あ、ありのまま今起こったことを話すぜ!「おれは何時ものようにベッドで寝たと思っていたらいつの間にかDIOになって山の中にいた」 な…何を言ってるのかわからねーと思うが(ry 作:しがない一般人
「あなたは一体何者なの?」
突然の事で私は固まってしまう。つい先程までお互いに何を言ってるのかわけがわからなかったのに突然相手の言葉がはっきりと理解できるようになったからだ。
「…急にわるかったわ、初めの言葉がこれじゃ失礼よね。さっきはありがとう、助かったわ。…私のせいで怪我を負ったのに弓を向けてごめんなさい。」
そう言われて私は刺客に負わされた傷を治していなかったことを思い出す。貫通はしていたがそこまで大きな傷でもなかったので忘れてしまっていたのだ。私は胸の傷を塞ぎ、彼女に返答する。
「大した傷じゃなかったし、私は人間とは違った存在みたいでね、これぐらいの傷ならすぐ治すことができる。そもそもこの傷は君のせいではないのだから謝られても困る。弓を向けたことも、私のような怪しい大男がいきなり現れたら誰だって警戒するだろう。」
私が謝罪について弁明すると、彼女は一瞬驚いた表情をしたが、すぐにさきほどの微笑みを浮かべた。面と向かって話して分かったが、彼女は透き通るような銀髪に青と赤を組み合わせた前衛的な衣装で、身長も165はあるだろうか、この時代の人類にしてはかなりの高身長である。見た目は少女だが、派手な衣装に似合わず落ち着いた雰囲気がある。
「それにしても、さっきのお茶の成分なのか?急にお互いの言葉が理解できるようになった。」
「えぇ、そうよ。私は「ありとあらゆる薬を作る程度の能力」を持っているの。八意 永琳といえば仲間達からは名の知れた薬師よ。さっきのお茶には開発中の翻訳薬を投入しておいたの。その様子だと副作用とかもないみたいだし、安心したわ。人間で実験した時は全員成功したけど、あなたも人間なの?」
…この美少女はいい微笑みを浮かべながらサラっととんでもないことを言う。
まぁ副作用はともかくお互いの言葉が通じるのはとてもありがたかった。
「気の利いたお茶をありがとう。あーーーー、私はいわゆるヒトとは違う存在なのだがね。」
そこまで言うと彼女は目の色を変え、身を乗り出してまくしたてた。
「やっぱりね、だからこそ私はあなたを知りたい。私の種族はそれこそ数えられないほどの年月を生きてきたけど、あなたのような存在を見たことがないわ。あなたは跡形も無く塞いだけどその深さの傷は私達の技術力でも直ぐに治すことは出来ないし、治療しても傷跡が残るでしょうね。…ねぇ、私にあなたの事を教えてくれない?」
彼女は興奮した顔で私に問いかける。その瞳には得体の知れないものに対する好奇心と、どこかすがるような、悲しみが宿っていた。
「…私の名前はディオ・ブランドーという。DIOと呼んでくれ。…100年ほど前、気が付くとこの地に存在していた。何故私が誕生したのかはわからないが、私は日光に弱い点をおいて他の生物を凌駕している。」
「日光に当たるとどうなるの?」
「一瞬で灰になってしまう。腕などの体の一部なら苦痛で済み後で再生すればいいが、頭や全身が灰になってしまえば、おそらく死んでしまうだろう。」
…人と話すのは何年ぶりだろうか、原始人は何言っているかわからんし、たまにザ・ワールドに話しかけてみたりするが当然反応が帰ってくるわけでもなく、誰かとコミュニケーションを取ることは全くなかった。久しぶりの会話で思わず口が過ぎてしまうが、この少女が私を嵌めるようには見えないので大丈夫だろう。…多分。…まぁ久しぶりの会話がこんな美人さんとお話しできるのだから多少舞い上がっても仕方ないじゃないか。人間は会話する生き物なのだから、人間やめているが。
「それは大変ね、他には何か苦手なものとか弱点なんか無いの?」
