転生して脱ヤンデレ清姫を目指そうとしたらヤンデレに狙われた。 作:ヘタレ蛇
翌朝、僕達はガリアへ進軍する時が来た。
(マルタさんとスパルタクスさんの猛攻を避けていたら朝になっていた。途中からマルタさんにスパルタクスさんが殴り掛かり、バテながらも
「フハハハハハ!やはり善き反逆だ!」
「だから、途中から主旨変わってんじゃないのよ!」
まだ二人はやり続けるのだろう、互いに力を収める気配がない。このまま続けたら、あの暴風にまた巻き込まれかねない。マルタさんに何とか説得してもらうしかない。そうと決まれば…
「あっ!?こら逃げるな!!」
僕は全力でテントへと
進軍当日、僕達カルデア一行はネロ皇帝の下、ガリアへ行軍した。途中マルタさんからの視線が怖かった。後、マスターからの視線も怖かった。
取り敢えず、ガリアで行った事を纏めると、
まず会敵します。スパルタクスさんが突っ込みます。
マルタさんもタラスクを突っ込ませます。
進軍を開始します。
ブーティカさんが指揮と奮戦しながら敵将への道を開きます。
マスター達はネロ皇帝の一緒に敵将の元へ向かった。
僕ですか?僕は…
「いぃぃやぁぁぁぁぁぁ!!」
ゴーレム達に追われています。
何故?何故僕だけタゲつけられてるんですか!?
逆ストーキングされてるんですか!?
駄目だ死ぬぅ…。
「タラスク!」
その声の方を向くと、スピンしながら地面を抉って向かってくる
「ストラァァァーイクっ?!」
衝突直前、緊急回避でタラスクの接触を避けるが背後のゴーレムの群れと
「ふげっ!?いたたぁ…。」
顔面着地を決めて、ゴーレムの欠片が僕に降り注がれる。思わず顔を押さえ後ろを見る。見事に粉砕だった。
「…大丈夫ですか?」
「あっ、はい大丈夫で…。」
手を差し伸べられたので手を取り見上げて絶句した。すぐ側に青筋を立てた姉御の顔があった。
「…あんた戦う気無かったら失せなさ…私から離れないで下さい。」
姉御の顔から聖女のような微笑みに変わったが青筋は残っていた。これには怖くて僕は一言だけ言った。
「…はい。」
「《姐さん、ガチギレだ…。》」
なんとかマルタさんの後に続いて、支援攻撃をしながらマスター達と合流しようとしました。
そして合流したのは良いですが…
「はぁぁぁぁ!」
「ぐおっ……見事だ…。」
どうやら決着が着いたようだった。敵大将が討たれたのを見て逃げ出し始めている。
「…貴方様は…まさか…。」
「良い…現皇帝よ…お前がこの戦の勝者だ…存分に誇れ。」
剣を杖に立っていた赤い服を着た男、ガイウス・ユリウス・カエサルが背中から倒れ、体の霊器が崩れ始めた。
「しかし……もう少し食べていたかったものだな…ダンゴという物を…。」
「!…今、なんて!?」
マシュさんがダンゴという言葉に機敏に反応した。僕も聞いた、ダンゴって。
「む…もしやソナタらの物だったか?すまぬことをしたな。が私が頂いたダンゴとやらは食べ尽くしてしまったのだ。」
『な、何だって!?そんなっ!?』
ロマニさんが凄い反応しました。凄い残念がっている様子が思い浮かびます。
「だが…あのお方の元には…まだ大量にある……あの美しき女神は何処かへ行ってしまったが…。」
「なんと、女神とな!?」
「……御団子腐らないでしょうか。」
女神にネロ皇帝は凄い興味津々の様子だ。あとマスター、それ言っちゃ駄目。
「ふっ…あのお方なら…それはさせまい。お前達が来るまで腐らせはしまいだろう。何故なら…あのお方だからだ!!」
神祖凄いな!?
