ミズガルズの精鋭、ハルケギニアへ行く   作:MP5

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 トキオ
 元豪族のカースメーカーの少女で、シンセングミ三番隊副隊長
 暗い見た目に合わず心優しい一面を持つ
 実は脱ぐと胸がある


六話  シンセングミの本領

 少し事件が起きた。ハジメ達の行動をかぎ付けてルイズが引きとめようとしてきたのだ。空を見上げると

「確かに明るすぎるか、ギーシュの稽古の後で行くか」

「そうじゃないわよ!だいたいギーシュに勝ったくらいで喜んじゃだめよ!」

「アホか、あのくらい一番浅い樹海のラフレシアと同じくらいだ。トライアングルかどうか知らんが、多少強くなったからって氷竜ぐらいになるわけないだろうが」

「貴族殺したら罪に問われるわ、しかもその逆は咎められないのよ!?」

「そうか。だったら改革ついでにミンチにしてくるか、なぁトキオ」

「呪言の耐性がない人多いから、大丈夫だと思う」

「それにな、あくまで俺達は仮使い魔だ。アンタが黙っていれば問われることは一切ない」

「だから同行厳禁。いいわね?」

 呪言なしでも有無を言わせなかった。

 

 

 

 夕方、しかも太陽が沈みかける時間帯。シルフィードに乗って屋敷に向かったハジメ達。ここでもトラブルが発生した、なんとギーシュが同行させてほしいと願い出たのだ。許可する条件としてマント及び杖を外し剣だけで戦うこと、面具をつけることを付きつけた。

「タバサ、高く飛ばして合図を待ってくれ。トキオは後衛、俺とギーシュは前衛で戦う」

 シルフィードから降り、堂々と正面から現れると、玄関先で使用人であろう二人に止められる。用件を聞かれたが、言葉の前に使用人の頭を掴み、互いに頭突きさせた。気絶したところを見計らい正面から入っていく。

「まぁ敵がわんさか出てくるよな」

「任せてハジメちゃん」

 トキオは大雷光の術式を使い、敵を一掃してみせた。本来ならアルケミストのスキルだが、グリモアのおかげで使えるようになっている。

「え?トキオさんはメイジなのかい?」

「グリモアスキルよ、カースメーカーは属性攻撃を使えない」

「乗り込むぞ、準備はいいな?」

 ここからが荒唐無稽の活躍だった。次々に迫り来るメイジや傭兵達が二人を前に倒れていく、ハジメはグリモアスキルのゲイルラッシュを使い、トキオは呪言と大雷光の術式で一掃していく。平民の彼らが桁違いの強さだと、活躍できてないギーシュは思った。

「気配がする。ここだな」

 ハジメが扉を蹴り破ると、そこにほぼ全裸のシエスタと寝巻き姿のみすぼらしい中年オヤジがいた。

「テメェがモットだな。その子を返してもらおうか?」

「ご、護衛はどうした!?」

「あの木偶の坊達なら今頃爆睡してるぜ、主が休みくれないから寝てるんだと」

 氷雨丸を抜き、逆袈裟無しで上段の構えを取る。殺す気満々だった。シエスタは隙を見てこちらに駆けてきた。

「波濤の二つ名を馬鹿にしおって、この私が直々に殺してやる!」

「威勢はわかった。だが、杖が無いぞ?」

 モットは辺りを見渡すと、自分の股に杖が落ちていることがわかった。しかし、腕が動かない。

「腕は封じたわ。あとは恐怖に包まれて」

 呪言を唱え、モットを恐怖のどん底に突き落とすと、今度は自らを裁することを命じ、完全にコントロールを奪った。カースメーカーの本領は相手を恐怖に包み相手を制することだ。

「もういいぞ。あとは俺がこいつをバラバラにする。ギーシュ、彼女を別室へ」

 無双の構えを取り、すでにボロボロで満身創痍のモットに、刀を振った衝撃波、地走撃から立て続けにツバメ返し・最後は月影でしめるブシドー最大奥義、無双連撃を放った。一瞬でバラバラになり、面影の一切を消した。切り口は凍っていて血が流れいなかった。

