噛ませ犬でも頑張りたい   作:とるびす

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テスト美味しい。



あっという間に白目をむかして……あれ?

 よう、俺ヤムチャ。

 

 武天老師様の元での修行はとても充実したものだった。

 肉体強化は60キロの亀の甲羅を背負っての修行を行ったが、それほどまでは成果が出なかった。やはり肉体強化については重力装置が今の俺には一番合っているようだ。

 しかし気の操作における技術は基本的なものに加え、やや発展した難しい気の操作を必要とする技術をそれなりに身につけた。一番大きいのは自分の気や周りの気を感じ取れるようになったことだろう。これからのドラゴンボールには必要不可欠な技術を取得できて俺のテンションはアゲアゲだ。やはり先駆者から指導を貰うというのは大切なことだとしみじみ実感したものだよ。

 

 他にも戦闘技術なんかはクリリンとの組手でかなり鍛え上げた。クリリンは毎回ごとに戦法や戦術を変えてくる。だから毎回の組手がとても実戦らしく行えた。まじクリリン様々だぜ。ついでに合間合間にクリリンと交流を重ね、軽く軽口を言い合える程度には仲良くなれたと思う。話せば話すほどいい奴ってことが伝わってきたよ。クリリン、今まで心の中でひどいこと言ってごめんな。けど俺はお前を一生妬むぜ。

 

 この一年を通して思ったんだが、やはり一人で修行するよりは、信頼できる強敵(とも)と互いに練磨の汗を流しあい、師に新しい技術を定期的に供給してもらうというこの生活ローテーションはとても有効的だ。

 身体能力は自ら自主練で鍛えていくしかないがその他のことには全くもって不満なし。

 まあ修行において辛い、キツイ、苦しいこともそれはたくさんあった。だがそんなものはプーアルの声援で吹き飛ばす!やはりマスコットの力は偉大だ…。

 

 こんな感じで俺的にはドラゴンボールの世界に来て最高の一年間だったと言える。

 なんたって自分が強くなっているのを日々日々感じることができるほどの成長を遂げたからな。今なら悟空にだって勝てる………とは思わないけどさ。

 

 俺は吸収できるものはどんどん吸収し、取り入れていった。完成とは程遠くはあるがここで学べるものは学び切ったと言える。

 一年が経った。そろそろ身体能力の方にも力を入れていきたいし、ブルマとの関係も修復していきたい。心苦しいものはあるが武天老師様の元での修行は今日をもって終了だ。

 

 

 

 

「ーーーーというわけで、これからは自分なりの修行で己を鍛えていこうと思います」

 

「……うむ、それがよかろう。わしからお主に教えられることはもうない。自分のペースで好きなように鍛錬に励むのが最善じゃ」

 

 武天老師様からお墨付きは貰った。後は明日にでもプーアルとともに西の都に帰るだけだったのだが…今日の晩御飯はいつもより豪華だった。

 そしてカメハウスのみんなとともにこの一年を振り返る。クリリンとは技を共に磨いていった日々を語り、武天老師様からは自分のエロ水着が全て消し炭になったことに苦言を申されたり、プーアルからめちゃくちゃ褒められたり、途中でランチさんがくしゃみして金髪(スーパーサイヤ人)に変身。めちゃくちゃになったり…。

 まあ、楽しかったよ。

 

 翌日、出発の時には武天老師様から亀の胴着を頂いた。

 

「良いのですか?俺は一年しか…」

 

「なあに、一年でもわしの立派な弟子じゃよ。これからずっとな。来年の天下一武闘会、楽しみにしとるぞい」

 

「……はいっ!」

 

 それはもう感激したね。亀の胴着は亀仙流の証、悟空やクリリンとお揃いだ。

 

「ヤムチャさん、来年の天下一武闘会では負けませんよ!優勝するのはボクですからね!」

 

「俺をライバル認定してくれるのは嬉しいが、あいつを忘れるなよ?」

 

「あはは。もちろん!」

 

