あ、ありのまま今起こったことを話すぜ!「おれは何時ものようにベッドで寝たと思っていたらいつの間にかDIOになって山の中にいた」 な…何を言ってるのかわからねーと思うが(ry   作:しがない一般人

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やっと書き終わりました。話の流れ自体はデータ消滅前とほぼ同じなのですが、なにぶん根こそぎ消えたのである意味別物になっています。多少変更点もあるので5話を読む前にチラッ読んでおくと良いかもしれません( ̄▽ ̄;)


DIOの記憶(大幅修正)

 ーー静寂な夜の森にクチャクチャと化け物の咀嚼音が響き渡る。ソレは山犬、いや、狼とも似ている。だが獣にしては大きすぎる体長、不気味な程発達した筋肉、そして何より全身から発せられる禍々しい妖気が、ソレを一目で妖怪だと思わせたのだった。悲鳴の主だと思われる人間は、もはや原型がなく、妖怪に無造作に貪られている。

 

 数秒、いや、数分だろうか、物陰から息を呑みその光景を眺め続けていたが、ハッとし、余りの恐怖にその場から離れようとするが、腰が抜けて力が入らず、膝はブルブルと笑っている。

 

 なんだあの化物は…あんな大きな狼は聞いたことがないぞ。いや、そもそもあれは狼なのか?馬鹿でかい図体に不気味な程発達した筋肉、何よりソレを纏う禍々しい雰囲気がまともな獣では無いと語っている。

 

 唯のタイムスリップ…タイムスリップに唯のというのは変かも知れないが、ともかく昔の時代に来てしまっただけだと思っていたが、この世界はそんな甘っちょろいものではなかった。パラレルワールド、平行世界、異世界、または別の星に来てしまったのかどれにしても常人が聞いたら耳を疑い、ひっくり返るくらいのものだ。

 

 ふと、気付く。この世界にはあんな化物がうじゃうじゃいるのでは無いかと。

 

  背筋が凍った。自分は見た目こそ完璧にDIOだとはいえ、本当に力を持っているのかはわからない。今こうしている間にも自分は、あの様な化物に狙われているのかもしれない。そう思ってしまうと、どうしようもなく恐ろしくなり俺は情けなくもこの場から動くことが出来なくなってしまった。

 

 数分前まで人間だったそれは妖怪にあらかた喰われ、いつ此方に気付いてもおかしく無い。現に初めはがっついていた妖怪のペースは落ち、時々周囲を見回している。

 

 これ以上この場にいるのは危険だ。俺は未だに笑っている膝を叩き、舌を噛み締め、怯えている自分を奮い立たせる。自分を転生(?)そうそうこんな目に遭って、こんな化け物に襲われて死ぬなんて冗談じゃない!こんな時にやる事はたった1つだけだ!

 

「逃げるんだよォ!」

 

 スモーキーーーーー‼︎ッ と敵にバレないよう心の中で叫びながら、歯を食いしばり、何とか右足を斜め後ろにずらし、そのまま回れ右をして駆け出した。

 

 

 だが、それは叶わなかった。振り返ったそこには先程と同じ姿の化け物がその大きな口を開けて牙を剥き出しにし、喰らい付いてきたのだ。しかも後ろの奴より一回りもふた回りもでかいこいつは、軽々と長身のこの俺の頭に飛びかかってきたのだ。

 

 視界が、化け物の口内で埋まる。もしこの体が本当にDIOのだとしても頭を潰されればおしまいだ。

 …死ぬのか、こんなわけの分からないことで…あぁ…今日までの記憶が溢れるように思い出してくる…走馬灯は本当にあるものなんだな…

 

 …昔を思い出しながらふと思う。

 …自分が何をしたというのか、ただ毎日を必死に生きてきた。他人に平凡と言われようが、確かなものがその日々にはあった。善人と呼ばれることは無かったが、悪人と言われることもせず、それなりに良い人で生きてきた。

 

 おお神よ、このささやかな人生の中で、私はこんな地獄のような目を受け入れなければならないほどの愚か者だったというのか!もし俺をこの地獄に送ったのが貴方で、今も雲の上で微笑みながらこの現状を眺めているならば、お前は最高に腐ってきってやがるッ!

