あ、ありのまま今起こったことを話すぜ!「おれは何時ものようにベッドで寝たと思っていたらいつの間にかDIOになって山の中にいた」 な…何を言ってるのかわからねーと思うが(ry 作:しがない一般人
日が沈んだのを確認し、私は永琳の元へと向かう。今朝日が昇ったのが5時頃として、その後すぐ眠りについて夕方まで起なかったからだいたい12時間ぐらい眠っていたことになる。
睡眠時間をとりすぎてる気もするが、吸血鬼の生活はこんな感じなのかもしれない。8時間ぐらいで目覚めるときもあるのでよくわからないが…
ともかく私は昨日の約束通り永琳に会いに行った。この世界に来てから暇を持て余していたので永琳の誘いはとてもありがたいものだった。
あまり離れたところでは無かったので歩いて向かったが、何故か一向に見つからないので、手っ取り早く空に向かって大ジャンプし、そのまま山の上を飛んでいく。
すると山の頂上でマチュピチュのように隠された街が見えた。その住居達は和風に似ているが節々に謎の部品があり、仕組みはわからないが明かりがついている。
永琳の言っていた月人のものだろうが月人自体は外には出ておらず、直接見ることができなかった。
そしてその街から少し離れた所に永琳の屋敷が見えたので、私は家の前に降りた。街にあった屋敷より立派なのは、それだけ永林が有名ということだろうか。
ノックをしようと手をかざすが、丁度扉が開いたことで空振りに終わった。
「もしかして、待っていてくれたのか?」
「…こんな月明かりのいい夜に空を飛んでいたら
誰だって気づくわよ。他の月人に見つかると面倒だから今後は目立たないようあまり高く飛ばないで。」
確かに月人が私を見つけたら警戒するかもしれない。道は覚えたし、やはり洞窟からそんなに離れてなかったのでこれからは歩いて来るとしよう。
「それはすまない。以後気をつけよう。」
「ええ、頼むわよ。あなたがもし月人に見つかれば大事になってもおかしくないのだから。とりあえず上がって、美味しいお茶を開発したのよ。」
「ありがとう、お邪魔させてもらうよ。」
その後、先日の部屋に案内された私は永林と談笑した。永琳の持ってきたお茶はジュースのように甘く、どうやって作ったのか聞いてみたが、
「企業秘密よ。」
と一蹴されてしまった。永琳も一緒に飲んでいたので変な物は入っていないのだろう。
その後、しばらく私達は他愛の無い話をし、また日の出に別れた。永琳は次の日もその次の日も快く私を迎えてくれた。もはや毎日のように永琳の家を訪れていたある晩、ふと永琳が私に聞いた。
「そういえばDIO、あなたいったいどこに住んでいるの?毎晩来てくれるからそう離れた距離じゃないと思ってたけど…」
「ああ、そんなに離れていないぞ。歩いて10分程だ。」
「やっぱり結構近いのね。…でもおかしいわね、そんな近くに住家は見当たらなかった筈なのだけれど…」
「ああ、家じゃないからな。」
すると永琳は、よほど驚いたのか、しばらく固まってしまった。
「…もしかして、野宿じゃないでしょうね?」
「ああ、洞窟だから野宿ではないぞ。」
「変わらないわよ!なんてことなの…貴方は知的だからてっきりここの文化水準を何世紀も超えた屋敷にでも住んでいるのかと思ってたわ…」
いや、洞窟暮らしも以外と涼しくていいもんだぞと、弁明したが永琳は「…信じられない…」「…なんで洞窟に住んでるのに全然汚れがないのよ…」などとブツブツつぶやきながら頭を抱えている。とりあえず、洞窟暮らしと言っても定期的に川で洗濯しているので衛生的には問題無いと言っても納得しないようで、永琳は未だに頭を抱えていた。
しかしこの直後、私にとって大きな転機となる提案が永琳の口から放たれた。
「…DIO、あなた私の家に住まない?」
思ってもみないことだった。ついさっき洞窟暮らしはいいと言っていたが、永琳の家と比べると天と地の差である。すかさずお願いしたいところだったが、なんとか自制して永琳に大事な確認をする。
「本当に良いのか?私が住むということは日中ずっと日陰の部屋がいることになるし、なにより部外者の私を住ませたら君の同胞たちが黙ってないんじゃ無いのか?」
永琳の家は月人達の集落から1つだけポツンと離れている。これが何を意味するのか私にはまだわからなかったが、ある程度予想はついていた。
「構わないわ。」
間髪入れず、はっきりと永琳は言い切った。
「じゃあ決まりね!そろそろ夜が明けるし、今日からここに住みなさい。ちょっと日陰を増やす為のカーテンを準備してくるから、今のうちにお風呂入ってきて良いわよ。」
こうして、DIOは永琳の家に居候することになった。
永琳の家に住むようになってから、しばらく経ったある夜、私は気になることがあり永琳に質問した。
「そういえば、初めてあった日に聞いた「魔法」というものについて、詳しく教えてくれないか。」
魔法。あの日、永琳から聞いた話で気になるものはたくさんあったが、特にこの魔法というものは興味が湧いた。
元々、このわけのわからない世界ならファンタジックな力が色々とあるのでは無いかと考えていたが、永琳を襲った刺客が放った光を見たときに確信した。
既に化物がウロウロしている世界だ。いつ魔法を使うものが出てきてもおかしくは無い、故に、できる限りの情報を聞きだしたかった。
「そうね、まず全てのものには『力』があるわ。妖力とか魔力とか色々言い方はあるけれど、要は精神の力で本質的には同じものなの。
普通の生き物の場合少な過ぎてわからないだけで、例え小さな野花でもその力はあるのよ。逆に、その力を多く持つものは、生き物としての真理から外れる。あなたも見たことがあるでしょう?動物というにはあまりにも禍々しいアレを。」
「ああ、確かにあの妖怪たちには、何か奇妙な力を感じていた。なるほど、つまりあの化物たちは、何らかの形でその力を多く手に入れ、動物を辞めたというわけか…」
「ええ、そしてここからが本題よ。一定以上の魔力を持つものはそれをあらゆる事に使う事ができる。例えば、あの妖怪たちの尋常ではない膂力は魔力を使って強化されたもので、純粋な身体能力だけではないのよ。
あと言い忘れてたけど魔力は視覚できるものが多いの。それに魔力を使うのが下手なそいつらじゃ変な光みたいなものを纏っているように見えるわね。
魔力の使い道はこれだけではないわ!
