今回オリジナルグリードを登場させます。
この遺跡の迷宮に迷い込み、進み続けて数分程経っただろうか。ヴリトラは今なお歩みを止めることなく先へ先へと歩く。
道中、魔族のようで違う謎の怪物達に襲われたがそのほとんどがほぼ一撃で、そうでなくとも強い攻撃を数発入れ込み呆気なく蹴散らしていった。
その怪物達はそれぞれ見た目や大きさが違うものがいたが共通点として倒され消滅した後に宝石のようなものをいくつも落としていった。(中には怪物の素材のようなもの等があったが)
ヴリトラは向かってくる怪物全てを倒しながら進んでいるのでヴリトラが通る道には宝石やらが大量に落ちていた。
ヴリトラ「結構歩いたな。RPGだったらそろそろゴールに着いてもいい頃だと思うんだが....。」
ヴリトラの予想通り、先程までの通路とは違い一気に広い空間に入り込んだ。ヴリトラが入った通路以外に道がないのでここが最奥なのだろう。
ヴリトラ「よし、ゴールだ!でも、ここに来て何すればいいんだ?」
よくよく考えればヴリトラがここまで来た理由はこの遺跡らしき場所から出るため。最奥までこれば出口があるものだと思ってここまで来たというのに行き止まりとなればもうどうしようもない。
ヴリトラ「なんで出口がないんだ!くそ、あのロリっ子め!今度会ったらとっちめてやる!!」
その前にここを出なくちゃいけないのだが。
.....ふと、気配を感じる。あの怪物達と同じ気配。だがさっきまでのモノと比べ強力な気配。
ヴリトラ「なんだ?」
するとヴリトラの目の前に赤い光が歪みながら輝きその場に一体の巨大な怪物が現れる。
さっきまでヴリトラが蹴散らしていたザコとは違い、一層強い気配を放つ赤紫色の怪物。
身の丈が180cmのヴリトラ(人ver)を見下ろす程大きく顔の正面に大きな単眼に顔の両サイドに2つずつの4つの目玉。そして虫のような羽を持つその化け物『アビスオーガ』は目の前に立っているヴリトラをこれまでこの場所に迷い込んできた人間同様エサと認識し遅いかかろうとしていた。
ヴリトラ「なるほど、その見た目からしてお前がこのダンジョンのボスだな?」
この時のヴリトラの判断は正しい。このアビスオーガは『エルダーグリード』という個体。このダンジョンを徘徊していた怪物達『グリード』が下級の存在ならばエルダーグリードはその上位個体でこのダンジョンの主。
主を倒せばこのダンジョンは消滅するのでコイツを倒せばここから出れる事になる。
『ゴァアアアア!!!』
ヴリトラ「はっ、このおれとやる気か?上等!お前を倒してここから出てやーーー「いたわ!」ーーうん?」
ファイティングポーズを取りいざボスキャラと戦おうとした瞬間背後から少女の声が響く。流石に気になり後ろを振り返るとそこには5人の少年少女達がいた。見た感じおそらく高校生だろうか?5人の全員それぞれ白銀に輝く武器を手にしているが。その武器から何か霊力めいた力を感じる。
ヴリトラ「人間のガキ?なんでこんな所に...。それにあの武器は?」
「アンタ、早くソイツから離れてくれ!」
ヴリトラ「は?」
「ソレ相手に生身の人間は敵いません。ここは私達に任せて。」
ヴリトラ「....。」
盾?のような独特の形状をしたものを右腕に装着した少年と刀身が細い長剣を手にした少女がヴリトラに呼びかけてくる。危険だから下がってくれと言っているのだろう。
それに対してヴリトラの返事はというと。
ヴリトラ「嫌だ。」
「はぁ!?」
即答で拒んだ。
ヴリトラ「このおれを誰だと思っている。お前達やコイツらがどんな存在でどんな力持っていようがこのおれが負けると思っているのか!?」
ヴリトラの名が知れ渡っている世界ならいざ知らず、ヴリトラにとっても知らない世界の人間にヴリトラの事が分かるはずがない。
ただ、さすがの彼らもヴリトラから放たれた闘気や気迫を感じ取った。
