総「ねみぃ……。」
龍「総悟っ!急げって!!マジで、一年の入学式から遅刻とかあり得ねーだろっ!」
桜舞う4月。
二人の男子高校生が、桜の花びらの中を走る。
ピンク色の花びらの中ではよく目立つ、亜麻色の髪のよく似た二人。
一方が黒縁のメガネをかけていなければ、見分けなどつかないほどの、そっくりな二人が走る。
総「俺たちの入学式じゃないんでさぁ。別にいいだろぃ。」
龍「お前はよくても、俺はよくねーの。一年ぶりなんだから。」
総「……リア充、死ねよコノヤロー。」
龍「うっせーよ、お前も早く作りゃあいいだろ。」
総「俺はそんな、軽い男じゃないんでね。」
龍「俺は本気だから安心しな。」
そんな言い合いをしながら走る二人。喋りながら走ってるとは思えないほどのスピードで走る。
総「っしゃあ!お先ー!」
一人がさらにスピードを上げる。
龍「あっ!ってめ、待てっっ!!」
後を追う、もう一人。
総「待てっつ言われて、待つバカがどこにいるんでさぁ。」
龍「知るかってんだ!部活生と帰宅部の違いだ、アホ。」
縮まらない距離、前を走る奴は振り向きながら、随時バカにしながら走っている。
龍「ってめーー!」
総「悔しかったら、ここまでで来てみろぃ。」
龍「こんの……っっ。…………!?総悟!!前っっ!!!」
途端に慌て出す、後ろを走る奴。前を向けと言っているのに、一向に聞き入れない。
総「あぁ??……えっ、、、」
?「わわっ……、、、」
―――ドガーーンッッ!
ぶつかった。
龍「だから言ったのに、自業自得だよ、バーカ。」
総「うるせぇでさぁ。」
ぶつかったのが女の子だったと気づく、メガネの方。
龍「悪かったな、怪我してねーか?総悟、オメーも謝れ。」
総「ちっ……、悪かったな。」
龍「総悟……。」
?「だ…、大丈夫ネ!!ありがとうアル。」
――ドキンッ
落としたメガネをかけ直し、少女も再び走り去る。
龍「可愛かったな、あの子。メガネかけなきゃいいのに…。」
総「ほんとでさぁ、もったいねーですぜぃ。」
龍「……………………。」
黒縁メガネの動きが止まる。もう一人をじっと見つめた状態で。
総「なんでぃ。」
龍「総悟、あのこの事好きなの?」
総「はぁぁぁ!?!?何でそうなるんでぃ。」
龍「だって、総悟が女の子に可愛いとか言うの初めて聞いた。」
総「なっ……っっ、たまたまでさぁ!」
龍「そうかぁ〜?たまたまかぁ〜??」
総「ニヤニヤすんじゃねー、気持ち悪い。」
黒縁メガネくんは知っているのだ、癖を。
彼は心の中の恥ずかしいことを当てられると、耳が少し動く。どのような仕組みになってるのか、不思議に思ったことがある。
そして、さっき『好きなのか?』と聞いた時の反応、
龍「わかりやすすぎ。」
真っ赤になった耳がぴくぴく動いていたのを、本人は知らない。
龍「(癖のことは、黙っておこう…。)」
自分の知癖をるのはまだまだ先。
総「んなことより、急がなくていーのかよ。」
龍「やばっ!!急げっっ!!」
二人で門をくぐる、ギリギリなので、人がもういない。
さぁ、青春の一ページ目を開こう。
次回は設定です。
まだ出てきてない人物たちの紹介もしちゃいます!