足を一歩前に踏み出した時。

 

 一段と真剣な様子の、フェイトの声が聞こえてきた。

 

 

「聞いてくれレナ。僕は──」

「な、なに? ど、どうしちゃったのフェイト……」

 

 動揺しているレナの声。

 

(げ、あいつマジかよ。とすると……こりゃまた厄介な事になったな)

 とクリフも一瞬だけ表情を曇らせる。

 

「君の──」

「や、やだ……ちょっと」

 

 そしてフェイトは、

 

 

「ふとももが好きだッ!!」

 

 

 レナに告白した。

 堂々と。心の底から。

 自分の、ありのままの気持ちを。

 

 

(──あ?)

 

 

「……フェイト? それは一体……どういう」

 

「大好きなんだッ! 君のその、とびっきり健康的な脚が! たまらないんだよッ! そのミニスカートとロングソックスとの、絶妙なバランス加減もッ! 全部含めて! ……」

 

 めちゃくちゃ動揺しているレナに、フェイトはこの上なくキリッとした声で、熱い思いのたけを一方的にぶつけている。

 

(つまりこれが、あいつが嬢ちゃんに対して密かに抱いていた“好意”だ、と。なるほどな……)

 

 いささか本能に正直すぎる結果になってしまったがまあ“恋愛感情”っぽくはないし、これならシロに含めていいだろう。……などと二人の声を聞きつつ比較的冷静な分析をしていたクリフだが。

 

「……。大変だわ。早く止めなきゃ」

 

 横にいたレナスがそう言うなり、なんと剣の鞘に手をかけたではないか。

 

(はっ、殺気を!?)

 

 慌てふためいたクリフはすぐさまレナスの左手を、レナスが掴んでいた剣ごとがしっと掴んだ。

 

「やめろお!」

「!? 何を──」

 

 驚くレナスにとりすがって、

 

「確かに今のあいつは気持ち悪いかも知れん。斬り捨てたくもなるかも知れん。だがな!」

 

「クリフ。一体何の話を」

 

「あいつだって一人の男なんだよッ! そばにふとももがあったら意識するに決まってんじゃねえか! あれは自然な感情なんだよッ!」

 

 などと、ひたすらに声を張って言い続ける。

 

「お前そんなに、そんなにまで許せねえ事か? だったら──俺を倒してから行けッ! 俺だけじゃねえ、その辺にいる野郎も全部だ! しょせん、男の心なんてやつはどいつもこいつもみんな──あんなもんだぜッ!!」

 

 こんな事であいつをやらせてなるものか。健全な青少年の心の叫びが表に出ちまっただけじゃねえか。

 ただひたすらにフェイトの命乞いをしていたクリフはしかし、

 

「男がふともも好きで何が悪いんだよ。女のお前には分からねえだろうけどな、“ふともも”ってのは男にとって特別な……」

 

「峰打ちよ。あなたまで馬鹿な事言わないで」

 

 レナスの言葉でようやく正気に戻った。

 驚いてレナスを見れば、

 

「な。峰打ち、だと……?」

「他に何かある?」

 

 必要以上に冷めたご様子だ。

 言われてみれば確かに、レナスが掴んでいるのは剣の柄ではなく鞘の方。

 

(なんだ驚かせやがって。お前が殺気漂わせて“止める”っつうから。俺はてっきり、フェイトの息の根を止めに行くのかと)

 

 さらに落ち着いて向こうの会話を聞いてみれば、

 

 

「触らせてください! そのふとももを! 少しでいいから!」

 

「や、やだ、やめてよ……フェイト、やめてってば……お願いだから……」

 

 

 確かにこれは峰打ちしてでも止めないといけない状況である。

 惚れ薬の用量を守らなかった事が原因か。とにかくこのままでは恋の調査などというくっだらない事が原因で、大切な仲間が被害者犯罪者の関係になってしまう事は想像に難くない。

 

「分かったら早く手を離して。早くフェイトを止めないと、レナが危ないわ」

 

「……んあ。すまん忘れてた」

 

 迷惑そうな表情のレナスに言われた通り、掴んだままだった手を離し。

 魔物と化したフェイトを止めるべく、クリフとレナスがフェイト達のいる場所へ駆け寄ろうとした、まさにその瞬間。

 

 

「君のふともも、全部! 全部! 全部だ! 僕は愛して──!」

「い、」

 

「いやあぁぁーッ!」

「ぐはあっ」

 

 

 レナの渾身の右ストレートが炸裂。

 さらに、

 

「ふ、ふとも……」

「いやあー!」

「ぐあっ。さ、さわら……」

「やあッ!」

「ぐふっ」

「たあッ」

「ぐへっ」

「はあっえいってやあーッ」

「……」

 

