そして、しばらく頭をしゃかしゃか洗ってもらっていると、
「綺麗な髪ね」
そう話しかけられて。
「ありがとう……ございます」
礼儀的に、そう返答する。すると、その女性はくすくすと笑った。
「もしかして、近藤さんから何も聞いていない?」
わたしが頷くと、女性はまた笑って、自己紹介してくれた。
「仕方のない人ねぇ……私は、
「新八って、銀時のところの眼鏡くん?」
「そうね。眼鏡かけている男の子ね。新ちゃんからあなたのことは聞いていたのだけど、あなた、銀さんの妹さんなんですってね。驚いちゃったわ。まさか、あの銀さんにこんな可愛らしい妹さんがいたなんて」
「まぁ、妹といっても、義理ですけどね」
銀時がそんな説明をしていたと話していたことを思い出して、なるべく自然にそう返答しておく。
祭りで会った眼鏡くんのお姉さんか……と、目を少し開けて顔を確認すると、確かに目の辺りが似ているような気もする。
「はーい、流しますよー」
頭からお湯をかけられ、わたしは再び目を閉じた。十分にお湯をかけたのち、丁寧にトリートメントまで付けてくれるようだ。
「近藤さんとも兼ねてより知り合いだったのだけど、今日はあなたに『女の子としてのお風呂の楽しみや色々を教えてやってほしい』て頼まれちゃって。入浴剤とかも全部揃えてくれるって話だったから、引き受けたのよ。お風呂上がりには、バーゲンダッシュも準備してもらっているわ」
「バーゲンダッシュっ!」
驚いて、わたしは思わず振り返る。
「バーゲンダッシュって、あの高級アイスの? 誕生日の時にしか食べられないあの高級アイス?」
「……多分、そのバーゲンダッシュよ」
くすくす笑う妙に、なんか恥ずかしくなって、わたしは首を元に戻した。妙はタオルでささっとわたしの頭を包んでは、軽く背中を叩いてくる。
「さぁ、洗い終えましたよ。お風呂に入りましょう」
促されて、わたしは花いっぱいの浴槽に入ることになった。赤やピンクの散りばめられた様子はとても女の子らしいな、と思う。そこに足をゆっくり入れる。いつもよりも、お湯が柔らかい気がする。胸のあたりまで浸かると、思わず身体の力が抜けるようだった。甘い匂いと染みわたる温かさが、いつもより気持ちがいい。
「私もご一緒していいかしら?」
妙に問われて、わたしは笑みを返した。
「どうぞー」
すると、妙も嬉しそうに笑い、浴槽に入って来る。
「ふぅ、気持ちいいわねぇ」
「そうですねー」
ぬくぬくと、すっぽりお湯に浸かる。たまには、こういう女らしいことをするのも、いいかもしれないと思う。なかなか近藤も、意外と粋な計らいをするものだ。
だが、わたしは、さっき妙が言ったことを思い出した。
「そういえば妙さん……聞いていいですか?」
「なぁに?」
優しく聞き返してくれる妙に、わたしは首を傾げながら訊く。
「お風呂の楽しみや色々の、色々ってなんです?」
すると、妙は少し意地の悪そうな顔で、
「
そう、笑った。