不本意ながら奴隷を買うことになった《凍結》   作:こめぴ

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初めてのアイラ視点。
描写ばっかりで人物の心情がかけない…


第5話「お風呂にて」

アイラ視点

 

どうも、アイラです。

 

このたびジン様に買ってもらいました。

買われた時、今回はどんなことをされるのか、すこし不安でした。

いままではひどいものでした。

お前につかうスペースはないと馬車に入れてもらえず、死に物狂いで走って付いて行ったこともありましたし、家に着いた途端に殴られたりしました。体に酸をかけられたりしました。熱せられて暑くなった鉄を肌に押し付けられたりもしました。扱いが犬同然のことなんてしょっちゅう。いや、犬よりもひどいかもしれませんね。

でもジン様はなにもしませんでした。

いままでに経験したことのない反応でした。

ですがそれだけでは私は信頼しません。いままでにも上げて落とすようなことはありました。

 

 

そう思っていたのですが…あの人の考えていることがよくわからなくなりました。

部屋や着替えを用意してくださいました。

わざわざ診察もしてくださいました。

私の症状が告げられた時、傷跡は消せないと言われた時見せたジン様のあの悲しそうな表情は偽物ではない。なぜかはわかりませんがそう思えました。

メルさんやマラードさんなど個性的な人もいましたが、誰一人として私を卑下しませんでした。

 

認めましょう。私はたしかにこの人たちに期待しました。いままでのご主人様とは違うのでは?あの地獄の生活から救ってくれるのでは?と。

でも思い出してしまいました。いままで期待しては裏切られたことを。次のご主人様は優しくしてくれるだろう。人として扱ってくれるだろうと。そのたびに裏切られてきました。

やはり私はそう簡単に信用は出来ないようです。

 

 

さて、今の状況です。

ジン様が私にお風呂に入るよう言いつけました。

たぶん今私は不思議そうな顔をしているのでしょう。

別にお風呂を知らないわけではありません。体の汚れを落とし、1日の疲れを癒すものと知識としては知っています。

でも今までお風呂に入るどころか近づく機会もなかったので見たこともないのです。

そんな私にとってお風呂とは知らない世界。まったく実感がわかないのです。お風呂とは「入る」ものということすら初めて知りました。

 

そんな私にジン様はメアが教えてくれるといってメアさんといっしょに風呂場に行かせました。

 

どうやら異性の裸というのは軽々しく見てはいけないものらしく男女別になっているようです。そこにも疑問を覚えてしまいます。毎日のように男性に裸を見られていた私の今までの生活は異常だったのでしょうか。

そんなことを考えているうちに浴場についたようです。

 

 

浴場に行く前に更衣室に行きました。どうやらお風呂というのは水を使うらしく、濡れてしまうので服を脱ぐんだとか。

メアさんはこんななにも知らない私を邪険にしたりせず丁寧に教えてくれました。

メアさんの裸を見て素直に綺麗だなと思いました。

シミひとつない純白の肌、くびれたウエスト、豊満な胸。俗に言うボンッキュッボンッというやつなのでしょう。

改めて私の体を見てみます。

平ら、平ら、平らです。

スッスッスッです。傷跡も多くお世辞にも綺麗とは言えません。体型は成長するのでわかりませんが、傷はどうすることもできないのでしょう。メアさんにすこし嫉妬してしまいました。

奴隷の私がこんなことで嫉妬するなんておかしな話ですが。

 

 

服を脱いだ私は同じく服を脱いだメアさんについていきした。ドアについているガラスはなぜか白く濁っていて向こう側は見ることができません。初めてのお風呂ということで私にしては珍しく緊張してドアを開けました。

 

 

未知の世界に足を踏み入れ初めて感じたのは高い温度。

体にあの時押し付けられた鉄より温度は低いですが、いかんせん突然のことでしたので驚いてしまいました。

それに加え風呂場の床は濡れて滑りやすくなっていました。

結果

 

「きゃっ!」

 

と転びそうになっています。

転ぶ!と自覚し反射的に来るであろう衝撃備えて目をつぶります。

しかし、一向に衝撃は襲ってきませんでした。

 

恐る恐る目を開けると目の前にはメアさんの顔が。

どうやらわたしをすんでのところで受け止めてくれたようです。

 

「だいじょうぶ?怪我、してない?」

 

「だ、だいじょうぶです…」

 

心配されるなんて初めてのことですこしドギマギしてしまいました。

というかなんて男らしいのでしょうか。すこしドキッとしてしまいました。

 

「そう、ならよかった。風呂場の床はツルツルしてて転びやすいから気をつけてね?走ったりしちゃダメよ?」

 

相変わらずの無表情ですが、わたしを本気で心配してくれているのがよくわかりました。後半わたしにさとすときの言い方はあたかもお母さんのようです。

 

 

「アイラ、ここに座って。」

 

そう言われた場所に座ります。

 

目の前には鏡。またもや白く濁っています。

足元には3つのボトル。それぞれ「シャンプー」「リンス」「ボディーソープ」と書かれています。なにに使うんでしょう。

壁から筒のようなものが飛び出していて、その根元にはなにかひねるものがあります。

 

「湯船に入る前に体を洗うの。シャンプーで頭、ボディーソープで体を洗ってね。リンスはどっちでもいいわ。

あと、このひねりをひねるとここからお湯がでる。このお湯で石鹸を落としてね。」

 

一通り説明し終わって満足したのかメアさんはふぅとため息をひとつ。

 

 

しかしメアさんは自分の体を洗わずにじーっとわたしの方を見ています。

 

「……なんでしょう」

 

 

じっと見られるのにはある程度慣れていますが、意味もわからず見られるのはなんかその…気持ち悪いのです。

 

 

「アイラさん。洗いっこ、しない?」

 

 

 

「………はい?」

 

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