 まだまだ続くよオーバーアタック。

 まるで本当に魔物を相手にしているかのような、本気の攻撃の数々である。

 

 身の危険を感じた、という事なのだろうか。現在レナは、自分の思考回路を、いつもとは違う非常に単純なものに切り替えてしまっている。

 きっとそれは、言葉にすれば、このような感じなのだろう。

 

 目の前に敵がいるから殴る。

 ひたすら殴る。殴り続ける。敵が、ぴくりとも動かなくなるまで──

 

 

 そんな向こうの様子を、思わず足を止めて聞いていた二人。

 ほどなくしてレナスが言った。

 

「フェイトが危ないわ。早くレナを止めましょう」

「おう」

 

 そしてすぐに二人は駈け出した。

 大切な仲間の命を守るために。それともう一人の大切な仲間を、こんなくっだらない事で犯罪者にしないために。

 

 

 ☆★☆

 

 

 気がつけば、なぜかフェイトは地べたに寝そべっていた。

 そしてなぜだか、体がめちゃくちゃだるい。まるで瀕死の重傷になったところを、回復術でまるまる癒してもらった直後のようなだるさだ。

 

(う……ん。僕は、一体?)

 

 何も思い出せない。

 こっそりクリフ達の様子を見に行って、いきなり頭の上に謎のビンが降ってきて。

 痛さのあまりに頭を抱えてうずくまっていたところまでは、なんとなく覚えているけれど。

 

(なんだろう、記憶の片すみに……これは、レナの、足……?)

 

 記憶をなくす前に見た、最後の光景だからだろうか。

 その割には、なんかやたら心に引っかかるのが気になるけど。なんかこう、もやもやとした感じで。

 

 身動きせず、自分が置かれている状況もいまいち理解できないまま。すぐ横で盛んに交わされている三人の会話に、フェイトがとりあえず耳を傾けてみると。

 

 

「……だからな、この結果はちいとばかし俺らにも想定外だったっつうか」

 

「想定外とかじゃなくて、最初からやろうとした事自体が間違ってるんです! 誤解を解くのにこんなヘンな薬を使う必要なんてどこにもないじゃないですか!」

 

「それは……。本当は、私も使うつもりはなかったんだけど」

 

「あんな危ない薬をその辺に投げ捨てる人がどこにいますか! 周りに悪影響がないか、十分に確認してから処分するものでしょう!」

 

「……そうね。本当に、自分でも馬鹿な事をしたと思うわ」

 

「そもそもそんなオカシな話、聞かされた時点でちゃんとわたし達にも伝えれば済む話じゃないですか? それをこんな……恥ずかしくないんですか!? いい大人が揃いも揃って……!」

 

 

 何を話しているのかはよく分からないが、とりあえずレナがいつも以上に激しく二人を叱っている事だけはフェイトにもよく分かる。

 どうせまたなんか叱られるような事でもしたんだろうと結論づけたフェイトの耳に、これまた途切れ途切れにいろんな声が聞こえてくる。

 こもった声の感じからして、向こうのみんなと今通信が繋がっているらしい。

 そっちの会話の内容はというと、

 

 

『フェイトさいてー』

『ありえないわね』

『待ってよ。フェイトの事をそんなに悪く言ったら可哀想だよ』

『だよな。こればっかりは仕方ない事だと、僕も思うし』

『……仕方ないな』

『若いですからねえ』

『あほくさ』

 

 

 なぜかフェイトに対する、女性陣の愛情値が軒並み下がっている様子。そしてなぜか逆に男連中の友情値は軒並み上がっていたりして、それが余計にフェイトの疑問に拍車をかける。

 

(なぜだ。なぜ……)

 

 疑問に思いながら目を開けてみる。と、フェイトの目の前にはまさしく絵に描いたような叱られぶりがあった。

 

 叱ってるレナは仁王立ちで腕組み。

 叱られてる二人の方はともに正座。

 しかも二人の間には、通信機がなぜか縦置きで置いてある。

 

(ん? もしかして、通信機も正座なのか? なぜだ。一体なぜ……)

 

 そんなフェイトの疑問と同時にレナスが言う。

 こっちもどこか納得していない様子だ。

 

「なぜかしら。私はいつも、レナに怒られているような気がするわ」

 

「そんな気にすんなって。今回ばかりはお前に非はねえって。たぶんだけどな」

 

「……。あなたに慰められたくはないわ」

 

 と不機嫌そうにクリフに話しているところを、まとめてレナに一喝された。

 

「そこの二人、私語は慎む! 他のみんなもよ! ねえみんな、ちゃんと反省してる!? みんながヘンな事言い出さなかったら、こんな事にはならなかったんだからね!?」

 

『まあまあ、何もそんなに怒らなくっても』

 