そしてカエサルはキメ顔しながら消滅した。
そして僕は…
「はぁ……また活躍できなかった。」
ネロ皇帝の軍が凱旋の用意を手伝いながら僕はそう愚痴を溢した。もしかしたら
「いえ、清姫さんにとって迷惑なのですが大群を相手して頂いているので有難いと思っています。」
「そうですよ。人の為に成そうとしているのですから、その行為事態を蔑ろにしようとする人は私達はしませんから、ね。」
マシュさんとマスターからそう言われる。その言葉は同情かもしれないけど、その中の優しさを僕は感じたのかもしれない。
「ましゅざん、まずたー!ずずっ!」
これには男だって眼から雫が垂れる、はしたなく鼻も出てきます。所詮平和主義の中で生きてきた一般ピーポーだこの野郎!
「はい、顔がぐちゃぐちゃですよ。」
「あばがとうごばいまず、まずたー。がえってあらいばず。」
マスターからハンカチを貰い、涙まみれの顔を拭く。がどんどん溢れるのは涙、涙。男(精神)なのに泣いちゃう。女の子(体)だもん。
「いえ、洗わずとも返してもらえれば、ふふふ…。」
…おかしいな~。いきなり涙が引っ込んで、ちょっと汗ばんできたぞ~。あはは熱い筈なのに背中が涼しいぞ~。取り敢えずハンカチで顔を覆うようにしよう。…マスターが怖いわけではないぞ。
「うむ、そなたはよくやっているぞ。余が認める。」
顔をあげるとネロ皇帝とブーティカさんがいました。僕は反射的に頭を下げます。
「拝礼は良い。それより清姫と言ったか?」
するとネロ皇帝は僕に話し掛けてきます。急いで顔を拭いてネロ皇帝の方を向きます。
「そうメソメソ泣くものではない!御主は可愛らしい顔をしておるのだから笑っておれ。余の命令だ。」
ネ、ネロちゃまがイケメンだと!?僕は思わずカッと見開く。言葉は一方的だが元気付ける為の言葉だ。悲しくて泣いている訳ではないのだが此処で笑わなければ失礼だろう。
「…はい!分かりました、皇帝陛下!」
取り敢えず今出せる全力の微笑みを浮かべました。
「……ドクター、今の録りましたか?」
『勿論、録ったよヒサギ君!』
「後で私に下さい。」
………やらなかった方が良かった。
「うむ。ところで本題だが清姫よ、凱旋後は偉大なるローマが作りしテルマエにて共に湯に浸かろうではないか!」
は!?誘われてる!?誘われてる!?逆ナンにあってるのか僕!?…あ、僕は今は清姫だった。
「では私も。」
「先輩!?」
マスターは駄目でしょ、どう考えたって!
「うむ?貴公なら良いぞ、余が赦す!」
流石皇帝陛下、イケメン綺麗な者には懐デカイ!
