噛ませ犬でも頑張りたい   作:とるびす

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テストマズっ⁉︎


作者に忘れられるキャラなんて眼中にないね‼︎

 よう、俺ヤムチャ。

 

 ここにきてまさか原作とズレが生じるとは…こりゃ参った。

 桃白白自体は実はそこまで危険視してない。いや、戦闘に関して言えば結構怖いけど。

 問題となるのはこの世界が下手したら俺の知らない未来に向かっていく危険性を孕んでいることだ。

 本来の歴史からズレにズレてナメック星から帰ってきたらブウが…なんてことになったら目も当てられない。俺が活躍するには歴史を弄るしかないんだがいきなりその結果が目の前に現れたら流石にびっくりするぜ。

 うーん…そこまで危惧することでは無いのか…それとも…。

 

「ヤムチャさん、何してるんですか。予選始まりますよ!」

 

「どうしたんだ?腹でもへったか?」

 

 …俺が勝手したせいでこいつらを原作以上の危険にさらすような羽目にならなければいいんだが…。

 まあ、今の俺がウダウダしてても仕方ない。とりあえず今は目の前のことに集中していこう。今回の天下一武闘会は一回戦突破、及びに優勝だ。

 

 

 

 

 

 

 予選が開始した。

 けど相手が弱いのなんの…。前大会でビビってた俺が懐かしいな。屈強な男たちが俺の軽い拳で吹き飛んでいく様は某無双ゲーを思い出させる。まるで発泡スチロールを通り越して綿でも殴っているのではないかと錯覚しそうにもなる。すでに常人を超えてしまったか…俺スゲェ。

 

 クリリンは自分と十数倍は身長差がありそうな大男を軽々と投げ飛ばした。うん、すごい。すごい……んだけどさぁ…

 

「タコの赤ちゃんって……wwくそ…w」

 

「あはははは!ホントにそうみてぇだ‼︎」

 

「うるさい!二人とも笑うな!」

 

 大男がクリリンに向かって言った「タコの赤ちゃん」がどうにもツボにはまった…。クリリンはムッとして俺たちを睨むが……くそ…堪えきれん…w

 

「ふん、アレぐらいの武術でその喜びようとは…たかが知れるな。おめでたいやつらだぜ」

 

「む…」

 

 ブライト艦長…⁉︎

 ……ああ天津飯か。わざわざ嫌味を言いに来たのか?そりゃ暇なこった。しかも遠くから桃白白が俺と悟空を睨んでるし…こえぇ…。

 

「貴様ら、予選で俺や白白さんに当たらなくて命拾いしたな。そこのヤムチャという男も…白白さんに狙われるとはつくづく運の無いやつだ。同情してやるぜ。もっとも、あんな武術で8名の中に選ばれたら…の話だがな」

 

 なんだなんだ…挑発か?売り文句には買い文句だよな。よし、ここは原作ヤムチャばりに煽ってやるとするか。

 天津飯の物言いに憤慨したクリリンが何か言い返そうとするが俺はそれを手で遮る。そして、挑発口調で天津飯に言い放ってやった。

 

「ふ、楽しみにしていろ。お前の尊敬する殺し屋様が大衆の前で無様な姿で俺に屈するさまを晒すんだからな。まずだ、俺は三年も前に倒した敵のことなんか眼中にない」

 

「なに…⁉︎」

 

「そして三つ目野郎、今すぐ俺たちの前から消えろ。ぶっ飛ばされんうちにな」

 

 そして思いっきり中指を立ててやる。これぞヤムチャの名シーンオブ名シーンだ。ガンつけることももちろん忘れない。

 

「ふん、威勢だけは一丁前だな。おっと俺の試合だ」

 

 天津飯はそう言うとリングに上がる。そして対戦相手のお相撲さんに対して手刀を四発、蹴りを二発、一瞬にして叩き込みリングに沈めてしまった。お相撲さんかわいそうだな。力を誇示しているんだろうがお相撲さんからしたらいい迷惑だ。そういやボージャックの映画で唯一殺されたのはお相撲さんだったような…。かわいそうに…。

 

 悟空はチャパ王を一蹴。あー…気の総量だと悟空は俺と同じくらいだが、戦闘技術…というか天性のバトルセンス込みだとこりゃ分からねぇぞ?しかもこれから数日以内にさらに強くなるという…。これを化け物と言わずしてなんと言う。