 クリリンと固い握手を交わし次の天下一武闘会での互いの健闘を誓い合う。一緒に頑張っていこうなクリリン。妬ましいけど。

 そして出発。武天老師様は最後までプーアルをカメハウスに残らせようとしたが、無理矢理俺が引き離した。感動を壊さないでくださいな。

 

 

 

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 西の都に帰還した俺とプーアル。

 俺は早速ブルマの元に直行。そして…

 

「この度は誠に申し訳ございませんでしたァァ‼︎」

 

 THE・土下座。日本人最大の謝辞と誠意だ。情けない、非常に情けないが仕方ない。

 ブルマはそれでもふんってしていたが何回も土下座を繰り返していたらしばらくして折れてくれた。若干呆れられていたような気もするが…。

 

「……ならさ。週一は買い物とかに付き合ってよね。あと修行はほどほどに!」

 

「もちろん、もちろんです!」

 

 

 

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 そんなこんなで俺は西の都で比較的ゆったりとした毎日を送った。ああ、重力装置での訓練は毎日してるよ。あと時々バッティングマシーンも。

 重力装置の訓練については3Gまでなら訓練が可能になり4Gになると厳しくなってくるという感じだ。それでも4Gに俺は挑戦している。このペースはちょっと遅いかなと思ってな。しかし重力装置というのはかなり危険だ。なんせ自分の力量や体力を見誤ると死に繋がる。かくいう俺も4Gでヤ無茶しすぎて重力装置をオフできなくなったことが一度だけあった。その時はちょうど携帯していた仙豆によって事なきを得たが大事な仙豆を一粒浪費してしまった。気を付けなければ。

 バッティングマシーンはブリーフ博士に500kmまで出るように改良してもらったがそれでも楽々躱せる。自分の成長が怖いな。アハハ。

 

 ブリーフ博士に研究の進み具合を尋ねたがまだまだ時間はかかるようだ。まあ、内容が内容だし仕方ないね。最近はブルマもその研究に携わるようになったらしく研究のスピードアップが見込める。まじブルマありがとう。ブルマも研究を進めるにつれ今調べていることの凄さが分かったらしい。まあそうだよな。アレだもん。

 

 他に変わったことといえば……そうだ。

 ブルマのショッピングに着いて行くとなぜか高確率で強盗も鉢合わせる。ブルマか俺には巻き込まれ体質でも付いてるのかな?その度に退治してやってる。

 今日も宝石店にて強盗に巻き込まれた。ほんとどうなってんだか。まあ、撃ってくる銃弾を全部掴んでやればそれまでなんだけどな。てかついに出来るようになったんだよ、銃弾掴み。

 そんで最近では西の都を守るヒーローなんて雑誌で言われている。正義感に溢れる天下一武闘会本戦に出場できるほどの武術の達人だってさ。暇を持て余してるだけなんだけどな。初代グレートサイヤマンでも名乗ってやろうか。いや、やめとこう。流石にアレは俺にはハードルが高い。

 ブルマに「ヒーローコスチュームを作ってあげようか?」とか聞かれたけど丁重にお断りさせてもらった。ブルマのセンスって何気に酷いんだよな。ブルマがヒーローっつーもんを分かってないだけかもしれないけど。

 

 

 

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 さて、早いものでもう天下一武闘会の年だ。光陰矢の如しってやつかな?

 修行も今できる範囲ではやりきったと思う。進化した肉体、強化された気、新たな新技。ふっ、負ける理由が見つからないな!

 俺たちは西の都空港を出発、途中武天老師様たちと合流した。クリリンも一年前とは見違えるほどに成長しており(背からは眼を逸らす)、武天老師様もそれなりに強くなっていた。本当に隠れて修行してたんですね。

 

「いよいよ天下一武闘会か…」

 

「こんどはぜったいにヤムチャさまの優勝ですよ‼︎」

 

 まあな。一回戦突破はもちろんの事、優勝も視野に入れている。今の俺には勝てない理由がない。慢心と言われればそれまでだが、逆を言えば厳しい未来の現実を知りながらも慢心でいれることは自信の裏返しだ。

 

「そうはいきませんよ。このボクがいますからね」

 

「ふ、言ってくれるじゃないか」

 

 クリリンとバチバチと火花を散らせる。けど複雑なもんだ。原作通りいったらクリリンと当たることは出来ないんだがクリリンと対戦したいと思っている俺がいる。戦闘癖でも付いたのかな?

