はいはい余興余興。
よう、俺ヤムチャ。
「お前は…カ、カカロット…?カカロットなのか!?いやそうに違いない!顔といい、髪といい、親父にそっくりだ!はっは、親父の生き写しじゃないか!生きていてくれて助かった!
兄は会えて嬉しいぞ、カカロットよ!さあ今こそオレたち兄弟が力を合わせ、この地球人どもを皆殺しに…」
「ちょっと黙ってろ、狼牙風風チョップ!」
「がっ!?」
「なんだこいつ」←悟空
西の都に寄って例のブツを回収後、カメハウスへと戻った。ピッコロを見た瞬間クリリンたちが叫び声を上げたが、悟空は「よう、久しぶり」ってかんじだ。ブルマなんてまた来たのかって目をしてた。
そしてただ今ラディッツが気絶から覚醒。周りを見渡し悟空を視界に入れた途端この有様だったので脳天に鎮静剤を打ち込んでおいた。
狼牙風風チョップは簡単、相手の頭にチョップするだけだ。岩山両斬波みたいもんだな、うん。
「ぐおぉ…貴様ぁ、このオレ様に…!」
「立場ってのをわきまえといた方がいい。お前は今捕まってんだぜ?生かしてもらってるだけでもありがたく思えよ」
「はっ、貴様らなんぞこのオレにかかればミジンコ同然だ!待ってろ、今すぐ皆殺しにしてやる!」
ダメだこの兄貴…早くなんとかしないと…!
こいつピッコロさんに殺されかけたばかりだろうに。サイヤ人の特性でパワーアップしてるからそれで増長してるのかな?
しょうがない、現実を見せよう。
「ほれ、これなーんだ?」
「っ!スカウターか!寄越せ!」
俺がスカウターを出すなりそれを横取りし、顔に装着するラディッツ。慌て方がなんとも滑稽である。
「さて…そのメガネみたいなやつは人の強さを測れるんだろ?それで自分の気と俺の気を測ってみろ。格の違いがわかるはずだ」
「何を訳のわからんことを……む!?オレの戦闘力が1750まで上がっているだと!?そうか…これがベジータたちの言っていたサイヤ人の特性というものか!くっくっく…なるほど、こいつはいいものだ…!」
は?サイヤ人の特性が発動して1750…?
だ、だめだこりゃ…。
次に俺の戦闘力を測ったラディッツの動きが止まった。まるで信じられないものを見たような感じで目を見開いている。
そしてワナワナと震えだした。
「せ、戦闘力2200…だと…!?」
えっ、1.5ラディッツ!?それナッパにも勝ててないじゃん…。まあ気も開放してないし、界王拳とか使えばまだ伸びるけど…もっとペースを上げないとベジータには勝てねぇな。
一方のラディッツは何やらガタガタしていた。そして壁に寄りかかっていたピッコロさんは俺の方を睨んだ。おお…怖い怖い
「へー便利な機械だなー。なっ、オラのも測ってくれよ!」
「あ、ああ…カカロットは……戦闘力453。まあ、妥当といったところだな。サイヤ人としては最下級レベルだ」
「ほえー、ヤムチャとそんなに差が開いてたんか!こりゃウカウカしてられねぇな!」
そんな楽しそうに差を埋めるとか言わないでくれよ。めちゃくちゃ怖いじゃないか。
一方、俺とラディッツの会話を聞いていたみんなは強さが分かるということでラディッツに殺到し自分の戦闘力を測ってもらおうとしていた。
ラディッツは嫌そうに顔を顰めている。そしてとうとう堪忍袋の尾が切れたのかクリリンにむかって手を振り上げた。
「馴れ馴れしく近づくな、下等種族め!」
「おっと…ピー、ピー」
クリリンの顔に拳が突き刺さるより前にラディッツの体に異変が起きた。恐らく今のあいつにはとんでもない腹痛が襲いかかっているに違いない。
「お…おおお……う…!!」
「ヤムチャ…もしかしてこれって…」
「ああ、PPキャンディさ」
腹を抑え悶絶するラディッツ。
くっく…よく効くだろう?ブルマ特製PPキャンディは!こいつが気絶している間に食べさせておいたのさ!
