噛ませ犬でも頑張りたい   作:とるびす

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気付いたらUA数がヤムチャの戦闘力を超えてました!
感謝…圧倒的感謝ッ‼︎
今回はヤムチャvs悟空二戦目です。勝敗はいかに。
あと今話にちょっぴりジョジョネタが入っています。苦手な人は注意してください。作者がやりたかっただけです。


噛ませ犬の慢心

「ねえ、私の服ちゃんと洗ってくれたんでしょうね?」

 

「洗ってねえよ。俺はそれどころじゃなかったんだ」

 

 翌朝のキャンピングカーではウーロンが銃を抱えて震えており、ブルマと悟空はそれに首をかしげていた。

 

「はあ?どういう意味よ!私もう服ないのよ⁉︎」

 

「昨日の夜、あのヤムチャが襲撃してきたんだ。いきなり窓を蹴り破って入ってきやがってよ。

 なんでか分かんねえけど、二階に上がったら奇声あげて勝手に転げ落ちてそのままフラフラしながら帰って行ったけどな」

 

「へー。おら全然気がつかなかったなー」

 

「あら、ヤムチャって確か昨日のイカした彼よね?何言ってんのよ彼なら大歓迎じゃない!」

 

「…あんた幸せもんだね」

 

「どーゆー意味よ!」

 

 

 

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「プーアル…、行くぞ。襲撃だ」

 

「分かりましたけど…だ、大丈夫ですか?ヤムチャさま」

 

 大丈夫ではない。恐らく俺の…ヤムチャの今の顔色はかなり酷いだろう。

 

 何故か、というと昨日から一睡も出来ていないからだ。寝ようとするたびにあの瞬間がフラッシュバックして寝れたもんじゃない。

 さらにはその度に悶々してしまい平常心でいられなかった。

 だから俺はしょうがなくこれから先の事について考える事で気を紛らわせながら一夜を過ごしたのだ。ああ、使ってみたい必殺技とかも考えてたな。

 

 くそう…。かめはめ波も結局出せなかったし、さんざんな1日だった…。

 

 と、いうわけで今俺はとっても疲れてるし眠たい。精神的にも、肉体的にも。本当のところ、できる事なら今日の悟空戦は延期して欲しい。

 

 だが今の時期に原作の内容を変えるのはかなり危険だ。まずここで襲撃してウーロンのキャンピングカーを破壊しておかなければ発信機付きの車を渡せないしな。

 原作の流れを変えるのは俺が…ヤムチャがとっさのイレギュラーに対応できる程度まで強くなってからだ。

 イレギュラーがどれだけ危険かは人造人間編でよくわかる。あれはイレギュラーにイレギュラーが重なった形だが。

 バタフライエフェクトなんてのもあるわけだし。

 

 さてさて、というわけで俺はこの戦いから逃げる事はできない。しかし、万全とは言い難い今の俺だが、秘策は用意している。

 負ける気はない!

 

「大丈夫だ、プーアル。俺は天下のヤムチャさまだぜ?こんな程度の不調は関係ない」

 

「はあ…。しかし…」

 

 む…。プーアルが結構粘ってくるな。

 まあ、ひとえにヤムチャを思っての事なんだろうが…。本当にいいやつだよ。だが俺は止まるわけにはいかない。

 

「…プーアル。実はな、俺は昨夜一人で奴らを偵察しに行った」

 

「え、そうなんですか⁉︎なんで僕を連れて行ってくれなかったんですか!」

 

 まあ、そうなるわな。

 

「すまん、夜中になんていうか…その…。直感みたいなのがビビッときてな。寝ているお前を起こすのも悪かったから一人で行ったんだ」

 

 我ながら見苦しい言い訳だな…。だがこの話で大切なのは、その言い訳を信じてもらうことじゃない。

 この話に繋いでいくことだ。

 

「だが俺の予想どおり…いや、予想以上のことを奴らは喋ってくれたぞ」

 

 ここで俺はドラゴンボールの話をプーアルに話す。実際には聞いていないが、俺は知っているからな。

 ここらでプーアルに話しておかないと、悟空たちを執着して追い続けることにどうしても矛盾が生じてしまう。

 だって今の俺たちの目的はウーロンが持っているホイポイカプセル、つまりあのキャンピングカーだ。だけど俺はあれを今から破壊しに行くからな。

 

 ここでドラゴンボールの説明が終わる。

 

「なるほど!ならヤムチャさまの目的は」

 

「ドラゴンボールだ!奴らはキャンピングカーに乗って移動している。少々勿体無いが、破壊してでも奪い取る!こんなチャンス、体調不良如きで逃すわけにはいかないだろう?」

 

「流石ヤムチャさま!」

 

 そうだろそうだろ!

