秘書艦Верныйくん   作:mkdn

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サブタイ考えるのめんどくさいので第○話っていう形にしました!((
※現在はサブタイありに修正

あと、今回試験的に途中から視点を変えてみました。
分かりづらいようであれば

Side,○○

のようなものを付けようと考えているので、もしよろしければご意見をば。




ごめんね、回想終わらなかったよテヘペロッ☆



2/24、誤字を修正
3/21、サブタイありに修正


1,転生、並びに爆弾投下

…とりあえず、転生した後、何があったのかを説明しなきゃいけないだろう。

 

 

 

 

 僕は目を覚ましたら車のガレージをとてつもなく大きくしたような、わけのわからない機械がたくさんあるところにあるベットのようなものの上に横たわっていた。周りから何やら声も聞こえる。けれど、人間の声じゃないような…?

とりあえず体を起こし、周りを見渡したことで気づく。身体の動き方がおかしいのだ。

慌てて自分の体をよく見てみると、黒いスカートに同じく黒の二―ソックスを履いている。それに上に着ているのはセーラー服のようなものだ。

 

 僕はこの時点でかなり嫌な予感がしていた。おそるおそる近くにあった鏡を見てみると、そこには何やら見覚えのある姿の美少女がこちらを見つめていた。

そう、具体的に言うなら会社の同僚が「俺の嫁!」と言って何度も画像を見せつけてきた「艦娘(・・)」が。

 

ーなんでだ…。なんで僕がВерныйになってるんだ?!

 

愕然とした。一番なりたくなかった艦娘に、深海棲艦と真正面から戦わなければならない存在になっているのだから。

 

「ええぇぇぇ……。マジですかー…?」

 

 僕の元々の声とは違う、落ち着いた、しかしまだどこか子供らしさを感じる声が響く。

しかし、我ながらかわいい声と姿してるな、おい。

 

「と、とりあえずなんでこうなったか考えないと…」

 

 そう声を出して自分を落ち着かせ、少し頭の中を整理してみた。

そうして考えてみればこうなる事はある意味当然だった事に気づいた。

 

 僕が神様に頼んだ特典は「この世界で生き残れるような力」だ。

つまりは、

 

Q,なんで艦娘になってるん…?

A,だってこの世界で一番頑丈なのはマッチョな人間よりなにより艦娘の身体でしょう?

 

というわけである。

 

「あー…そこは考えてなかったなぁ……。」

 

 確かに僕は性別は指定したけど出生や何やらは適当に決めといてください、と神様に丸投げしてしまった。

かなり強化された人体を一から作り上げるより、ある程度強力な体を持ってる艦娘にしてしまった方が早いし、何より手間もかからない。

なんせパラメーターを少しいじくるだけでいいのだから。

 

 とりえず、なんで艦娘になってしまっているのかは分かった。

まぁ、艦娘の身体ならば全力で逃げに徹すれば死ぬことはないはずだろう。

元々そういう特典をもらって転生してきているわけだし。

あと、一応何がとは言わないが付いてはいた。どうやら最悪の事態は防げたみたいだ。

いや、ホントに前世的な意味で女の子の身体で生活とかやってられないって。

しかもこの点は確実に神様に頼んだのだから、これでついていなかったら発狂ものだ。

 

 …さて、思考に没頭していて気にかけていなかったが、ここは一体どこなのだろうか?

よくある異世界転生のように森の中というわけでもない。それにさっきは何やら話し声も聞こえていた。

 

「…どこかの施設、かな?」

 

 けれど、それだと周りにある謎の機械の説明がつかない。クレーンのようなものもあるし、そこかしこにドラム缶や鉄くず、よくわからない鉱石などが積み上げられている。

それに見たところ大きくて重そうな扉もあるし、私が寝ていたベットのようなものもあと三つほどある。ホントにどこだ。何の施設だここ。

 

 

 そしてここまで考えてふと、あることに気付く。

 

「あれ?そういえばさっきの話し声が聞こえなくなってる…」

 

どこかに行ってしまったんだろうか、と考えていると、

 

ゴゥンゴゥンゴゥン…

 

と、低い音を立てながらさっきの大きな扉(というかシャッター)が開く。

 

 音につられてそちらを見てみると、背の高い白い服を着た男の人とピンク色の髪の女の人がこちらに向かって歩いてきている。よく見ると、白い服を着た男性の肩には大工さんをデフォルメしてそのまま縮小したような小人が乗っている。何あれかわいい。

というか、片方は同僚に見せられたことあるな。確か、明石、だっけ?