 

「の、のう…ヤムチャや。レイちゃんはどうしたのじゃ?」

 

「あ…えっと…実家に帰りましたよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 南国パパイヤ島のドリアン空港に到着。ドリアンで思い出したけどドドリアさん今頃星の地上げとかフリーザの側近で頑張ってるんだろうなー。どうでもいい事だけど。

 さて、すぐに受付を済ませに行く。

 登録を済ませた後、悟空が来たかどうかを受付に聞いてみたがやはりまだ来てないらしい。地球の裏側の…ヤッホイだっけ?あっこからだし仕方ないね。地球を半周した俺にはその過酷さがよーく分かる。

 

 仕方ないからしばらくみんなで待ち惚けだ。すると…

 

「よう!誰かと思えば亀仙人ではないか」

 

「ふん!なんじゃ鶴仙人か。お主まだ生きておったのか」

 

「ひっひっひ、あいかわらずクチもカオも悪いのう」

 

 むむ、鶴仙人のお出ましか。てことは天津飯もいるんだよな。よし最高の挑発をくれてやるとするか。

 そう思い後ろを向いた。そこには…

 

「……は⁉︎」

 

「ッ⁉︎貴様…!」

 

 桃白白がいた。

 え、ちょ、おま…。お前の出番まだまだ後だよ?しかもサイボーグ化してない。あんだけやられてまだ無事だったのかよ。

 

「む、白白よどうした?」

 

「兄者、こいつです。舞空術を使い、亀仙流の小僧とともに私を散々コケにしてくれたのは…!」

 

「こ、こいつか!我が鶴仙流の秘術、舞空術を盗んだ奴は!」

 

 いやいや鶴仙人さん、結構舞空術って普及してますよ?主に宇宙で。ていうかこれまずいな…原作とズレができてしまった…。

 

「くっくっく…こいつは思わぬ収穫だったな。あの小僧を殺しにやって来てみればもう一匹もここにいたとは!男、貴様試合に出るのだろう?逃げるなよ、この桃白白様が直々に大衆の前で無様な姿を晒させてやる‼︎料理してやるのはその後だ…!」

 

「と、いうわけじゃ。ついでに亀仙人!お前の弟子たちもワシの弟子である天津飯と餃子がけちょんけちょんにするからな!恥ずかしい目に会いたくなかったらさっさと棄権する事じゃ!ひっひっひ‼︎」

 

 鶴仙人兄弟は言いたい放題に言うと大声で笑いながら天下一武闘会会場の中に入って行ってしまった。返答の余地すら与えてくれなかったぞあいつら…。

 

「うむむ…厄介な事になったのう…」

 

「全くです…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後受付終了ギリギリで悟空が参上。無事エントリーを済ませる事が出来たのだった。

 ちなみに言うと悟空の自然体での気の総量は俺と同じくらいだった…化け物(サイヤ人)め!




桃白白参戦。

感想をたくさん頂いております。感想をわざわざ書いてくれた皆様、ありがとうございます!現在少々多忙で返しきれていませんがまたそのうち…。
ヒロインについてたくさんの意見を頂きましたが…ぶっちゃけ期待しないほうがいい…とだけ言っておきます。ひとつだけ言える事はプーアルはマスコット兼ヒロインです。異論は聞きます、しかし認めない。

さらに今更ですがたくさんの感想、評価をありがとうございます。一つ一つが作者の励みになります。


鶴仙人
原作を読み直すまで完全に存在を忘れていた人第一号。てっぺんは禿げてるらしいですね。中途半端ハゲは辛いだけです、ナッパ様をみてください。あんなに堂々としていらっしゃる。

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