不本意ながら奴隷を買うことになった《凍結》   作:こめぴ

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また短い……
短いのばかりですいません、


第27話「決戦!」

バーリルさんが去ってから私は疲れたので皆さんが遊んでいるのを眺めていました。

ぶっちゃけ言うともう手がかじかんで痛いのです。だから休憩中なのです。

 

いつの間にやら人数がすごい増えてますね。一番最初は10人くらいだったのに今は20〜30人くらいいます。年相応に遊んでいる人もいれば、懐かしそうな顔をして遊んでいる人もいます。雪の上で走り回って追いかけっこをしている人がいれば、雪を投げ合っている人、先ほどの私と同じように何か作ってる人など色々います。この屋敷は自由ですねほんと。

遊んでいた私が言うことではないですが、よくもまあそんなに元気に遊べますね。寒いし、手が冷たいし大変です。

 

確かに雪で遊ぶのは楽しいですが、あの綺麗な景色を壊してしまうところは少し残念に感じます。

かなり積もったようでまだ土の茶色は見えてませんが、地面はボコボコしてしまっています。

 

 

ボスン

 

「つめたっ」

 

な、なんですか?いきなり後頭部に何かが当たりました。冷たい……ということは雪でしょうか。

 

振り返るとメアさんが笑ってました。どうやらメアさんが投げたようです。こちらを向いて笑っています

 

……なんかムカつきます。

よし、仕返ししてやりましょう。

 

さっき気づいたことなんですが、思いっきり雪を握るとカチカチになるんですね。それでカチカチにして……

 

「えいっ」

 

メアさんに投げました。

しかし私は失念していました。私がかなりの運動不足+経験不足ということを。投げるという動作をほとんどしたことがない人は投げると物凄い暴投をしてしまうわけで。私もその例に漏れず明後日の方向へ飛んで行きました。

 

いえ本当に明後日の方向ではありません。方向は合ってるんです。ただ高さが合ってないだけで。

 

私の放った硬い雪玉、というか氷はメアさんを大きく越して

 

「いってぇ!」

 

バーリルさんの頭に吸い込まれて行きました。

 

うわぁ。物凄い音がしましたよ今。バーリルさんは頭を抑えて唸ってます。痛そうです。まあ、作ったのは私ですが。

 

バーリルさんはこちらに振り返りました。

 

さて、投げたのは私ですが私とバーリルさんのちょうど中間あたりにメアさんはいるのです。だから

 

「おい、メア。お前か。」

 

メアさんが犯人扱いされるのは当たり前なのです。

 

「違いますよ。」

 

もちろんメアさんはいつもの無表情で否定します。

 

「嘘つけ。なんだかんだイタズラ好きなお前だろ。」

 

「それは否定しませんが、今回は違いますよ。」

 

バーリルさんは雪玉を準備し始めました。まあ、日頃の行いというやつですね。それでも雪玉を硬くしないあたりバーリルさんは優しいですよね。

 

「問答無用!」

 

バーリルさんは思いっきり投げましたが、やはり雪玉。あまり速度は出ません。メアさんは女性ですが身体能力は女性の平均より高いので軽々とかわしてしまいます。

まあ、メアさんからしたら自分は違うので当たるのもおかしな話ですよね。

 

避けられた雪玉はといえば、そのまま飛んで行き、別の執事の人に当たってしまいました。

 

「バーリルさん…。」

 

「まあ待て。悪かった。謝るよ。」

 

「………覚悟!」

 

「ちょっ。悪かったって!」

 

「いつもいつもこき使いやがって!」

 

「もっと休みをよこせ!」

 

「それ完全に私情じゃねえか!当ててないやつまで混じってるし!」

 

 

 

……………

 

 

そんなことの繰り返しで今は全員で雪合戦になってます。

 

最初は日頃の恨みを晴らすべく各々投げてましたが、今はメイドvs執事になっています。

 

 

「いつから女は男に負けると決めつけられてるの?さあみんな、目にもの見せてやりなさい。」

 

「「「おーー!」」」

 

「おいお前らあんなこと言われてるが悔しくないか?返り討ちにしてやれ!」

 

「「「うぉおおお!」」」

 

 

メイド陣の高い声が空にこだまし、執事陣の低い声が地を揺らします。なんだか皆さんすごい本気で雪合戦が本格的になっています。いつの間にか雪で壁がいくつか作られてますし、なんかA隊とかB隊とか聞こえてきますし。

私ですか?もちろん見学ですよ?あんなのについてけませんし。

 

戦況は五分五分といったところでしょうか。もともと人数がメイドの方が多いですし、メイドも運動ができる人が思いの外いたりして男女の身体能力差を埋めています。まあ、脱落とかなしでただ雪玉をぶつけ合っているだけですからね。

 

 

「アイラは参加しないのか?」

 

ぼーっと見ていたらジン様がやってきました。

 

「ついていける気がしないので。」

 

「まあ、確かにアイラには厳しいかもな。」

 

と戦場を見ながら呆れたように苦笑いしました。

 

「ジン様は参加しないのですか?」

 

「俺か?俺はあいつらの主人だからな。見守ってるんだよ。」

 

いや親じゃないんですから……。

 

「あいつらたまにあんな感じで暴走するからな。まともなやつがそばにいてやらないと「覚悟ー!」つめたっ」

 

話しているジン様に向かってあるメイドさんが思いっきり雪を投げました。顔面に直撃ですよ。

 

「………」

 

「ジン様?」

 

「ふ、ふふふ……いい度胸だな。」

 

ジン様は「ふふふ…」と笑いながら両手に雪玉を持って戦場へと歩いて行きました。この主人あってこの召使ありといったところでしょうか。

 

ついにジン様も戦闘に執事側で参加し始めました。

 

 

「ほら、アイラちゃんも。」

 

メアさんが雪玉を私に渡して行ってきました。

 

「えっと……」

 

「覚悟ーってあいつらにぶつけてやればいいのよ。」

 

「か、かくごー」

 

そう言って私は思いっきり雪玉を投げつけました。

 

 

 

 

 

今日は楽しかった。

 

あの後も色々ありました。

突如現れたお母さんが私に迫る雪をすべて弾いたりしてました。お母さん……達人ですか?

 

他にもいつの間にかマッド先生も参加していて、服だけが溶ける薬品を雪玉に染み込ませて投げてました。いうまでもなくメイドの皆さんの集中攻撃を受けてボロボロになってましたが。

 

本当に楽しかった。またやりたいものです。

 

 

 

ところで体が少し怠いのは気のせいでしょうか。

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