《銀子side》
龍「…………。」
銀「…………。」
無言の帰り道。龍と帰れるのは1時間歩いて着く、私の家まで。
銀「(こういう時って、どうやって切り出せばいいんだろう!?やっぱり、質問したの私だし、私から!?)「なぁ。」……!?なに…?」
葛藤していると、話しかけてきたのは龍だった。
龍「その……さ、剣道部のマネージャー入ったんだな。」
銀「そりゃあ、龍がいると思ってたから。」
龍「……悪かった。」
銀「別に。龍がいなくても、剣道を見るのは好きだし続けるけどね。」
そんなことを言いたいんじゃないのに……、何故か口が動いてしまう。
龍「そうか……。よかった…。」
銀「……よかったの?」
龍「そりゃあ、銀子は剣道部に必要なマネージャーだと思うし、銀子の剣道見てる時の顔、スッゲェ幸せそうだからな。」
銀「…………。」
再び訪れる沈黙。
龍「……銀子??」
龍は、私のことを1番に考えてくれている、私のことを見ていてくれている。すごく嬉しい、嬉しいけど……
龍「銀子、言いたいこと言っていいよ。俺、ちゃんと答えるから。」
銀「ーーーーーーーーっっ!!どうして剣道やめちゃったの?どうして言ってくれなかったの?何があったの?私は聞いちゃダメなことなの?それから……っっ!!」
言葉が溢れた。龍が優しいことに乗じて、強い言葉をぶつけてしまう。そんな自分が嫌になる。
龍「……それから?」
銀「…………何でもない。」
その先は言えなかった。
龍はそれを問いただすこともしないで、
龍「銀子に言えなかったのは、余計な心配かけると思ったから。受験期に邪魔できねーと思った。俺が剣道やめたのは……、…俺の身体が壊れたから。」
銀「壊れた……??けが……したの??」
龍「違うよ。ん……?違うのか?まぁ、けがなんだけど……、多分銀子が思ってるようなけがじゃない。」
銀「……。そのこと知ってるのって、誰なの?」
龍「総悟、土方、近藤、それから高杉。後は中学ん時の顧問の長谷川、保健室の月詠。
想像以上に知ってる人が少なくて驚くと同時に、
銀「女の子で知ってる人いないの?」
龍「いねーよ。銀子が知らないのに、他の女子に言うわけねーだろ。」
他の女子が知らないことが嬉しかった。
銀「そっか……、剣道嫌いになったわけじゃないんだよね?」
龍「今も好きだよ。」
銀「わかった。ならいーや。」
龍「えっ……、なんで壊れたのか聞かねーの?」
……そりゃあ、聞きたい。もっと詳しく知りたい。でも……
銀「龍が自分から言うまで待つ。まだ言いたくないんでしょ?」
ほんとに……、ほんとに少しだったけど気づいた。
自分の身体が壊れた、って言う時に少しだけ間があった。やっぱり、まだ言いたくないことなんだな、って思った。
龍「あー、銀子には叶わねー。」
銀「一応、3年彼女やってるからね。彼氏のことなんて、お手のもんですよ。」
あれからもう3年……。中学1年の時に初めて出会って、付き合って…。……って、あれそういえば今日って、、、。
龍「銀子、こっち向いてよ。」
銀「何?」――――チュッ
龍「3年記念日。今日だろ?」
そうだ。今日は、それがあって朝から楽しみだったんだ。
銀「~~~~~~~~~~っ///!!龍のせいで忘れてた。」
龍「俺のせいなのっ!?」
銀「そうだよっ!!もー!!」
怒るなって、なんて言いながら帰る道。あぁ、また一緒に過ごせるんだ、って思ったら嬉しくなってにやけてきちゃった。
龍「銀。」
突然、呼ばれて驚いた。銀っていうのは、龍がたまに呼んでくれる呼び方。
龍「3年も一緒にいてくれてありがとう。4年目も、5年目も、この先もずっと好きだから。ずっと一緒にいてください。」
突然の告白。めったに動揺しない龍の顔が真っ赤。聞いてる私も多分真っ赤。
銀「ありがとう。毎年言ってくれて。」
龍「……約束だからな。」
付き合う時に、龍とした約束。毎年、記念日に告白して欲しい。
最初は、付き合ってるのにまたすんのかよっ!?、って突っ込まれてたけど、1年目から結局言ってくれた。
去年もそれを言いに、わざわざ家まで来てくれた。
龍「約束だし、銀子への愛を確かめれるだろ。まぁ、確かめなくても明らかだけどな。」
銀「そんなこと言いながら、真っ赤にならないでよ。」
どっちも真っ赤になって歩く帰り道。後10分くらいで着いてしまう。
もっと話したい。もっと色んなことを聞きたい。
龍「明日から、もっとたくさん話そうな。帰り、待ってるから。」
銀「へっ!?」
龍「一応、3年彼氏やってるからな。彼女のことなんか、お手のもんだよ。」
あー、私の方こそ龍には叶わない。
そんな龍だから、きっと色んなことを話せるし、聞けるんだろうな。
だからなのかな?聞いちゃった。
銀「ねぇ、私に会えなかった1年で可愛い子とか見つけた?」
龍「……いるわけねーだろ。」
私の彼氏はこんな事がすんなりと言えてしまう、完璧な彼氏なんです。
龍「あぁ、それがさっきの質問の、それから、の後か?」
人の心も完璧読めてしまう、困った彼氏なんです。
龍「じゃあな、銀子。また明日。」
ここから龍は1時間半かけて家に帰る。
さっきあんな事をすんなりと言われてしまったからだろうか。
もう言っちゃえ!って感じだったのか。
銀「龍!!」
龍「??」
銀「いつか、同じところに帰りたい!!」
龍「はぁ!?」
銀「じゃあね、おやすみっ!!」
龍「えっ、ちょっ……!!銀子!!」
大好きです、あなたが。
私の言葉は、あなたにどんな影響を与えていますか?
すこしでも驚いてくれてますか?
あなたの言葉は、私に爆弾を投下していってます。
龍「最後のは、反則だろ……。」