「それにしてもさ~戦車を探さないといけないなんて私、聞いてないよ」
俺の隣で武部さんは愚痴を言っている。それもそうだ戦車はすでに用意されてるって思ったんだけど
「まさか戦車が一両しかないだなんて…」
「秋葉さん」
「西住さん、どうしたの?」
「秋葉さんも戦車道にたずさわっていたんですね」
「正確に言うと母さんがやっていたんだ。それで小さい頃にりっちゃんと一緒に学んだんだ。昔、有名だったんだよ。秋葉流って」
「そうだったんですか…あの、秋葉さんは流派を継ぐ事にプレッシャーとかいやな気持ちをもった事ないんですか?」
「う~ん、母さんは無理矢理継がせようとはしなかったな。母さんは『自分のやりたい事をしなさい。もし、それが戦車道ならば私が協力してあげる』って言われたよ。まぁ、西住さんの所とは全然違うんだよ」
「………」
「それに秋葉流は母さんの代で終わったんだよ」
「秋葉さんとりっちゃん先生が継がなかったからですか?」
「ううん、違うよ。母さんね人を守るために戦車道で事故にあったんだ…その時まだ俺は産まれてなかったんだ。だから、母さんの代で終わったんだ」
「秋葉さんのお母さんは周りから何も言われなかったんですか?」
「当初は言われたみたいけど。母さんはそんな事、気にしなかったみたい。それに母さんは『戦車道は皆を笑顔にする物。それが出来ない流派なんて廃れて当然』って言ったらしいよ」
「皆を笑顔に…」
「それは自分も含めてだよ。後、母さんは自分のやった事に誇りをもってた」
「……」
西住さんは下を俯いている。
「ごめんね、辛気臭くなって」
「いえ、その、私が変なことを聞いてしまって…」
西住さんのシュンってなっている姿を見て、俺は西住さんの頭の上に手をのせて、ゆっくり撫でる。
「あ、秋葉さん…」
「あぁ、ごめん。あ~西住さんって昔のりっちゃんに似てるんだよな~」
ついつい癖で頭を撫でてしまう。
「私とりっちゃん先生が似てるんですか?」
「うん、似てる。恥ずかしがりやで引っ込み思案で自分の意見もあんまり言わなくて悩みを一人で抱え込んだりしてさ」
「悪い所が似てたんですね」
「いや、いい所もすごく似てる。優しい所とか仲間思いの所もそして、人の痛みを分かる所とかがすごく似てるんだ」
話しながら俺は西住さんの頭をゆっくり撫でる。
「だからかな、西住さんほっておけないんだよね」
それにちょうど頭が撫でやすいところにあるんだよね。
「いいな~みぽりん。秋葉さんに頭撫でてもらってるよ~私もやって欲しいな~」
「沙織さん、今は戦車を探している所ですよ」
「それならみぽりんにもそれを言ってよ~」
「みほさん、秋葉さん、それくらいにしてはどうでしょうか?」
「あはは、ごめん、ごめん」
俺は西住さんの頭から手を離した。それにしても……
「どうして、駐車場に来たの?」
俺の質問に武部さんが答えてくれた。
「だって戦車って車に似たようなものでしょ?」
「それは違うと思うな~」
そもそも、こんな人目につきやすい場所だったらすぐに誰か気づくと思うな…
「え~じゃあ、どこにあるの~?!」
「人目につかない所だと思う。例えば山の中とか」
「えぇ~山の中まで行くの!」
「これはあくまでも例えだから」
「でも、行かないといけないですよね」
「そうですわね。もしかしたら、あるかもしれないですわね」
西住さん達と会話をしていたら、どこかから視線を感じた。俺は周りを見渡す。あそこの木の裏からだ。
「そこにいるのは誰だい?出ておいで」
「……見つかってしまったでありますか」
木の裏から少し変わった口調で話をする女の子が出てきた。
「西住さん達の知り合い?」
「違いますわ」
「私も知らないです」
「私も分かんないかな」
「自分の名前は秋山優花里であります」
秋山さんは敬礼をしながら自己紹介をした。
皆さんどうも、ぱすてこです。今回やっとの事で秋山さんを出すことが出来ました~
このペースでとうこうしていければいいなと思ってます。