「なによクロードのばか! 言っとくけどわたし、あなたに一番怒ってるのよ!? クロードはわたしの事、ちっとも信じてくれてなかったんだって……!」

 

『だからそれは、本当に悪かったって……』

 

 今のレナの怒りのターゲットは、通信機の向こうにいるクロードらしい。

 あいかわらずフェイトには何が何やら分からないが、ずっとこうして寝転んでいても仕方ない。

 

「えーと。おはよう、でいいのかな」

 

 とフェイトが体を起こして挨拶すると。

 

 

「「──!」」

 

 ものすごい驚かれてさらに何が何やら分からない。

 

「だ、大丈夫なの? フェイト」

「え、うん? 大丈夫だよ。なんでかな、ちょっとだけ調子は悪いけど」

「本当か? どっか、体おかしくなってねえか?」

「なんだよクリフまで」

 

 みんなの奇妙な優しさに戸惑っていると、

 

『じゃあ、僕達はこれで。うん、なんていうか……ごめんなフェイト』

 と通信もすぐに切れた。

 

「ごめんなって、一体何のことだ?」

 

「え、えっとそれはたぶん、話す時間とれなくてごめん、って事じゃないかな?」

 

 首をかしげているとレナが説明してくれた。

 疑問に答えてくれたついでに、フェイトはさらに聞いてみる。

 

「ふーん、そういう事なのかな。それより、僕はなんでこんなところで寝てたんだっけ?」

 

「ごめんなさいフェイト。ごめんなさい──」

 

「え? なんでレナスさんも謝るんですか?」

 

 またまた奇妙な反応である。

 正座中のレナスがなぜか心の底から申し訳なさそうに目を伏せている中。これまたなぜかレナが慌てたようにフェイトに説明する。

 

「そ、それは……。レナスさんがよく考えずに放り投げたビンがね──中身は本当になんてことないただの水だったんだけど、それが──うっかりフェイトに当たっちゃったんだって!」

 

 一応ちゃんと聞いてはいるが、フェイトはレナの話の内容より──

 さっきからレナが、話しながらやたらとスカートの前を直している事の方が気になっている。

 あんまり伸ばしすぎて、スカート破れるんじゃないかってくらい。

 

(なんでそんなに……?)

 

 すごい気になるけど、まあこういう事はおそらく面と向かって聞くような事ではあるまい。やっぱり気になるけど気にしない事にしたフェイトは、レナの説明になんとなく納得の意を示して見せる。

 その様子を見る他の面々の内心は、さぞかし後ろめたさと安堵感でごちゃまぜになっている事だろう。

 

 

 彼のためを思うのなら、本当の事を言うか言わざるべきか。

 何も知らないフェイトを目の当たりにしてそれぞれが自身の胸に手を当てて考え、結果全員が同じ結論に至ったらしい。

 事前の打ち合わせなんか一切していないのに、まるで口裏でも合わせたかのように、フェイトとの会話はおおよそスムーズに進んでいく。

 

 

「ああじゃあそれで、僕は今まで伸びちゃってたのか」

 

「そ、そうなのよ!」

 

「まあ当たり所が悪かったんだろうな。お前が急にぶっ倒れるもんだから、俺らもさすがに心配になっちまってよ」

 

「本当にごめんなさいフェイト。私はあなたにとてもひどい事をしてしまったわ。謝って済む問題じゃないのは分かってる。それでも」

 

「いいですよ、そんなに気にしなくても。こっそり岩陰に隠れてた僕にも非はありますし。でも次からは気をつけてくださいね」

 

「…………」

 

 会話はおおよそスムーズに進んでいく。

 

「ほ、ほらレナスさん! フェイトは許してくれるって言ってますし、レナスさんも気持ちを切り替えて! いつまでも気にしてたらダメですよ!」

 

「……あ。ええそうね、ありがとうフェイト」

 

「? どういたしまして?」

 

「えーと、そういう事だから今日はもう大事をとって休んだ方がいいって、さっきみんなで言ってたのよ。今日は見張り番もしなくていいから、フェイトは朝までゆっくり休んでね。それと、……」

 

 

 そこにあるのは、互いが互いに相手を思いやる優しい世界。

 その光景のただ中で、

(知らない方が幸せっつうのは、まさにこういうことを指すんだろうな)

 クリフは正座しながら、しみじみ思うのであった。

 




・一応補足。
 今回のやらかしで一部(ていうか全員?)信頼関係にヒビが入っちゃった人もいますが、あくまでギャグ回なのでみんな基本的には引きずりません。次回からはちゃんと元通りの関係です。
 フェイトの事はもちろんみんななかった事にしました。
 それとフェイトがあんな事になってしまったので、さすがにクリフも後でちゃんとレナスに本当の事教えてます。

 これで友情ED一直線だね! みたいな事にはなりませんのでご安心ください。
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