「……はぁ?」
わたしはもう一度、自分の持つ割りばしの番号を見る。
三だ。三である。一、二、三だ。三番目だ。真選組でいうならば、三番手はちょうど沖田総悟だ。
――三番隊隊長は……誰だったかなぁ?
ともかく、自分の選んだ数字は三である。
そして、あのエロじじいは、三番に何をしろと言ったのか。
「おやー? もしかして、三番は桜ちゃんなのかなぁー? その可愛いワンピース脱いじゃうのかなぁー?」
そんなことを、鼻の下を伸ばしながら言っているらしい。
「……はぁ?」
わたしは今一度、全力で顔をしかめて聞き返す。
すると、ランがさらに笑みを深めていた。
「ほらほら桜さん。これはゲームなんですから。ノリよくいかないと」
「いやー、ランちゃんイイコト言うねぇー。じゃあ、そういうわけで桜ちゃん、すぱーっといってみようか! すぱーっと」
なにがスパーッとだ、この外道。テメェの首をスパーッと斬ってやろうかクソジジイ。
そんなことを言おうと口を開きかけた時である。
わたしの手に、将軍が触れてくる。
「いや、三番は余である」
そしてテーブルの下、目にも止まらぬ素早さで、わたしと将軍の割りばしを入れ替えた。
「将ちゃ――」
「服を脱げばいいのだったな、松平候よ」
わたしの声を遮って、真顔で確認をする将軍に、
「お、おう……」
松平はたじろぐように頷いて。
「よし、承知した」
あっという間に、将軍はブリーフ一枚の裸の王様となった。
「将軍ゲームとは、一回で終わるものなのか? 松平候!」
威勢よく訊く将軍に、松平も覚悟を決めたようで、
「いやぁ、どんどんエスカレートさせるのが将軍ゲームの醍醐味だ! 第二回戦、いくぜっ!」
同じように割りばしの束を掲げてきた。
――続けるの? 将軍のこの恰好に突っ込む人はいないの? ブリーフよ、ブリーフ。将軍なのにふんどしじゃないの?
何が起こっているのか頭が追い付かないまま、わたしも流れにあわせて割りばしを引く。
今度は一番。一番隊の一番。隊長は沖田総悟。
――総悟くんもブリーフ派だったら、なんか嫌だなぁ。
将軍の白いブリーフ姿を見て、ふとそんなことを考える。
少年らしいといえば少年らしいのかもしれないが、なんかもっとカッコよくあってほしいと思ってしまったり。
――なに考えてんだ、わたしは!
でも、大事な姉を亡くして。その後にわたしの布団に半裸で潜り込んだ彼の姿を思い浮かべて。
――寂しいの……かな。
この一週間怒ってないがしろにしている自分が、もしかしてすごく酷なことをしているのではないかと、ふと思って。
――帰ったら、ちょっと優しくしてあげようかな。
「じゃあ私、一番の人とキスをするわ」
ランの宣言に、わたしはハッと顔を上げる。
彼女は赤い唇を舐めながら、将軍と書かれた割りばしを掲げていた。
「おいおいランちゃーん、将軍なのに自分がやるのかーい?」
松平の質問に、ランはニコリと微笑んで、
「私、酔うとキス魔なの」
細められた目は、わたしを射抜く。
「あら、桜さんが一番なのね」
言うと同時に、ランはわたしに寄ってくる。わたしを跨ぐようにして膝の上に座ると、
「気持ちよく、してあげるからね」
香水の甘い匂いが、鼻をくすぐる。
顔がどんどん近づいてきて。彼女の息遣いなのか、自分の呼吸なのか、わからなくなって。
耳元をくすぐるように、囁かれる。
「……そそる顔してくれるんじゃねェかィ」
その時だ。
スタッフルームの扉がバンッと開かれたと思った瞬間、緑の
「マウンテン
銃弾が、縦横無尽に吹き荒れる。