不本意ながら奴隷を買うことになった《凍結》   作:こめぴ

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第8話「ジン様お仕事なう」

アイラとメアが風呂に入っている間時間ももったいないので仕事でも進めるか。

 

 

いつも仕事をする場所に到着した。

今日は出かけていたので今日の分のノルマを終わらせるためにいつもより急いで進めないといけない。

 

仕事があるならなぜ出かけたのか?

本当は今日は出かけるつもりじゃなかった。

あの侯爵から誘いがあったから渋々出かけただけであって俺は別に休みってわけじゃない。

あいつも俺の予定も聞かずに呼び出すんだもんなぁ…。

ほんと上下関係辛い…。

 

頭の中であのデブを愚痴りながら仕事部屋の椅子に座ると、どこからか白猫がやってきて俺の膝に座る。

こいつの名前はハル。俺が一人暮らししてた時に拾ってきた猫だ。一人暮らしはなんとなく寂しく感じていたし、ご飯も食べれてなかったのだろう、ガリガリになっていたこいつを見捨てることができなかった。

そんなこいつが今では食べては寝て食べては寝てのぐうたら生活を送っている。

ちなみに俺の膝の上がこいつの定位置である。

 

閑話休題

 

今日の分を取りかかろうとするが

 

「やってある…。」

 

ほとんどすべての仕事が終わっているのだ。

いや、全てではない。サインとか俺にしかできないことや、俺にしかわからないことはやってないが、それ以外は全部終わらせてある。

もちろん俺にやった記憶はない。

こわいわ。

だが、なんとなくあいつかなってのはある。

 

「バーリル。今すぐ俺のところに来い」

 

そう壁に備え付けてある管の集まりのようなものに声をかける。

これは拡声器を応用したものだ。この管1本1本が屋敷中に張り巡らされていて、放送もどきみたいなことができる。

 

コンコン

 

早いよ。まだ呼んでから30秒くらいしか経ってないよ。

まあいつものことだからいまさら驚きはしないが。

 

「いいぞ。入れ。」

 

「失礼します。」

 

入ってきたのは20〜25くらいのスーツを着た少し強面の男。

髪はオールバックできめていてメガネをしている。

もともと目つきが悪いのを治そうとかけたらしいが、さらに悪化して下手なマフィアよりきつい目つきになっている。

 

「ジン様、何かご用でしょうか。」

 

「いやご用でしょうかじゃないよ。お前また俺の仕事勝手にやっただろう」

 

「何か不備がありましたでしょうか。それともご迷惑でしたか?」

 

「いや、どこも不備はないし、よくまとめられてる。資料だって種類別に整頓されてるし。それに仕事を手伝ってもらえるのは正直助かる。だけどなぁ…。」

 

「だけど?」

 

「せめて一言言ってくれ。なんか…その…こわい。いつの間にか仕事が終わってるとかなんかこわいんだよ。

それに、すごく申し訳ない。お前だって自分の仕事あるだろ?」

 

「わたしがやりたくてやっていることなのでお気になさらず。自分自身の仕事にも支障をきたしてはいません。」

 

「いやたしかにお前はそれができるだけの能力があるけども…。」

 

「わたしはジン様のお役に立ちたい一心でございます。」

 

「まあ、うん。それはすごく嬉しい。主人として部下からこれだけ信頼されてるのはな。でもな、正直に言おう。

 

暇なんだよ俺が!

逆に何か仕事がほしいくらいだ。

だから、すこし自重してくれ。」

 

「はぁ…。わかりました。」

 

「いいよどうせまたやるんだろ?何回注意したと思ってるんだ」

 

「そんなことよりジン様。奴隷を買われたそうで。」

 

完全に話しそらされたな。

 

「まあ、たしかにな。ていうかどこで聞いた?」

 

「屋敷で噂になってますよ。

なんでまた?」

 

「あの侯爵に買わされたんだよ」

 

「またあいつですか。

 

 

……あの豚野郎。いつか然るべき報いを……」

 

そういうバーリルの顔はお子様には見せられない顔になっていた。

 

「丸聞こえだから。小声で言ったつもりだろうけど丸聞こえだから。

ていうかなにもするなよ?俺のことを考えてるならな。」

 

「…わかっています。」

 

本当にこいつは…。

ここまででわかったと思うがこいつはかなり俺に忠実だ。

俺の害になるやつを潰そうとする。潰そうと思うだけならまだいいが、こいつには実際にできてしまう能力があるからまたやっかいだ。ちなみに潰すとは物理的にということだ。

ここまで慕われることをした覚えはないんだがなぜかここまでになってしまった。

 

「その奴隷がここで働くとなると、『アレ』があるので明日の予定はすべてキャンセルですね」

 

「まあそうだな。もはや恒例になってるし。ていうか奴隷って呼び方やめろよ?

名前はアイラだ。」

 

バーリルのいったあれとは、職場見学のようなものだ。

俺のところで働く以上俺の仕事は知ってもらいたい。その方が色々と都合がいいしな。

だから新しく来たやつには俺と職場を回るツアーをやることが恒例となっている。

結構場所が多かったり一つ一つが離れていることもあるので1日かかってしまうのだ。

 

「アイラ、ですか。了解しました。

ジン様がお付けになったんですか?」

 

「そうだが…変だったか?」

 

「いえ、いい名前だと思います。」

 

こいつはこういったことでは絶対に嘘やお世辞はいわない。

そんなこいつがそう言うんだからそうなんだろう。仮とはいえ変な名前つけたら申し訳ないしな。

 

「では明日の予定はすべてキャンセル、各職場に明日ジン様が訪問すると伝えておきます。」

 

「ああ、頼む。」

 




新キャラです。
でも紹介だけしておいて、今後出てこなかったりというのは十分にあり得ることなのでお願いします。

あとタグ募集。
なんかタグが寂しいので、いいタグないでしょうか。
あったらコメントでお願いします
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