 

 明石さんはこちらを手で指し示しながら

 

「提督、こちらがあなたの初期艦となる子ですよ。」

 

と僕を紹介した。

…って、え?初期艦?初期艦って確かあれだよね、新任の提督が最初に選ぶ艦じゃなかったっけ。同僚から勧められて着任だけしたときに選んだ記憶があるけど、その中にВерныйなんていたっけ…?

 

 そんなことを考えていると男性が僕に話しかけてくる。

 

「この度、この鎮守府に配属となった日高 透(ひだか とおる)だ。階級は中尉。新米提督だがよろしく頼む。あと、俺の肩に乗ってるのは『妖精さん』だ。」

 

ヨロシクネー!

 

そう言いながら男性ー日高さんはにこやかに笑いながら手を差し出してきた。あとなんか聞こえた。一応妖精さんに会釈を返してしておく。

…とりあえず日高さんのこれは、握手すればいいんだよね?それと僕の方も自己紹介しなきゃ。

 

「よろしく、日高さん。僕の名前はー」

 

 そこまで言って気付く。

僕の名前はなんて名前だったっけ…?

いくら記憶を探ってももやがかかったようにそこの部分だけ思い出すことができない。あれか、よくある転生の弊害ってやつか。

…ここで正直に僕の身に起こったことを話せば日高さんや明石さんは混乱するだろうなぁ…。

けれど、ここで説明せずに僕はВерныйだ、と嘘をついてもそれがいつまでも隠し通せるとは到底思えない。いやまぁ、身体の方は正真正銘Верныйのものなんだけれど(一部を除く)。

 

 …色々とぼかしつつ話すか。主に転生云々は言わない感じで。

そうでもしなければこのまま最前線に放りこまれてしまうかもしれない。それですぐに沈んでしまうようなことになれば目も当てられない。

もっとも、新米提督だと言っていたしそんな危険な状況になるのはもっと後だろうとは思うけれど。

 

 けど、僕が初期艦って言ってたし、僕が最初から戦わないって言ってしまったらほかの子が配属されるまで日高さんは何もできなくなってしまう。自分のわがままでそこまで迷惑はかけられない。

…よし、ならほかの子たちが来て艦隊が安定するまでは前線に出るけれど、そのあとは雑務に回してもらおう。それなら日高さんにもここに配属になる予定のほかの子たちにもそこまで負担はかからないだろう。うん、これで行こう。

 

言うべきことをまとめると、

 

「僕には人であった前世の記憶があって、戦闘はあまりしたくない。他の艦娘たちが来て艦隊が安定するまでは戦うけれど、それからはなるべく前線には出さないでほしい。

そのかわり、雑務は任せてほしい。」

 

ってところかな。

…これ艦娘としてはあるまじき言い分なんじゃなかろうか。

 

 っと、僕が唐突に口を閉ざしたことで日高さんと明石さんが怪訝そうにこちらを見ている。

そろそろ話しださないと何かあったのかと心配されてしまうかもしれない。多少、内容的に怒られないか心配だけど、言うしかないかー…。

 

「…僕の名前はВерный。これからよろしく、日高さん。」

 

そう言って日高さんの手を取り、握手すると、

 

「あぁ、よろしく。一緒に頑張っていこうな。」

 

と言いながら日高さんもしっかり握り返してくれた。

 

「次は私ですね!私は工作艦明石って言います!主にここ、工廠の整備や特殊なアイテムの管理をしてるんですよ。これからよろしくお願いしますね?」

 

明石さんはそう言いつつこちらにウィンクをした。

 

「う、うん、よろしくね、明石さん。」

 

美少女にウィンクされることなんて前世では一度もなかったため一瞬ドキッとしたが、何とか顔に出さずに受け答えできたと思う。

…多少声は震えていたかもしれないが。

 

「さて、自己紹介も終わったことですし、鎮守府のー」

 

「あーっと…ごめんなさい、ひとつ言わなきゃいけないことがあるんだけど…」

 

案内をしましょう、そう言いかけた明石さんの言葉をさえぎって僕は話し出す。

 

「?なんだ、改まって。何か気になる事でもあったか?」

 

「おっと、質問ですか?いいですよ、じゃんじゃんしてくださいね!」

 

「いやぁ、そういうわけじゃないんだけど、実はね…」

 

 そうして僕は一部情報を隠しつつ、さっき考えてた内容を話した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…っていうわけなんだ。だから僕はその、普通の艦娘じゃないんだよね…」

 

 あはは、と申し訳なさそうに笑いながら話すВерный。

話した内容はにわかには信じがたいものだったが…艦娘の中には船であった頃の記憶が残っている者もいると聞いたことがある。先ほど明石に聞いてみたところ自分がもその一人だ、と言っていたし。

それならば人としての記憶が残っていてもおかしくはない、のか…?