 

 

 男は激怒した。自分のあまりにも理不尽な運命に。

 男は絶望した。自分の救いは限りなく見えないことに。

 男は拒絶した。自分が此処で絶えることを。

 

 

 ちぐしょうーーッ あの化物が最後に見るものだなんていやだーーッ!

 

 …この俺が…

 …この私が…

 

「…このDIOがッ!こんなところでくたばってなるものかァーーー‼︎」

「WRYYYYYYYYYYY‼︎」

 

 男は突然奇声を発すると、華麗に身を翻すと同時に化物の眉間をその拳で貫いた。見事なカウンターを決めたその男の目つきは、先程までとはまるで別人であった。

 

 妖怪にはもはや生気はないが、貫通した右腕は以前妖怪の額を捕らえている。すると男は怪しく顔を釣り上げると、そのまま爪を妖怪の肉に突き立て、何と「妖怪を吸い取った」のである。男の全身には青筋が立ち、妖怪の身体はみるみる萎んでいく。ついにはまるでミイラのようになったその化物は、砂のように崩れさりやがて消えてしまった。

 

「ウガぁァァあァア゙ア゙!」

 

 男に気付いたもう一匹の妖怪が、恐ろしい咆哮を上げながら走ってくる。しかし、男は全く動揺せず、あろうことかその妖怪に背後を向け歩いているではないか。

 好機と見た妖怪は当然男に襲いかかるが、まるで鬱陶しい羽虫を叩き落とすように、

「フンッ」

 と、無造作でありながら強烈な後ろ回し蹴りを繰り出した。風を切り裂き、ビュゥッ!恐ろしい音を立てる蹴りは見事に化物の顎を砕き飛ばした。もはや虫の息となった妖怪にとどめを刺そうとしたところで、空がだいぶ明るくなっていることに気づいた。真っ暗だった夜空は、もう青と呼べる程になり、あと数分で太陽顔を出すだろう。

 

 男は初めの妖怪と違い、吸血せず一撃でとどめを刺し急いで元の洞窟へとかけていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 無事洞窟に戻った男は、何やら深く考え込んでいた。洞窟はとても暗く、入り口から離れた夜のような場所にその大きな体を丸めていた。

 

 …自分は一体どうしたというのか。妖怪に襲われ、もう駄目だと何もかもに絶望した時、とてつもない力がみなぎり…

 

 …いや、思い出した。妖怪に襲われ走馬灯が走った時、俺の元いた世界の平和で平凡な日々が流れた後、DIOとしての壮絶で刺激的な記憶が思い出されたのだ。母親への愛情と父親への憎しみ、ジョナサン・ジョースターとの死闘と因縁、海の中での孤独と覚悟、そして空条承太郎とのスタンドバトルの記憶。

 

 またそれ以外にも漫画には出なかった壮絶なストリートボクシングの日々、父親の虐待、学校でトップに立つために必死に勉強したことなど、DIOの記憶をあの瞬間全て思いだしたのだ。

 

 その時、自分はもう化物に対してこれっぽっちも恐怖を抱いていなかった。そ

 れどころか「邪魔なクソ犬」と化物を認識する程に自分の思考はDIOの記憶により変化したのだった。

 

 もう一匹を殺した時も、特に思うことはなかった。「襲ってきたから殺した」それだけだった。

 

 今、この場で落ち着いて考えてみて、そこまで自分が変わったとは思っていない。DIOの様に世界を支配したいとか、非道で残酷になったとも思えず、自分では人格が変わった気はしない。だが、実際は変わったのかもしれない。

 

 違和感があった。この洞窟で思考にふけていたときに、自分の一人称に違和感があった。つまり自分のことを一般人であった『俺』として考えるよりDIOとしての記憶の中にある『私』などで語る方が考えやすいのである。

 例えるなら…今まで一人称を私で統一していた日記帳に突然俺と書き出すような、そんな違和感があれから感じられるのだ。

 

 ともかくこれもDIOの体となったことへの代償かと割り切り、口調を矯正しようと考えた。このまま前の口調で喋っても違和感があるし、無理に続けてどちらの口調にも違和感が

 あるようになってしまったら元も子もない。

 

 大変なことになったなーと他人事につぶやいてみた。返事は無い。空はもうかなり明るくなっている。色んな事があり過ぎたせいか、とても眠くて仕方が無い。この体では夢は見れるのかなんて考えながら自分は深い眠りについていった。

 

 

 




バックアップって大切だなと改めて思いました。
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