 

 

 

 

 

 さて無事に予選ではフィニッシュを終え、俺と悟空、クリリンは本戦へと進むことになった。ジャッキー・チュン…っていうか武天老師様もさらに磨き上げられた技で軽く予選を突破した。

 気になるのは他に本戦へと出場した奴ってのが天津飯、餃子、パンプット、そして桃白白だということだ。あの狼男…違う違う、男狼は本戦に出場すらしていなかったのだ。

 まあ俺も修行中に月が残ってることに気がついて男狼がどうなるのかは気になっていたが…代わりに桃白白が入るとは夢にも思わなかった。男狼にとっちゃジャッキー・チュンが月を壊してないし、ましてや月が無くなってすら無いからな。天下一武闘会に出場する意味が無い。あ、拳法空手50段なんだっけ?自分の腕を試すために天下一武闘会に来たけど桃白白に当たって負けてしまったってことも考えられるな。どっちにしろ男狼さん、出番を奪ってごめんね?

 

「くじ引きで我々3人が相打ちにならないように祈りたいですね」

 

「ああ、一回戦から悟空となんか戦いたくないからな」

 

 そんなことを抽選会が始まるまでの休憩時間、悟空が逆立ち伏せをしている隅でクリリンと話していた時だった。

 

「ふん貴様ら、よく逃げ出さなかったな。まあたとえ逃げ出したとしても地の果てまで殺しに行ってやるだけだが」

 

「ほおー、貴様らドン亀チームが生き残れたとはな。どうやらよほどのカスしか予選にはいなかったようだ」

 

「…」

 

 鶴仙流三人組が俺たちを煽りに来た。よっぽど暇なんだろう。鶴仙流って娯楽が少なくて暗殺術ばっかってイメージだし。

 

「あー!ウパの父ちゃんを殺したやつじゃねぇか!なんでここにいるんだ!」

 

 あ、そういや悟空と桃白白の再会は今が初めてだな。教えておくのをわすれてた。

 

「もちろんお前たち二人を殺すためだ。どうやら試合中に殺しては反則になるらしいな。残念だが、まずは大恥をかかしてやるぞ。そして試合後に改めて殺してやる!」

 

「へっ、やれるもんならやってみろ!」

 

 悟空と桃白白が互いに挑発する。その傍らではクリリンと餃子がハゲについての言い合いをしていた。俺としてはクリリンと同じく波平ヘアーよりもスキンヘッドの方がいいと思うな。一本だけで抵抗しても…な?

 そんでもって俺は

 

「お前らの方こそ、予選で潰れてしまわねえかヒヤヒヤしてたぜ。あんだけ啖呵を切られて勝手に消えられちゃこっちとしても後味が悪いからな。運だけは良いようで」

 

「ほう、面白いことを言ってくれるじゃないか。万が一にでもお前と当たることがあれば徹底的に叩き潰してやろう」

 

 天津飯と言い合いをしていた。完全に亀仙流vs鶴仙流の構図が出来上がってしまったな。あー…亀仙流始祖の武天老師様は良いとして一人アウェーな感じになってるパンプットがかわいそうだ。

 

「はーいみなさん。抽選会をはじめますので集合してくださーい」

 

 アナウンサーの人の一声により亀仙流vs鶴仙流の対立は一旦切り上げになった。まだ何か言いたそうな顔をしている鶴仙流の連中にまたもや思いっきり中指を立ててやる。あー清々した。

 

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

『いいか餃子。私の言う通りにくじを操作するのだぞ』

 

『はい』

 

 

 

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 くじの結果、

 

 第一試合 ヤムチャvs桃白白

 

 第二試合 ジャッキー・チュンvs天津飯

 

 第三試合 クリリンvs餃子

 

 第四試合 孫悟空vsパンプット

 となった。

 

 これは…間違いなく餃子にくじが操作されたな。

 しかしこれは中々面白い組み合わせになった。桃白白の思惑を考えると、まず俺を自ら叩き潰す。そして鶴仙流の看板でもある天津飯に前大会優勝者のジャッキー・チュンを倒させ鶴仙流の名を上げる。餃子にはクリリンを倒させ亀仙流の名を落とす…って感じの魂胆かな?桃白白は決勝戦で悟空を潰す気なのか…それとも餃子に倒させようとしたのか…そこは判断できないが。まあ作中じゃ悟空と餃子の絡みなんてないしこの世界でもないと見ていいんじゃないかね。