 

「ところでドラゴンボールを手に入れたらヤムチャさまは何を願うんですか?」

 

「女に対して平気になれるようにしてもらう」

 

 ぶっちゃけむやみにドラゴンボールを使う気はない。理由はイレギュラー云々。俺がドラゴンボールを使ったせいで…みたいな事は回避したい。

 

「…どうせなら天下一の強さにしてくれー、とか、大金持ちにしてくれー、とかの方がいいんじゃないですか?」

 

「…プーアル。お前、俺と行動を共にして何年経つ?」

 

「2年と少しばかりですが…」

 

「強さなら鍛えればいい。金ならこれからも盗ればいい。だがな、俺のこの体質だけはどうにもならん。2年間一緒に行動しておきながら分からなかったのか?」

 

「はあ…。そうですか…」

 

 納得いってないって顔だな。俺もだよ。今の言葉は原作のセリフを殆どおなじ内容で話したものだが……。

 ヤムチャどんだけヘタレなんだよ。しかもピラフ編が終わったらなんかちゃっかり女が平気になってるからな。軽い、軽いぞヤムチャ。

 

「というわけだ!さあ、行くぞ‼︎」

 

 

 

 

 

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 さて、俺たちは原作通り悟空たちを襲撃し、パンツァーファストでウーロンのキャンピングカーを大破、横転させた。そしてこれまたちゃっかりその衝撃でブルマは気絶。

 

「やりましたねヤムチャさま!女は気絶したみたいですよ!」

 

「ああ、これで昨日のようにはいかんな」

 

 

 するとキャンピングカーの中から悟空が出てくる。

 よし、これで舞台は整った。悟空、第二ラウンド、始めようか!

 

「こらー!よくもやりやがったなー!」

 

「小僧、貴様ドラゴンボールを持っているな?」

 

「ああ持ってるさ!それがどうした!」

 

「それを寄越せば見逃してやってもいいぞ。さあ、どうだ?」

 

「やなこった!べー!」

 

「そうか、なら昨日のように叩き潰してやろう!」

 

「へん!今日は満腹なんだ!昨日のようにいくと思うなよ!やあッ‼︎」

 

「はあッ‼︎」

 

 俺と悟空の拳がぶつかり合う。

 くそ、やっぱり昨日とは大違いのパワーだ…!だが原作通りにいくと思うなよ。秘策があるんだ。

 

「はあッ、てやッ‼︎」

 

「ぐッ‼︎」

 

 俺はだんだんと押され始める。大丈夫だ、まだいける!俺は回し蹴りを放つ。

 すると悟空は回避のために跳躍する!きたッ!

 

「でりゃぁぁ‼︎」

 

 悟空は俺の顔に蹴りをいれようとする。

 ここだ!

 

「はッ‼︎」

 

 俺は悟空の足を掴む!これを待っていた!

 対悟空二戦目でヤムチャは、顔に蹴りをいれられ前歯を折られてしまい負けてしまう。

 ここで注目して欲しいのは顔に蹴りということだ。この頃の悟空の身長はかなり小さい。対してヤムチャは高身長だ。

 つまり悟空が俺に蹴りをいれるには一度跳躍する必要がある。それだけのスキがあり、なおかつ蹴りがくることが分かっていればガードすることは容易い!

 

「あり?」

 

 悟空は決まったと思っていたのだろう。宙ぶらりんになりながら首を傾げていた。

 

「はああああああッッ‼︎」

 

 俺はそのまま悟空ごと手を振り上げ地面に叩きつける!

 あとは寝ている悟空に狼牙風風拳を叩き込めば…俺の、勝ちだ‼︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 と思っていた時代が俺にもありました…。

 

「あれ?」

 

 悟空を地面に叩きつけたはずなのに手に衝撃がこない。そもそも悟空がいない。どこにーーーー

 

「ふう…あぶねえあぶねえ。おめえホント強えなあ!」

 

 いた。悟空は尻尾を使って俺の腕にぶら下がっていた!