「…太陽の光以外はこれといった弱点は頭部が弱いぐらいだ。君こそ随分長い年月を生きているそうだが、何か特別な力でもあるのか?例えば不死身とか。」
「私達の種族が長寿なのは不死身とかそういう力じゃないのよ。長く生きてきた者も致命傷を受ければ死んでしまうわ。ただ、穢れを受け付けないだけ。」
「その穢れというのは、何のことなのだ?」
「穢れというのはね……」
…それから彼女は月人という種族について事細かく説明した。穢れとは概念の1つであり、彼女のいう穢れとは、生きる事と死ぬ事。特に生きる事が死を招く世界が穢れた世界なのだと。そう考えた彼等の種族は穢れから逃れる術を研究した。
そして穢れの無い月に移り住んだ彼等の種族は他の生命体より遥かに長い寿命と生命力を手に入れたが、わずかながらに穢れを持つことになり不老不死にはならなかった。彼等は自分達のことを月の民、または月人と呼んだ。月人は生きるために競争しなければならない地上を穢れた土地、穢土と呼び、月の都を穢れの浄化された土地、浄土と呼んだ。
生も死もない世界が限りなく美しい。
だが何もない世界が理想というのも違う。
生きるために他人から搾取したりせず、自分たちが生み出した物だけで全ての者の生活が賄える世界が理想なのだと言う。
地上は生きることが最善であるが故に、死の匂いが強くなるのだと言う。その死の匂いが生き物に寿命をもたらす。
だから地上の生き物には全て寿命があるのだと言う。
…要するに彼女達の種族は穢れというものを克服することでかなりの寿命と生命力を得たが、不老不死には至ってない。月に住むことから自分達のことを月人と呼んでいるらしい。
それから彼女は月人に関すること以外にも様々な話をしてくれた。恐竜がいた時代の話しや人類がまだ猿のような姿をしていた頃のこと、また今まで生み出した様々な薬や魔法のような力のことなど。まだこの世界について謎が多かった私にはうれしいものだった。しかし楽しい時間は早く進むもので部屋の窓を覗くと満天の星空は淡い青色がかかり、じきに太陽が顔を出すことがわかった。
「永琳、残念だがもう時間のようだ。私は帰らなければならない。私は百年間この世界をさまよっていたが、これほど楽しい時間は生まれてはじめてだった。ありがとう。」
ちなみに私と永琳は一晩の間に下の名で呼び合う仲になっていた。あって間もない2人だが、これも永琳の器の広さゆえだろう。
「あら、もうそんな時間。 …ねぇDIO、また今晩も会えるかしら」
「もちろんだ。私は出会いを求めて旅をしている。日が落ちたらまたおじゃまさせてもらおう。」
私は永林に別れをつげると、急いで住処にしている洞窟へと駆けて行った。なんとか日の出までには間に合い、久しぶり会話して疲れたのか、横になるとすぐに深い眠りにおちていった。
-side- 八意 永林
それは私がいつものように薬の材料を採りに森に行ったときの出来事だった。静かな満月の夜、そのとき私はたまたま貴重な薬草を見つけ舞い上がってしまい、警戒心が鈍っていた。故に、妖怪を囮にした何者かの襲撃に対処できなかった。
瞬間、私の視界は反転した。慌てて身を起こし確認すると…
そこには、非常に美しく若い大男がいた。2メートルほどあろうかその男は、心の中心に忍び込んでくるような凍りつく眼差し、黄金色の頭髪、透き通るような白い肌、男とは思えないような妖しい色気を持っていた。
しかし、私が真に驚いたのはこの直後のことだった。男が突然、莫大な量の妖力を、力をむき出しにしたからである。私は目の前の光景が信じられなかった。
本来これほどの力は私達月の民や、貧相な量ながら妖怪が持つものであって、姿こそ特殊だが、あの様な人間が持てるものではないのだ。こんな事があり得るのか。いや、あの男は人間ではないのかもしれない。