 

 さて、俺は第一試合ということで初っ端からの出陣だ。

 結果的に言えば一回戦の相手が桃白白になったことは俺にとってかなり嬉しい誤算ではある。

 三年前は手も足も出ずにボコボコにされ、半殺しの目にあわされた。だが俺はかなりの修行を積み比べ物にならないほどに強くなったんだ。成長を確かめるにはもってこいの相手と言えるだろう。

 予想だけど多分桃白白は天津飯よりも全然弱いだろうしな。

 ……と、今まで桃白白に勝てる程で考えているがよくよく考えると非常に危険な相手ではある。それに変なヤムチャ補正みたいなのが働いて一回戦敗退!…とかなりそうで怖い。

 

 まああんまり張り詰めず、かと言って気も抜かず、頑張っていこうかね。あんまり気に病みすぎてもアレだしな。

 

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

『さあみなさん、ながらくお待たせいたしました!ただいまより第22回天下一武闘会を開始いたします‼︎』

 

 アナウンサーの開始宣言とともに会場のボルテージは段々と白熱したものへとなっていく。

 三年ぶりの武の祭典だ。よほど楽しみにしていたのであろう。

 

『それではさっそく第一試合を始めたいと思います。ヤムチャ選手vs桃白白選手です‼︎どうぞーーーーーーっ‼︎』

 

 アナウンサーの宣言を受け入り口に立つ二人。

 ヤムチャは気合の入った表情を、桃白白は不敵な表情を浮かべている。

 

「…三年だ」

 

 前触れなく桃白白が静かに告げる。

 

「この三年、どれだけ貴様ら二人を殺したいと思ったか…!大手依頼主だったレッドリボン軍の依頼に失敗した私の…俺の名声は地に堕ちた!どれだけの屈辱だったか、貴様には分かるまいっ‼︎」

 

「ああ、知らん。俺からはザマァとしか言いようがないんだ、すまないな。これを機に暗殺稼業から足を洗ってサラリーマンでも始めたらどうだ?意外とうまくいくんじゃないか?」

 

「き、貴様…完全にコケにしよってぇ…‼︎」

 

 桃白白は憤怒の形相を浮かべ、ヤムチャを射殺さんばかりに睨みつける。しかしヤムチャはそんなモノどこ吹く風、なんともないようにソレをスルーする。

 三年間の厳しい修行がヤムチャの精神を鍛え上げたのだろうか。

 

 リングの両端に立ち、互いを視線で牽制する二人。その異質な雰囲気をアナウンサーはヒシヒシと感じながらも流石はプロといったところか。観客たちにヤムチャと桃白白を紹介する。

 

『え、えー…こちらのヤムチャ選手は驚くことなかれ、かの武天老師の弟子なのです‼︎さらに!ヤムチャ選手は最近西の都で悪を成敗し、弱きを助け強きをくじく、正義感溢れる絶賛活躍中のヒーローでもあるのです‼︎』

 

 観客の中にはヤムチャを知っている人がいたのか、黄色い歓声が飛びまくる。

 ヤムチャには有名になりたいという意図など全くなく、ただそこにいたから悪人を退治したのみであり、恥ずかしげに頭を掻くのであった。

 

『えー…対する桃白白選手は一切が謎に包まれた孤高の戦士です!この戦い、どうなるのか非常に見ものです‼︎』

 

 桃白白の情報は少ない。よってアナウンサーからの紹介も簡素なものになってしまうのであった。桃白白はそんなことなど微塵にも気にしていないが。

 

『では第一試合、ヤムチャ選手対桃白白選手。始めてくださいっ‼︎‼︎』

 

 

 

 

 

 

 ついに幕を開けた天下一武闘会!

 第一試合を飾るのは己をひたすら鍛え抜いたヤムチャか、憎悪と復讐に燃える桃白白か⁉︎

 

 




ヤムチャの煽り回でした。
感想の返信再開はいま少しお待ちを…!
作者は来年大学受験を控える受験生なので最近多忙なのです…(^^;;
旧帝国大学なんて行けるわけがないだろいい加減にしろ!

この小説は皆様からの感想と評価による作者のモチベーションによって成り立っています。本当にありがとうございます!

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