偽訳・銀魂 白夜叉の妹と真選組   作:由比レギナ

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夜のバーベキューは危ないからやめましょう④

「獲物を持っちまうと、どうしても殺気というか……気迫というか、気配みたいなのが出ちまうだろ? アイツクラスになると、そんな気配でどこからどう攻めてくるのか、わかっちまうのさ。だから、獲物を持っていても、自然に振る舞えるようになれ。もうそれが手の一部だと、お前自身が思うくらいにな」

 

 そういうことで、四六時中、わたしは枝を持って生活することになった。

 

 

 ☆★☆★☆★☆

 

 

「なぁ、桜……」

「ん、ふぁひ?」

「やってること、今とそんなに変わんなくないかィ?」

 

 噛みつこうとした輪切りのトウモロコシが、ぽろっと地面に落ちた。

 

「まぁ、基礎体力の訓練嫌だなぁってのは変わらないけど……別に、今ずっと刀握っているわけじゃないし」

「でも、アンタずっと腰に刀差しているよな?」

 

 次に玉ねぎに噛みつくと、回りの一枚がくるっと取れる。

 

「ふぁいひにしてるんふぁからひひでほっ!」

「何言ってるかわかんねェーよ」

 

 半眼で睨んでくる沖田から顔を背けて、もぐもぐと玉ねぎを食べていく。

 

 ごくりと飲み込んで、わたしは小さく呟いた。

 

「……大事にしてるんだから、いいでしょ」

 

 

 ☆★☆★☆★☆

 

 

 筋力をつける。

 

 気配を消す。

 

 あと、勝つために必要なことは――

 

「作戦には、協力者が必要だな」

「しょーしょくは?」

 

 焼きたてのお芋をほふほふと食べながら、わたしは首を傾げた。

 

 銀時は焚火の枯れ葉を枝で突くと、枝に刺さったお芋を掲げて言った。

 

「そーゆーわけで、協力者の晋助君と小太郎君です! みんな拍手するよーに」

「みんなって、わたししかいないけどね」

 

 お芋を飲みこんだ後には、水分が欲しくなる。お茶を啜りながら呟くと、銀時の横に並ぶ少年が冷静に言った。

 

「楽しい焼き芋パーティーだと聞いていたんだが……」

 

 艶やかな黒髪の少年である。どことなく気品と、真の強さを感じさせる美少年は、不服を言いながら、しゃがんで枝で枯れ葉を突っつく。

 

「楽しいじゃねぇーか。幼女と一緒に焼き芋を食べながら、先生をぎゃふんと言わせよう作戦会議だぜ?」

「ふむ……幼女か」

 

 銀時の言葉に、その少年の視線はまっすぐわたしに向けられる。

 

 黒い瞳がじーっと、じーっとわたしを見つめて、

 

「幼女か……」

 

 何かを納得したように呟く年上の姿は、背筋の凍るような身震いを生じさせた。

 

 しかし、まだこの少年と見つめあっている方がマシである。

 

 さらに隣のざんばら頭の少年の方が、タチが悪かった。

 

 顔を赤らめながら、チラリと、チラリと仁王立ちでこちらを(うかが)っているのだ。

 

 先生に一太刀浴びせるためには、手段を選ばない所存であった。

 

 しかし、こいつの手は、借りたくなかったのが本音である。

 

「……ぎんときの友達って……この二人しかいないの?」

 

 わたしが尋ねると、焼き芋を二つに割った銀時は首を傾けた。

 

「あー……こいつらだって、友達というほどのものでもないような……なんつーか……」

「そうだな。素直に友と呼ぶのは、まだ何か足りんかもしれんな」

 

 お芋を選んでいるのだろうか、枝で突っつきまくりながら、小太郎はどこか自信ありげにそう言う。

 

 それに、銀時は眉をしかめた。

 

「え、なに? 何かがあれば、俺たち友達になっちゃうわけ?」

「うむ。すでに俺はお前のことをもっと知りたいなと思っているぞ」

「やだー、俺、そっちの趣味はないんですけどー」

 

 まぁ、どうやら銀時の知り合いはこの二人しかいないようである。

 

 ――わたしも、友達いないしね。

 

 唯一の知り合いといえば、ここでずっと照れている気持ち悪い少年のみだ。

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