Z組からの俺らの人生   作:ゆう☆彡

14 / 19
朝の担当~支え

《近藤side》

 

龍「あいつら今、大事な時期だからさ。邪魔しないでやって……ね?」

「「「「「「「キャーーーー!!」」」」」」」

「わかった!ごめんね、龍くんっ。」

龍「うん、ありがとう。」

 

朝練を終えた、俺を含めた4人は一緒に教室に向かっていた。

例え、朝練で疲れていても女子生徒は容赦しない。今日の担当のトシは、特に憂鬱な気持ちで教室に来たのだが……

 

龍「おぅ、朝練お疲れ。」

 

……既に龍が追い払っていた。

 

高「珍しいな。龍、担当じゃねぇだろ?」

龍「昨日の代わりってことだ。」

総「ちっ……、土方を殺してくれるかもしれねぇ、大事な奴らなんだぜぃ?」

土「総悟ぉ……てめぇ!!」

 

トシが総悟を追いかけて行った。

あいつら本当は仲いいのにな……。

 

 

そんなことを思って、笑って見てたら、龍が話しかけて来た。

 

龍「なぁ、どうだった?総悟の奴。あいつ、朝弱かったと思うけど。」

近「えっ!?あ、あぁ。そういえば、今日は別人のようだったな。大会でもそうなってくれるといいんだけどな…。」

 

総悟はとにかく朝が弱い。実力は確かなものだが、朝一の試合になると、途端に勝率が下がる。

 

龍「今日大丈夫だったなら、今度からも大丈夫だ。今日の朝、あいつ甘いもん嫌いだけど、チョコレート食わせたんだよ。めっちゃ嫌がったけど、めっちゃ甘いやつ。」

――それだけで目覚めよくなるなんて、単純だな……。

 

そう言って笑う龍。

 

龍はよく見ている。弟の総悟をじゃない、“剣道部を”だ。

 

中学生の頃、まだ龍が選手だった時から、対戦校の選手の癖や弱点などを見つけていた。あいつは、それが得意だった。

それが高校に入り、外から見る側になってからは、味方の事もよく見るようになった、……いや、味方の事の方がよく見るようになったと思う。

 

総悟が、朝弱いことを龍に言った事はないし、総悟自身も自分の兄貴に行ったりしないだろう……あいつの性格上。

つまり龍は、たまに応援をしに見に来た試合を見て、気づいたんだろう。わずか数回の訪問で……。

 

土「おいっ、龍!!てめぇ、弟なんとかしやがれっ!!」

龍「はぁ?自分でなんとかしろよ…。」

 

なんやかんや文句を言いながらも、トシと総悟を止めに席を立った龍。

 

高「あいつ、マネージャーより使えんじゃねぇの?」

 

その龍の空いた席に、高杉が来た。

 

 

高「確か、1年の時の新人戦で、お前の相手の弱点見つけたのって龍だろ。」

 

そうだ。去年の新人戦決勝。龍のアドバイスがなけべら勝てていなかったかもしれない。

 

龍『次のお前の相手、左から竹刀振った後、隙ができる。右利き特有のくせ持ってる。』

―――だから、左から竹刀振らせるように誘発しろ。

 

言われてすぐに実行できた俺も、すごいと思うが、

 

近『お前、いつから来てたんだ?』

龍『ついさっき。ちょうど次のお前の相手が試合してた。』

 

一試合見ただけで、相手の弱点を的確に見抜く龍は、もっとすごい。

 

 

近「そういや、お前やトシがケガ隠してる時も、龍にだけはバレてたな。」

 

どんなに小さなケガでも、どんなに隠しても、龍は見つけていた。

 

高「……あいつの事情が事情だからだろ。ケガに関しては、過剰に反応しやがる。」

 

 

女子生徒を追い払ったのも、疲れているトシのためだろう。俺らの気付きにくいところで、俺らを支えてくれている龍。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分は二度とすることの出来ない、竜にとって何よりも大切だったはずの剣道。

二度と出来ないのに、他の奴のためにそれを見に来る。

 

近「あいつは……、どんな気持ちなんだろうな。」

 

 

―一体どんな気持ちで、俺らを支えているんだろうか。

 

――一体どんな気持ちで、俺らを見ているんだろうか。

 

 

龍「高杉ー、どけろー。」

高「嫌だ。」

龍「はぁ!?何のわがままだよ。」

高「気分だ、気分。朝練疲れたんだよ。沖田、別人のようになりやがって。」

総「てめぇが、弱ぇからだろー。」

高「てめぇ!」

龍「喧嘩すんな、2バカ。これやるから。」

高「っしゃあ。残念だったな、沖田ぁ。」

総「なっ……!?俺にもくれー!」

龍「ほらよ、トシと近藤もいるかー?」

 

 

喧嘩を止め、手作りだという疲労回復食を配る龍。

甘いのが苦手な俺らでも食べやすい甘さ。

 

土「おぅ。」

近「ありがとな。」

 

 

―――おまえは、自分と同じ目に遭わぬように支えていることを、

 

 

龍「ん?まずかったか?」

近「あっ、いや!あいかわらずうめぇよ。」

龍「よかった。」

 

 

 

 

 

――――そうやって笑うことを、

 

―――――お前はどう感じているんだろう。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。