この錬金術師に動物を!   作:薄翅蜉蝣

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どうも、七星天道です。

それでは、本編どうぞ


第十一話 罪と罰

「こっちです」

 異様に入り組んだ家を、ソフィのお父さんの部屋目指して進んでいく。

 ……この家、どんだけ広いんだよ。迷路と言われても信じれる。

「ここです」

 ソフィが案内してくれた部屋は、周りの部屋よりも一際豪華な装飾が施された扉を持っていた。

 意を決し、コンコンとノックをする。

 その瞬間、ソフィ、クリス、フィーネの動きが凍った。

「ミ、ミナトッ! あんた、何してんの!」

「何って、ノックだけど」

 なんだ? 異世界ではノックはNGか?

 突然、ドアが強く開け放たれ、ソフィの父親であろう人が怒鳴り声をあげた。

「無礼者!この者達を牢につれて行け!」

「あ、あれっ? 俺、何かした? ノックって、普通するもんじゃないの!?」

 あ、あんまりだ……!

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 冷たく湿った地下牢の中。

 ソフィが父親を説得してくれるように祈りながら、石の床に座り込んでいた。

「ミナト、普通に考えてあ・れ・は無いと思うよ?」

「そうよ、何考えてるの? 普通あ・れ・は無いわよ!」

「意味分からないんだけど」

 あれってなんなんだよ。

 異世界の作法とか俺知らねえし。

「「二・回・ノ・ッ・ク・は無いでしょ」」

 二回……ノック?

「あああぁぁぁああっ!!!!」

 そりゃあの人も怒るか。

 トイレだったな、二回ノックって。っていうか、これって地球の作法と同じじゃんか。

「やらかした」

「軽いよ!」

 まあ、ソフィが何とかしてくれるでしょ。

 ほら、噂をすれば。

「皆さん、すみませんでした。クリスさんとフィーネさんの弁明には成功したんですが、ミナトさんはちょっと……」

 お、俺はちょっと?

「え、なあ、ウソだろ。俺どうすんの?」

「えっと、お父さんが言うには、罰を与える、だそうです。すみません、私についてきて下さい」

「ミナト、あなたはいい人だったわよ」

「キミの事はきっと忘れないよ」

「なあ、なんで俺いなくなる前提で話してんの!?」

 フィーネに限って言えば、パーティ組もうって言ってきたのお前だよな!

「……お、おい、目をそらそうとすんなよ!」

「と、とりあえず行きましょう、ミナトさん」

「あ、あ、あ、あんまありだああぁぁぁああ!!!!!!」

 

「失礼します、お父さん」

「入りたまえ」

 ソフィがノックを三回して部屋へ入る。

 確か、三回が親しい間でのノックで、四回が正式な場でのノックだったか。

「キミはミナト君、だったかな」

「は、はい」

「私はアルフレッド。アルフレッド=ブランシュだ。以後よろしくね」

 部屋の中心に座っている初老の男性が、先ほどとは打って変わって穏やかな口調で話しかけてきた。しかし、その声には確かな貫禄と威厳が含まれている。

 何か謝らなければ、と思い、俺が口を開こう著したその瞬間、アルフレッドさんが、言葉をかぶせた。

「君は、ここに来たばかりらしいね。君の故郷では、こことは作法も違うのかい?」

「え? あ、はい」

 日本ではノックの回数でやいやい言うことは少ないからなあ。

「そうか。それなら今回だけは許してやろう。と、言いたいところなのだが、知らなかったから許すということを私がしてしまうと民衆までもが礼儀を重んじなくなってしまう」

 正論だ。ぐうの音も出ない。

 俺はどうなるのだろう。

「だから、私は君に罰を与えたいと思う。ひとつは、今後礼を忘れぬよう、ここ、王都での常識などを学んでもらう」

「そんな罰でいいのですか? 俺、アルフレッドさんに無礼を働いたんですよ?」

 もちろんその罰も受けるが、それでは罰が少なすぎるだろう。

「まあまあ、そう焦るんじゃない。私は、何も罰が一つだと入っていないだろう」

 そうだ。それに、さっきひとつは、ともいってたし。

 やはり何か厳しい罰が下るのだろうか。

「もう一つ、君に私からの罰を与える。それは、娘の事だ。どうか、娘の事をこれからもよろしく頼む」

「え?」

「君達は、ソフィを正式にパーティに入れてくれた初めての人だったのだよ。ソフィからも、始めてパーティに入れたと文をもらった。もう気づいているとは思うが、あの子は流血恐怖症だ。そのせいでどうも今まで度のパーティからも門前払いされていたみたいでね。君たちがいてくれて、本当によかった」

「アルベールさん……」

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「ア、アルベールさん?」

 あ、あれ? いいことを言っているはずなのに後ろに阿修羅が見える。おそらく一番の罰は今この瞬間だろうな。

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 あれから数日後。

 アルベールさんから王都(この世界)の常識を一通り学んだあと、俺とソフィは帰路に就いた。フィーネとクリスは暇になって、先に観光してから帰ってしまったらしい。薄情な奴らめ。

「ミナトさん、あれは、廃城……でしょうか?」

 ソフィが指さす方向には、確かに古ぼけた城が佇んでいた。

 行くときは気付かなかったけど、なかなかに雰囲気のある城だな。

「おばけでも住んでたりして……なんてな。ん?」

 城へと何か黒い者が入っていってるのが見える。

「わ、私そういう話は苦手なんですから、やめて下さいよ……きゃっ」

 ソフィも気づいたようだ。自分で行っておいてアレだが、俺もおばけ的な話は結構苦手だったりする。

 何度和真にそのネタで遊ばれたことか。

「あれ、何なんでしょうか……?」

「き、きっとただの獣だと思う。気にすんな!」

「あはは、そ、そうですよね。きっとフィーネさんもクリスさんも待ってることでしょうし、早く帰ってクエストで儲けましょう」

 俺達は馬車の御者にたのんで大急ぎでその場を離れた。




いかがでしたか?

次回、ミナトとソフィが見たものとは……!
まあ、原作既読者なら分かってしまっているとは思いますが……

最近オリジナル回が多いので、面白くないかもしれません。
その点は誠に恐縮ですが、これからもこの作品を読んでいただけたらなあ、と思っています。
ここが面白くない! などの意見も参考にしたいので、辛辣なご意見なども待っています。

ご意見、感想、誤字脱字など、お待ちしております
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