上手く操れば火を灯し、更に研究すれば灼熱の炎だってつくり出す事ができる。
ひんやりとした冷気から、大きな氷の塊だって生み出せる。
蛍のような光から、目を潰す程の閃光。静電気から雷のような電撃。
更には遠距離からの攻撃手段として有力な魔力弾や、光線など、様々な使い道があるのよ!」
お、おう…流石永琳…魔法についてかなり詳しそうだ。
とりあえず色々使い道がわかったが、1番知りたい魔法が出てこなかった。
「なるほど、魔法というものが凄いのは良く分かったのだが、その中に、物を作り出す魔法はないかね?」
「…それは、武器などの物品を直接、魔法によって生み出すということで、良いのかしら?」
「そうだ。」
「そうねぇ…錬金術というものがあったわ。目的の物を作る為に色々な材料で下準備をし、魔法も使ってそれを作り出す。」
「そんな面倒な方法以外に、こう一瞬で簡単に武器とか作り出すことは出来ないのか?」
永琳は、少し考えた後、あまり気が乗らなそうな顔をして答えた。
「あるにはあるんだけどね…これは才能というか、他の魔法と違って練習すればできるものじゃ無いのよね…」
「構わない。教えてくれ。」
「…まずはじめに言っておくけど、この魔法は才能によるものが大きいわ。説明するけどあまり間に受けないでね。
…物体を0から作り出す魔法は創生魔法と言って、自然の現象を利用した氷や魔力弾を作る魔法や、あらかじめ存在している物を呼び出す召喚魔法と違ってとても難しいの。
私自身この魔法についてはよくわかっていない事が多いのだけれど、いくつかわかったことがあるわ。
1つ、そのものが、この魔法を使う才能があること。
2つ、そのものが、創生するものについて深く知っていること。
3つ、そのものと、創生するものが強い因果で結ばれていること。
4つ、そのものが、創生するものに対すて執着していること。
…これぐらいね。まぁ、魔力弾も知らなかったあなたには流石に無理だと思うけど。」
なんて言われてしまったが、説明を聞いたわたしは私はどうしてもこの魔法を習得したくなった。
私には、DIOになってからどうしてもやりたいことがある、そうナイフ投げだ。もはやDIOの代名詞と言っても過言ではないその技に、当時から私はずっと憧れていた。投げナイフを買って練習した程だ。
しかし、この時代には投げナイフなどない、人は未だに石器や石斧を使い、とてもじゃないが上手く投げることが出来ない。なにより、ナイフ以外であの投げ方をするとやけくそに投げつけてるようでかっこ悪すぎる。
やれるだけやってみると伝えると、永琳はその魔法の発動方法について詳しく教えてくれた。
「どの魔法も発動の初めは、精神を統一して魔力を高める必要があるわ。まぁこれはそう難しくないわ、ものによっては多少身体能力が上がったりするから妖怪もよくやってるわ。
そういえば初めて会った時にあなたもしてたわね。
で、ある程度魔力を高めたら、創生したいものを念じるのよ。」
「念じる?」
「そう、あなたが欲しいものを強く念じるの。基本的に小さい物の方がやりやすいわね、ただひたすらにそれをイメージして欲するのよ。あとは…才能ね。」
「わかった。」
…とにかく、念じればいいのか…ナイフナイフナイフナイフナイフナイフナイフナイフナイフナイフナイフナイフナイフ「ちょっと!?DIO!!」…ん?
気がつくと、大量のナイフが右手に4本、左手に4本、服のベルトの辺りに5本と、計13本のナイフを私は装備していた。
やはり天才か、なんて自惚れていると永琳はよっぽど意外だったのか未だ興奮した口調で問いただしてきた。
「こんなに簡単に成功するなんて…DIO!あなた魔法の才能があるわよ!これならきっと創生魔法以外にも、色々な魔法が使えるようになるわ!」
しかし、いくら練習しても創生魔法意外のものは上手くいかなかった。魔力を持っていればバカでもできるという初歩的なものでさえ、上手くいかなかった。火の玉とか出そうとしても、ガスが切れたライターみたいな火花が出るだけであった。
永琳の家に住むようになってからかなりの年月が経ったが、私は永琳にザ・ワールドのことはおろか、スタンドのことを話したことがなかった。
「ねぇ、DIO」
なんだ、と言おうとして出来なかった。
創生魔法が成功した時はあれだけ生き生きとしていた永琳の目が、まったく笑っていなかったからだ。
「あなた、何か隠していることがあるのじゃないの。」
小さく問うた言葉とは反対に、その目はゾッとする程力強かった。