不本意ながら奴隷を買うことになった《凍結》   作:こめぴ

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今回も短いです


第26話「how to play」

 

「流石に寒いな。」

 

「まあ、雪が積もったんですからね。」

 

確かに寒いです。朝ほどではないですけどね。0度付近ではないでしょうか。吐く息が白くなる程度には寒いです。放っておくと手がかじかんできそうです。

 

「じゃ、後は自由な。」

 

ジン様のその声で皆さんの雪の方へ向かって行きました。みなさんメイドと言っても年齢はバラバラです。メアさんのように20代と成人している人もいれば、10代後半の人もいます。まあぶっちゃけてしまいますとメイドのような住み込みで働いている人はみなさん貧しい人が多いので学校なんてそんな言っている人が少ないんですよね。

まあ、私ほど年が低い人はいませんが。

 

そんなお年頃の方々は普段から仕事なので娯楽があまりまりません。なので今回はここぞとばかりに楽しみたいようでかなりテンションが上がっています。

かくいう私もテンションは上がっております。

 

恐る恐る雪を触ってみました。初めてはいつでも緊張するものです。

 

「冷たっ」

 

かなり冷たいですね。まるで氷を触っているような……なるほど、これは氷ですか。ならこの冷たさも納得です。

氷ということは……

 

「アイラちゃん。言い忘れてたけど氷汚いから食べちゃダメよ?」

 

………食べようとなんてしてませんよ?ええ。これは匂いを嗅ごうとしただけです。

 

雪をつかんで顔の近くまで持ってきていた手を離しました。

 

 

 

さて雪で遊ぶと言われても私は雪を見たのは今日が初めてなわけで、遊び方も何も知らないのです。なので周りを見てみます。

 

みんないろんなことをしているんですが、ほとんどの人が雪を転がしています。あれ楽しいんですか?

 

「メアさん。」

 

同じくコロコロしているメアさんに声をかけました。

 

「それは何をしているんですか?楽しいんですか?」

 

「これはね、雪だるま作ってるの。こうやって転がして大きくして、もう一つ作って重ねて、顔を作って出来上がり。」

 

私の眼の前で実際に作ってくれました。できたのはだいたい高さ1メートルくらいの2段の何か。そこに石やらどこから持ってきたのかわからない人参とかで顔を作り、木の枝で手を作りました。

確かにダルマのような形をしてますね。どこか可愛らしさを感じます。とくに石?で作られた目がつぶらで可愛いですね。

 

「楽しいというよりは、定番だからやってるってのもあるわね。もちろん大きくできたりすると楽しいけどね?」

 

メアさんは手で余分な雪を落として形を整えながら言いました。

 

定番なんですか。なら私もやってみようと思います。

 

 

 

「よいしょ、よいしょ。」

 

これは、なかなか、力がいりますね。小さいうちは楽でしたが、大きくなるにつれて雪がブレーキになってなかなか進まなくなりました。やるからには大きいのを作りたいので頑張ります。

 

うん、初めてにしてはうまくできたのではないでしょうか。自分の身長と同じくらいの大きさです。

 

せっかくだからメアさんに見せてあげましょう。

 

メアさんの方を見るともう一つ作ったらしく、私のより少し大きい雪だるまがありました。隣でメアさんが少しドヤ顔気味でこちらを見ています。

 

メアさん…大人気ないです。

 

なんかムカついたのでもう一つ雪玉を作りました。でもどうやって乗せましょうか。

 

…そうだ。

 

雪玉を持って。お、重い……。

狙いをつけて……。

 

「ほっ」

 

乗りました。まさか本当に乗るとは思いませんでしたが。

でもこれでメアさんより大きくなったはずです。

そう思いメアさんにドヤ顔を仕返しました。

 

メアさんは「そ、そんな……。バカな……」とでもいいそうな顔をして新しい雪だるまを作り始めました。でもメアさんには悪いですが、その張り合いに付き合う気はありません。

 

 

「他の皆さんはなにをしているのでしょうか。」

 

周りを見渡すとなにやらしゃがみこんで地面を見ているバーリルさんを見つけました。こちらに背中を向けているのでなにを見ているかはわかりませんが、すごく集中していることはわかります。

 

「バーリルさん?なにしてるんですか?」

 

「ア、アイラ?いや、別になにもしてないぞ?」

 

バーリルさんは体ごと振り返ってそう言いました。

 

あやしい。

 

「バーリルさん?背中になに隠してるんですか?」

 

「いや、別になにも隠してなんかいない。」

 

「じゃあそこからどいてくれませんか?」

 

「それは……」

 

「いいです。勝手に見ますから。」

 

「ちょ…アイラ待って…」

 

バーリルさんをかわして後ろに回りました。何か地面にありますね。これはなんでしょう。

 

楕円形ですね上から見ると。それの片方の淵の方に長細い葉っぱが刺さっていて、同じ側に石でできた目があります。

ああ、これはうさぎですか。

言われてみれば確かに特徴を抑えてますね。長い耳に小さくてつぶらな瞳。色も確か雪国のうさぎは白かったはずなので合ってます。

精密に作ってあるというわけではないのですが、それがまたかわいいです。

 

「うさぎですか?バーリルさん。かわいいですね。」

 

「かわいいか?アイラはうさぎ好きなのか?」

 

「かわいいので好きですよ。ぬいぐるみもありますし。あのつぶらな瞳とかモフモフしてそうなところとか好きですよ。」

 

「確かにかわいいよなぁ。でもこのあたりではいないからなぁ。いつか触るのが俺の夢で……はっ。」

 

「確かに触ってみたいですよね。絶対気持ちいと思います。」

 

「いや、違うんだ。別にうさぎが好きとかじゃなくてだな。」

 

?なにをそんなに恥ずかしがっているのでしょう。

 

「そ、それじゃ。俺もう行くから。楽しめよアイラ。」

 

バーリルさんはそれだけ言って立ち去っていった。

 

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