偽訳・銀魂 白夜叉の妹と真選組   作:由比レギナ

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あれもしたいこれもしたい女の子に見えても③

 そして、しばらく頭をしゃかしゃか洗ってもらっていると、

 

「綺麗な髪ね」

 

 そう話しかけられて。

 

「ありがとう……ございます」

 

 礼儀的に、そう返答する。すると、その女性はくすくすと笑った。

 

「もしかして、近藤さんから何も聞いていない?」

 

 わたしが頷くと、女性はまた笑って、自己紹介してくれた。

 

「仕方のない人ねぇ……私は、志村妙(しむらたえ)と申します。新ちゃん――志村新八の姉です」

「新八って、銀時のところの眼鏡くん?」

「そうね。眼鏡かけている男の子ね。新ちゃんからあなたのことは聞いていたのだけど、あなた、銀さんの妹さんなんですってね。驚いちゃったわ。まさか、あの銀さんにこんな可愛らしい妹さんがいたなんて」

「まぁ、妹といっても、義理ですけどね」

 

 銀時がそんな説明をしていたと話していたことを思い出して、なるべく自然にそう返答しておく。

 

 祭りで会った眼鏡くんのお姉さんか……と、目を少し開けて顔を確認すると、確かに目の辺りが似ているような気もする。

 

「はーい、流しますよー」

 

 頭からお湯をかけられ、わたしは再び目を閉じた。十分にお湯をかけたのち、丁寧にトリートメントまで付けてくれるようだ。

 

「近藤さんとも兼ねてより知り合いだったのだけど、今日はあなたに『女の子としてのお風呂の楽しみや色々を教えてやってほしい』て頼まれちゃって。入浴剤とかも全部揃えてくれるって話だったから、引き受けたのよ。お風呂上がりには、バーゲンダッシュも準備してもらっているわ」

「バーゲンダッシュっ!」

 

 驚いて、わたしは思わず振り返る。

 

「バーゲンダッシュって、あの高級アイスの? 誕生日の時にしか食べられないあの高級アイス?」

「……多分、そのバーゲンダッシュよ」

 

 くすくす笑う妙に、なんか恥ずかしくなって、わたしは首を元に戻した。妙はタオルでささっとわたしの頭を包んでは、軽く背中を叩いてくる。

 

「さぁ、洗い終えましたよ。お風呂に入りましょう」

 

 促されて、わたしは花いっぱいの浴槽に入ることになった。赤やピンクの散りばめられた様子はとても女の子らしいな、と思う。そこに足をゆっくり入れる。いつもよりも、お湯が柔らかい気がする。胸のあたりまで浸かると、思わず身体の力が抜けるようだった。甘い匂いと染みわたる温かさが、いつもより気持ちがいい。

 

「私もご一緒していいかしら?」

 

 妙に問われて、わたしは笑みを返した。

 

「どうぞー」

 

 すると、妙も嬉しそうに笑い、浴槽に入って来る。

 

「ふぅ、気持ちいいわねぇ」

「そうですねー」

 

 ぬくぬくと、すっぽりお湯に浸かる。たまには、こういう女らしいことをするのも、いいかもしれないと思う。なかなか近藤も、意外と粋な計らいをするものだ。

 

 だが、わたしは、さっき妙が言ったことを思い出した。

 

「そういえば妙さん……聞いていいですか?」

「なぁに?」

 

 優しく聞き返してくれる妙に、わたしは首を傾げながら訊く。

 

「お風呂の楽しみや色々の、色々ってなんです?」

 

 すると、妙は少し意地の悪そうな顔で、

 

恋話(コイバナ)でもしようかなって」

 

 そう、笑った。

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