これならばどんないかなる場合のどんな人物でもラディッツを封殺できる。もはや操り人形のようなものだ。
武天老師様が見かねたのかトイレまで案内する。
「と、トイレならそこの部屋じゃが…」
「どけぇっ!!」
必死さが滲み出ているな。
さて、ラディッツがトイレで格闘している間に俺たちは俺たちの話を済まそうかね。
「あの、ヤムチャさん。さっきあの…ラディッツとか言う人が自分は悟空の兄貴だとか言ってましたけど…本当なんですか?」
「んじゃまず話を整理するか」
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取り敢えずサイヤ人とかいう尻尾を生やしたアホみたいに強くて好戦的な連中がいて、実は悟空はその一族の一人で、ラディッツは悟空の兄という線が濃厚で、他にも二人仲間がいて、ラディッツはサイヤ人三人衆の中でも最弱…で、その二人はドラゴンボールを狙ってこの地球に向かっていることなどを教えた。
「へぇー…それは大変ですね」
「…危機感が足りてないな」
間延びしたクリリンの反応に頭を押さえる。
戦士というのは危機感がないと強くなれないもんだ。悠長にしている場合ではないというのに。
まあ…それも全部俺とピッコロがラディッツをあそこまでコケにしてしまったからだろうけどな。あれより強いなんて言われてもそりゃ実感が湧かんわな。
ここでトイレでの格闘を終えたラディッツが生還。若干先ほどよりもやつれているように見える。効果出てるなー。
「ラディッツ、ちょっとそのスカウターとやらでここいる全員の戦闘力を測ってくれよ」
「ふ、ふざけるな…誰が貴様らなんかに……ま、待て!さっきのやつはやめろ!わかった、わかったから!」
俺がピー、と言う動作に入る前に慌ててスカウターを起動させるラディッツの図である。
ふむ、従順でよろしい。これからもその調子で頼むよ。ついでにスカウターの通信は切らせておいた。ベジータたちに聞かれると困る内容もあるしね。
「どれ……そこのハゲ頭が322、ジジイが150、そこの女が4、カカロットのガキが30、そして………なに、どういうことだ!?緑色の貴様は戦闘力1700だったはず!」
「俺たちはその戦闘力とやらを自由に操れるんだよ。そのスカウターとやらは便利だが同時に敵の付け入る隙になるぞ」
ピッコロを始めとする地球戦士の特徴を教えながらも、ラディッツに戦闘力の変化についてさりげなくレクチャーしておいてやる。俺って優しいな。ヤムチャさんマジ聖。
これからはクリリンたちに危機感を植え付ける作業だ。
「さて、クリリン。お前と悟空の戦闘力の差は100くらいあったな。お前と悟空で100の差だ。そしてあのラディッツの戦闘力は1500…今は1750だっけか?どれだけ絶望的な差があるか…理解できるだろ?」
先ほどまで気楽なものだったクリリンはだらだらと汗を流し始めた。やっとわかったのだろう、サイヤ人という種族の強大さに。
…まあ、クリリンって原作よりも強くなってんだけどね。だが妥協はしない。追い打ちをかけてやる。
「それでだラディッツ。お前のお仲間のサイヤ人の戦闘力はどんぐらいだ?」
「だ、誰がそんなことを…ちょ、やめっ、分かったッ言う!言うからそれは止めろぉ!
ハァ…ハァ……ハゲ頭のナッパってヤツが4000、チビのベジータってヤツが18000だ」
4000と18000…その絶望的なまでの数値が否応なしに現実を突きつける。クリリンなんてそらもうあんぐりと顎が外れんばかりに口を開いていた。いや俺だってなにも知らないでこんなこと教えられたらそんな顔するわ。これだからサイヤ人って連中は嫌いなんだ。
「ふん、格の違いが分かったか!貴様ら如きがどうひっくり返ったところであいつらには勝てん!」
ラディッツの一言でカメハウスに重い雰囲気が立ち込める。…だがウチのサイヤ人とナメック星人は元気なものでむんむんと闘志を溢れ出させてゆく。
「そんじゃ今からでも修行を始めねえとな!へへ、18000か…おらワクワクしてきたぞ!」
「ふん、どんな猿野郎が来ようと同じことだ。ガタガタにしてやる。そして次にヤムチャと孫悟空!貴様らの番だ…」
頼りになる異星人組である。
さて、俺は地球人代表として引っ張っていこうか!
「今は運よく(故意的に)界王様が地球にいる。あの人の教えと重力室さえあれば今よりも強くなれると思う。天津飯と餃子…一応ヤジロベーも呼んでみんなで修行を受けようぜ」
「は、はは…やるしかないですよね…」
クリリンが乾いた笑いを浮かべる。決心はついたようだ。天津飯と餃子に関してはさらに修行のモチベーションを上げることだろう。そういう奴らなんだよあいつらは。ヤジロベー?知らんな。
次に…
「ラディッツ、お前も立派な戦力だ。こっち側で戦ってもらうぞ。ちなみに拒否権はなしだ」
「なぁ!?お、オレなんかが奴らに勝てるわけがないだろう!わざわざ殺されるような真似はせんぞ!」
「けどお前、あいつらに捨てられてるよな?あいつらが地球に来たら殺されるか、今までよりもっと酷い扱いになるかだよな?」
ぐぬっ…とラディッツが苦虫を噛み潰したような表情を作る。殺されなくてもパシリから奴隷へのランクアップだよな。多分。
「なら俺らと一緒に修行して少しでも強くなって、共に迎え討った方がいいだろ。な、頑張ろうぜ?」
ラディッツはまだ納得のいかない感じではあったが、現状では自分の未来は決していいものではないことを悟ったのだろう。低く項垂れるだけであった。まあ頑張ってくれや。
今んとこ
ヤムチャ…2200
悟空…453(重り着用)
ピッコロ…1700(重り着用)
クリリン…322
天津飯…398
餃子…250
悟飯…30
ラディッツ…1750
なお地球組は普通に気を開放した状態でこれなのでまだまだ伸びます。悟空は界王拳の初歩を取得しているのでこれまたかなり伸びます。
ラディッツのパワーアップが低い?仕様です。