あれから1時間後。保健室。既に外は真っ暗だった。
高「オメーがうじうじするなんざ、珍しいこともあるもんだな。」
龍「テメーにだけは言われたくねーよ。お前が保健室に大人しく来るなんて、この世も明日で終わりかもな。」
高「なっ!?!?」
けが人を連れて来た女子生徒たちが部活に戻り、月詠先生も蒼の親のところへ行き、保健室には龍と高杉、奥で寝ている神楽のみとなった。
龍「あの子のこと好きなのか?」
高「はぁ!?んなわけねーだろっ!!」
龍「へぇ、じゃあ俺とっちゃおうかなぁ。結構可愛かったし……。」
――――ズカッ!!!
高杉が龍の胸ぐらをつかんだ。
高「テメーには彼女がいんだろーが。軽い気持ちで手ぇ出すんじゃねーぞ。」
龍「……素直に、俺の女に手ぇ出すな、とか言えねーのかよ。」
高「……うるせーよ。」
そういえばコイツはこういう奴だった、と思う高杉。
少し怖いしゃべり方をするが、優しい口調で、兄を連想させるような世話好きなやつ。
高「っつーか、オメーの話だ。何をそんなにうじうじする必要があんだよ。」
龍「はぁ?あいつはなぁ……。」
高「……??」
急に言いづらそうに口を閉ざす龍。
高「途中で止めんなよ。気になるだろーが。」
龍「ちっ……、だからあいつ言ったんだよ。俺の剣道してる所が好きだって。そうやって言ってくれた大事なやつに『もう二度と剣道出来ない』なんて言えねーだろ。」
高「……。」
神「どうしてできないアルカ?」
龍・高「!?」
突然聞こえた、女の声。
高「誰だ、お前。」
龍「神楽?大丈夫か??」
高「神楽?お前の知り合いかよ。」
龍「はぁ!?ちげーよ。俺は、、、その子を助けただけだっつの。」
奥のベッドで寝ていた神楽が、起きたのだった。
神「お前、男たちに、鉄パイプでむかっていったダロ。」
高「はぁ!?まじかよっ。……っつーか、男たちにむかっていった?」
神「私が拉致られたのを助けてくれたネ。その時の構え方、あれは剣道の構え方ネ。」
龍「……あの暗い中で、良く見えたな。」
神「剣道は好きネ。上手いやつの構えなんて、すぐ分かるアル。」
高「へぇ……、お前みたいなやつがマネージャーになればいいのにな。」
神「??」
今の話で、どうしてそうなるのか、全く理解出来かなかった。
神楽も剣道部のマネージャーをやりたいと思い、部活動見学に行こうとしたのだ。しかし、人数の多さに驚き、諦めたのだ。
龍「今年もすごいことになってんのかよ。」
高「まっ、今年はそんなに入れる気ねーけどな。そもそもほぼ全員、男目当てだ。そんな奴はいらねーよ。」
龍「
高「いねーな。お前らんとこの女以外はな。」
龍「それに、あの金髪の子も入れて4人だな。」
高「……後、もう1人欲しいんだよ。今年の新入部員、3年より多いんだ。」
龍「まじかよ……。」
剣道部は、この学校が『進学校』と並んで『剣道部』と出るほど有名である。そのため、部員数は現在3年生25名、2年生35名と凄いことになっている。
高「今年の1年は、俺らより多い見込みだ。」
龍「……。」
高「っつーわけで、もう1人欲しいって
龍「なるほど。そこで、神楽ってわけか。」
高「帰っちまう時点で、とりあえず男目当てじゃねーだろ。それに、構えだけでお前が上手いって分かるなら、上出来じゃねーか。」
黙っていた神楽の頭の中は、ハテナでいっぱいだった。こいつらは一体何も言っているのか。
龍「高杉、神楽パンクしてるから。」
高「あぁ?あっ、悪かったな。まっ、考えてみろよ。お前なら、マネージャーにしてやるよ。」
神「まじカ!?やれるのか!?」
高「あぁ。」
やりたかった神楽にとっては、あの大人数の中から選ばれたということで、嬉しかった。
神「お願いネ!頑張るから、やらせて欲しいアル!!」
龍「おぉ、良かったじゃねーか、高杉。これも、あの金髪の子がここに連れてきてくれたおかげだな。」
高「テメー、そろそろ殺すぞ…。」
剣道部のマネージャー問題が何とかしたところで、龍が思い出したように、聞いた。
