ま「大丈夫っすかね、みんな…。」
空賊中学校出身の二人が一緒に帰っていた。
高「あいつらなら、問題ねーだろ。」
中学校が違うとはいえ、1年一緒に過ごした高杉は感じていた。
高「あいつらにとって、彼女の存在は効果抜群らしいしな。」
ククク……と笑いながら、今日の部活が始まる前の土方と近藤、保健室での龍の顔を思い出していた。
いつも、女子たちには嫌というほど絡まれているのに、あそこまで動揺するとは思わなかった。それに加えて、抱きつかれてあそこまで真っ赤になるとは……。
高「ククク……。」
ま「晋助様??」
思い出しただけでも、笑いが止まらなくなる。
1年一緒にいて、あんなふうになった3人を高杉は見たことなかった。
そういえば、沖田の方もあんなに真っ赤になったのは初めて見たな。
そんなことを考えていた高杉に、また子は笑顔で
ま「晋助様、表情柔らかくなったすね。」
突然言った。
高「あぁ?」
ま「そんなふうに笑うところなんて、中学の時じゃ考えられませんっすよ。」
高「……そうか?」
ま「無意識っすか!?」
高「……かもな。あいつらといると、結構おもしれーからな。」
そう言って、高杉は再び笑う。
《また子side》
また笑った。笑った顔もカッコイイ。
中学の時に、剣道部で初めて見た時から、ずっと大好きだった。高校まで追いかけるほど。
でも、中学の時から高杉先輩はモテモテで、周りにはいつも女子がたくさんいた。
自分が話せるのは、部活の時だけ。だから、高校に入ってもマネージャーをやりたかった。
でもマネージャー見学に来た子たちは、みんなすごく可愛くて…。クラスで見つけた銀子ちゃんたちも、すごい可愛かった。だから、自分なんか入れないと思ったけど…。
近「蒼先輩!?高杉っ!?大丈夫かっ!?」
部活中に近藤先輩の叫び声が聞こえて、そっちを見てみたら、晋助様と先輩らしき人がぶつかっていた。
高「大丈夫だ、こんぐらい。」
そう言って立とうとする晋助様は、明らかに右足をかばっていて…。いてもたってもいられなくなって、気づいた時には、走っていた。
妙「また子ちゃんっ!?」
ま「晋助様っ!ダメっす!無理に立ったら、悪化するっす!!」
高「大丈夫だって……って、お前…。」
ま「手当してくださいっす!」
土「お前、さっきミツバたちといた…。」
高「俺の後輩だ。」
総「へー、この子が。あの高杉のかー。」
何のことか全くわからなかったけど、今はそんなこと気にしてる場合じゃなくて。
彩「いきなりでごめんなさい、彼のこと運ぶの手伝ってもらってもいい?」
ま「はっ、はいっす!」
その後なんでかわからないけど、妙ちゃんも招集されて(あとから聞いたけど、その時他のマネージャーさんは新入部員の方でいっぱいだったらしい。)、保健室に連れて行った。
少しだったけど、マネージャーらしいことが出来て嬉しかった。
そしたら帰ってきた途端、ミツバちゃんの想い人の土方先輩が近づいてきて、
土「悪かったな。急に仕事押し付けちまって。」
ま「い、いえっ!大丈夫っす。」
土「お前、うちのマネージャーとして採用するから。明日からも頼むわ。」
ま「はい。……はいぃぃぃ!?」
すっごくビックリして、叫んで、
土「えっ、お前マネージャー希望でいたんじゃなかったのか?悪ぃ。」
危うく勘違いされるところだった。
ま「いっ、いや!マネージャー希望っす!よろしくお願いします!!」
こうしてマネージャーになれて、保健室で晋助様に直接、4人って言われて、夢じゃないんだ!って安心した。
高「おいっ。大丈夫か?」
ま「へっ!?あっ、ごめんなさいっす!」
嬉しすぎて思い出してたら、ぼーっとしてたらしい。恥ずかしい……。
高「お前、この高校に入んのきつかっただろ。」
ま「えっ!?あっ、まぁそりゃあ……はは、、、。」
お世辞にも頭がいいとは言えない、あたしの成績。それでも、頑張れたのは、やっぱり晋助様のおかげ……なんて言えるわけないんすけどね。
ま「そっ!そういえば……、部活始まる前はごめんなさいっす。」
高「あぁ??」
ま「その……成り行きとはいえ、抱きついてしまったっす。晋助様は優しいから、振り払わなかったんでしょうけど。本当にごめんなさいっす。」
あの時は……、その、本当に嬉しくて。また会えたのが夢じゃないことを確認したかったというか……その……、
高「別にいい。」
ま「へっ!?」
高「……嫌だったら、普通に振り払うわ。」
ま「あっ、そっ、そうっすよね。す、すいませんっす!」
えっ、何!?どういうこと!?あたし馬鹿だから、よく分かんないっすよ!?!?
そんな葛藤を頭の中で繰り広げていたら、家に着いた。
高「じゃあな。」
ま「あっ、その、ありがとうございますっす!」
高「帰り……。」
ま「えっ……?」
高「部活ある時は、一緒に帰るぞ。」
そう言って、行ってしまいました。
えぇぇぇぇぇ!?!?
何!?今のどういうことっすか!?
ちょっとは……期待してもいいんすか?
晋助様が、あたしと同じ気持ちかもしれないって。