偽訳・銀魂 白夜叉の妹と真選組   作:由比レギナ

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夜のバーベキューは危ないからやめましょう⑤

 わたしは覚悟を決めて、声かけることに決めた。

 

「ねー、たかすぎさん」

「ふぁっ! ど、どうした?」

 

 ――声裏返んなし……。

 

 話す気を失くしつつも、わたしは続ける。

 

「わたしがここに来てからさ、何も話しかけても来ませんでしたよね?」

「あ、あぁ……」

「今更、なんですか? 本当に、お芋食べたかっただけ?」

 

 わたしは新しいお芋をがしっと素手で掴んでは、高杉にそれを投げつける。

 

「それとも、笑いに来ましたか? わたしがこんな枝一本で先生に挑んでいるの、道場中のうわさになってますよね?」

「おい、手!」

 

 銀時が慌てて駆け寄り、火消し用の水をわたしの手に掛けてきた。服まで濡れて、わたしは顔をしかめる。

 

「なんで水掛けられたの……?」

「馬鹿っ! 火傷すんだろ!」

 

 そして、強制的にしゃがまされ、バケツに残った水の中に、手を入れられる。

 

 言われてみれば、手がヒリヒリと痛いかもしれない。

 

 ひんやりとした水が気持ちいいなと呆けていると、高杉が近寄って来る。

 

「桜ちゃ――いや、桜」

 

 呼び捨てにされて、わたしは少年を見上げた。

 

「お前が望むなら、俺はどんなことだって、してやる。ただし、一つだけ約束してほしい」

「約束?」

 

 彼の表情は真剣だった。

 

 真剣に、真面目に言うのだ。

 

「いつか、俺のために琴を弾いてほしい」

 

 ――そんなこと?

 

 わたしは眉根を寄せた。

 

「琴くらい、用意してくれれば全然いいけど……」

「じゃあ、決まりだな!」

 

 すると、銀時は高杉の肩を組んで、意地悪く笑った。

 

「なんでもするって、言ったよな、高杉君」

 

 その後、銀時から説明された作戦に、高杉は苦々しい表情を浮かべた。

 

 

 ☆★☆★☆★☆

 

 

「アンタ、そんなに琴上手いのかィ?」

 

 マシュマロがじんわりと溶ける姿を睨みつけながら、沖田がそう訊いてくる。

 

 わたしも自分のマシュマロをくるくると回転させながら答えた。

 

「正直、そんなに上手くはなかったと思うけどね。なにせ、ほんとに子供の頃の話だし。お裁縫の方が得意よ。この後もずっと自分の着るものはもちろん、門下生や先生のも、お駄賃もらいながら直したりしてたからさ」

「まぁ、人間意外な特技の一つや二つはあるもんだよな……」

 

 そう呟きながらも、沖田のマシュマロも焦げてきたのだろう。くるくると串を回しだす。

 

 わたしのマシュマロは全体が固く、茶色帯びてきたので、火から外した。香ばしくなったマシュマロにふーふーと息を吹きかけながら、

 

「そういう総悟くんは、これといった特技ないの?」

「そうさなァ……。車やバイクの運転はもちろん、トラクターやヘリ、船の運転免許は持ってるぜ。あと、宇宙毒物劇物取扱免許もある」

「資格マニア?」

「いんや。ただ土方の野郎を殺したいだけさ」

「うん、聞かなかったことにするわ」

 

 苦笑しながら、マシュマロをぱくっと食べた。一瞬感じた固さの中からじんわりと溶けだす甘みに、頬が零れそうになる。

 

「あ、うま」

 

 食べてその美味しさに驚いている沖田に、

 

「でしょ?」

 

 と、わたしは笑いかけた。

 

 

 ☆★☆★☆★☆

 

 

 そして、決戦の日。

 

「せんせー、質問があるんですけどー」

 

 寺子屋での授業中に、いつも寝てばかりいる銀時が手をあげる。

 

「おや、珍しいですね。いいでしょう、何ですか?」

 

 少し嬉しそうな顔をする先生に、銀時はある雑誌を取り出した。

 

「この男の人はー、女の人にナニしてるんですかぁー?」

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