「よし、正面から出るぞ」

 合図の狼煙を上げ迎えを呼んだ。幸いシエスタは疲れて眠っており撤退は楽だった。

「これでいい。塵は塵へってもんだ」

「ですが兄貴、バレませんか?」

「大丈夫。バレてもお前らに迷惑かけないさ、それよりも・・・なんでシエスタの乳揉んでんだ?」

「え?あ、その・・・」

 ハジメの拳骨がギーシュの頭に落ちる。

「全く、次やったらモンモランシーに言いつけるぞ」

「へ・・・へい」

 こうして、シエスタ奪還作戦はモット死亡によって幕を下ろした。後にわかったことだが、生き残った者達は一斉に口を閉ざし、別々の仕事場へと散っていったらしい。そんななか、宮廷にいた一人の男は襲撃した人間の正体を掴んでいたが、王家の方針により口に出さなかったという。

 

 

 

 

 朝に帰還したハジメ達はシエスタを医務室のベッドに運ぶ。

「これで解散だ、ギーシュは急いで戻れ。タバサは・・・好きにしろ」

 廊下を歩いていると、向こうから慌ただしく駆けるコルベールを見つけた。

「どうした、何があった?」

「土くれのフーケが盗みに入ったらしくて、宝物庫に向かっているんです!」

「教師は集合ってとこか」

「実は目撃者にミス・ヴァリエールとミス・ツェルプストー、ミス・モンモランシがいます。彼女達はもう来ていると思いますから、仮とはいえ来てください!」

「・・・休めねぇのかよ」

 一難去ってまた一難。ハジメ達は走りながら事情を聞く。どうやらルイズとキュルケは自分達がいない時に魔法の練習をしていたところでゴーレムを発見、偶然近くにいたモンモランシーも加わって戦ったものの、力及ばず盗まれたらしい。

「先生、アンタやっぱただ者じゃない。走りながら説明なんてできないぜ」

 宝物庫には教師一同と目撃者達が集まっており、そこでは教師同士の責任の擦り合いが繰り広げられていた。ハジメはそのような空気が嫌いであり、氷雨丸を抜き冷気を放った。

「冷静になれ、いい歳こいた大人が醜いぞ」

「き、貴様侮辱する気か!?」

 不気味な雰囲気の若い男がハジメに突っかかってきた。しかし、幾度もなく喧嘩を売られた経験があった彼にとって涼しいものだった。

「黙れ。生徒が見ている側で醜く争うな、今回は当直が誰であれ教員全員に責任がある。それともなんだ、俺と殺し合うか?」

「ひぃ!」

 少々殺気を放っただけで怖気づく男を見てため息を吐く。

「ジジイ。今回の件、俺が買って出る。俺について行きたい奴だけ挙手、いないなら一人でも行くぞ」

「じゃが、ワシらの面子も考えて欲しいのう」

「・・・ちっ、なら一人だけ選んでやる」

 ハジメが指したのはメガネをかけた若い女性。彼女はロングビルと名乗り、オスマンの秘書であった。

「ジジイの秘書だろ、文句ないな?」

 オスマンはうなずく。その後挙手したのは予想通りルイズにキュルケにタバサ、彼の相棒のトキオ。

「コルベール、ちょっといいか?」

「なんでしょう?」

 ハジメは耳打ちで考えをコルベールに伝える。

「よし、これから宝物を奪還しに行く。集合場所は昼間校門だ、準備は怠るなよ」

 一同にそう告げると、ハジメとトキオは去って行った。

 

 

 

 

「兄貴、どうでした!?」

「気にすんな。また厄介事を請け負っただけだ」

「昔から変わらないね、ハジメちゃん」

 食堂で大量の飯を食らうハジメ。

「お前は別働隊として、俺達を追跡しろギーシュ」

「と、言いますと?」

「今回の件、お前の倍のサイズのゴーレムを使うメイジが絡んでいる。コルベールと一緒だ、不安にならなくてもいい」

「いや、それは大丈夫ですが、また剣ですか?」

「今回は渡した剣と杖で行け、戦闘はなるべく避けろ」

「わかりました、それと今回はこれ持って行ってください」

 渡されたのはデルフだった。曰く、先日の事件で置いてけぼりされたことを根に持っているとのこと。

「仕方ない、辞書替わりに使おうと思ったが、予備の刀としても使おう」

 最後の一切れの肉を食べ終えると、デルフを背中にかけ、校門へと向かった。この判断が後に正しかったことを未だ知らない。




 ハジメを知っていた謎の人物。何者なのかは、また今度ということで
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