勘違いから始まるリリカルなのは 作:龍角散
始まりはバレンタインデー。それはまず間違いない。私が彼を意識……もとい、エロエロスケベパンツと思ったのは他でもない。バレンタインデーのあのチョコを渡した瞬間から。何故。どうして。どうして目の前の子はお礼を言うと下を向いたのか。いくら内気だとしてもこのタイミングで下を向く? ちょっとわからなかった。でもこれは親友の恋路。応援しても邪魔だけはしない。そう思っていた。そう。あくまで、そう思っていた。しかし実際はどうして。次の日の授業中。ふと、少し頑固な親友を見る。すると視線が横へ。それを追った。あの子の方だ。だがどうして。寝たふり? いや、あり得るのか? それで寝ているつもりなのか。何のために。どうして視線が私を見ている? それも下の方? 何故? どうして? 勘違いか? でも視線は全く外れない。目を大きく開けて机に頭を乗せながら寝る体勢で凝視している。ちょっと怖くも感じる。どうしてあの子は私の方を見ているのか。どうせなら親友の方を見てやってくれと思う。
ある日、親友は悲しんでいる。どうして? 何故。どうして親友は悲しむ。それはドジをしたから。チョコと間違えて違う物を上げたらしい。それはショックだろうと私も大人しい親友も一緒に落ち込む。そして頑固な親友は謝るのだと立ち上がった。するとどうだろうか。どうしてそこで椅子に手をかけるんだとツッコミたい私達。だが案の定……親友は椅子を引きすぎ、あの子は後頭部をぶつける。痛そうだ。そう思う。しかし何故。どうしてだろう。痛がりながらどうして私の方へ視線が動いているのか。私は確かに入口からしゃがみこんで覗いていた。でも視線が上の方ではなく限りなく下の方。どうして。何故。ふとある思考が私を貫いた。まさか……いや、待って。ちょっと待って。私は否定する。あの子の視線を必死に結び否定する。でもこれは確信以外のなにものでもない。視線は、しゃがみこんでわずかに見えるであろう私のスカートの中を捉えていた。つながる。あの子の視線の理由が、そこを射抜いている場所が。私のパンツだ。ダメだ。勘違いだ。親友の恋する子だ。そんなわけない。
パンツ、パンツ、パンツ。そう考えると私の思考は止まらなくなった。私のパンツは狙われている? 何故。何故私のパンツだ。どうして。どうせなら親友のパンツにしてあげてとおもう。いや、これはマズイ。親友の恋する人でもそれはマズイ思考だ。でもとにかくパンツだ。パンツ……パンツ……パンツって何なのか。パンツの存在意義は? パンツがないと困らないのか? いやいや、困るに決まっている。何故かあの子ではなくパンツパンツと連呼している気がする。私はおかしくなってしまったのか。それもこれもパンツの所為だ。あの子はこれからパンツと呼んでやる。そう訳の分からないことを考え、視線をついあの子へと向けるようになった。どうして気になる。どうしてどうでもいいと思えない。私はどうしてしまったのか。全然分からなかった。しかしある日、私は我慢が出来なくなった。それは休み時間。自分の机に座っていた私は、いつもと同じ状態で私のスカートを凝視しているあの子……改めパンツに気づく。今日こそは一言! そう思いパンツのいる机の前に立った。腰に手を当て、少し強い口調で問いただす。
「ちょっとあんた! こっちの方ばかり見てどういうつもり? いったどこ見てたの? い、言ってみなさいよ!? 」
「パンツぅ〜…………」
「パっ!? 」
即答。私はたじろいだ。言い訳せず。ただ言った。パンツと。確信だった。こいつは私のパンツを……パンツを狙っている。堂々と、隠れることなく。真っ直ぐ私のパンツを狙っている。なんて凛々しいエロエロスケベパンツ野郎なのか。どうする。どうすればいい。怒ればいいのか。しかしここまで堂々とされると潔すぎて怒れない。なら褒めるか? いやいや、あり得ないだろう。私は仕方がなく引くことにした。パンツに圧倒され。でもどうして私のパンツなのか? 他にも女の子はいるはずだ。何故パンツ。何故私の。そう考えてしまうとどこまでも同じ思考を何周もする。パンツ、パンツ、パンツ……あのパンツは私に明日のパンツに何色望んでいるのだろうか。と言うよりもあのパンツのパンツの色の好みは何なのか。パンツはどんなパンツが好きなのか。むしろあのパンツはどんなパンツをはいているのか。あれ? どっちがパンツ? と思考がおかしくなる。