…この男の力は月人の月の魔力とも、妖怪の妖力とも正確には異なる。妖怪の妖力とは、似ているのだが全く違うのだ。この力は美しくも力強い。月人の魔力よりも怪しく、妖怪達の妖力よりも品がある。恐ろしくも、神々しいその力は、いや、正にその力こそ妖力と呼ぶのにふさわしいと思わせるほど衝撃的なものだった。その異様な力と風貌が相まってその男は、この世界から『浮いていた』
流石にこれ以上この場にいるのは危険だと思ったのだろう。刺客が逃げると男は突然、此方に振り返ってきたのだ。
咄嗟に私は目の前の相手に向かって弓を構え、動揺を押し殺し睨みつけた。幸い、男に戦闘の意思はないようで、妖力を消すと頭の上に両腕を上げた。
男にどうやら敵対の意思はなく、安心した私は此方も敵対の意思は無いと示すために弓をおろし男に近づいた。
その瞬間、私は自分がとんでもなく恥知らずな行動を起こしている事に気付いた。男の胸には先程の刺客から受けたであろう傷があったのだ。普通に考えれば私を庇ってくれた事に気づけるはずだが、混乱した私は自分の保身と正体不明のこの男を分析するのに必死でその事にちっとも頭が回らなかったのだ。
そして私はあろうことか、みをていして私を守ってくれた恩人に対して弓を構えているのだ。男の傷は決して浅いものでは無く、最悪貫通しているかもしれない程の重体であった。
私は直ぐに、男を手当てするために屋敷に案内することを決意した。恩人に対し謝罪と礼もしたかったし何よりこのミステリアスな男に対し興味が湧いたのだ。
私は男に近寄り謝罪と傷の状態を聞いたが、どうやら言葉が通じない様で、明確な反応が返ってこない。たまらず私は男の手を掴んで私の屋敷に連れて行った。男も流石に驚いたのかなにか言っているのだが、全く何を言っているのかわからないので無視すると、無駄だと感じたのかそれ以上声を上げることはなかった。
…屋敷の前に着くと、私は家に上がるようジェスチャーをした。男は屋敷に対して驚いた様子だったが、素直に中に入っていった。男が玄関で靴を脱いだ様子から何故か教養があることがわかる。靴も良くできているものだ。
部屋に案内すると男は畳が気に入った様で、座りながら手のひらで感触を楽しんでいた。その間に私は月で研究した傷薬とお茶を用意し、お茶に原始人で成功した翻訳薬をいれて部屋へと戻った。
男は落ち着いてすわっており、私のお茶を警戒することなく飲み干した。
「あなたはいったい何者なの?」
口にしてからしまったと思った。先程のお礼や軽い探りから話そうと思っていたのだがこの男がどうしても気になり居ても立っても居られず直球をど真ん中にぶちこんでしまった。すかさず話を一旦切り替える。
「…急にわるかったわ、初めの言葉がこれじゃ失礼よね。さっきはありがとう、助かったわ。…私のせいで怪我を負ったのに弓を向けてごめんなさい。」
…こんな感じだろうか、先程から私は仮にも恩人に対して何をやっているんだろう。これでは月の頭脳とはなんだっのかしらと思ってしまう。
しかし男は私の態度に気にしてる様子はなく、逆に見るだけで心が安らぐ程の美しい微笑みを浮かべると、血は何故か止まっているが以前痛々しい穴を開けた胸に手をかざし言った。
「大した傷じゃなかったし、私は普通の人間とは違った存在みたいでね、これぐらいの傷ならすぐ治すことができる。そもそもこの傷は君のせいではないのだから謝られても困る。弓を向けたことも、私のような怪しい大男がいきなり現れたら誰だって警戒するだろう。」
彼が胸から手をのけるとそこは完全に塞がっていた。傷跡なども見当たらず先程まで拳程の大きな傷があったとは思えないほど完璧に塞がれている。これにはとても驚かされたが私にはそれ以上に衝撃的な事があった。
翻訳薬によって相手の言葉がわかるようになり、彼の発言はこれまでと違い完璧に伝わった。
この男を本当に恐ろしいと思ったのはその時だ。
彼が話しかけてくる言葉はなんて心が安らぐのだ!
危険な甘さがあったのだ・・・!
