定食屋兼居酒屋の店主になった俺の店に知り合いばかり来店するんだが 作:やましょー
あっという間に高校最後の夏が終わりです…。
どうも皆さん。筑波隼人です。
8月も終わりですが、夏バテしていませんか?
今日はあの姉妹にお礼をしなければいけないのでその準備をしています。
正直お礼をすることになったのは想定外の出来事が重なって起きた不幸というか…。
それが起きたのは数日前のことでした。
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実は店で提供している日替わり定食には、たまに季節のフルーツをデザートとして提供しているんですが、そのフルーツを買いにいつも来ている果物専門店に行った時のことでした。
「あらまぁ隼人君。いらっしゃい」
「こんにちは。今日のおすすめってありますか?」
「そうだねぇ…今日はこのスイカなんてどうだい?」
お店のおばさんが勧めてきたスイカはとても大きく立派なスイカだった。
「スイカか…いいスイカですね」
スイカの大きさといい叩いた時の音といい、スイカも悪くないと思ってしまった訳で、
「隼人君にはいつもお世話になっているから、スイカを買ってくれたらおまけしちゃうよ」
この一言が決定打となり、ついつい勢いでスイカを買ってしまった訳なのだが、
「…重い」
まさかのおまけがスイカもう一玉とは誰が想像できるだろうか。一玉でも重いスイカを二玉も持たなくてはいけないとは辛すぎた。
家までの距離も決して近くとは言えなく、誰が手伝ってくれないかなと思ったその時だった。
「あれ?隼人さん?」
「雪穂ちゃん?久しぶりだね。こんな所でどうしたの?」
「それは私の台詞ですよ。そのスイカどうしたんですか?」
偶然出くわした雪穂ちゃんにこうなった経緯を説明すると、雪穂ちゃんは苦笑いをした。
「それは大変ですね。よければ手伝いますよ?」
「それは悪いよ。雪穂ちゃんにも予定があるんじゃないの?」
「それなら大丈夫です。…ほらあそこに」
「あ〜。なら大丈夫だね」
雪穂ちゃんが指を指した先にはレストランの食品サンプルが並べられているショーウィンドウの下の段に並べられているパフェをまるで子供のように眺めている穂乃果がいた。
「ちょっと待っていてくださいね。お姉ちゃん呼んできますから」
「重い…」
「ほらほらお姉ちゃん頑張って」
「そうだぞ穂乃果。ファイトだよ!」
「雪穂が手伝うって言ったのに何で穂乃果が持ってるの!?あと隼人くん似てないし!」
両手でスイカを抱え、疲れた表情で文句を言う穂乃果に渾身のモノマネをバッサリと切り捨てられ、少しショックを受けていると家に着いた。
「今日はありがとね、2人とも」
「そうだよ!穂乃果に感謝して欲しいよ!」
「感謝してるって」
「じゃあお礼に何かして欲しいなぁー。スイカとか食べたいなぁー」
「分かった分かった。スイカ食べさせてあげるからまた来な」
わざとらしくスイカを食べたいと言い始めた穂乃果にもしもここで嫌と言ったら面倒な事になるとわかっているので仕方なくスイカを食べさせると約束した。
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「こんにちわ〜!」
「お邪魔します」
夏休み中という事もあってか翌日2人はやってきた。
「いらっしゃい。用意してあるよ」
2人が来る時間は聞いていたので、あらかじめ冷やしておいたスイカを机の上に並べて置いといた。
「おお〜!美味しそう!」
「いいんですか?食べちゃっても?」
「別に気にしなくていいよ。ほら、食べちゃって」
「いっただっきま〜す!」
早速スイカにかぶりついた穂乃果は幸せそうな顔をしていた。
「うん!美味しい!」
「美味しいスイカだね」
雪穂ちゃんも美味しそうに食べている。
「次はこっちを食べてみて」
「珍しい切り方のスイカじゃない?」
「うん。こっちはこっちで面白くて美味しいですね」
そう言い2人に出したスイカはスティック状に切ったスイカで、主にアメリカでは日本のように扇状や三日月型ではなくスティック状にして食べるらしい。
切り方は半分に切ったスイカの断面を下にして、あとは皮の部分を指でつまみやすい大きさになるように切るだけ。
この方法だと手や口がベタ付きにくくていいらしい。
「あとは…試しに作ってみたこれはどうかな?」
「これ、普通のスイカじゃないの?」
「みたいだね…」
「まぁ食べてみれば分かるはず…。初めてやったからよく分からないけど」
「じゃあ、」
ガブッとスイカを食べた2人だが、スイカにかぶりついた瞬間驚いた表情になった。
「お姉ちゃん!このスイカ、シュワシュワしているよ!」
「うん!これは美味しいよ!」
「好評みたいで何よりかな。それはスイカに炭酸を入れたものなんだ。作り方はドライアイスを入れた発泡スチロールの箱かクーラーボックスに、ドライアイスに触れないようにスイカを入れ蓋をして、数時間置いといたら完成。意外と簡単に作れるんだ」
「へぇ〜。他の果物でもできるの?」
「りんごや梨、パイナップルとかでも出来るみたいだ。でと、みかんやブドウとか小さめの果物はタッパーや袋に入れて、そこに炭酸水を入れたほうが炭酸が果物に移りやすいかな」
「成る程…」
「でもドライアイスを使う場合は蓋をする時に少し隙間を開けておかないとドライアイスが気化した時に危ないからそこだけ気をつけないと行けないかな」
「よし!今から家に帰ってやってみるよ!」
「え?ちょ、お姉ちゃん!?」
ドタバタと家に帰っていった穂乃果に置いていかれて唖然としている雪穂ちゃんが何だか可哀想になって来た夏でした。
さぁ今年の夏は皆さんどうでしたか?
私はひとまず受験が終わりましたが、だからと言って勉強をしない訳にもいかず、2学期が怖いです。
2学期始まってすぐの文化祭で全校生徒の前で女装をするかもしれないという恐怖に怯えながらあとがきを書いています。どうなることやら…。