偽訳・銀魂 白夜叉の妹と真選組   作:由比レギナ

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決戦は何曜日だろう④

 その後、先生から解放されて、結局終始寡黙なままの高杉と別れてから、わたしは銀時を呼び止めた。

 

「なんだよ、晩飯までまだ時間あるだろ? 一世一代の大仕事を終えて疲れてんだから、休ませてくれよ」

 

 半眼でそう言う銀時に、わたしは叫ぶようにして訊く。

 

「どうして、わたしを助けてくれたの?」

「そりゃあ、アイツにぎゃふんと言わせたかったからって、前にも言ったろ?」

「それだけ?」

 

 わたしがじっと、銀時のやる気のない目を見つめると、彼は一瞬視線を逸らしたのち、にやりと笑った。

 

「じゃあ、初恋ってことで」

 

 そして、ふわぁーっと欠伸をしたのち、

 

「じゃあ、妹よ。兄は今から寝るから。晩飯できたら起こしてくれ」

 

 そう言い残して、自分の部屋へと帰っていく。

 

 残されたわたしは、一人で首を傾げた。

 

「きょーだいで恋って、するものなのかしら?」

 

 誰も、その疑問には答えてくれなかったけれど。

 

 けれど、今でも覚えている。

 

 銀時に『初恋』と言われて、わたしの胸が高鳴ったことを。

 

 

 

 ☆★☆★☆★☆

 

 

 

 キラキラしている。

 

 目を開けた瞬間に、満天の星空に視界を支配されて、わたしはそれしか認識できなかった。

 

 ――あぁ、夜になったのか。

 

 ぼんやり眺めてから、身を起こすと、崖の下から声が掛けられる。

 

「いつまで寝やがってんだ、痴女猫め!」

 

 のそのそと動いて見降ろすと、見上げている沖田がお玉を持っていた。焚火の上に鍋をかざして、お玉で掻きまわしているのである。

 

 鍋の中身は、匂いでわかった。

 

「カレーだ!」

「いきなり言うのがそれかよ」

「だって、カレーなのよ? すきっ腹にカレーを我慢しろなんて、そんなドSなことするような子に、わたし育ててないもの」

「誰もアンタなんかに育てられてねェんだが……てか、俺はドS星に生まれたドS帝国の帝王だってこと、知らねェーのかィ?」

 

 ニヤリと笑うと、沖田はご飯の盛られた器にカレーをよそう。そして、スプーンですくうと、食べようと大口開けてこちらを見上げていた。

 

 わたしは淡々と言う。

 

「でも、総悟くん、わたしが本気で嫌がることは、しないもの」

「……ったく」

 

 やれやれと肩をすくめて、沖田はもう一つカレーを準備しだす。

 

「さっさと降りてきやがれ。本気で食べちまうぞ!」

「はーい」

 

 わたしはひょいっと立ち上がり、崖を降りる前に辺りを見渡した。

 

 倒れてたはずの、白い侍がいない。

 

 ――帰ったのかな?

 

 まぁ、昼間から夜になったのだ。あの程度の気絶なら、すぐに目が覚めていて当然であろう。実際、沖田も今は元気そうである。目的の瑠璃丸も潰れてしまったのだから、もう森に滞在する必要もない。巨大カブトムシの姿もなかった。どこに行ったのかは、あまり考えないでおきたい。

 

 いないのは、万事屋だけでなく、沖田の他の真選組の姿もなかった。

 

 どうやら、沖田一人、わたしが目覚めるのを待っていてくれたようである。

 

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