もう一つの約束   作:ピーナ

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エピローグは短いです。


エピローグ 音楽は未来へ

「優が大好きな千早の歌、あの日約束した私の曲と千早の歌、楽しんでくれた? 私としてはかなり良い出来だったんだ。紅音さん、私をこの世界に連れてきてくれた人にも褒められたし。また。機会が有ったら千早の、いや、今の千早の周りの仲間たちの曲も作りたいな。それも楽しみにしててね」

 

千早が歌を取り戻して少しした頃、私は千早の為に作ったあの曲『約束』を765プロに届けに行った帰りに会った千早のお母さんに教えてもらって、優のお墓参りと報告をしに来た。

そういえば、他の人に曲を書くっていうのは初めての経験で、紅音さんにも言わずに勝手にやったんだった。まあ、権利云々は紅音さんと765の社長さんが話し合って解決したみたいだけど。紅音さんが「今度から、色々な人に曲書いてみましょうか? いい経験になるわよ~」と乗り気だったので、私の職業に作曲家が増えそうだ。後、千早の劇的な復活とその後の雑誌の取材で私の名前が出たので私の今まで出したものがリバイバルしてるらしい。印税入ったら765の皆誘ってご飯食べに行こう。

 

「それじゃ、今度は千早と一緒に来るよ」

 

帰ろうとしたら、霊園の入口に千早が居た。……優、さっき言った事、すぐに実行に移せそうだよ。

 

 

 

あの後、Uターンして、二人で優のお墓参りを終えて、私達は近くの喫茶店に入った。二人ともコーヒーを頼んで、来るのを待つ。……言いたい事はいっぱいあるんだけど、何から話そうかな? こう面と向かってというのは中々難しい。

 

「奏音、曲、ありがとうね」

 

そう千早から切り出してくれた。

 

「どういたしまして」

「……スランプだって聞いてたけど、どうやってあそこまで良い曲を書けたの?」

「春香ちゃんを始めとした765の皆の書いた詞と昔の私が書いてた曲のお蔭だよ。それが無かったらあの曲は出来なかった。今の私はそれを纏めただけだよ」

 

こういうのはあんな事が有った後だからどうだと思うけど、『約束』はあのタイミングだったから書けた曲だと思う。千早と私が歩んできた道が交わって、それまでの私達が歩んできた道のお蔭で生まれた曲。私はそう思う。

 

「昔書いてた曲って、あの約束の時の?」

「……覚えててくれたんだ。そうだよ。だから、曲名もストレートにしたんだ」

「そう……」

「それにね、約束の中には優も居るんだよ」

「どういう事?」

 

私はテーブルにある紙ナプキンを一枚取り出し、『YAKUSOKU』と書いた。

 

「ローマ字で約束って書くとこうなるでしょ? それをこうすると……」

 

そこからいくつかの文字の上に×印を付ける。すると、

 

「ね、約束の中には優が居るでしょ」

 

紙の上の文字は「Y××U×××U」。曲名を考えていた時に候補として約束はトップに有ったんだけど、この言葉遊びを見つけて、決めた。千早がこの曲を歌い続ける限り、優は見ていてくれる。私はそう思う。

 

「本当にありがとう」

「はは、お礼二回目だよ。それに私さっき勝手に優と約束しちゃったんだ」

「何を?」

「機会が有ったら765の皆の曲も作りたいって」

「素敵な約束ね。私も楽しみだわ」

「それを現実に出来るように頑張らないとね」

「私達も目の前の事を一つ一つこなしていかないと。とりあえずは765プロとしてのニューイヤーライブを成功させないとね」

 

ニューイヤーライブのチケットは取れたから、今から楽しみだ。

 

「それと、私はニューヨークでレコーディングもあるし」

「……マジで!?」

 

いきなりの事だからびっくりした。海外でのレコーディングの話が来るなんて千早の歌が評価されてるっていう証拠だと思うけど、復帰したばかりだし、大丈夫なんだろうか? 心配だ。

 

「本当よ。約束のレコーディングの時にソロアルバムをあっちでレコーディングしないかってレコード会社の人に言われてね」

「そうなんだ。良いな~海外旅行か~」

「一応仕事よ? 楽しみではあるけれど。奏音は外国行ったこと無いの?」

「無いよ。3年前にチャンスはあったんだけどね。タイミング悪く風邪ひいちゃって。お父さんとお母さんが夫婦水入らずで行ってきたんだ」

 

丁度叔母さんがコンサートツアーを終わらせたばかりで充電期間だったから、私の面倒を任せて二人は行った。結婚した時忙しくて新婚旅行出来てなかったって言ってたから、丁度良かったと思う。

 

「お土産よろしくね」

「何か見繕ってくるわ」

 

 

 

千早と別れた帰り道、私は一人ゆっくり歩いている。

今の千早は本当に柔らかくなったし、その影響か歌の表現力もまた一段と増したと思う。きっとこれからも素敵な歌を歌い続けるだろう。ファン第二号として楽しみにしつつ、音楽に携わる者として千早に私の作った曲を歌ってもらいたいな。この気持ちは千早だけじゃなくて他の765プロのアイドルの子達皆に持っている物だけど。

 

「よし、帰ったら作るぞ~!」

 

気合を入れてさっきより速いペースで道を歩く。とりあえず、次は私の曲を作ろうかな。うん、今ならいい曲が出来そうだ。




ここまでお付き合いいただきありがとうございます。


この作品は僕が劇場版アイマスを見るためにその前の年の年末にアニメ版アイマスを見直した時にふと、「約束って歌詞は皆で考えたって描かれているけど、曲の方はどうしたんだろう?」と思った事が切っ掛けでした。その時はこんな感じかなとぼんやり想像しただけで形にはしませんでしたが、去年の再放送で書いてみようと思い、今回投稿するに至りました。本当は去年の10周年中に仕上げたかったのですが仕上げられず、結果的にちーちゃんの誕生日に投稿することになりました。
実は最初考えていたのは男性主人公だったんです。だけど、なんか違ったので女性にして書き直したという経緯があったりします。
最後の方に行っている約束の中に優がいるっていうのは偶然だと思いますけど、この曲名を考えた方が「お姉ちゃんが大好きな優君がいつでも千早のそばに居れるように」と思っていたら素敵だなと思います。


この作品はこの三話で終わりです。
しかし、劇場版やデレアニで僕が書きたいと思ったら書くかもしれません。
また、この作品の続きか別作品かお会いできたら嬉しいですし、その時はよろしくお願いします。では、また会いましょう。
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