しかも恐ろしい事にこの男は初対面の私に対し、不気味な程寛大なのだ。それにつられ初対面の私でも思わずすがりたくなるような、危険な魅力を持っているのだ…
しかし私はどうしてもこの男が気になってしまった。この男が危険だとわかっているのだが、それでもこの男と話をしたくなってしまったのだ。
「それにしても、さっきのお茶の成分なのか?急にお互いの言葉が理解できる様になった。」
「えぇ、そうよ。私は「ありとあらゆる薬を作る程度の能力」を持っているの。八意 永琳といえば仲間達からは名の知れた薬師よ。さっきのお茶には開発中の翻訳薬を投入しておいたの。その様子だと副作用とかもないようだし、安心したわ。人間で実験した時は全員成功したけど、あなたも人間なの?」
私は男の質問に答えながら、爆弾質問を投下した。この男が只者ではないとはわかりきっているが、服装は特殊といえど姿形は明らかに人間である。強いて言えば不気味な程整っていることと、ちらっと見えた犬歯がとても発達していたことぐらいだ 。しかし、ただの人間があれほどの力を持っているはずが無く、私は無理やり薬の話題からこの男の正体を探りにいった。
「気の利いたお茶をありがとう。あーーーー、私はいわゆるヒトとは違う存在なのだがね。」
「やっぱりね、だから私はあなたを知りたい。私の種族はそれこそ数えられない年月を生きてきたけど、あなたのような存在を見たことがないわ。あなたは跡形も無く塞いだけどその深さの傷は私達の技術力でも直ぐに治すことは出来ないし、治療しても傷跡が残るでしょうね。…ねぇ、私にあなたのことを教えてくれない?」
私は思い通りの返答に思わずまくし立ててさらに質問を重ねた。思えば、この時点で私はこの男に対する恐怖心や警戒心がかなり薄れてしまっていた。いや、この男の持つ独特な雰囲気がそうさせているのかもしれない。
「…私の名前はディオ・ブランドーという。DIOと呼んでくれ。…100年ほど前、気が付くとこの地に存在していた。何故私が誕生したのかはわからないが、私は日光に弱い点をおいて他の生物を凌駕している。」
「日光に当たるとどうなるの?」
言ってから、マズイと思った。好奇心でつい質問してしまったが、流石に初対面の相手に弱点を深く話してくれるわけがないと。しかし男は全く気にせず、むしろ楽しそうして…
「一瞬で灰になってしまう。腕などの体の一部なら苦痛で済み後で再生すればいいが、頭や全身が灰になるとおそらく死んでしまうだろう。」
…自分の弱点について快くペラペラと喋ったのだ。
阿呆ではない。この男には知的なものが感じられるし、動作や仕草は何処か上品で…男とは思えない程の色気が感じられる時もあるが、洗練された気品がある。つまりこの男は、この八意 永琳を全く恐れてないのだ。
…余裕…圧倒的な、力と自信を持つ者ができる行動だった。
私はとりあえずこの男に対する警戒レベルを下げた。この男の懐の深さは十分分かったし、久しぶりのお客が未知の大男で色々と知りたいこともあり、薬師という仕事上、これ以上好奇心を抑えられなかった。
「それは大変ね、他には何か苦手なものとか弱点なんか無いの?」
「…太陽の光以外はこれといった弱点は頭部が弱いぐらいだ。君こそ随分長い年月を生きてるそうだが、何か特別な力でもあるのか?例えば不死身とか」
「私達の種族が長寿なのは不死身とかそういう力じないのよ。長く生きてきた者も致命傷を受ければ死んでしまうわ。ただ、穢れを受け付けないだけ。」
「その穢れというのは、何のことなのだ?」
「穢れというのはね……」
それから私は男に色々な話をした。男は聞き上手で、つい喋り過ぎてしまい…
気付けばお互い下の名前で呼び合い、気付けば夜明け直前まで話し続けていた。
「永琳、残念だがもう時間のようだ。私は帰らなければならない。私は百年間この世界をさまよっていたが、これほど楽しい時間は生まれてはじめてだった。ありがとう。」
「あら、もうそんな時間。 …ねぇDIO、また今晩も会えるかしら」
気付けば私は無意識にDIOを家に誘っていた。それほどに私のDIOに対する警戒心は一晩のうちになくなっていた。
「もちろんだ。私は出会いを求めて旅をしている。日が落たらまたおじゃまさせてもらおう。」
そういうとDIOは身を翻したかと思うと、一瞬で消え去っていた。