「あら、お風呂?私もご一緒したいわ!ねぇデオン?」
「えっ、あっはい。御供しますが…。」
「止めはしないけど、流石に混浴には抵抗を持った方がいいと思うよ。」
其処にマリー、デオン、サンソンが加わりカオスチックに…。
「はいはい、皇帝陛下。当初の目的と違うのでは?」
「おお、そうであったなブーティカ!聴けぇ!ローマの兵士よ!」
美声の如く響き渡るネロ皇帝の言葉に兵士達、そして僕達は耳を傾けた。そして何を言うのか、とこの場全員が思う事だった。
「これより我等は……女神に会いに行く!!」
原作通りというか、全身を嫌な予感が駆け巡った。
そしてブーティカさんとスパルタクスさんと別れ、ネロ皇帝に行軍し、此処は海上。
「はっはっはっ!どうだ余の舵捌きを!」
ネロ皇帝の船の舵が荒々しく船体が激しく揺れました。そして乗っている人達も。
「マリー!この姿勢を何時まで続ける!?揺れが激しく危ないからもう止めよう!」
「そう?船の上で両手を広げて立ってみたかったし楽しいわ!」
「王妃!お願いだからお止め下さい!支えるのもそうだがその姿勢を見ると氷山にぶつかって沈没するイメージが浮かんでしまうのです!」
「なんて操縦してるのですか!」
「先輩!清姫さんを離さないで下さい!」
「清姫大丈夫ですか!」
「
勿論、最後のは僕だ。うっぷっ。
気が付けば布が敷かれた砂浜に寝ていた。なんで僕はこんなところに?と思った時、ふと表現し難い程の美声が僕の耳に聞こえてきた。
「あら、漸く目覚めたのね。もう少し眠っていたら獣がいる森に置いていこうと思った処よ。」
僕は声のする方に誘われるように向いた。向く前に気づけば良かった。
「…ふふふ。」
「おや…。」
「あら?」
「ん?」
「おっ?」
女神
特に側で微笑む
「⬛⬛⬛っfg⬛⬛がぐも⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛~!!」
「まだまだあるぞよ?」
「どんどん食べてね!」
「ふふふ…。」
一瞬だった。気が付けば丸太に
『ほう、食べないと?ならば貴様は人参を丸ごといける派か?口に押し込めばいいんだな。』
脅迫ですね、分かります。物理的に口が裂けるなんて一生味わいたくないよ。僕は意を決して迫り来る劇物を口に入れる。
『ヴ!うbgあgbらがんべfgこば⬛⬛⬛⬛⬛!!』
そして再び味わう味覚の衝撃。意識が飛びそうなのに引き戻される地獄。すぱ辛しぶ苦甘ドロパサ生臭…から認知ができない。してはいけない。あまりの衝撃にもがく。縛られて手足の指先しか動かない。だが押し寄せる劇物に恐怖と拒絶と諦めを繰り返し、言葉にできない悲鳴をあげる。
「食え!食意地のあるやつはどんどん育つ!肥えよ、己の限界を!」
「ぐぶぶぶ⬛⚫⬛⬛⬛▲▲⬛▼~!?」
キャットの言っている事が分からない。どんどん
拷問としか言い様のない苦しみに僕の精神が磨耗し始めた。
口に入れば味覚の苦しみに耐え飲み込む。それを繰り返し、意識も途切れ始める。
「はぁ…はぁ……。」
額から顎にかけ汗が伝い零れる。体に力が入らず首が項を垂れる。僕はそのまま意識を手放…
「あら、もう終わりなのかしら?」
…頭上から光にも感じる
「もっと見たいわ、貴方が食べきる勇姿をね。」
酷いことを言っている。でもこの微笑みを見、浸透して誘うような声を聞いた瞬間、これは駄目だと思った。
「はい、女神様!!」
さっきの疲労は何処へ、元気よく女神様に応えた。
「はっ、しまった!?」
「その威勢よし!さぁさぁ食え!食え!」
「まっむご〇#%―~*ー//&∥|@ぁぁぁぁ!!」
「…ふふふ。」
「ふんふんふ~ん!」
気づいたときには遅く、猫狐に地獄を食わされ、女神は笑みを浮かべ、龍娘は鼻唄混じりに鍋をかき混ぜるのだった。
「さぁダーリン!はい、あ~ん!」
「ちょっと待て!止めてあああぁぁぁ!!」
隣で女神の手料理を熊が縛られて食べさせられていた。
僕は食べた、気絶しながらも食べた、全てを呑み込んだ。そして…
「やった…僕は…僕は食べきったぞ!!」
縄は解かれ、膝をつき、僕は両手を握り締め高らかに振り上げた。嬉しさのあまり涙が出てきた。僕は乗り越えたのだ。
「ほぅほぅ上手かった故に涙か。ならば残り一口も食せ。」
「あむぅ"!?………。」
僕は気絶した。
ヤンデレタイムまだかけないな~。