 

「…そう、か。明石はどう思う?」

 

「ぅえ?私ですか?そうですねぇ…」

 

俺一人では判断がつかなかったので明石にも意見を求める。

 

「…ありえない話ではないんじゃないでしょうか。私も少しだけですけど、船だったころの記憶残ってますし。」

 

ただこの例は前例がないからなぁ…と言いながら明石は手を顎に当てて困ったようにВерныйのほうを見る。

見られているВерныйも困った顔をしていた。

Верныйが嘘をついている可能性はある。むしろその可能性が高いともいえるだろう。こんな話、明石が言う通り前例がないのだから。

ただ、俺にはどうも、さっきの話をしている時もВерныйは嘘をついてるように見えなかった。

…よし。

 

「ならしょうがない。お前の要望を聞き入れよう。だから、それまでは頼むぞ?」

 

 だったら、信じてやろうじゃないか。

俺の初期艦でサポートをしてくれる艦娘なんだ、俺が信じてやらなくてどうするんだ。

それに、戦うことが苦手だ、っていうのは俺も同じで、その点も好感が持てた。

はなっから戦いません、って言ってるわけじゃなく、艦隊が揃うまでは戦ってくれるんだし、あまり戦いを嫌う奴を無理に戦いに出すのも気が引けるしな。

 

「本当かい!?ありがとう、日高さん!僕、精一杯頑張るね!」

 

 俺が要望を認めてやるとそう言ってВерныйはぱぁっと花が咲くような笑顔を見せた。

…言いたくないがこんな要望だ、それは無理だと突っぱねられることを危惧していたんだろう。

かくいう俺も、あまり戦闘は好きじゃない。できるなら戦闘なんてできるだけしたくないもんだと思ってる。

 

 そう考えると俺の初期艦がВерный(こいつ)でよかったし、Верный(こいつ)の司令官が俺でよかったのかもしれないな。

 

「…でもホントに良かったのかい?我ながらすごい要望だと思うんだけど…」

 

そんなことを考えているとВерныйがそんなことを言ってきた。

 

「さっき良いって言ったろ?それとも、だめだって言ってほしかったのか?」

 

「そんなわけないじゃないか!ただ、やっぱり日高さんや明石さんには迷惑かけちゃうし…」

 

そう言うВерныйの頭に手をのせてぽんぽん、と撫でてやる。

 

「いいんだよ、んな心配しなくても。それぐらいなんとでもなるし、どうとでもするさ。」

 

「えぇ、これからも何かあったらじゃんじゃん頼ってくれていいですからね!明石、頑張っちゃいますよー!」

 

「…そっか。ありがとう、日高さん、明石さん。」

 

「それと、さっきから思ってたんだがな?お前にとっては多少違和感があるだろうが、俺のことはちゃんと『提督』か『司令官』とかって呼んでくれ。」

 

そうじゃねぇとほかの艦娘が来た時に示しがつかねぇからな…とぼやくとВерныйはきょとんとした顔になった。

…どうやら、やはり無意識下に「日高さん」と呼んでいたらしい。

 

「ん、了解したよ、改めてこれからよろしく、『司令官』。」

 

そう真面目な顔で言った後Верныйはにひっ、と笑った。

…あぁ、やっぱりー

 

「女の子は笑顔でなきゃぁな…」

 

そんなボソッとこぼれた独り言に、

 

「?あれ?言ってなかったっけ?僕は艦娘だけど男だよ?」

 

今日最大級の爆弾が返ってくるとは誰が想像しただろうか。

 

 

 

…え、マジで?

 

 




とりあえず着任&カミングアウトまでの流れを
この回想が終わったら一気に時間が飛んでВерныйくんがいる鎮守府の日常をお送りしていきますので、もう少しだけお付き合いください
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