この錬金術師に動物を!   作:薄翅蜉蝣

8 / 20
どうも、七星天道です。

それでは、本編どうぞ


第七話 ぱんつスティーラー爆誕!?

「ぐすっ。ひどいよ、あんまりだよ……うぅ」

 結局、クリスは有り金全部はたいて和真から自分のぱんつを取り返していた。

 涙目で落ち込むクリスを連れて、ギルドに戻ると、アクアやフィーネ達が、楽しそうに盛り上がっていた。

「ああ、カズマ、戻ってきたのね! ミナトのパーティの人たちって楽しいわね!……って、その人どうしたの?」

 いまだ落ち込んでいるクリスにアクアが興味を示す。

「えっと、それはだな……」

「うむ。クリスは、カズマにパンツを剥がれた上に有り金毟られて落ち込んでいるだけだ」

「おいあんた何口走ってんだ! 待てよ、おい待て。間違ってないけど、ほんと待て」

「因果応報だろ、それは」

 和真は、泣きながらぱんつを返してと頼むクリスに、自分のぱんつの値段は自分で決めろと言い出した。

 さらには、提示する値段に満足しなかったら、もれなくクリスのぱんつは和真の宝になる、とかも言っていた。

 つまるところ、クリスは手に入れた和真の財布と自分の財布を泣く泣く差し出し、自分のぱんつを取り返したのだった。

 この一連の流れで皆さんおわかりだろうが、この男は相当な鬼畜である。

 ついでに言うと、変態でもある。

 故に正当な報いだろう。アクアやフィーネを筆頭としたパーティメンバーにひかれているというのは。初対面のソフィにまでひかれてる。

 そして、落ち込んでいたクリスが顔を上げ、和真にさらなる追い打ちを掛ける。

「公の場でいきなりパンツを脱がされたからって、いつまでもめそめそしてもしょうがないよね! よし、ミナト。あたし、稼ぎのよさそうなクエスト探すから、受けるの手伝ってね! 下着を人質に有り金失っちゃったしね!」

 いちげきひっさつ! 和真は倒れた。

「おい、待てよ。もう周囲の女性冒険者の目がブリザードだからほんとに待って」

「自業自得だな」

「やかましいわ! 四字熟語にはまってんのか!? うっとうしい!」

 周囲の冒険者におびえ、俺に八つ当たりをする和真に、クリスがクスクス笑って、

「このくらいの逆襲はさせてね? それじゃあ、よさそうなの探してくるから待っててね! ダクネスも、適当に遊んでて!」

 言いながら、クリスはクエスト掲示板の方に走っていった。

「えっと、ダクネスさんは行かないの?」

 また敬語。

 和真のひきこもりスキルには目を見張るものがあるな。

 和真の問いに、ダクネスは遠い目をして答えた。

「……うむ。私は前衛職、クリスは盗賊だ。前衛職はどこにでもいるが、盗賊はなり手が少ないからな。それに、今のクリスには自分のパーティもある。私なんかが出る幕は無いだろう」

 やけに達観している。これが大人の余裕というやつだろうか。

 それにしても、職業によって過疎過密はあるんだな。やはり現実はゲームより甘くない。

「ところでカズマ、無事にスキルを覚えられたのですか?」

 魔女っ子。めぐみんという名前だっただろうか? が、和真に話しかける。

 和真は不敵に笑みを浮かべた。

「ふふ、まあ見てろよ? いくぜ、『スティール』ッ!」

 和真が叫び、めぐみんに手を伸ばすと、しっかりと白い布が握られていた。

 ……嫌な予感がする

「デジャヴだ」

 ぱんつだった。

「……なんですか? レベルが上がってステータスが上がったから、冒険者から変態にジョブチェンジでもしたんですか?……あの、スースーするのでぱんつ返して下さい……」

「なんだ? お前、下着泥棒でも目指すつもりか? 変態趣味だな」

「馬鹿、ちげえよ! あ、あれ!? おかしーな、こんなはずじゃ……。ランダムで何かを奪い取るってスキルのはずなのにっ!?」

 ザザッ、と、まるでモーゼの海割りのように周りの冒険者がひく。

「も、もう一回! もう一回だけチャンスをくれ! フィーネ、頼む!」

「い、いやよ! 何で私が!」

「『スティール』ッ!」

 問答無用で和真は、右手を突きだす。

 結果は想像できたが、やはり、布が握られていた。

「あ、あれ?」

「いやああああああ!」

 パチィン、と甲高い音が鳴り響き、和真が倒れた。

「千辛万苦。」

「なんだよその四字熟語!」

 ぱんつスティーラー爆誕だな。

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

――場所は変わってとあるダンジョン

「いや、ごめんね。あたしの都合で皆を連れてきちゃって」

 ダンジョン前で一夜を明かし、朝一でダンジョンに突入した。

 なんでも、ダンジョンに潜るなら朝が一番なのだそうだ。

「い、い、いえ、今回に関してはクリスさんは悪くないですし」

「そうよ、全部カズマの変態が悪いんだわ!」

「ふふ。そっか、ありがと」

「じゃあ、そろそろ奥のほうにすすんでみようぜ!」

 意外とダンジョンは楽しかった。

「あ、クリス、来るわよ!」

「そ、そっちです、ミナトさん」

 楽しかったのだが、ソフィとフィーネは全く役に立たなかった。

 ソフィは、最初の一匹で戦意喪失。

 フィーネなんかは、モンスターを見るなり俺の背中の住人になっていた。

 ダンジョン内にいるモンスターはオークやゴブリンなど、いわゆる亜人系のモンスターが多かった。

 特に多かったのがゴブリン。こいつらは、体が小さく、個体個体は脅威ではない。しかし、こいつら、かなりの群れで行動しているようだ。

 途中、ゴブリンの巣を発見したり、ひときわ大きなオークに遭遇したりとハプニングもあった。

 それでも俺たち(俺とクリス)は襲い来る雑魚を倒し、なんとか最奥まで辿り着いた。

「いやあ、大変だったねえ」

「そうでもないわよ、楽だったわ」

「お前、俺の背中に張り付いてたじゃんか」

「ま、ま、全く役に立てず、も、申し訳ありませんでした」

 ほら、こういうふうに誠意を見せてほしいんだよ、俺は。

「でも、あとダンジョンボスを倒さないと、クエストクリアにはならないから、浮かれちゃだめだよ」

 ダンジョンにはボスがいる。ここら辺はゲームの設定と変わらないみたいだ。

 ここのボスはどんなんだろうか?

 そう思っていると、ズシン、ズシンと地響きが伝わってくる。

 ふと見ると、目の前に巨大な『ヤツメウナギ』がいた。

「な、なんじゃこりゃぁぁぁあ!」

 




いかがでしたか?

次回は完全なオリジナル回になります。

ご意見、感想、誤字脱字などお待ちしております
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。