不本意ながら奴隷を買うことになった《凍結》   作:こめぴ

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今回は短め


第25話「純白の世界」

ジン様のお屋敷の召使としての私の朝は5時から始まります。6時に起床、それから着替えたり顔を洗ったりした後に朝食の準備といった具合で朝は過ぎていきます。

もう私はちゃんと6時に起きる事ができます。

最初の頃は寝坊が多かったですね。わざわざメアさんが起こしに来てくれたりしました。言い訳をさせてもらうと今までの寝たことも少ないし、寝たというよりは気絶が多いので慣れてなかったのです。

 

話が逸れました。

 

今日もきちんと6時に起きる事ができました。

 

「ふぁ」

 

自然とあくびが出てしまいます。もう冬なので朝はかなり寒いです。

布団から出たくないです。ずっとぬくぬくの布団にくるまっていたいです。でもそういうわけにもいかないんですよね……。

 

とりあえず上半身を起こしますが、まだ眠く意識がはっきりせず、ぼーっとしてしまいます。

体をぐーっと伸ばすと眠気が覚めていく感覚がしました。

眠気も覚めたのでベットから降り、カーテンを開けに窓へ向かいます。

 

なんだか今日は異様に寒くないですかね?昨日も一昨日もこんなに寒くはありませんでした。

思わず身を震わせてしまいます。

 

とりあえずカーテンを開けてしまいましょう。

 

 

「わぁ」

 

カーテンを開けるとそこに広がっていたのは別世界。本当に別世界にきたようなような錯覚に陥りました。

窓から見えたのはいつもの景色とはまったく違う、純白の世界でした。

レンガで造られた家々の屋根も、昼間は人で賑わっているあの通りも、緑豊かなあの公園も、どこもかしこも真っ白になっていました。

 

窓を開けると今まで感じたことのないほどの冷気が一斉に私の部屋に飛び込んできました。

 

「きゃあっ」

 

寒いし、ビックリしたのでベットに飛び込んで布団を被りました。な、なんであんなに寒いんですか?今にも凍えてしまいそうです。

 

布団を体に巻きつけたまま、また窓に近づきました。そうでもしないと寒くて近づけませんしね。窓を開けて見える景色は窓越しに見えた景色とはまた違うように感じます。なんとなく空気が澄んでいるように思います。それに太陽の光が雪に反射されてキラキラ輝いているのがまた綺麗です。

 

いつものいろんな色がある街並みもいいですが、こういうのもまたいいですね。街が白く輝いている姿はどこか神々しさすら感じました。

 

 

 

 

「アイラちゃん?どうしたの?」

 

「え?」

 

「もう7時よ?全然起きてこないから心配できたの。」

 

7時!?私は1時間も外見てたんですか。

 

「すいません。外を見ていたら時間を忘れてしまい…。」

 

「外?ああ…。」

 

メアさんは外を見た後納得したように息を吐いた。

 

「アイラちゃん、雪は初めて?」

 

「雪?雪とはなんですか?」

 

「ああ、やっぱり初めてなのね。あの外に積もってるのが雪よ。」

 

「あれが雪……」

 

 

「そんなことより早く来て。もう朝ごはんの時間。アイラちゃん来ないからもう作っちゃった。」

 

「す、すいません!」

 

そうでした…。もう7時という事はご飯は作り終わっている時間なわけで。

 

申し訳なくなって私は勢いよく頭を下げた。

 

「いいのよ、その代わり他で今日は働いてもらうから。」

 

「はい!」

 

返事をして部屋から出て行ったメアさんに続いて食堂に行った。

 

 

 

「遅かったじゃないか。」

 

食堂に着くともうジン様を含め数人が食べる準備万端で座っていました。

なんだか私が皆さんを待たせたようで申し訳ないです。いや実際待たせてるわけですが。

 

私もメアさんも席に着き、準備ができたことを確認した後、みなさん食べ始めました。

 

「アイラちゃんが初めての雪に見とれてたんですよ。」

 

「そうかアイラは雪は初めてか。ならしょうがないな。」

 

しょうがないとはなんでしょう。やはりあれは誰にとっても綺麗なものなんでしょうか。

……あ、このスープ美味しいです。

 

「それに今日はとくにキレイに積もっていましたしね。」

 

「雪が降っているところも見せてやりたいよ。あれも綺麗だからな。」

 

そっか。積もるという事は降ってくるんですね。あの白いものがそのまま降ってくるのでしょうか。見てみたいものです。

 

……やっぱり皆さんのご飯は美味しいですね。

 

 

「なら今日は外で遊びませんか?アイラちゃんも一緒に。」

 

「いい年した大人がか?それに仕事あるだろう。」

 

「速攻で終わらせます。アイラちゃんも興味あるでしょ?」

 

「まあ、少しは……」

 

「……まあ、たまにはいいか。その代わり、仕事はちゃんとしろよ?」

 

「わかってますよ。」

 

 

なんだかジン様がものすごいお父さんみたいです。メアさんもなんだかんだで子供っぽいところありますよね。あの二人は主人と召使というよりは親子のように感じます。

 

 

ご飯を食べ終わり、各々仕事に向かいました。

私もいつも通りに仕事をしていましたが、

 

「何してるのアイラちゃん。そんなペースじゃ外に遊びに行けないわよ?」

 

という一言とともにメアさんは私の仕事を奪って速攻で終わらせてしまいました。

メアさんどれだけ遊びたいんですか。

 

 

 

「さあ、ジン様終わりました。外に行きましょう。」

 

「本当に終わらせたのか。まあいい。俺も約束したからな。行くか。」

 

ジン様は呆れた顔をしながら椅子から立ち上がりました。

周りにはメアさんを含めた仕事をさっさと終わらせた人たちがいます。意外にも外で遊びたいと思った人は多く、十人くらいいます。

もっと意外だったのはバーリルさんがいたことです。てっきり興味ないかと思ってました。

 

「ま、俺もたまにはいいかと思ってな。」

 

バーリルさんはこう言っていました。

 

 

 

「じゃあ行こうか。」

 

さて、雪で遊ぶとはどのようなことなんでしょう。楽しみです。




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