昨日はとうくんにも戦車道に協力してもらうこともできたし、後は西住みほさんだけだ。今日は大洗の子達に知ってもらうためにオリエンテーションを行うのだ。もちろん私も顧問として仕事をしているのだ。
「角谷さん、準備できたよ」
「ありがとうございます」
準備が出来たことを伝え、角谷さんがオリエンテーションを始める。内容は戦車道の映像と戦車道についての話を10分そして最後に角谷さんが戦車道をとれば凄い特典をプレゼントすると伝え、終了した。
…………
西住さん戦車道、取ってくれるかな?私はさっき教室でどの必須科目を取るのかのアンケートを集め、集計していた。
「鈴音先生、西住ちゃんはどうでしたか?」
「ちょっと待ってね、あった…」
私は西住さんのアンケートを見る。そこに書いてあったのは戦車道ではなく書道の方に丸をつけていた。やっぱり戦車道は取らなかったな。角谷さんも西住さんのアンケートを見る。
「…先生、今から西住ちゃんを生徒会室に呼びます。鈴音先生も来てください」
「角谷さん、無理矢理はダメだよ」
「……話をするだけです」
角谷さんは職員室を出ていった。大丈夫かな?私は生徒会室に向かった。向かっている途中、角谷さんが校内放送で西住さんを生徒会室に呼び出していた。
……
「失礼します」
しばらくして、西住さんが生徒会室にやって来た。その後ろから武部沙織さんと五十鈴華さんも入ってきた。
「あー!りっちゃん先生どうしているの!?」
「私は戦車道の顧問だから。それよりどうして武部さんと五十鈴さんもここに来たの?」
「私たちはみぽりんを生徒会から守るために来たの」
「西住さん一人だと無理矢理、戦車道に入れられると思いまして」
「嫌だな~私は西住ちゃんと話をしたいだけだから」
「話ですか」
「そう、どうして戦車道取ってくれないの?」
か、角谷さん直球過ぎだよ。
「それは…私は戦車道をしたくないんです」
「みぽりんがやりたくないって言ってるんだからそれでいいじゃん」
「そうですわ。無理矢理させなくてもよろしいのでは?」
二人の意見はもっともだ。でも、どうしても西住さんには戦車道をとって欲しい。
「りっちゃん先生はどう思ってるの?みぽりんに無理矢理、戦車道させようとするの?」
「私は西住さんの意見を尊重するよ」
私の発言を聞いた武部さんは安心した表情になる。
「そっか~りっちゃん先生は味方だ~」
「でもね、私はね西住さんには戦車道をとって欲しいんだ」
「どうしてですか?」
西住さんは恐る恐る私に訪ねてくる。
「私、西住さんのファンなの。だから、一緒に戦車道をしたいんだ」
「そ、そうなんですか…」
「西住さんが出てる試合は全部見てたよ。だから、何となくだけど西住さんが戦車道をしたくない理由も分かるんだ」
西住さんの表情が暗くなり俯いた。いい機会かも西住さんに伝えたいことがあるんだった。
「西住さんは勝ちより命を選んだ…凄い人だよ。私には到底真似出来ない。私はそんな、西住さんと一緒に戦車道をしたい」
「私は凄くなんか…」
首を横に振りながら西住さんは答える。そっか、西住さんは自分のやった行動に自信が持てないんだ。
「西住さんは間違ってなんかないよ!それだけは言えるの」
「ふふっ」
あれ?私、何かおかしな事言ったかな?
「ごめんなさい。その、昨日も同じことを言ってくれた人がいたんです」
誰だろう?
「あの、私…やります」
「「えっ?」」
「戦車道やります」
角谷さんはイスから立ち上り西住に近づく。
「西住ちゃん、ホント?」
「…はい、やれるだけやってみようと思います」
「西住さ~ん~」
私は嬉しくなって西住さんに抱きついた。身長差があって西住さんが私を抱いてる様に見えるけど、まぁ、気にしない♪
「ありがとう、西住さん」
「大袈裟ですよ。りっちゃん先生」
「「(りっちゃん先生可愛い)」」
「私とした事がごめんね。いきなり抱きついて」
西住さんから離れる。が、西住さんは何か残念そうに私を見ていた。