私は気がつくともうあのパンツを目で追っている。どうして私がこんな訳の分からない気持ちでいなければならないのか。いつの間に親友の応援からパンツパンツになっているのか。全てが分からない分からないのだ。そんなパニックになっている毎日の中、ある日、親友があのパンツと日直になった。そして体育の後片付けをしていたのだがこっそり体育倉庫に隠れ2人を見守っていた。上手くいけばいい。そう願いながらいたが、ふと……ある思考がよぎった。何故。それは分からない。ただ思った。親友の方へあのパンツがなびけばもうあのパンツは私のパンツに興味をなくすのではないか。ならいいではないか。しかしどうして。そう思ったら、体が勝手に目の前の跳び箱を押し倒す。倒れゆく跳び箱を見ながら、どうしてこんな事をやってしまったのか。何故突然イラっとしたのか。全くわからなかった。が、やっておいてこのままと言うのも酷いので急いで跳び箱をどかした。途中大人しい親友も入ってきてくれて助かったが、私は少し頑固な親友に対して気まずかった。
だがどうして、どうしてこうなった。次の日。親友がパンツをお昼ご飯に誘った。それはいい。そこまではいい。でもどうして階段を登る順番は私が一番先頭なのか。いや、自分でそこへ行ったのだが選択を間違えた。私は1番パンツが私のパンツを見やすい位置にいた。あのパンツはわざとか偶然か、一番後ろへ。堂々だ。何やら視線を感じる気がする。これは気のせいか。気のせいであって欲しい。私のパンツはパンツに見られている。見られているのだ。そう思うと顔が熱くなる。恥ずかしい。恥ずかしいが……何なのか。なぜこんなにもパンツにパンツを見られるのが愛おしいと感じる。この状況がなくなるのが惜しいと感じる。分からない、分からないがふと……後ろを見た。するとどうだろうか。あのパンツは後ろへまさに落ちようとしている途中。何故。何故そうまでして……そうまでして私のパンツが見たいのか。あの角度なら確実に私のスカートの中は見える。見えるが……それは命懸けすぎやしないだろうか。命をかけてまで私のパンツを見たいのか。そんなにも私のパンツが好きなのか。どうして。どうして恥ずかしいのにこんなにも嬉しい。
こんな物は見られて決して嬉しいものではない。嬉しいものではないのだ。むしろ怒って殴るべきだろう。しかし何故。何故私は……パンツが愛おしい? そう考えているとパンツは転げ落ちて行った。その音、悲鳴。それを聞いて我に返った私は大人しい親友とパンツの後を追いかける。死んでいないか? 大丈夫なのか。心配したが生きてはいた。右足は酷い状態だったがとりあえず生きている事に安堵する。けど私はこの後考える。お見舞いは……行くべきなのだろうか? いけば喜ぶのか。こんなにも私のパンツが好きなパンツは私が来るのを期待してくれているのだろうか。そんな事を考えた。親友が恋をしたパンツ。しかしどうして、私はその親友が恋をした男の子にパンツを狙われている。どうすればいい。親友に対してどうしてあげればいいのか。分からない。分からないのだ。そして結局お見舞いへは行った。見た所、頑固な親友はまだ来ていないらしい。どうする。少し気まずい。とりあえず持ってきた紅茶のティーパックを渡す。飲みたそうにしていたので紙コップに入れてあげた。だがどうして、私は何を考えて、なんて質問をしているのか。これでは私が変態みたいだ。けど恥ずかしがりながら言ってしまった。
「その……あ、あんたはどんなのが好きなの? 」
「へ? 」
「す、すすす好きなんでしょ!? 」
「ああ〜、ヒモが好きかな」
「ひっ!? ひひひひ、ヒモ!? 」
「うん、こうやって引っ張って見てるのが好きかな」
