ウルトラマンレオ   作:桂ヒナギク

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第14話:本来の世界線

 ゲンはおももの宿屋に戻ってきた。

「お帰りなさい」

「ただいま」

「それで、何か収穫は?」

「ああ。彼はもう一人の僕っていったところだろうか」

「え?」

「僕、この星の人間じゃないんだ。L77っていう、もう一つ……あ!」

「何、どうしたの!?」

「この時代なら僕の故郷はまだ残ってる! 行ってくるよ!」

 ゲンは宿屋を飛び出す。

「待って! どこ行くの!?」

 おももが追いかけてきた。

「レオ──ッ!」

 ゲンはレオに変身した。

「ダア!」

 空へ飛び上がり、そのまま宇宙空間に出ると、L77へ向かう。

(あった!)

 獅子座にL77を見つけると、レオは惑星に降り立った。

「懐かしい」

 レオはゲンの姿になる。

 刹那、兵士たちがゲンを囲んだ。

「そこのお前、何者だ?」

「僕はレオだ」

「何? 怪しいやつめ」

 ゲンはお城の玉座へ連行された。

「アストラ王子! レオ王子を名乗る人物を連れてまいりました!」

「ご苦労」

 下がる兵士。

 アストラと呼ばれる人物は、ゲンを観察した。

「指輪。本物のようだけど……」

「アストラ、僕だ」

 ゲンの顔に、レオの顔が重なる。

「本当にレオ兄さんなのかい?」

「ああ」

「黙って出て行くから心配したよ! どこで何を?」

「確かに僕はレオだが、もう少し先の未来から来たんだ」

「未来?」

「ああ」

 ゲンはこれまでの経験をアストラに話した。

「そう。そんなことが」

「せっかく、過去に来たんだ。L77があると思って来てみたけど」

「そっか。兄さんの時代だと、この星はないんだね」

「ところで、父さんたちは? 母さんにも会いたいな」

「何を言ってるんだい? 父さんも母さんも亡くなったじゃないか」

「え?」

 ゲンはアストラが何を言っているのか理解できなかった。

(僕の世界では、父さんは生きてる)

 その時、兵士が飛び込んできた。

「アストラ王、大変です!」

「どうしたんだい?」

「城下町でダークレオが暴れています!」

「ダークレオ?」

「レオ兄さんの格好をした黒いウルトラマンだよ!」

 アストラは城下町へと駆けていった。

「アストラ!」

 ゲンも後を追った。

 城下町では、ダークレオが家々を破壊していた。

 アストラがウルトラマンとなって応戦する。

「レオ──ッ!」

 ゲンもレオに変身した。

「何者だ貴様!」

「我はダークレオ。破壊の神だ」

「破壊神……だと?」

「全て破壊してやる」

 ダークレオが光線を放った。

 レオとアストラは咄嗟に避けた。

「アストラ!」

「はい、兄さん!」

 レオとアストラが合体光線、ウルトラダブルフラッシャーを放つも、ダークレオのバリアで防がれてしまう。

「そんなものは効かない」

まずは貴様から──と、ダークレオがレオにキックを浴びせてきた。

 ダークレオキック!

 レオは攻撃をかわす。

「当たらなきゃ意味がない!」

 レオは反撃した。

 レオの攻撃が決まり、後退するダークレオ。

「なかなかやるな。その体、欲しくなった」

「なんだと?」

 ダークレオがレオの懐に潜り込む。

「……!?」

 ダークレオがレオの体内に入り込む。

「ぐっ!」

「兄さん!」

「ぐっ! うわああああ!」

 レオの体が黒く染まり始める。

 そこへ、もう一人のレオが現れた。

「覚悟は決まったよ」

 二人のレオの体が白く輝き始める。

「何!?」

 と、ダークレオ。

「やめろ! 貴様がこいつの元に戻ったら!」

 レオともう一人のレオの体が重なり始める。

「やめろー!」

 ダークレオの叫びも虚しく、レオともう一人のレオは一つになった。

 レオの脳裏に、レオたちの父親であるアルス王の死のビジョン、アストラとの生き別れの映像がよぎる。

「こ、これは……?」

「これが僕の本来の記憶。君は異世界に解き放たれた精神だけの存在だったんだ」

 もう一人のレオがそう答える。

「うおおおお!」

 レオは叫び、元の赤い姿に戻った。

「やっと元に戻れたね」

 と、もう一人のレオの声が聞こえる。

「ダークレオとは何者なんだ?」

「ダークレオは、本来の僕の中にあった闇の力さ。ある時、ジュダに精神を分裂させられ、同時に解き放たれたダークレオは、ジュダの手先となった。でも、もう大丈夫だよ。僕と君が戻ったから、ダークレオも」

「こっちが本来の世界線なのかい?」

「うん。地球にあるタイムホールを通って、元の時代に戻ろう」

 レオはアストラに別れを告げ、地球に向かう。

 地球に着いたレオは、タイムホールを抜けて、元の時代に戻った。

 その時代には、百子も、カオルもいなかった。

 残っているのは、トオルただ一人。

 その他は、深山家の人々。

 ゲンは、それを知ってショックを受けるのだった。

 

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