「....ッ コイツは...。」
「な、なんてすごい気迫...。」
「怖すぎるんだけど...。」
大剣を手に持つガタイのいい不良のような少年、篭手のようなものを装着する少女、鎚を手にし、その周りに球体が飛んでいるメガネをかけた少年の3人はそのあまりの迫力にたじろぐ。
しかし彼らから見たらヴリトラは一般人。それだけで納得できるはずがない。
「あなたが何者か存じませんがダメです!相手にならないわ!」
長剣を手にした少女が負けじとヴリトラを引かそうと説得する。しかしヴリトラは引かない。というか引く気がない。
ヴリトラ「だから言っているだろ?このおれが負けるとでも....。」
「! あぶねぇ!!」
ヴリトラ「へ?」
盾のようなものを装着した少年が叫ぶ。
ふとヴリトラが後ろを振り返るとヴリトラの顔面のすぐ目の前にアビスオーガの巨大な腕が迫っていた。
長く待たされしびれを切らしたのだろう。いきなりの事なのでさすがのヴリトラも防御も避けることもできずその丸太の如き拳をモロにくらい、一気に壁の方まで吹っ飛ばされそのまま壁に激突。
ドゴォオオオオオオン!!! ガラガラ ガラ....
あまりに強い衝撃だったのかヴリトラの体が壁にぶつかった直後大きな激突音と共に壁が崩れ落ちた。
「ああ...!」
「マジかよ...!」
「うそでしょ!?」
目の前で人が吹き飛ばされた。あの巨大な腕にあんなに強く叩きつけられ、壁が壊れる程強くぶつかった。
.....おそらく彼は...。
「クッ..!!」
「ムダよ!グリードの...ましてやエルダーグリードのあれほどの攻撃をまともに受けたのよ。残念だけど諦めるしかないわ....。まずはエルダーグリードを倒しましょう!」
「......あぁ、わかった。」
目の前にいた人を助けれなかった。だけど今は悲しむ暇はない。せめて....仇を取ってやる!
少年少女達は犠牲になった男を助けれなかったせめてもの償いとして....目の前の怪物 アビスオーガを倒し仇を取ろうとアビスオーガの前に立ちはだかる。
「いくぞ皆!」
「おう!!」
5人全員が掛け声を上げ、今戦いの火蓋が切っておとーー
「あーー、いってぇー....」
「....!!!???」
ーーされる直前、聞こえるはずのない声が響いた。一応確認するがその声は5人の内の誰かが発したものではなくもちろん目の前のグリードでもない。
その声は壁の方から聞こえた。そう、ツイ先程『崩れた壁』の方から。
「まさか.....」
今一度言おう。巨大な怪物のこうけをモロに受け壁が崩れ落ちる程強くぶつかった。
普通の人間なら体はバラバラ滅茶苦茶になっている。
そう、『普通』の『人間』なら。
ガラガラ....
ヴリトラ「おれとしたことが、あんな見え見えの攻撃をまともにくらっちまうとはなぁ。」
「!?!?!?!?!?」
少年達からすれば信じられない光景だろう。彼等は以前からこの怪物 グリード達と戦ってきた。そのためグリードの強さと恐ろしさをよく知っている。
普通の人間ではほぼ確実に勝ち目がない。そもそも通常攻撃では干渉できず、彼らが持っている武器や霊力を帯びたものしか効果がない存在。
ましてやそのグリードの親玉のような存在であるエルダーグリード。
そのエルダーグリードの本気の攻撃をくらい無事でいられるはずがないのだ。
なのにどうだろう。彼は服が多少破けただけで外傷は特に見当たらず平然と立っている。
それもそのはず。今は人の見た目をしているが彼は人間ではない。
彼は闇世界を統べる王 闇の王 ヴリトラなのだ。
ヴリトラ「よくもやってくれたなぁ!テメェ血祭りに上げてやるぞ!」
続く
オリジナルグリード
アビスオーガ
東亰ザナドゥ本編において最初に戦うエルダーグリード『メネスオーガ』の亜種。というか色違いです。しかし異界に迷い込んだ人間を喰らうのでメネスオーガより凶暴かも。