 しまった…。尻尾の存在を完全に失念していた!

 慌てて悟空を迎撃しようとしたが、完全に悟空のモーションの方が早かった。

 俺は悟空に顔を蹴り抜かれ吹っ飛んだ。そして俺は吹っ飛びながら視界の隅に白い物を見た。

 

 それは俺の…歯だった…。

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「どうだ!参ったか!」

 

 悟空は勇ましく声を上げる。それに対しヤムチャは…うずくまったまま動かない。

 

「…あり?どうした?」

 

 ヤムチャの様子に悟空が不審がる。顔を覗き込むと…

 ヤムチャは泣いていた。

 

「HEEEEYYYY‼︎ あァァァんまりだァァアァ‼︎ AHYYY AHYYY AHY WHOOOOOOOHHHHHHHH!!

 おおおおおおれェェェェェのォォォォォはがァァァァァ~~~~!!」

 

「いぃっ⁉︎」

 

「や、ヤムチャさま⁉︎」

 

 あまりのヤムチャの豹変ぶりに悟空とプーアルは心底びっくりした!

 

「お、おい悟空。これってチャンスなんじゃねえか?今攻撃すれば勝てるぞ!」

 

「け、けどよ〜…こいつ泣いてっぞ」

 

 ウーロンは追撃を勧めるが、悟空は泣いている相手への攻撃を躊躇した。

 その時、ピタッとヤムチャが泣くのを止める。

 そして立ち上がり、振り返る。

 その表情は晴れ晴れとしていた。

 

「ふーー…スッとしたぜ。俺のメンタルはちょっと弱くてな、心が折れそうになると泣き喚くようにしているんだ」

 

 唖然とするウーロンとプーアル。悟空はほへーっとしている。

 

「さて、まだやってもいいが俺へのダメージが中々でかい。今日のところは見逃してやるさ!だがな、覚えていろよ。この借りは返してやるからな!引き揚げるぞプーアル!」

 

「は、はい!」

 

 再び四輪バギーに乗り荒野の彼方へ消えるヤムチャとプーアル。

 残ったのはぽかーんとした悟空とウーロン、気絶したブルマ、そして大破し動かなくなったキャンピングカーだけであった。

 

「なんだ?変な奴」

 

 

 

 

 

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「いてて…。くそ、俺の歯が…」

 

「あらら、腫れてますね。あともう泣かないでくださいね?」

 

 現在、俺はプーアルに鏡に化けてもらい状態をチェックしている。そして悔しくも原作通りになっていた…

 

 正直、俺は悟空を舐めていた。それでこのざまだ。俺は初勝利で少し浮かれすぎていた。

 相手は幼くともやがてはこの地球を何度も救う最強のヒーロー、孫 悟空なのだ。舐めてかかっていい相手では決してない。

 今回は完全に俺の落度だ。

 

「やはり正面から闘うのは不利だな。ここは奴らにドラゴンボールを集めさせ、集まった時に横取りするのがよさそうだ」

 

「なるほど!流石ヤムチャさま、頭いいー!」

 

「だろう?わはははは、いでぇ‼︎」

 

 

 

 

 

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 というわけで

 とぼとぼ歩いていた悟空たちに近づく。ブルマはまだ気絶しており悟空に背負われていた。

 

「おーーい、きみたちーー!」

 

「うわー⁉︎また来やがった!」

 

 できるだけの笑顔を浮かべ友好的に近く。

 

「さっきはごめんねー。よくよく考えたら僕たちが悪かったよー。えへへ…。お詫びにこのカプセルをあげるよー。」

 

 ホイポイカプセルから車を出す。もちろん発信機付きだ。

 

「それじゃあねーバイバーイバイバーイ!」

 

 煙に紛れ去って行く俺たち。見事な演技だったと思う。

 

「あいついい奴だったんだな」

 

「どーだかな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 現在ヤムチャ 1勝 1敗




ヤムチャ敗北…。
まあ、まだ修行できてないし仕方ないですね。

昨夜ヤムチャに何が起こったか
急いで二階に駆け上がりブルマの無事を確認するために近づいた時、置物に化けてやり過ごそうとしていたウーロンにけっつまずきブルマの胸にダイブしました。
どこのラブコメだよ。


小説書いてたら分かるんですが結構内容忘れてますね…。不自然なところがあればどうぞご指摘ください。
原作読み直さなきゃ…。

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