この錬金術師に動物を!   作:薄翅蜉蝣

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どうも、七星天道です。

それでは、本編どうぞ



第二話 湊、冒険者の道を歩き始める

「錬金術師? ああ、あったわね、そんな職業」

「マジで!? 教えて!!」

 カズマが連れていた駄女神なアクア。だがこの瞬間だけは、本物の女神に見えた。

「どんな能力だったかしら……うーん、忘れちゃったわ。そもそもそんな古い職業、私が覚えているわけないじゃない。私は女神なんだから他にもいろいろ覚えなきゃいけないことがあるのよ?」

 前言撤回、こいつ使えねー。

 マジで置物女神だわ―。

「和真、お前の職業ってなんなんだ?」

 役立たずは置いといて、気になっていた和真の職業を確認する。

「……笑うなよ?」

「ああ、笑わない」

「基本職、冒険者だよ」

 へ?

「特典は?」

 和真は黙って、むしゃむしゃ食事を楽しんでいる女神を指さした。

「……大変そうだな」

「……ああ。それで、お前はどんな特典もらったんだ?」

 言いたくない。けど、和真の聞いたし仕方がない。

「絶対誰にも言うなよ。特にアクアには言うなよ。見ただけでめんどくさそうだから」

「ああ、約束する」

「実はな……」

 これまでのいきさつを洗いざらい和真に話す。

「……ということがあったんだ」

「……お互い、大変だな」

「「……はあ」」

 あ、そうだ。

「なあ和真、クエストってどうやったら受けられんの?」

 この世界初心者の俺は、やはり三日だけでも早く来た和真に聞くべきだろう。

「クエスト? クエスト……クエスト……ああっ!!」

「うるさいわね、どうしたの。大丈夫よ、今日はシフト入ってないから」

 シフト?

「違うわクソビッチ! 俺ら、なんで異世界まで来てバイトしてんだよ!! 普通はあるだろ、こう、モンスターとの手に汗握る戦闘! みたいな!」

「そうね。確かにそんな話もあったわね! 労働の喜びに夢中になって忘れてたけど、私、カズマに魔王倒してもらわないと帰れないじゃない! そうね、今日はクエストに行ってレベル上げをしましょう!」

 はっはーん、こいつら、馬鹿だな。

「なあアクア、一応聞くが、錬金術師について、本当に何も知らないんだな?」

「当然よ! 私は神様なんだから、そんな古いもの知らないって何度言ったらわかるの?」

 ああ、こいつは真性の馬鹿だったんだと、今更になって納得する

 なんにせよ、こいつらはあてにならん。

 クエストについても別の人に聞くことにしよう。

「じゃ、俺はクエスト受けてくるから、お前ら二人も頑張れよ」

 とりあえずはアクアから離れたい。馬鹿がうつる。

「湊、待ってくれ。俺、こんなやつと二人は嫌だぞ! 待てよ! 待てって!」

 和真の制止は無視し、俺は急いでその場を去った。

 横目で、こんなやつ呼ばわりされたアクアが和真に掴みかかっているのが見えた。

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

「うーん、和真達から離れたはいいけど、結局クエストってどこで受けるんだ?」

「お困りの様だね。キミ、初心者かい?」

 俺が一人、ギルドの一角で唸っていると、銀髪の少女が声を掛けてきた。

「あたしはクリス、盗賊だよ。見たところキミ、何か困っているみたいだね」

 救世主だ。

「ああ、そうなんだよ。知り合いが全く使えなくてさ……何にも知らないんだよ」

 悪い、和真。お前の事じゃないんだ。

「あはははっ! そうだったんだ。で、何が知りたいの?」

「クエストの受け方」

 ああ、それなら、とクリスは、俺をギルドほぼ中央につれてきた。

「ここの掲示板の紙をちぎって、ギルドの受付に持って行くんだよ」

 思いっきり書いてあった。『クエスト掲示板』と。

 今度から人に聞くときは、しっかり周りを見よう。

「キミ、初心者でしょ。あたしと一緒にクエスト受けてみない?」

「いいのか?」

 そりゃ願ったりかなったりだ。

「もちろん! じゃあ、簡単な討伐クエストから行こうか。キミ、職業は?」

「錬金術師」

「ふーん、錬金術師なんだ……えっ、錬金術師?」

「うん、そうだけど? ほら」

 驚いた顔のクリスに冒険者カードを見せると、納得したようだった。

「へえ、めずらしいね。錬金術師ってそうとう昔の職業で、今の人はほとんど適性がないのに」

「ああ、ギルドの人にも言われた。ところでクリス。錬金術師について何か知ってたり……するわけないよな」

「うーん、ごめんね。オリジナルスキルに錬金があるのと、上級魔法が使えるってくらいしか知らないよ」

「結婚して下さい!」

「ええっ!?」

 クリスマジ神。あの置物女神とはえらい違いだ。

「ま、まあ、とりあえずスキルを覚えたらどうだい?」

 スキル? ああ、そう言えばギルドの受付の人が言ってたな、そんなこと。

「スキルって、結局何なんだ?」

「えっと、スキルっていうのはいわゆる技だよ。僕の盗賊なら、盗賊の技、つまり盗賊スキルを使えるってこと」

「なるほど。それで、俺の場合は錬金術師スキルが使えるってことだな。ところで、スキルはどうやって覚えるんだ?」

「冒険者カードにスキル欄があるはずだよ。そこに書いてあるスキルを選ぶことで、スキルは習得できるよ」

 スキル欄……これか。ん?

「このスキルの横に書いてあるポイントってなんだ?」

「そこに書いてある数字がスキルを習得するために必要なスキルポイントの量。スキルポイントっていうのは、スキルを覚えるために使うポイントで、それも冒険者カードに表示されてるよ」

「えー、70って書いてあるんだが。これって多いのか?」

「お、多いよ! そんなに初期ポイントを持ってる人はほとんどいないよ!? キミ、ほんとに初心者かい!?」

 失礼な。バリバリ初心者のレベル1だよ。

 うーん、一応これも天使の特典なのか?

「まあ、じゃあ、スキルを覚えてみようか。スキル欄に表示されてる好きな項目をタッチしたら覚えれるから」

 クリスに言われ、俺は自分のカードに表示されているスキル欄にちゃんと目を通す。

 なになに、『錬金』50ポイント。50ポイント?

 ほとんど全部じゃんか!?

「まあでも、錬金術師っていう職業だし、これは覚えたいよな」

 錬金をタッチ。

 ……特に体に変化はないけど、本当にこれで覚えれたのかな?

「たぶんできたぞ?」

「じゃあ、さっそくクエストに行ってみようか!」

「おぉー!」




いかがでしたか?

今回は、クリスの登場回でした。

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