このパンツはなんと言った? 何何々!? ヒモ? 確かにこのパンツは言ったヒモと……。なんて……何て凛々しい。己の好きな物に誤魔化しがない。しかも……さらりと私にヒモを要求しているのか。ティーパックのヒモを上に引っ張りながらそう言うのだ。どうする。想像を超えてスケベなこのパンツ。どうにも私がそんな物持っているわけはない。だからと言って買えるものじゃない。そもそもサイズがあるのか。そ、そんな卑猥な……ひ、ヒモだ。ヒモ……ヒモ……つけてるかも定かではないヒモ。そんな物がパンツなのかと言うヒモ。隠すところがないヒモ。どこからどこまでヒモ? まさかヒモだけ? それではその辺のでいいのではないか? いやいやいや、ないないない! 何故なら私は変態ではない。と言うかそもそも何故私がこのパンツの為にパンツを見せなければならない。どうして、何故何故何故。確かにこのパンツは一言もパンツ見せてくれとは言っていない。言っていないが、きっとそれもこのパンツの作戦。私は見事にハマっているのだそうに違いない。と……そうやって自分の納得のいく理由を並べていく。
するとその時だった。病室の部屋がノックされた。私はドキッとなり、少し取り乱すと何故か。何故かベットの下へ隠れた。本当に何をやっているのだろうと自分でも思う。思うがどうにも自分を制御出来ない。しかし結局入って来たのは頑固な親友だ。では隠れる必要はなかった。むしろ隠れてしまった手前、やましすぎて出ていけない。だがここで驚く程見事に……やらかした。私は足が少しベットの外へ出ていたのを気づいていなかった。するとどうだろうか。頑固な親友は見事に私の足にあたり転ぶ。私はバレるのを覚悟した。でもどうしてか。頑固な親友は気づかずに立ち上がると花瓶を持って部屋から出る。親友のその慌てようを見れば、自分の事でいっぱいいっぱいなのが見て分かった。おかげで私はホッとする。今のうちに外へ行こう。そう思った。思ったまではいい。だがどうして。何故、何故なのか。わざとかわざとなのか。外へ出ようとベットの下から動いた私のスカートを何かが押さえる。その瞬間パンツが何かの棒で押さえていると言うのが分かった。何を。何をするつもりなのか。このパンツはここぞとばかりに私を。私のパンツを取りに来たのか。どうして。どうしてこんなにもドキドキしてしまうのか。これから取り上げられる。パンツを……パンツを奪われる。そんな事を考えていると何やらベットの上が騒がしい。急いでいるようだ。何故。
まさか私が逃げないように急いでいるのか。どれだけ必死なのか。そんなにも私のパンツが。私のパンツが欲しいのか。そう考えるとさらにドキドキする。だが刹那、棒が突然動き、私の股間を触る。私は思わず恥かしい声をあげてしまった。こんな所、誰にも触られたことないのに男の子に触られてしまった。それだけでも顔が沸騰する。これから何をされる。どんな形で奪いにくる。そのままずり下げられるのか。それとも服ごとひん剥かれてしまうのか。ドキドキがドキドキが止まらなかった。こんなパンツに、パンツに蹂躙される。けどそんな事になったら私は親友にどんな顔をして会えばいいのか。親友はショックを受けないだろうか……でもその後まるで音沙汰がない。どうしたのか。私のパンツを取りに来たのではないのか。しかしパンツは松葉杖をつきながらかなり焦り気味で入口までかける。
私は思わず目を丸くしたが、どうして。何故。この状況はなんだ。意味がわからない。どうしてドアを開けた瞬間、花瓶がパンツの顔を直撃した? 頑固な親友は水を入れに行ったはずだ。なら何故まだそこにいるのか。と言うよりも何故パンツを殺しにいっている? 恋する人じゃなかったのか。それでいいのか? パンツは地面に倒れて気絶してしまった。けど当然だろう。花瓶が割れるほど思いっきり顔面を強打されたのだから。しかし私はここで思考を止める。頑固な親友がやったと思っていた。思っていたが……それはどうして。何故なんだと考える。一向に出てこない答えを求めて考える。何故ならパンツをやったのは頑固な親友ではなく、大人しい親友だったのだから。
さぁ〜ここで将棋盤を……とっと!?
まだ早いですね。忘れちゃいけない子を忘れる所でした。
次回もよろしくお願いします。