ゲンはおももの宿屋に戻ってきた。
「お帰りなさい」
「ただいま」
「それで、何か収穫は?」
「ああ。彼はもう一人の僕っていったところだろうか」
「え?」
「僕、この星の人間じゃないんだ。L77っていう、もう一つ……あ!」
「何、どうしたの!?」
「この時代なら僕の故郷はまだ残ってる! 行ってくるよ!」
ゲンは宿屋を飛び出す。
「待って! どこ行くの!?」
おももが追いかけてきた。
「レオ──ッ!」
ゲンはレオに変身した。
「ダア!」
空へ飛び上がり、そのまま宇宙空間に出ると、L77へ向かう。
(あった!)
獅子座にL77を見つけると、レオは惑星に降り立った。
「懐かしい」
レオはゲンの姿になる。
刹那、兵士たちがゲンを囲んだ。
「そこのお前、何者だ?」
「僕はレオだ」
「何? 怪しいやつめ」
ゲンはお城の玉座へ連行された。
「アストラ王子! レオ王子を名乗る人物を連れてまいりました!」
「ご苦労」
下がる兵士。
アストラと呼ばれる人物は、ゲンを観察した。
「指輪。本物のようだけど……」
「アストラ、僕だ」
ゲンの顔に、レオの顔が重なる。
「本当にレオ兄さんなのかい?」
「ああ」
「黙って出て行くから心配したよ! どこで何を?」
「確かに僕はレオだが、もう少し先の未来から来たんだ」
「未来?」
「ああ」
ゲンはこれまでの経験をアストラに話した。
「そう。そんなことが」
「せっかく、過去に来たんだ。L77があると思って来てみたけど」
「そっか。兄さんの時代だと、この星はないんだね」
「ところで、父さんたちは? 母さんにも会いたいな」
「何を言ってるんだい? 父さんも母さんも亡くなったじゃないか」
「え?」
ゲンはアストラが何を言っているのか理解できなかった。
(僕の世界では、父さんは生きてる)
その時、兵士が飛び込んできた。
「アストラ王、大変です!」
「どうしたんだい?」
「城下町でダークレオが暴れています!」
「ダークレオ?」
「レオ兄さんの格好をした黒いウルトラマンだよ!」
アストラは城下町へと駆けていった。
「アストラ!」
ゲンも後を追った。
城下町では、ダークレオが家々を破壊していた。
アストラがウルトラマンとなって応戦する。
「レオ──ッ!」
ゲンもレオに変身した。
「何者だ貴様!」
「我はダークレオ。破壊の神だ」
「破壊神……だと?」
「全て破壊してやる」
ダークレオが光線を放った。
レオとアストラは咄嗟に避けた。
「アストラ!」
「はい、兄さん!」
レオとアストラが合体光線、ウルトラダブルフラッシャーを放つも、ダークレオのバリアで防がれてしまう。
「そんなものは効かない」
まずは貴様から──と、ダークレオがレオにキックを浴びせてきた。
ダークレオキック!
レオは攻撃をかわす。
「当たらなきゃ意味がない!」
レオは反撃した。
レオの攻撃が決まり、後退するダークレオ。
「なかなかやるな。その体、欲しくなった」
「なんだと?」
ダークレオがレオの懐に潜り込む。
「……!?」
ダークレオがレオの体内に入り込む。
「ぐっ!」
「兄さん!」
「ぐっ! うわああああ!」
レオの体が黒く染まり始める。
そこへ、もう一人のレオが現れた。
「覚悟は決まったよ」
二人のレオの体が白く輝き始める。
「何!?」
と、ダークレオ。
「やめろ! 貴様がこいつの元に戻ったら!」
レオともう一人のレオの体が重なり始める。
「やめろー!」
ダークレオの叫びも虚しく、レオともう一人のレオは一つになった。
レオの脳裏に、レオたちの父親であるアルス王の死のビジョン、アストラとの生き別れの映像がよぎる。
「こ、これは……?」
「これが僕の本来の記憶。君は異世界に解き放たれた精神だけの存在だったんだ」
もう一人のレオがそう答える。
「うおおおお!」
レオは叫び、元の赤い姿に戻った。
「やっと元に戻れたね」
と、もう一人のレオの声が聞こえる。
「ダークレオとは何者なんだ?」
「ダークレオは、本来の僕の中にあった闇の力さ。ある時、ジュダに精神を分裂させられ、同時に解き放たれたダークレオは、ジュダの手先となった。でも、もう大丈夫だよ。僕と君が戻ったから、ダークレオも」
「こっちが本来の世界線なのかい?」
「うん。地球にあるタイムホールを通って、元の時代に戻ろう」
レオはアストラに別れを告げ、地球に向かう。
地球に着いたレオは、タイムホールを抜けて、元の時代に戻った。
その時代には、百子も、カオルもいなかった。
残っているのは、トオルただ一人。
その他は、深山家の人々。
ゲンは、それを知ってショックを受けるのだった。