たこ焼き屋を探していると、縁日の中で、一際賑わっている店があった。射的屋らしい。サングラスをかけたおじさんが、店の中でしゃがみこみ、恐怖で震えているようだ。
「ハイ、グラサンゲットー! とっとと寄越すアル」
「オイオイ、早く時計寄越せやコラァ」
銃をばんばん撃たれて、コルクとは言え痛いだろう。悪い客に遭遇してしまった不幸を同情する。
その元凶のカップルは、見覚えのある二人だった。
一人は、赤いチャイナ服に身を包んだお団子髪の少女。もう一人は、黒い制服の性格の悪い美少年。
「ふーん」
その二人の楽しげに悪役顔で笑う姿を見て、わたしは悟る。
――あの二人、付き合ってるんだ。
その時、わたしは後ろから声を掛けられた。
「あの、先日の人ですよね?」
振り返れば、眼鏡の胴衣姿の少年がいた。あのとき、チャイナ少女と一緒にいた、少年である。
「えーと、君は……」
名前を思い出そうとするが、出てこない。困るわたしを気にすることなく、少年は微笑んだ。
「
ぺこりと頭を下げてきて、わたしは小さく笑う。
「全然。君が悪いことしたわけじゃないんだから。気にしないで」
「でも……あの……大丈夫ですか?」
訊かれて、苦笑する。
こんな年下の少年に心配されてしまうほど、わたしは泣いていたのかと。可哀想に見えたのかと、情けなくて苦笑する。
――問題ないと即答できないとこがまた、情けないわよね。
わたしは話を逸らすように、屋台の二人を指差した。
「あの二人って、付き合っていたのかな? どちらかといえば、君があの女の子と仲良いんだと思ってたんだけど」
すると、新八は笑った。
「まさか! 僕と
「同僚?」
わたしが首を傾げると、新八は頷いた。
「はい。僕ら、銀さんと一緒に
「銀時が、万事屋ね……」
こないだ家賃も払えてないと言っていたし、ろくな経営ではないのだろうけど。
でも、嬉しそうに話すこの少年を見て、銀時が好かれているのが一目でわかる。
安堵するようで、残念なようで、寂しくて。
この複雑な胸の内を表現する言葉がわからないが、
「……そっか」
わたしは一言、そう返す。
そんなわたしに、新八はわかってるのか、わかってないのか、優しい顔で続けた。
「沖田さんと神楽ちゃんも、別にそう言った関係じゃないですよ。ライバルというか、悪友というか……とにかく、あなたが心配するような関係じゃないのは、間違いありません」
そう言われて、わたしは思わず噴き出した。
「心配って、別に、そういう意味で訊いたんじゃないんだけど」
「え? でも、あなたは沖田さんと恋仲じゃないんですか?」
「えぇ?」
わたしは頬を掻く。沖田と自分との関係を、簡単に説明する言葉を探して、戸惑っていると、
「ペットと飼い主。素直にそう言やァいいだろうが」
その飼い主が、猟銃のような長い銃を構えて、ばーんとこちらを撃つような仕草をしていた。