定食屋兼居酒屋の店主になった俺の店に知り合いばかり来店するんだが   作:やましょー

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思っていたより多くの方に読んでいただけているようで素直に嬉しいです。それとオリキャラの人物紹介をまたあげようと思っています。


旅行で北海道行った時お土産で海鮮を買って食べたはいいけど家で食べるよりも北海道で食べたほうがやっぱり美味しいと感じるのは俺だけじゃない筈

「ありがとうございました〜」

 

客の出入りが最も活発になる昼時、俺の店は決まって忙しくなる。テーブル席16席、カウンター席12席だが『あみーご』の店員の数を考えるとこれでも昼時は忙しい。店主の俺にパートの方が2人、それに加えバイトの方の5人しかいない。勿論全員が何時もいる訳ではないので、基本昼間にパートの方が1人、夜にはバイトが2人体制でやっている。

 

「隼人く〜ん。日替わり定食3つお願い!」

 

「分かりました晴美さん」

 

今日は俺がこの店を継ぐ前、つまり親父が店主だった頃からパートとして働いてくれている桜内 晴美(さくらうち はるみ)さん。歳は分からないけど中学生の娘がいるそうだ。中学生の娘がいるということは30代後半と考えるのが妥当だが30代後半とは思えない程め美人だ。それでいて誰に対しても優しく接してくれるので常連さんの間では女神様と言われてるとか言われてないとか。

 

そんなことを考えながら今日の日替わり定食のメインである北海道産のホッケの干物を焼いていく。普通の定食屋のランチで北海道産のホッケが食べられる所なんて殆どない筈だ。それなのにうちで提供できるのには訳がある。

 

実は親父はそっちの世界での知り合いが多いらしく親父がこの店をやっていた時からこの店に卸してくれている全国の知り合いが今もまだ俺の為に卸してくれているのだ。ランチで払うには少し高いかもしれないうちの店も毎日美味しい料理が食べられるからということで多くのお客さんに来てもらっている。そしてこの店の常連さんは決まって日替わりランチを頼むのだ。因みにランチのご飯はお代わり自由である。

 

そんなうちの今日の日替わりランチのメインは先ほど述べた通りホッケの干物である。脂ののった旬のホッケの干物は焼くとどこにそれだけの量の脂を隠し持っていたのかと思うほどの脂となんともたまらない香りを放つ。東京では食べれるのかわからないが、北海道では新鮮なものは刺身や握りでも食べられていると聞いたことがある。いつか食べてみたいなと思いながらホッケを焼いていく。

 

 

 

 

ひとまずお客さんの数が少なくなってきた午後一時過ぎ、この前の穂乃果に続きまたもや知り合いがやって来た。その子が店に入ってきた時俺はまたかとため息が漏れかけた。何しろある意味一番やばい子が来たからだ。

 

「こんにちは。隼人さん、晴美さんお久しぶりです」

 

「あら、花陽ちゃんじゃない。元気にしてた?」

 

「はい。何とか頑張ってます」

 

彼女の名前は小泉花陽、俺や穂乃果の一つ下にあたるアイドルとご飯が大好きなかわいらしい女の子だ。大切なことなのでもう一回言っておこう。アイドルとご飯が大好きな女の子だ。

 

前者のほうは別に問題ない。スクールアイドルとして活動していた頃の経験を生かしてアイドルのプロデューサーを目指している花陽は凄いと思っているし尊敬もしている。

 

後者のほうにおいても花陽のご飯の食べるのを見ると見ているこっちまでも自然と笑顔になる程幸せそうな顔をしているのだ。だが店を継ぎみんながきてくれるようになってからやっとわかったんだ。花陽の胃袋はまさにブラックホールだってことが、この前来た時にもご飯を五杯もおかわりしたんだよ。そのあと会計を済ませて店を出るとき俺は偶然にも聞いてしまったんだ。「もう少し食べておけばよかったな」って。あの小さな体の一体どこにあれだけの量が入るのだろうか?いつか真相を知りたい…。

 

「はい、お待たせしました。日替わり定食です」

 

そんなことを考えながらテーブル席に座っている花陽の前に定食を運ぶ。

 

「わぁ~。では頂きます!」

 

花陽は最初にお味噌汁…ではなく白ご飯から食べた。汁物から頂くのは和食を食べる上でとかではなく日本人として知っておくべき知識ではあると思うがまぁ花陽だしいいか。

 

「やっぱり隼人さんのお店のご飯はおいしいですねぇ~」

 

「花陽はいつも来るたび同じこと言ってくれてうれしいよ。そういえば花陽は大学でちゃんとコミュニケーションとっているか?」

 

「新しい友達もできなるべく沢山の人と話すようにはしているんですけど…」

 

「成程。そんな花陽にはこんな話をしよう。アメリカのとある大学の研究結果によると人は社会的な付き合いが健康に及ぼす影響は食事や運動に匹敵するそうだ」

 

「そうなんですか?」

 

「あぁ。その論文の内容によると若いころから社会との強い結びつきを維持することは、病気のリスクを低下させ、その人のあらゆる状況の健康状態に影響するそうだ。簡単にまとめると若いうちにコミュニケーションを沢山とっておくと後々いいってことだ。更に思春期にコミュニケーションをとらないのは運動をしないのと同じぐらいの影響力があるらしい」

 

「じゃ、じゃあ花陽はもう手遅れってことなんですか?」

 

不安そうにおろおろとする花陽を見た晴美さんが話に入って来た。

 

「隼人君また花陽ちゃんいじめているの?」

 

「晴美さんまさかもうぼけが始まt」

 

「ふん!」

 

「痛い!!!」

 

ついイラッときたので軽口をたたいてみたら晴美さんの鋭い一撃が見事に鳩尾に入った。これが若い人との年季の差かと言おうと思ったがこれ以上言うと明日の日替わりランチは人肉ハンバーグになりそうなのでやめておくことにした。

 

「隼人さん大丈夫ですか?」

 

「何とか…えっとさっきの続きだが恐らく花陽に関してはそれほど心配する必要はない。花陽の周りにいただろ、8人の仲間が」

 

あっ、と声を上げる。嬉しいことも楽しいことも悲しいことも共にした仲間がいるんだ。普通の高校生よりも濃い高校生活を送って来たんだから何も心配することはないと思う。

 

「それにだ、過去のことを悔やむよりも今どうするかが大切だと思うよ俺は」

 

「隼人さん…ありがとうございます」

 

花陽がまぶしいほどの笑顔を俺に向けてお礼を言ってくれた。俺も話をしたかいがあったってもんだ。

 

「で、いつまで笑っているんですか晴美さん!」

 

先ほどから触れないでいておいたがずっと笑っているのだ。いい感じで終わりそうだったのに。

 

「だって凄いくさいセリフだったもの面白くて面白くて」

 

今日もこんな感じで『あみーご』は営業しているのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

因みに花陽は結局あの後ダイエット中だからといって2杯しかおかわりしませんでした。大丈夫かな…

 

 

 

 




花陽ちゃんに関しては一番書くのが難しいと感じております。なんか書きにくいんだよなぁ。
それとお気に入り登録してくださったknaoさん、藤田郁夜さん、gurioさん、asa旭川さん、9回裏から逆転さん、戯店さん、神話さん、裏神さん、天道総司さん、十王さん、(´・ω・`)アウーさん、yuanvさん、田千波 照福さん、またたねさん、戒 昇さんありがとうございます。そして評価してくださった9回裏から逆転さん、神話さんありがとうございます。
まだまだ拙い文ですがどうかこれからもよろしくお願いします。
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