龍「そういえば、神楽。お前、家は俺の弟とぶつかったところの近くか?」
神「そ、そうネ。」
龍「そうか、わかった。」
高「……何企んでんだ、お前。」
少し笑っていた龍に気づいて、高杉が聞いた。
龍「別に何でもねーよ?」
高「……(何でもねー、って奴の顔じゃねーよ。)大事なマネージャーなんだから、変なことするんじゃねーよ?」
龍「大丈夫だって。あいつならしねーよ。」
高・神「あいつ??」
ま「晋助様っ!迎えに来たっす!」
午後7時を回った頃、保健室にまた子が飛び込んできた。
高「はぁ!?」
ま「晋助様から連絡が来るなんて、嬉しいっす!!」
高「…………。」
何がなんだか全く理解出来ない高杉だったが、
龍「ありがとな、こいつのこと頼むわ。」
ま「はっ、はいっす!!ありがとうございました!!」
高「……お前か、、、。」
龍「感謝して欲しいね。」
すぐに全てを理解した。
ミ「また子ちゃん、保健室でそんな大声出しちゃダメよ?」
また子の後にやって来た、剣道部のメンバー。
龍「おー、ミツバか。お疲れだったな、1日目から。」
ミ「こんにちは。お久しぶりです、龍先輩。高杉先輩のこと、ありがとうございました。」
龍「気にすんなって。色々といいこともあったから……なっ?」
高「お前、1回死ね。」
そんなこんなで、保健室に集まる10人。
もちろん龍の彼女、銀子もいる。……が、銀子の目はベッドの女の子に向けられてた。
銀「……神楽ちゃん?」
神「へっ……?」
銀「やっぱりそうだ!あのメガネしてなかったから、自信なかったけど。Z組の神楽ちゃんだよね?」
高「お前らと同じクラスだったのか。そりゃあ、さらに都合いいな。」
どういうこと?と言うと、高杉が先ほどまで龍と話していた内容を話した。
妙「へぇ、いいんじゃない!というより、そんな基準があったんだ…。」
ま「同じクラスなら、もっといいじゃないすか!よろしくっす。」
自分たちのマネージャー仲間が増えたことで、喜ぶ女子たち。
――――ガンっ!!!
総「テメー、何やってんでさぁ。」
土「お前……、鉄パイプ握ったのかよ、、、。」
近「……大丈夫だったのか?」
そんな女子たちとは相対して、衝撃を受ける男子たち。総悟に至っては胸ぐらを掴んでいた。
龍「俺も、あとから気づいたんだよ。仕方ねーだろ、人が人なんだからよ。」
総悟に、見てみろよ、と促され、拉致られた女子生徒をちゃんと見た。
神「あっ、お前……。」
総「~~~~~~~~っっ///」
龍「メガネとったら、やっぱりチョー美人だったぞ?」
総「なっ、何言ってやがるんでさぁ!」
龍「バレバレだから。兄ちゃん舐めんな。」
総悟が龍になだめられ落ち着いたところで、土方と近藤が心配する。
土「で、本当にたいしたことねーんだろーな?」
龍「大丈夫だって。」
近「無理するんじゃねーぞ?」
龍「おぅ、ありがとな。」
そんな男子たちの会話を理解出来ない女子たち。それでも、なんとなく聞けない雰囲気だった。
ケンカをすることはあっても、掴みかかった所は初めて見た兄弟喧嘩。いつも冷静な土方の焦った声。心から心配する近藤。
そんな女子たちの雰囲気を読み取ったように、龍は笑って、
龍「とりあえず帰ろーぜ。総悟、お前神楽のことおぶってやって?」
神・総「はぁ!?」
龍「俺、今日は銀子と帰るから。」
総「……ちっ、仕方ねーな。」
すぐに承諾したのには、やっぱり色々想うことはあるんだな、と笑う龍。
神楽をおぶって帰る総悟。
土方とミツバ、近藤と妙の4人。高杉とまた子の2人。それぞれまとまって帰っていく。
龍「帰るか。」
銀「うん……。」
それぞれの帰り道。
~新・登場人物~
銀魂高校剣道部 マネージャー
・3年
→眞鍋 彩(まなべ あや)
→川上 舞(かわかみ まい)
→笹倉 梓(ささくら あずさ)
→笹倉 翼(ささくら つばさ)
・2年
→咲田 沙也加(さきた さやか)
→佐久良 桃(さくら もも)
→吉沼 葵(よしぬま あおい)
→渡邊 朋(わたなべ とも)
養護教諭→月詠
剣道部3年生→蒼センパイ