《龍side》
龍「あー、その俺……、役に立ちませんよ。」
1年生のこの時期だけ教える。
それが出来るのは、短期間であり、口頭で説明できるから。
「龍先輩が、役に立たないわけないじゃないですか!」
「ぜひ、お願いしますっ!」
「お前の指導なら、みんな納得するぞ。」
――目、目、目、、、、、、。
あー、懐かしいな、この期待する目。
こうなってしまったのも、俺が悪い。
一部を除いて、誰にも納得できる説明をしていないからだ。
入部勧誘を断る時には『試合はしたくなくなった。』と言った。その言葉は、半分ホントウで半分ウソ。
龍「そうですね……、少し考えさせてください。」
そう伝えると、嬉しそうにする爽良先輩と喜ぶ部員たち。
――すいません、嘘をつくことを許してください。
―――俺はもう、剣道は出来ないから。
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近「なぁ……、どう思う?」
龍へのコーチ勧誘の騒ぎがおさまり、普段通りの練習が始まっており、端の方で1年生に教えている龍を見ていた近藤、土方、高杉が話していた。
高「どう思うも何も、『考えとく』ってのはぜってぇ嘘だろ。」
土「俺も同意見だな。あん時のあいつの顔、引き攣るなんてもんじゃなかったぜ。」
近「そうだな…。だが……、」
龍のことをよく知る3人は複雑だった。
近「龍がもし本当にコーチになったら…、」
土「心強ぇなんてレベルじゃねぇよ。」
龍に何があったのかは知っているし、もちろん理解もしている。
しかし、彼の能力をも知っているし、理解しているのだ。
土「まぁ、俺らが口出しできるようなことじゃねぇな。」
近「……じゃあ、あいつらはどう思う?」
土「あっちは……、もう放っておこうぜ。」
土方と近藤の視線の先では、総悟と神楽が
神「お前、型の自己流、強すぎネ!もっとキレイに構えろヨ!!」
総「うっせぇぞ、チャイナぁ!テメぇは黙っとけ!!」
神「うっさいのはお前ネ、ドS!神楽様のありがたい助言はちゃんと聞くヨロシ!!」
総「テメぇ……、俺が先輩だってわかってんのかぁ!!」
神「そんなの関係ないネ!!」
休憩中にも関わらず、わざわざ疲れていく総悟。呆れる土方。
土「っつーか、
龍「だよな。」
……………………。
土・近「うぉっ!!!!」
驚く2人を他所に、
龍「今年のマネージャーも全員使えるみたいでよかったじゃねぇか。……それに、、、」
あっちもな……と言いながら指さす方には、見学組の男子に囲まれる来島と、不機嫌オーラ全開でそれを見る高杉の姿だった。
龍「あっちも楽しそうだな、、、。」
近「龍…、笑顔が黒いぞ……。」
土「めんどくせぇ事になる前に、なんとかしやがれよ…。」
なんやかんや言いながら心配する近藤と土方の横で、
龍「高杉ー、早くしねぇと取られちまうぞー。」
龍は楽しそうに、黒い笑みを浮かべ、大声で叫んでいた。