Z組からの俺らの人生   作:ゆう☆彡

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帰り道~優しさ【総悟×神楽】

 

はたから見れば、2人は明らかに恋人のように見えるだろう。

なんせ、女子生徒をおぶって帰っている男子生徒が、夜道を歩いているのだから。

 

神「ご、ごめんアル…、重いのにわざわざ。」

 

背負われている女子生徒、神楽が突然謝る。

兄曰く惚れている奴だが、本人は全くの無自覚なので、本来なら気を使うが……

 

総「ほんとに重いでさぁ。お前一体何キロだよ。」

 

生まれつきのドS体質の沖田総悟である。彼に『本来』は通じない。

 

神「なっ……、そこはお世辞でも大丈夫とか言えないのか!」

総「なんでぃ、事実を言ったまでだろ。」

神「お前……、ドSアルな。」

総「理解していただき光栄でさぁ。」

 

そう言った、総悟は黒く笑っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

2人は再び無言になる。

そんな空気に耐えれなくなったのか、神楽は口を開いた、

 

神「おっ、お前の兄ちゃん、めっちゃイケメンアルな!」

 

それが、地雷だとも知らず……。

 

総「兄ちゃんって……龍のことですかぃ?」

神「そっ、そうネ!手当してくれたアルし、お前とは違ってめっちゃ優しかったアル!あれなら、いい医者になれそうネ!」

総「……なれねぇよ。」

神「へっ!?」

 

総悟の言葉に驚く神楽。

 

神「なっ、なんでお前がそんな事言うネ!兄ちゃんのことなんだから、応援してやれヨ!!」

総「てめーに何がわかるってんでさぁ。」

神「……。」

 

 

無意識だが、声が低くなり威圧してしまったことに気づく総悟。

 

総「わ、悪ぃ。」

神「ううん、私も何も知らずにごめんアル。」

 

弟である彼がここまで怒るんだから、きっと聞いてはいけないことであろう。そして、それは龍が剣道が出来ないことにも関係している。

そう思った神楽は、それ以上聞くことをやめた。

 

総「いつか本人に聞いてみろ。」

神「お前ら双子は、どっちも心を読み取るの上手いアルな……。」

 

そう言って笑う神楽。

不覚にもその顔に、ドキッとしてしまったのを、総悟自身も知らない。

 

 

 

 

神「そういえば、お前の名前聞いてなかったネ。」

総「総悟でさぁ。よろしくな、チャイナ。」

神「チャイナ!?」

総「面白いなまりのある、中国生まれの女。よーく覚えたぜぃ、先輩に敬語も使えねーチャイナさんよぉ。」

神「……お前以外になら使えるネ。」

総「そこには一体、何の格差があんだよ。」

神「ドSかドSじゃないかネ。」

 

そんなくだらない会話をしながら、でも意外と笑いの耐えない帰り道で、神楽も総悟も楽しいと思っていた。

 

総「チャイナ、お前、龍の奴のことが好きなのかぃ?」

神「はっ、はぁ!?」

 

見え見えの動揺をする神楽。総悟は元々、そういうことには敏感なので、すぐに気づく。まぁ、自分のことになると途端に鈍感なのだが…。

 

総「好きなのか……。」

神「まっ、まだわかんないネ……。好きとカ、そういうこと思ったことないネ!」

総「へぇ、、、。そんなチャイナにいいこと教えてやろーかぃ?」

神「何ネ?」

総「あいつ、彼女いるぜ?チャイナと同じクラスの銀子。」

神「…………。」

 

黙り込んでしまい、総悟の背中に顔をうずめる神楽。

 

総悟も、少し言うのはためらったのだ。

だが、すぐに嫌でも気づくことだろう、だったら、今ここで言った方がいいと思ったのだ。

 

総「チャイナ?」

神「…………。」

総「傷つけたならすまねぇ。別にそういうつもりで言った訳じゃねーんだ。」

神「別に、傷ついてないネ。」

総「……そうかぃ。」

 

総悟は無言で、自分ちの近くの公園に入った。

ベンチに神楽を座らせて、ちょっと待ってろぃ、と言い

 

総「ほれ。」

神「……?」

 

