ウルトラマンレオ   作:桂ヒナギク

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第08話:子グマと牛

 MAC基地。

 ゲンが基地の外を窓越しに見ている。

「隊長!」

 居眠りしていたダンが、ゲンの元へ移動した。

「仲間喧嘩でしょうか?」

「……………………」

「助けてやりましょうか?」

「いや、我々の任務は地球の防衛だ。他のことで動くわけにはいかん」

 戻ろうとするダン。

 ゲンは再度ダンを呼んだ。

「隊長!」

「ん?」

 窓越しに外を見るダン。

 宇宙空間で二つの球体が地球へ向かっていく。

「全員出動!……というところだが、我々二人だけか」

「マッキー二号を用意します」

「うん、こっちは自動に切り替えておこう」

 二人はマッキー二号で、地球の、北海道に降り立った。

 草原をレーダーで調べる。

「隊長、こっちから怪獣反応が」

「こっちもだ。二手に分かれよう」

 ゲンはダンと別れ、別行動を取った。

 途中、雨に濡れて、林の中で少年と出会った。

 少年が、ゲンに葉っぱの傘を渡した。

「でも、君だって」

 少年は去る。

「待ってくれ! 君の名前は?」

 去り際に少年は、「ボック」と名乗った。

 雨が止み、ゲンはダンと合流した。

「隊長、そっちはどうでした?」

「収穫なしだ。そっちは?」

「ボックという少年に会いました。これをもらいました」

 ゲンは葉っぱの傘を見せた。

「ボック? 昨夜、落下したのはボックだったのか?」

「知ってるのですか?」

「ああ」

「地球に害は?」

「ボックは小熊座に住んでいるおとなしい怪獣だ。小さいから子どもに姿を変えている。ボックがいるということは、もしかするともう一つはドギューかもしれん。宇宙の嫌われ者だ」

「地球に害は?」

「ドギューならありうる。マッキー二号に戻ってパトロールだ」

 二人はマッキー二号に戻り、北海道上空のパトロールをした。

 その後、一夜にして、牧場の牛、養豚場の豚などが、全て殺されるという怪事件が起こった。

 ゲンとダンは牧場でクマを見ていた。

(ん?)

 ゲンがボックに気付く。

「隊長、ボックです」

 ゲンはボックを差し示した。

「ボック!」

 ダンがボックに歩み寄った。

 続いてゲンがやってくる。

「ボック、昨日は傘をありがとう。それで、ドギューの行方はわからないのかい?」

 頷くボック。

 と、そこへ。

「いたいたいた! あの子どもだ!」

 ハゲ頭にヒゲを生やした男が、数人の村人を連れてやってくる。

「どうしたんですか?」

()ではMACらしいが、怪獣について調べに来たんだろう? その子どもが怪獣なんだ」

 ダンがボックを見ると、ボックは首を横に振るって否定する。

「MACだろうと何だろうと構うものか! やっちまえ!」

 ボックは逃げ出した。

 後を追う男たち。

 林の中で、ボックは男たちを撒く。だが。

 突如、ボックの前に男が現れた。

 男は斧でボックを襲う。

 銃声と共に男の斧が吹っ飛ぶ。

 ゲンだった。

 ゲンの後ろには村人たちが。

「待て! 勝手な真似は(ゆる)さん!」

 男の前にダンが現れる。

「セブン、こいつがドギューだ!」

「追い詰められてとんでもねえこと言い出した!」

「太え野郎だ!」

 村人たちがボックに迫ろうとする。

「待て!」

 ゲンが村人を止める。

 ダンは杖から白煙を出して男に浴びせる。

 男は牛型の怪獣・ドギューに姿を変えた。

 ゲンは村人たちを避難させる。

 一方で、ダンがマックガンでドギューを牽制する。

 そこへ戻ってくるゲン。

「ゲン、頼むぞ!」

 ゲンは頷く。

「レオ──ッ!」

 ゲンはウルトラマンレオに変身、巨大化した。

 レオは圧倒的なパワーでドギューを追い詰める。

 だが、ドギューも負けじと、反撃してレオの目を潰した。

「ぐっ!」

 視界を失うレオ。

 ボックは地面に咲いていた黒百合の花を二本、ドギューの目に向かって投げる。

 茎がドギューの目に刺さり、ドギューは視界を失った。

 レオはボックの指示でドギューの位置を捕捉して攻撃を浴びせる。

 そして最後は、お得意のレオキックでとどめを刺した。

 レオはゲンの姿に戻った。

 

 

「ボック、どうしても故郷に帰るのかい?」

「うん」

「僕は獅子座から来たんだけど、ここはいいところだ。よかったら君もここに」

「ううん」

「そっか。また遊びにおいで。いつでも待ってるから」

「うん」

 ボックはゲンとダンと向かい合う。

「レオ!」

 と、ボックがレオへの変身ポーズを取る。

 三人とも笑い出す。

「シュワッチ」

 ボックが空の彼方へ飛んでいく。

 

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