でも……艦娘って可愛いよね。
柱島泊地鎮守府は朝からある話題で持ちきりだった。
『今日から新しい提督がくる』
できて半年程の鎮守府で、こんな短期間に提督が変わるなんてと言う艦娘たちもいたが、秘書官やそれに近しい艦娘はずっと前から提督が変わるのを知っていた。
というのも、半年間この鎮守府にいた提督は所謂ピンチヒッターのようなもので、もうすぐ定年というかなり年を召した人であり、ここに来て最初にそのことを伝えていたからだ。
しかし、大多数の艦娘はそのことを知らなかったため、昨日前任の提督が唐突に「提督変わるから。新しい人は明日来るから」と伝えたため、この騒ぎとなっている。
その様子を、現秘書官の長門は朝食を食べながら見ていた。
「……唐突だったとはいえ、ここまで騒ぎになるとはな……」
そのつぶやきを、前の席で一緒に朝食を食べていた陸奥と隣に座っていた大淀がしっかり聞いていた。
「駆逐艦の子達は、特に浮き足立ってるわね。殆どの子達は遠征があるのに……」
「このままでは、今日の業務に支障が出てしまうかもしれませんね」
「そうだな……少々やりすぎかもしれないが、遠征に出る艦隊に監督役をつけよう。正規空母と軽空母、あとは金剛型の4人も監督役として遠征組に」
今日予定されている遠征は、空母や戦艦が出て行く必要のないものばかりではあったが、浮き足立って取り返しのつかないミスをする可能性も否めない。それならば、最大の注意を払い監督役をつけるべきと判断した。
「わかりました。本日非番の人たちはどうしましょう」
「行動を制限するつもりはない。どうせ、明日には全員に紹介するのだからな」
「長門はどうするの?」
「私は、提督を迎えに行く。この状況だ。私が行くしかあるまい」
「私が行ってもいいのよ?」
「お前を行かせて、提督に変なことをされてはかなわん」
「あら、ひどいこと言うのね」
口ではそう言うものの、陸奥はクスクスと笑みを零していた。実際に、陸奥を迎えに行かせれば、提督に何かしかねないと悟った長門だった。
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朝食を食べ終えたあと、陸奥と大淀と別れた長門は司令室に立ち寄っていた。一応片付けなどは終わらせてあるが、最終確認の意味も込めてだ。
「……大丈夫そうだな」
その時、司令室をの扉をノックする音が響く。
この時間に司令室を尋ねる者などいたか、と不審に思いながらも招き入れる。
「入れ」
「失礼します」
「お前は……」
入ってきたのは、長門と同じ長い黒髪でメガネをかけた重巡洋艦、鳥海であった。
「鳥海。今日は確か……」
「はい、非番ですが、長門さんに聞きたいことがあって……」
「私に?なんだ?」
「今日来るという提督さんは……その……」
鳥海は歯切れが悪くなり、言葉を詰まらせてしまう。これには、長門も気にならないわけがない。
「提督がどうかしたのか?」
「……いえ、すみません。なんでもありません。失礼しました!」
鳥海は結局、長門に何も聞かずに部屋を飛び出して行ってしまった。
「なんだったんだ……」
鳥海と、今日来る提督。2人には何かあるのだろうか。そう考えずにはいられなかった。
「……っと、そろそろ時間か」
書き始めって難しいですよね。
艦これとIS……二足の草鞋を履いてますが、できるだけどっちも更新していきたいと思います。