総悟が渡したのは、温かいココアだった。

 

総「龍が、俺によく買ってくれたんでぃ。あいつは、俺がいっぱいいっぱいになってっと、無言で外連れ出してこれ買ってくれたんでぃ。

……あん時だって、、、」

神「あの時?」

総「…………俺らの親が死んだ時。」

神「!?」

総「いや、正しく言いやぁ、『殺された』時。」

 

総悟は言ってから、慌てて口を閉じた。

今まで、女子になんて一度も言ったことない事だった。

 

総「悪ぃな。今のは忘れてくれぃ。とにかく、飲め。俺が奢るなんて珍しいぜぃ?」

神「じゃあ、明日で地球は終わるかもナ。」

総「そこまで言うかよ。」

 

神楽もそれ以上、踏み込んで聞かなかった。

 

 

 

 

神「確かに美味しいネ。ありがとうアル。」

 

街灯に照らされた神楽の笑顔。

――あー、最悪。龍の野郎の言う通りになっちまった……。

 

その笑顔が、可愛いと思ってしまった。自分のものにしたいと思ってしまった。

龍の奴、ぜってー潰す。

 

そんな復讐をくわだてながら、

 

総「そろそろ帰るか。お前の兄貴も心配してるだろ。」

神「そうネ。」

 

そう言って、再び神楽をおぶる。

自分の気持ちに気づいてしまった総悟は、少し複雑であったが…、それでも他愛のない話をして、神楽のうちに着いた。

 

 

――――ピンポーン

 

?「はーい?」

 

中から聞こえた声。

 

神「あっ!兄ちゃんネ。」

威「んー?神楽ー?」

 

ドアを開けたのは神楽の兄貴、神威(かむい)

 

総「ども。お届けものでさぁ。」

神「なっ!?私は荷物じゃないネ!!」

総「暴れんな!!」

 

とりあえず、神威に神楽を預ける。そして、

 

総「なぁ、ちょっと、話あるんだけど。」

 

神威を連れ出した。

 

 

 

 

 

神楽を中に置いてきて、再び玄関に出てくる神威。

 

総「あんた、春雨高校の神威だろ?」

威「そうだよ。へー、俺って有名なの?銀魂高校の沖田総悟くん?」

総「……。そりゃあ、転校してきて一週間で、学年統治なんてすれば、嫌でも耳に入ってきまさぁ。」

威「ふーん。で?俺に何の用?」

総「見たのは俺の兄貴で、俺が直接見たわけじゃねぇが。春雨高校の奴が、あんたの妹にちょっかい出したらしいぜぃ。」

 

神威の顔が固まる。……と思ったら、狂気の顔になる。

 

威「へー、顔とかは?」

総「そりゃあ、何も聞いてねぇでさぁ。」

威「残念。すぐに殺しに行けないじゃん。」

 

そう言った神威の顔に、総悟は少し恐怖を感じた。

 

総「兄貴曰く、突発的な行動だから、二度目はねぇと思うが、気をつけろだとよ。」

威「…君のお兄さん、何者?」

総「自慢の天才兄貴でさぁ。」

威「へー、お兄さんにお礼言っといて。」

 

 

 

伝えることだけ伝えて、総悟は神楽の家を出た。

 

 

 

神楽は剣道部のマネージャー。つまり、明日からの朝練も来る。

総悟は、朝練をよくサボるが……

 

総「明日からは早いでさぁ。」

 

ぜってー、俺のもんにする。

 

その気持ちだけが、総悟を動かしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それぞれの青春の形が、始まった。




龍「ただいま……。」
総「お帰りでさぁ、遅かったな。」
龍「さすがに1時間半はきついわ。そういやー、兄貴はどんな奴だった?」
総「あー、チャイナの?」
龍「チャイナ!?」
総「普通のシスコン野郎だったぜぃ。チャイナにちょっかいかけたこと言ったら、すぐに怒ったんでね。」
龍「何、煽ってんだよ。」
総「それから、龍に感謝してたぜ?『お前の兄貴何者だ』って驚きながら。」
龍「へー、それで?何か進展あったか?」
総「…………。」
龍「……総悟?」








総「…………龍、今すぐ死ね。」
龍「はぁ!?」
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